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S5x15;Bash 感想

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yuifall.hatenablog.com

 カートとパパの絆に萌えつつも、あー、カートってまだ結婚って感じじゃないなーとも感じた回でありました。

 今までずっと感じてきてたことだけど、カートにとって世界で一番大切な人はまだパパなんだと思う。戦って強くいられるのはパパに守られてるといつも感じてるからだろうし、多分人生の最後に会いたい相手はパパなの。まだブレインとはそこまで行ってない感じがしました。逆にブレインは(親の影が見えないのもあるけど)カートしかいなくて、世界で一番大切な人はカートだし、死ぬ前に会いたいのもカート。だから何か愛情にすごく温度差がある感じがするんだよな。特にS5はさ。

 

 これはでもパパの気持ちすごく分かるな…。この子にはオハイオよりNYの方が生きやすいだろうって信じて、もう息子は戻ってこないんだって涙で送り出したのに、NYでこんな目にあってさ…。高校時代のいじめより酷いじゃないかってショックだし、息子が自分でそれに飛び込んでいったことへの怒りも抑えきれない感じ。もし殺されてたらって思うと死ぬほど怖いし、手元から手放した自分にも怒ってる。カートのしたことは馬鹿げてるとも思うけど、直前にレイチェルとあんなやり取りしたから自分に何かを証明したかったのかもな…。自分は安全地帯で生きてきたことなんてないって。ずっと戦ってきたしこれからもそうだって。

 

 でも、結婚するなら、その時一番そばにいるのはやっぱり配偶者だと思うよ。父親じゃなくて。ブレインからはそういう思いが読み取れたけど、カートからは読み取れなかった。どんな生き方、戦い方をするにしても、親元を離れて誰かと生きていく、その人に自分の一番そばにいてもらう、それが結婚じゃないのかな。これからS5最終話に向かってブレインとカートはすれ違ったりぶつかったりしながら愛することを選んでいくけど、まだカートの覚悟は結婚まで行ってないと感じた回でした。

 まーS6であっさり別れてるしある意味伏線なん(笑)?カートの緊急連絡先のNo1がブレインだったらしきことだけはほっとしたけど(笑)。

 

 レイチェルは相変わらずですね…。カートとレイチェルの友情大好きなんですが、レイチェルがファニーガールの主役に選ばれたあたりから、何でこいつと友達でいられるん?みたいな気がしないでもないです。その前のDivaエピソードでも調子乗ってたし…。基本いいことあるとすぐ調子に乗るじゃん…。めんどくさいわ。サンタナとのバトルにも巻き込まれるし。

 カートは、もともとパパに「お前にしかやれない役をやれ」って言われてるし、既存のミュージカルの役をもらいに行くことよりももっと総合芸術を学ぶことに意義があるって自分で分かってるんだと思うんですよ。だからNYADAで真面目にやってんの。これは逃げとかじゃなく、目標が違うじゃん。

 レイチェルはオーディションで既存のミュージカルの主演を取って活躍して、最終的には賞をもらうなり自分のための役を作ってもらうなりっていう、まあブロードウェイ女優としての普通の夢を追える人。でもカートは、既存の役はもらえない人。それが自分で分かってるからNYADAにいるし、レイチェルよりも前にすでにリスクを負って生きてる。これは、戦って証明しなくても分かるよ。分かってるよ。もうS1の頃からずっとそうだったもん。レイチェルはカートにあんなことを言うべきじゃなかったよ。彼の背景に何があるのか、どうしてそうせざるを得ないのか、分かってたら言えない言葉だと思う。

 最後和解してよかったけど、カートの気持ち考えるとつらいわ。このあたりのカートの気持ちは、最初から一緒にgleeでやってて、一番一緒に戦ってきたレイチェルに一番分かっててほしかった。ブレインとかパパよりも。どうしてこれほど才能があるのに、gleeでミュージカルをやるたびにカートは端役しか貰えなかったのか、大会でソロを歌ったことがないのか、歌姫対決で負けなくちゃなかったのか、全部全部中心にいたレイチェルには全く見えてなくて、まだ分からないんだ、この人は自分の親友のことをいつ分かるんだろうってすごく苦しくなった。

 

 やっぱりこの回を見ると、カートを恋愛担当キャラにしない方がよかったなって感じます。カートはS3のユニコーン回でもホイットニー回でもS5のケイティ回でも自分のアイデンティティに苦しんでて、今回戦って何かを証明しようとしてるじゃないですか。その先にあるのはやっぱり彼の夢で、それはパパに言われた『お前にしかできない役を作れ』ってことなんだと思うんです。そのことが今後うやむやになって、なんとなくブレインと揉めたりラブったり別れたりくっついたりしてるだけのキャラになってんの、違和感あるんだよー。レイチェルとバトりながら夢を追ってく展開の方がよかったなー。

 Klaineをメインで描くなら、パパよりブレインを頼って大事にする描写がないとちょっときついよ。。結婚はさ…。

 

 サムとメルセデスは、これは私には分かりにくい。黒人と白人が付き合うとなんで駄目なのか分からんもん。いや、何となくは分かるけどおそらく本当の意味で実感はできてない。サムが「今の時代は白人でストレートの男は生きづらいよ」って言うけど、確かに白人でストレートの男=強者って扱いだから逆にぞんざいにされちゃって、ホワイトプア層の拡大→レイシズムに発展、みたいな社会の縮図が…。NYにいるGlee部員で白人でストレートで健常の男(マジョリティ)って逆にサムだけだもんな…。そんで一番根無し草だし。

 でもサムが一番フラットな人格だよね。屈託がないせいかな。最初はクインと恋するけど、その後もあんまりタイプを選ばず恋愛を重ねるし、心の恋人はメルセデス(黒人)だし。カートやブレインとも最初から普通に付き合って、ブレインに恋されてもびびらないし。誰が誰を好きになっても「別にいいじゃん、何なの?」みたいなさ。私はサムのそんなとこが大好きです。

 

 ブレインが「付き合ってたっけ?」って驚くシーンあるけど、S3のホイットニー回でエマ先生に「あの2人は別れましたよ」とか言ってなかった?あとひと夏の恋の歌シーンでも男の子チームでサムの歌聴いてたじゃん…。ブレインの中であれはお付き合いにカウントされてないのか?夏休みの間ちょっと遊んでただけ的な?この人アーティとブリトニーの件も忘れてたし、他人の恋愛に興味ないのかも。

 あと面白かったのはブレインがサムにスターウォーズの二次小説読み聞かせしてるくだりかな(笑)。とんだオタクやな。fanfic.netかよ。ファンアートって言ってたけど、自分らも(リアルに)そういうことされてんの分かってやってんだろうなー。。なんつうか、踏み込んでくるよね(笑)。この2人の友人関係ってアホ可愛くて好きです。ブレインってこういうとこは普通の男の子っぽいんだよな。サムみたいな友達といるのが気楽で楽しいんだけど、カートみたいなめんどくさい美人に惚れちゃうっていう。

 

 パパがカートに「Look at your beautiful face」っていうシーン、字幕でも吹き替えでも「綺麗な顔だったのに」みたいな感じになってたけど、これって英語的な、真逆のことを皮肉的に言う表現じゃないの?お前の顔ひどいぞみたいなさ。まあ、それを踏まえたうえで綺麗だったのに今ひどいぞみたいなニュアンスなんでしょうか。でも、やっぱパパも思ってたよね…。綺麗な顔だってさ…。まあパパ的には死んだ妻の面影を重ねていたのかもしれません。死んでしまった美しい母親似の美青年ってとんだBL設定かよ。