いろいろ感想を書いてみるブログ

短歌と洋楽和訳メインのブログで、海外ドラマ感想もあります

読書日記 2024年4月17-23日

2024年4月17-23日

大倉崇裕『問題物件』

・ユッシ・エーズラ・オールスン(吉田奈保子訳)『特捜部Q カールの罪状』

・瀬戸夏子『白手紙紀行』

・ジャニス・ハレット(山田蘭訳)『ポピーのためにできること』

姫野カオルコ『リアル・シンデレラ』

・商業BL小説と漫画合計6冊

 

以下コメント・ネタバレあり

大倉崇裕『問題物件』

 これは…。ノリが合わなさすぎて最後まで読めませんでした。読んだタイミングもあるかもしれませんが…。設定からトンデモだし、探偵がチートすぎてなんでもアリなのでミステリの楽しみが全くなかった。不動産関係ミステリ好きなんだけどこれは完全にカテゴリ違いでしたね。ドタバタコメディでスカッとしたいなら楽しめるのかも?

 

・ユッシ・エーズラ・オールスン(吉田奈保子訳)『特捜部Q カールの罪状』

 デンマークを舞台にした警察ものミステリです。不可解な事件に巻き込まれて親しかった同僚一人を失い、もう一人はほぼ全麻痺になり、自分だけ無傷で生き残ってしまった警部補カールが主人公で、多分初登場時40代半ばくらいかなぁ。もともと偏屈なうえに腫れ物に触るような扱いされて居場所がなくなった彼が配属されたのが、デンマーク中の未解決事件を一手に引き受ける新部署「特捜部Q」、というところから始まります。助手として謎のアラブ人アサド、毒舌すぎるパンク女ローセ、ローセに夢中な若手ゴードンが加わっていくのですが、みんなキャラが濃くて笑えます。

 でもテーマはすごい重いです。

1巻『檻の中の女』;わりと正統派北欧ミステリかも。拉致監禁の話

2巻『キジ殺し』;格差社会の闇って感じ

3巻『Pからのメッセージ』;信仰によって隔絶されたコミュニティと小児虐待

4巻『カルテ番号64』;優生思想と強制不妊

5巻『知りすぎたマルコ』;難民問題

6巻『吊された少女』;新興宗教

7巻『自撮りする女たち』;生活保護社会保障

8巻『アサドの祈り』;テロリズム、引きこもり

9巻『カールの罪状』;暴走する正義、コロナ禍でのロックダウン

 デンマークの社会問題にもスポットを当ててうまくストーリーと絡めているので重いけど面白くて、キャラがいいので笑えるとこもあるしとても好きです。

 10巻で完結らしいです。最初カールが巻き込まれた事件が未解決で、ちょくちょく伏線張られてたんですけどついに9巻で大きく動いたので、この「未解決事件」が特捜部Qの手で解決して終わるんだろうなーと思って楽しみにしてます。

 

・瀬戸夏子『白手紙紀行』

 2~3回繰り返して読んだ。色々考えたので後日別に書き散らすかもしれないし面倒になってやらないかもしれないです。これは『現代短歌』の連載だったらしく、内容が万人向けではないためよく分かんないとこも多かったので。『BLとSF』に載ってた文章はわりと万人向けだったのでやっぱ読者層意識して書いてるのかなぁ。

 

・ジャニス・ハレット(山田蘭訳)『ポピーのためにできること』

 ジョセフ・ノックス『トゥルー・クライム・ストーリー』の解説で、“『ポピーのためにできること』形式“と書かれていたので元ネタを読んでみました。個人的には『トゥルー・クライム・ストーリー』の方が面白かったし読みやすかったですが、こっちもオチがかなりぞくっとしますね。複数の人間に結構派手な“秘密”があるのですが、そういうのよりも、普通の人が、自分でついた嘘を他人が言ったことだと信じ込んじゃうシーンがあって、そういうのがリアルな気がして面白かったです。多分自分もこういうことあるんだろうなと思った。

 

姫野カオルコ『リアル・シンデレラ』

 主人公の泉ちゃんがとってもいい人なので、『嫌われ松子』みたいにならないでくれー、と祈りながら読んだのですが、そういう話じゃなかったので安心しました。最近よく広告とかで見かける「ざまあ系」というか、虐げられていた私がスパダリに溺愛されて夫カードで召喚バトルみたいな話の真逆を行っており、泉ちゃんにはむしろとてもスカッとします。

 50年代~80年代くらいの話ですが、今の時代だったらアセクシャル、アロマンティックにカテゴライズされちゃう感じなのかな。両親が胸糞なんでそこはアレなんですが、「白馬の王子様」じゃない「誰かに幸せを運んできてもらう」って、こういう生き方、考え方もありなのかぁとなんかぐっときました。「自力で幸せになる」と力むんじゃなく。だって誰も一人で生きてるわけじゃないもんね。

 

・商業BL小説と漫画合計6冊

 積読消化まとめ読み続き。

・金坂理衣子『宝石紳士と甘い初恋始めました』

 受を女にしてTLでやればいーやんみたいな話だった。。スパダリ攻×(ちょっと頭の足りない)健気受の話だったので萌えという点では全然だったのですが、宝石の話が面白かったです。

・渡海奈穂『抱いてくれてもいいのに』

 これも健気受かぁ…と思っていたらすげー強くてポジティブだったので面白かったです。やっぱうじうじ系すれ違いはウザいので…。ストーカー問題がまさかの速攻解決で笑った。ストーカー先輩、ヤンデレ系当て馬かと思いきやキャバ嬢大好きノンケでとてもよい。

・上田アキ『ワンダー・ボーダー』

・上田アキ『オーバー・スコール』

・上田アキ『恋が落ちたら』

・上田アキ『恋が満ちたら』

 なんでまとめ買いしたんだったかなぁ…。絵はうまいんですが、個人的にはストーリーが好みじゃなかった。内容はそんな目新しくないし、とにかく女子が全員都合のいい女すぎだし、総ホモすぎ。魅力的な脇役が出てくる話に心惹かれるんですよね。しかも女子や普通のヘテロ男の友人など、決してスピンオフの主役になったりしないガチ脇役の人。まあこれは好みの問題であって、漫画としてはかなりしっかりしてました。

 

 今週は2次ばっか読んでた。