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読書日記 2024年3月20-26日

読書日記 2024年3月20-26日

辺見庸『自動起床装置』

・シャイデル・ウォルター(鬼澤忍、塩原通緒訳)『暴力と不平等の人類史―戦争・革命・崩壊・疫病』

マイケル・サンデル(鬼澤忍訳)『実力も運のうち 能力主義は正義か?』

・カール・ローズ(庭田よう子、中野剛志訳)『WOKE CAPITALISM 「意識高い系」資本主義が民主主義を滅ぼす』

広瀬隆『日本近現代史入門 黒い人脈と金脈』

二ノ宮知子『七つ屋志のぶの宝石匣』19-21巻

伊坂幸太郎『バイバイ、ブラックバード

伊坂幸太郎『フーガはユーガ』

伊坂幸太郎『死神の浮力』

・背筋『近畿地方のある場所について』

・澤村御影『准教授・高槻彰良の推察10』

 

以下コメント・ネタバレあり

辺見庸『自動起床装置』

「起こし屋」とかいう、会社で仮眠中の人を起こすバイトをしている主人公とその仲間が「自動起床装置」の導入によって仕事を失う話です。誰かを起こす仕事を「機械ではできない、人間でないと」と力説する聡の姿が滑稽で、多分AIの導入に反対する人とかも後から見るとそう見えるのかもしれないと思った。何で人間がやることに拘ってたんだろう?ってなるんじゃないかと。個人にとって大切なものが失われるとしても、社会は変わっていかざるを得ないのだろうと思います。もしも本当に機械に置き換えてはならない大切なものがこの世に存在するのなら、それは機械に置き換わりはしないんじゃないかなぁ。

 

・シャイデル・ウォルター(鬼澤忍、塩原通緒訳)『暴力と不平等の人類史―戦争・革命・崩壊・疫病』

マイケル・サンデル(鬼澤忍訳)『実力も運のうち 能力主義は正義か?』

・カール・ローズ(庭田よう子、中野剛志訳)『WOKE CAPITALISM 「意識高い系」資本主義が民主主義を滅ぼす』

広瀬隆『日本近現代史入門 黒い人脈と金脈』

 今回は『暴力と不平等の人類史』と『実力も運のうち』が初読で、『WOKE CAPITALISM』と『日本近現代史入門』は参照的に再読した感じです。案の定感想長くなったので後日記事出します。

 ところでこの本(『暴力と不平等の人類史』)、私の読書環境で1200ページあり(A5版だと736ページらしいです)、プロパーの価格で5940円するのですが、一体どんな人が買って読んでるんだろう。いや私も買って読んでるんですが、電子書籍のサイトが“高額本を思い切って買おう”セールしててかなり安くなってた時に買ったので…。大学の講義で使ったりしてるのだろうか?社会の不平等についての内容なんですけど、お金ないとこの本買えないじゃん…とか思いました。みんなセールで買ったのか。

 

二ノ宮知子『七つ屋志のぶの宝石匣』19-21巻

 21巻が出たので購入。いつも展開を忘れてるので数巻前から読み直してます。まだ何にも謎が解決してないので何とも言いようがないですが、多分完結まで買うと思う。

 

伊坂幸太郎『バイバイ、ブラックバード

 太宰治『グッド・バイ』のオマージュだそうですが、『グッド・バイ』読んだことない…。いずれ読むかも。ラストシーンがよかったです。なんやかんや繭美が好きだ。小説だとヴィジュアル的インパクトが少ないのも逆によいです。あと私は「あのバス」のことは分かんないままでいいと思う派です。

 

伊坂幸太郎『フーガはユーガ』

 切ない系伊坂テイストでした。『アヒルと鴨のコインロッカー』に似てるかな。フーガもユーガもワタボコリも好きだったので結末はちょっと悲しいですが読後感はいいです。

 

伊坂幸太郎『死神の浮力』

 死神シリーズの長編です。『マリアビートル』的な、胸糞悪い相手とのバトルです。この死神のキャラ笑えるよね。短編でも長編でも読者に主人公に感情移入させといて淡々と殺しちゃうとこ小説として好きだ。

 

・背筋『近畿地方のある場所について』

 なんか売れてるみたいなので買ってみましたが、パンチに欠けるホラーでした。オチもいまいち。都築響一の『夜露死苦現代詩』『独居老人スタイル』のがパンチきいてます。

 もともとはweb小説だったみたいで、タダで読める小説と考えればかなりクオリティ高いけど正直高い金払ってまで読むものでは…と思いました。でもこれヴォリューム的に同人誌だったら5000円とかするよね。作品に値段を付けるとはどういうことか…と根本的なことを考えてしまうよ…。内容は『新耳袋』(中山市朗、木原浩勝)を週刊誌風にしたもの+ちゃんねる系(オカ板)小説の合成版で、web小説っぽい既視感というか、一時期ハマってた某ジャンルの二次で“○○(ジャンル名)ホラー”というタグついたネタがpixivで横行してたのですがそんな感じだなーと思いながら読んだ。最後にイラストやヴィジュアル資料が載ってるんですがあまりにチープすぎてむしろ正気に返るよ…。てかそもそも大人が読むものじゃないのかもしれん。さっき「資料」って変換したら「死霊」って出たのでこのPCの方がよっぽど怖いわ。一度も「死霊」なんて言葉使ってないのになぜ予測変換の一位に来た…。

 

・澤村御影『准教授・高槻彰良の推察10』

 これは明るめ怪談+ミステリ&ホラーテイスト+ブロマンスみたいな感じのラノベですが、今までブロマンスの香りくらいだったのがいきなりBL臭漂わせてきました。といってもメインキャラではなくてモブ×モブですけど、一次二次問わずBL小説で見たことあるような展開じゃった…。さすがにこれは一般書ではあんま見たい展開ではなかったかも。あまりにも恋愛脳すぎんか。BL本なら許せても一般書ではちょっと承服できかねる。今回は怪談との繋がりも弱いしなー。ネタ切れか?もう10巻まできちゃいましたが、一体どうやって畳むんだ?