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「短歌と俳句の五十番勝負」感想40.歌う

「短歌と俳句の五十番勝負」 感想の注意書きです。

yuifall.hatenablog.com

転校の初日に前の学校の校歌をひとり歌わされたり (穂村弘

 

 これはエッセイによると実話だそうです。今そんなことさせる先生いないでしょう。ほらー、これが「社会の成熟」ですよ笑。

 

 引用しといてなんですが、この歌、シチュエーションとか気持ちとかが全部エッセイに書かれてしまっているので、それ以上解釈しようのない感じがします。

こんなことありうる?→実話です

なんの意味が?→知らんし、意味などない

この短歌自体が何かの暗喩なのか?→いや、実話です

という感じで、それ以上の理解ができない。もし解説がなかったらどう読んでいただろうか。

 

 すごい文化圏が遠いところだったら文化交流として面白いんですけどね。昔オーストラリアに文化交流に行ったとき、こっちは英語の歌を英語と日本語で歌い(Let It Goを原曲と「ありのままの~」の両方で歌う感じ)、向こうはWaltzing Matildaというオーストラリア人ならみんな歌えるという歌を歌ってくれました。外国の国歌とかだったら聴きたいよね。

 まあ、この歌の状況には当てはまらないし、「転校の初日」という知り合いがいなくて心細い状況かつ歌が好きかどうかも人前で歌うことに抵抗がないかどうかも分からない人に「前の学校の校歌」という誰も聴きたくないような歌を「歌わせる」という意味は全然分かりません。

 

「誰も聴きたくない」とか書きましたが、日本には面白い校歌もあるみたいですけどね。「面白い校歌」「イカれた校歌」で検索すると面白すぎて笑えました。

 

 ところで、50題の中で最も歌が作りにくかったのがこの回でした。すごくシンプルなお題なのですが、どうしても寺山修司

 

きみが歌うクロッカスの歌も新しき家具の一つに数えむとする

 

を連想してしまって…。

 そういえばこの歌の正式表記を忘れたのでググってみたら、「君の歌う」とか「君が歌う」とか「きみが歌う」、それに「数えんとす」「数えんとす。」「数えんとする」「数えむとする」が混在していて何が何だか分からなくなってしまった…。引用する時微妙にいい加減に書いちゃうことありますよね…。

 

 

日本語じゃ言葉と意味が近すぎて波間に歌う古いボサノバ (yuifall)