「短歌と俳句の五十番勝負」 感想の注意書きです。
なめくじにトマトケチャップかけてたらたしなめられて恋に墜ちたり (穂村弘)
これは俳句をとろうかかなり迷ったのですが短歌を。この題の俳句すごく好きです。
それにしてもエピソードを読んでいると実話なんだろうか??穂村弘のエッセイは、実話なのか妄想なのか判然としません。まあそこがいいんですけどね。末尾の対談で、「ちくわにチーズを挿入」の話を「珍しく実話」と書いているので、「なめくじにトマトケチャップ」は実話ではないような気もします。
内容としては、なめくじに塩だけではなくて砂糖や醤油、ソース、トマトケチャップをかけて溶けるのかどうか実験してみたら近所の同級生にたしなめられてその子を好きになってしまった、という感じですが、
今から考えてみると、この実験にはいろいろな問題点があった。
・残酷
・食べ物を粗末にしている
・気持ち悪い
とあって笑ってしまった後複雑な気持ちになりました。動物実験はだいたいそうですよね。まあ、気持ち悪いかどうか、粗末(無駄)にしているかどうかはともかくとして、残酷だし多くの試料を使います。
しかし、この実験デザインがよくないのか、と考えると、必ずしもそうでないような気がする。「トマトケチャップ」なんて、斬新でよいですよね。「マヨネーズ」とか、色々試してみたくなりますね。まあ「なめくじ」は倫理的にちょっと問題があるし、検体を集めるのも同一条件を保つのも実験前後の体積を測定するのも難しいので、寒天とかゼラチンではどうか。
とまあ色々考えてはみたものの、少年は「そんなことしちゃだめ」とたしなめてくれる優しくてかわいい女の子に恋に落ちるわけで、私の実験デザイン案などお呼びじゃないという結論になっちゃいますね。なめくじにトマトケチャップなんて発想が非凡でいいと思うけどなあ。それにしても今の時代、なめくじにトマトケチャップの研究デザインじゃ小学校でもクラス代表にはなれないかもしれん。倫理的に。
オンライン講義あなたの声をただ音符のように聴く たしなめて (yuifall)