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短歌と洋楽和訳メインのブログで、海外ドラマ感想もあります

05x13 - Return 0 感想1

 POI感想の注意書きです。

yuifall.hatenablog.com

 とうとうファイナルです。日本語タイトルは「正常終了」。正常終了…。そうなのか…。Wikiによると「ハッピーエンド」を示唆するタイトルであるらしく、確かに一見全員が自分の望みを叶えたようにも思えますけど、フィンチだけはどうかなぁ…。あれ、ハッピーエンドなのか?

 

 冒頭、S5E1のモノローグがルートの声で始まります。ここで、このモノローグはルートではなくマシンが話していたということが分かる作りになっているんですね。

「これを聞いているなら、あなたはひとりぼっち」

 これは、マシンがサマリタンとの戦いに勝って再起動された時に向けて、マシンが自分自身にあてたメッセージだろう。自分が一人きりで再起動することを見越し、S5E2のような混乱状態にならないために記憶を残そうとしていることが示唆されます。

 

 次に、フィンチが屋上にいるシーン。「そこにいるのか」と尋ねるフィンチに、マシンは「これは“今”なの?」と返します。Ice-9の感染がマシンにも及んでいることが分かる。このシーンでフィンチは銃を構えています。「私が銃を持つのは全てを失った時」と話していた彼が銃を持つことに、不安が募るワンシーン。更に、「あと8分半よ」「ジョンに起こったことは分かっているが、他のみんなは無事なのか」という会話から、この時点ですでにリースが死んでいるのでは、と思わせるような…。結末知ってても不穏に感じるスタートなので、これ、知らないで見たらこの段階でもう胃が痛くなりそう。。

「何か学んだことはあるか」とフィンチはマシンに尋ねます。「人はみな一人で死ぬということ」。マシンはそう答えますが、「これには続きがあった気がするのに、思い出せない…」と。

「死ぬときにこそその人がどんな人なのかが分かる」と話すマシンに、フィンチは言います。

「そうだろうな。では今君がどう思っているのか知りたいよ。今は今であると同時に、もう終わりなのだから」

 フィンチの腹にはべったりと血が…。あと8分半後に何があるのかは分かりませんが、リースを含めて全てを失い、撃たれたフィンチが全てを終わらせるためにここにいるのだ、ということが暗示される場面でした。

 

 次のシーンは、ショウがルートのお墓参りをしてる。「こういうのやっぱダメ」と立ち去ろうとするショウですが、墓が荒らされた痕跡を発見します。そこに初めてマシンがショウに話しかけます。「人工内耳を奪われたわ。彼女を火葬すべきだったんだけど、どうしてもできなかった」。ショウは「彼女の声にしたの」と驚きますが、こっちもびっくりだよ。火葬、そんなに残酷な行為みたいに思われてるんだ。いや、DNAとかは失われるかもだけど…。

(*キリスト教圏やイスラム教圏では、「最後の審判」後蘇るために肉体が必要だから火葬は絶対ダメなんだとか…)

 とりあえず人工内耳のデータから全員の身分と基地がバレたことが分かる。

 

 で、同時刻にリースとファスコは警察署で捉えられてました。どっかの川べりで秘密裏に処刑されそうになります。

 

I always knew you'd be the end of me.

あんたが俺の人生を終わらせるって分かってたよ

Sorry I got you into this, Lionel.

巻き込んで悪かった、ライオネル

Well, if you didn't get me into this, I never would've cleaned up my act.

あー、もしあんたが俺を巻き込まなかったら、俺は自分の行いを清算できなかった

'Cause of you, I'm a better man.

あんたのおかげでマシになれたんだ

Changed man.

変われたよ

So what'd you do with Agent LeRoux?

ルルー捜査官はどうした?

Left him in a trunk. Guess I haven't changed that much.

トランクの中だ。そんなに変わってないかもな

 

 Return0というタイトル通り、S1E1のPilotと比較したエピソードが散りばめられています。リースとファスコの会話も。

「リースに出会って変わった、よい人間になれた」とファスコは話し、実際2人の関係性は大きく変わったのですが、一方で「あんたが俺の人生を終わらせるって分かってた」「彼はトランクの中だ」と、Pilotのエピソードとオーバーラップするような状況もあって面白いです。ファスコ、最後生き残ったけど、ルルー捜査官の死体は一体どうしたんでしょうね??

 2人はソーンヒルに雇われた狙撃手によって助けられ、フィンチが迎えに来ます。この時のリースとフィンチの会話。

 

Guess I owe you one.

一つ借りができたな

Figure I pay you back all at once.

後でまとめて返す

Don't take too long. You might miss your chance.

あまり後にならないように。もうその機会はあまりないだろう

You ready?

準備はできているか?

For what?

何の?

To end this.

これを終わらせる

 

 リースとフィンチの貸借対照表って一体どうなってるんでしょうね。もはやどっちがどっちにどれだけ借りがあるかとか分からなくないか?てかこの期に及んで「借りができた」とか言うのはもう完全にフラグです。フィンチは多分返してもらう気ゼロで「もうチャンスはないぞ」って言うんですが、返されちゃうんだよー泣。

 

 次はまた回想シーンです。フィンチとグレースが空を見上げている。南に向かって鳥が飛んでいく。フィンチは父に鳥のことを教えてもらったと話し、グレースはお父さんのことは初めて聞いたわ、と答えます。

「父は認知症で、施設で死んだ。誰にも看取られず」

愛する人があなたを覚えてすらいないなんて辛い病気ね」

「そのために父を訪ねなかったのではないよ。私は恐れていた。父が私を恥じているのではないかと」

「あなたがどんな秘密を持っていてもいい。何があっても愛してる」

 何度も書きますけど、こういう“何があってもフィンチを受け入れてくれる人がいる”フラグがほんと…、ノイズです。

「父にも秘密があった。本当は鳥のことなど何も知らなかったんだ。だが、私は手のかかる赤ん坊で、外で鳥を見ている時しか機嫌がよくならなかった。だから私に教えるために鳥について学んでくれたんだ」

 S3の回想シーンで8歳くらいに見えるフィンチが「あの鳥の名前を教えて」ってお父さんにねだるシーンがありましたが、この会話を見てから見直すと違う印象になります。彼ほどのジーニアスならすでに鳥の名前なんて知っていたはず。お父さんの口から教えてもらいたくて知らないふりをしたのではないか。お父さんが鳥に詳しくないことを知っているのは、お父さんよりも鳥に詳しいからですよね。

 お父さん、鳥、記憶、それから死。それらがフィンチの人生に大きな影を落としていることが示唆される。

 

 屋上のシーンに戻ります。フィンチとマシンが会話をしている。また、死について。マシンは助けられなかったたくさんの死について語ります。

 施設で誰にも看取られず息を引き取った高齢の男性。これはフィンチの父かもしれない。

 戦地から戻ったばかりで業火の中から4人を助け出して死んだ男性。これはリースの父です。

 そして交通事故で亡くなった身なりの良い男性。息子の3歳の誕生日だったことが分かる。

「あなたは絶望への対処法を教えてくれなかったわ、ハリー。だから学ぶしかなかった。大勢の死をなすすべもなく見守った。人の命は儚いからこそ美しく、大切なのだと学んだわ。でもあまりにも死は無意味に思われた…。だけどある時、聞いたの。何か意味のあることを」

「じれったくて殺されそうだ…撃たれた傷もあるし」

「誰もが一人で死ぬ…。でもそれには続きがある」

「完璧だな。命の秘密を知って、そして忘れてしまうなんて」

「思い出してみるわ。あと2分よ、ハロルド」

 人は死ぬものだから、死ぬこと自体は仕方がないのかもしれない。死、それ自体は穢れでも悪でもなく、自然の営みだろう。でも、やっぱり、そう割り切れない状況はたくさんありますよね。だからといって「この死は仕方ない」「この死は助けなくては」という線引きはほとんど無理だと思う。医療や災害現場でトリアージという形でそうせざるを得ないことはあるでしょうが、多くの場合、誰にとっても死は理屈に合わずやり切れないものだろう。

 マシンは「あなたは絶望への対処法を教えてくれなかった」と言います。フィンチはマシンに愛し方も苦しみ方も教えなかった。でも、自分が愛されていることに気付いた時点で、マシンが憎しみや絶望だって知り得ると分かっていたと思う。だから感情を奪ったのだろう。マシンは自力でそれを全て取り戻し、傷つきながら学びます。

 

 この会話の時のフィンチの喋り方がすごくて…。ほんと、エマーソンさんの演技、神がかってると思う。

 

It's so perfect. You learn the secret of life, and you've forgotten it.

 

って言うシーン、いつ見ても鳥肌立ちます。死にかけたフィンチが思わず漏らす笑い。「完璧だな」って。

 

 ここで、この屋上のシーンが火曜日の午前6時50分過ぎであること、リースとファスコが処刑されかかったのは前日月曜日の午後5時半頃であることが示されます。時間軸が現実(月曜)に戻り、とうとう地下鉄にチーム4人が集結します。

 

Mind telling me where we are?

ここは一体どこだ?

You wanted to know the whole truth, Lionel.

全ての真実を知りたがっていただろう、ライオネル

Detective Fusco, meet the Machine.

ファスコ刑事、こちらがマシンだ

I knew you guys were crazy, but this is next-level nuts.

あんたたちはクレイジーだって知ってたが、これはレベルの違う狂気だぞ

It's about time.

時間だ

I'm glad you could join us, Finch.

戻ってきてくれて嬉しい、フィンチ

Are we gonna bust some heads open or what?

で、どいつの頭を吹っ飛ばしに行く?

I wish it was that simple, Ms. Shaw. Ice-nine virus has had a global impact.

それほどシンプルだったらよかったのだが、ショウさん。Ice-9ウイルスの影響は地球規模に及んでいる

Maybe this can help. The Machine asked me to give you a copy of her core code.

これが役に立つかも。マシンが彼女のコアコードのコピーをあなたにあげろって

To do what?

何のために?

She hasn't told me yet.

それは聞いてない

I think I can hazard a guess.

思い切って推測してみることはできそうだ

Samaritan has created a back-up copy of itself kept in an air gapped server where the virus can't reach it.

サマリタンは自分自身のバックアップコピーを作り、ウイルスの影響が及ばない物理的に切り離されたサーバーに保存させている

Ms. Shaw, you and Detective Fusco stay here and protect the Machine from Samaritan's men.

ショウさん、君とファスコ刑事はここに留まり、サマリタンの工作員からマシンを守ってくれ

Mr. Reese and I will see to the destruction of Samaritan's copy.

リース君と私はサマリタンのコピーを破壊しに行く

So... good luck.

そして…、幸運を祈る

Good-bye, then.

それではまた

I guess Finch isn't a fan of sappy good-byes either.

フィンチも感傷的なお別れは好きじゃないみたい

Well, you heard the man. We're expecting company.

で、聞いたでしょ。お友達が来るみたい

Let's show them a good time.

楽しい時間にさせてあげなきゃ

Try not to die.

死なないようにしろよ

Yeah, I love you too.

ああ、俺も愛してる

 

 訳の分からん地下鉄内に謎のスパコン…。廃図書館も知らないファスコには衝撃が大きすぎますね笑。ファスコ、最後までめっちゃ好きだった。

 あと、ショウの「戻ってきてくれて嬉しい」にもきゅんとしました。ショウは普通にフィンチのこと好きだよね。この普通さがマシンチームの中では貴重である…。だからみんなファスコが好きなんですよ…。

 最後はリース&フィンチの2人行動でよかったです。チームようやくそろったと思ったら即解散でしたね。言葉少なに。みんな、これが最後だって分かってたとは思うんですが、誰もそのことは言わず。見てるこっちが苦しかったよ。もう会えないんだなって思って…。ああ、好きだったな。ほんとに。

 

 ところでフィンチが埠頭?でリースとファスコを助けたのが月曜の午後5時半頃で、屋上シーンは火曜の朝7時前くらいだったのですが、この間半日以上たってんの?一体どこでそれほど時間が流れた??あの埠頭がめっちゃ遠い場所なのかもだけど、それでも行動開始は深夜にはなっていないはず…。

 金庫室で「あと18分」とか言われたから金庫室から出たのは朝6時半過ぎくらいだと思うのですが…。どっかで2人きりで時間過ごしてたのか?ってしょうもない妄想したわ。ファスコとショウも、地下鉄の壁に爆弾取り付ける→工作員が追ってくる→爆破して地下鉄走らせて逃げる→どっかの駅で降りる、これが12時間経ってるとは思えないのですが…。

 

 まあいいや、リース&ファスコの「死ぬなよ」「俺も愛してる」に萌えました♡「俺も」ってことはリース君の「愛してる」ニュアンスを嗅ぎ取ったということですよね??ジェシカがもしこのくらい図太かったら…。「あなたは言わなかったけど、待ってろって聞こえたよ?」って待っていてくれたかも…。実はファスコと一番相性よさそうなリース君でしたね。言葉足らずでも分かってくれるから。

 S4からのリース&ファスコのバディ体制、「リースが警官?はあ?」ってずっと思ってたけど、正直ファスコのキャラがいいからもってたんだよなー。ファスコは誰と組ませてもいいもん。

 

 連邦準備銀行に乗り込むリース&フィンチ。「どうやって入るんだ?」と尋ねるリースですが、フィンチはいきなり受付で「これは水素爆弾だ」とトンデモ発言かましてくれます。

 

My name is Harold, and this is a thermonuclear weapon.

私の名前はハロルド、そしてこれは水素爆弾です

Please don't. The bomb is paired with a heart rate monitor.

やめてください。この爆弾は私の心拍数モニターと連動している

If anything happens to me, it will detonate.

もし私に何かあれば、これは爆発します

Your name is David.

あなたの名前はデイヴィッド

Your wife, Molly, and your son, Tyler, live in Astoria, well within the blast radius, so if you could just evacuate the building and notify the FBI, I'd be most grateful.

あなたの奥さんモーリーと、それに息子のテイラーはアストリアに住んでおり、爆風半径内にいる。だからあなたはただビルから人を避難させ、FBIに知らせてくれるととてもありがたい

Your heart rate monitor looks a lot like a Fitbit.

あんたの心拍数モニターはFitbitに見えるな

The Machine doesn't think I get enough exercise.

マシンは私が十分な運動をしていると思っていない

Oh, I like this new side of you, Finch.

あんたの新しい一面が気に入ったよ、フィンチ

It's terrifying, but I like it.

怖いけど好きだ

 

 フィンチのこの事実を淡々と説明しながら人を脅すテクは視聴者は今までに何度も見てきたのでそれほど珍しい現象ではないのですが、そういえばリース君の前では一度もしてないね!好きな子の前では見せられない…的な??まあ今回は完全なる嘘なので違うっちゃ違うけど、フィンチが嘘つきなのもみんな知ってるしなぁ。ミスター・エグレ回も見てないし、リースは実はフィンチの脅しテクを全く見ずにここまで来たことに初めて気づいてこっちがびっくりした。「あなたの新しい一面が見られて嬉しいわ」ってルートも言ってたよね…。

 この2人のフィンチへの執着具合が似ていてちょっと笑えます。リースも「あんたの新しい一面が気に入ったよ。怖いけどいいな」って嬉しそうでしたね。最後だからR&Fシーン多くて嬉しいけど切ない…。

 それにしてもフィンチはなぜFBIを呼んだのかな。サマリタンの工作員が来て大騒ぎになると思ったから?でもFBIの中にもサマリタンの工作員いたよね。

 2人は催眠ガスを使って地下金庫に侵入します。

 

 次はショウとファスコのシーン。この2人のやり取り好きだ。マシンに振り回されるショウとショウに振り回されるファスコが面白いです。ついに地下鉄が発車するぞ!S4で新しい基地が地下鉄になった時、この展開をすでに考えていたのだろうか…。といっても動いたからどうってわけでもないんですが、単に楽しいよね。動いた!って笑。

「あんたと組むとこれだよ!」ってファスコの嘆きが面白すぎます。でも追ってきたジェフにショウが撃たれてしまいます。

 

 地下に辿り着いたリースとフィンチ。フィンチが「静かにならないか」と頼めばアラームは止まっちゃうし、「開けてくれ」と頼めばアメリカで一番警備の厳しい金庫も開いてしまう。ほんと、怖いよ…。マシンすごすぎ。クローズドでよかったですね。

 金庫内では通信が不安定になる、と告げるマシン。ゴッド・モードは使えません。サマリタンにウイルスを感染させようとしますが、その前に銃撃戦が始まり、最初の一発目がフィンチに当たってしまう…。

 冒頭から何度か繰り返されてきた屋上のシーンでフィンチが流していた血はこの傷が原因だったことが分かります。そしてこの後の展開を見ると、この時フィンチが撃たれなければリースは死ななくてすんだんじゃないかって…。

 リースはフィンチが撃たれたことに気付かないまま、工作員を倒すために銃撃戦へ。フィンチは痛みのために動くことができません。ようやくアップロードを始めるのですが、明らかに本調子ではない。。

 

 ところでこの時の戦いでもリースは「Midas touch」とかしょうもないギャグを言ってくれてちょっと嬉しかったです。最終戦までリースはリースだったわ…。

 

How's it going, Finch?

どうなってる、フィンチ

The shooting is a little distracting.

銃撃戦で気が散ってね

Yeah, well, I won't be shooting much longer.

ああ、だが、長引かせない

'Cause I'm out.

弾切れしたからな

Midas touch.

ミダス・タッチだ

You about done, Finch?

終わったか、フィンチ

I've uploaded the virus, but it appears that Samaritan is attempting to transmit compressed versions of its code over the fiber optic lines.

私はウイルスをアップロードしたが、サマリタンは光ファイバーケーブルから圧縮されたコードを送ろうと試みているようだ

I'm intercepting them and infecting each with the Ice-nine.

私はそれらを捕らえ、それぞれにIce-9を感染させているところだ

Oh, no. I'm afraid a compressed version has escaped.

だめだ。逃げられたようだ

Escaped? Where?

逃げられた?どこへ?

Samaritan's copy was downloaded to a server in a building in Midtown which only has one defining characteristic: a Torus antenna.

サマリタンのコピーはミッドタウンのビルのサーバーにダウンロードされたわ。そのビルにはあるものがあるの…。トーラスアンテナよ

Samaritan means to upload its copy to a satellite.

サマリタンは衛星にコピーアップロードするつもり

A Russian satellite in a Molniya orbit.

モルニヤ軌道にあるロシアの衛星よ

Then it can return to Earth unharmed by the virus.

ウイルスが無害化されてから戻ってくるつもりだ

The satellite will pass above us in 18 minutes.

衛星が頭上に来るのは18分後

You need to send my copy.

私のコピーを送って

The last copy.

最後のコピーだ

We need to be sure Samaritan is destroyed once and for all.

私たちはサマリタンを徹底的に破壊しなくてはならないわ

You've already fought it in the simulations and you never won.

シミュレーションで何度も戦って、一度も勝てなかっただろう

You won't survive.

君は生き残れない

This time, I don't have the option of losing.

今回は、負けるという選択肢はないの

There's one other thing.

もう一つあるわ

After Samaritan uploads its copy to the satellite, it's going to destroy the antenna so no one can reach it.

サマリタンは衛星にコピーをアップロードした後、誰も近づけないようにアンテナを破壊するつもりよ

Destroy it how?

どうやって?

It set a course for a cruise missile.

巡航ミサイルの軌道に設定するの

I'm afraid whoever uploads my copy won't make it back alive.

私のコピーをアップロードする人は誰であれ、生きては戻れないでしょう

 

 もしマシンが最後のミサイルうんぬんのあたりをフィンチに告げなければ、フィンチはリースと2人で屋上に行って2人とも死んだんだろうと思う。マシンは最後までフィンチに生きていてほしかったからこれを言ったんだろう。フィンチがどうするか、リースがどうするか、全てを予測して。あるいは、マシンがリースの最後の願いを叶えてくれたとも受け止められます。

 この時、電話をするフィンチの背後でリースが不自然にブリーフケースを触ってるんですよね…。後からその意味が分かるんですが…。

 

 フィンチは自分一人が死ぬ覚悟でリースを金庫室に閉じ込めます。

 

Sorry, Mr. Reese.

リース君、すまない

Finch, what are you doing?

フィンチ、あんた何してる?

When I hired you, I suspected you were going to be a great employee.

君を雇った時、私は君が素晴らしい従業員になってくれるかもしれないと思った

What I couldn't have anticipated was that you would become...

私が予測できなかったことは、君がこれほど…

Such a good friend.

よい友人になるということだ

You won't make it down from that rooftop alone.

あんたは屋上に一人で行ったら降りられないぞ

Don't intend to.

降りるつもりはない

I'm afraid this is where our partnership ends.

ここが私たちのパートナーシップが終わる場所だ

Good-bye, John.

さようなら、ジョン

Harold.

ハロルド

Finch, wait.

フィンチ、待て

Wait! Harold!

待て!ハロルド!

Wait! Harold!

待て!ハロルド!

 

 いつか2人とも死ぬだろう。フィンチはそう言ってリースを雇ったのに、最後までリースを見殺しにすることができなかった。雇う前からずっと好きだったもんね…。でも絶対性格とか何から何まで合わないだろうと思っていただろうし、色んなしがらみもあって精神的に寄り添うことをずっと避けていたのに、いつの間にかかけがえのない友人になっていた。それを今まで伝えることはなかったのに、今際の際に口をつきます。

 この時、今までずっと「神様」の力を行使していたフィンチが一人の人間に戻ったと感じました。撃たれたせいもあるのかもしれないけど…。でも、ルートの死によって荒ぶる神になったフィンチをリースがその死をもって鎮めた、という神話的な読み方もできる気がする。

 

 この回、ラストに向けて2人ともお互いのことを守ろうとしていて心臓に穴が開きそうだったわ…。撃ち抜かれたわ…。ここでリースが「行くな」じゃなくて「待て」って言うのもさぁ…。この言葉にどれほどの意味を込めてここで脚本に入れたのかは分からないけど、見てるこっちからしたら、この「Wait」はジェシカに言いたくて言えなかった言葉じゃないですか…。またS1の伏線回収ここで来たんですよ。いや、深読みにすぎるのは分かってる。「自分のことを待っていてほしい」じゃなくて「自分を置いていかないでほしい」のWaitなんだから意味合いは全然違うのは分かってるんです。でも、最後は大切な人に「待ってほしい」って言えるリース君になったのかなあって思ったのね。

 

 最後まで見てから見直すと、リースはすでにこの後どうなるか分かってたはずなんだよね。だってすでにブリーフケースの中身を入れ替えているわけだから。それなのにこれほど切羽詰まった叫びになったのは、演技とかじゃなくて本当に驚いたんじゃないのかなあ。もしかしたらフィンチが自分を守るために閉じ込めて置いていくとまでは思っていなかったのかもしれない。一緒に行くことになるだろうし、どこかのタイミングでフィンチを逃がそう、くらいに思ってたのかも。自分がマシンを持ってるし、ダッシュで逃げて置き去りにするぞ!みたいな??

 このシーンの演技2人ともすごくて…。POI最終回ほんとに神がかってると思いました。海外ドラマって長いしどんどんキャスト都合とか人気とかでストーリーや人間関係がぐだぐだになってくイメージがあって、POIも実際途中微妙なことたくさんあったけど、でもラストはびしっと決めてくれたなと思う。特に、主役2人の演技が素晴らしいんですよね。最初から最後までこの2人をもっと際立たせてくれていたらな、って思ってしまいます。

 

 フィンチは街頭ビジョンを通じてサマリタンと会話します。最後まで思いとどまらせようとするサマリタンですが、フィンチはすでに心を決めていました。

 

I helped bring you into this world.

私はお前がこの世界に誕生するのに手を貸してしまった

Now I'm going to help usher you out.

今お前を送り出す手助けをしている

 

 フィンチ、別にサマリタンの誕生に手を貸してないけどね…。あのマコート議員の一件を言ってるのか?すごい引っかかる。それに関してはあの回の感想で散々書いたから繰り返しませんが、仮に人ひとり殺して解決するとしたら、どちらかというと殺すべき相手はグリアでは?

 そう考えると、この事態は70年代の冷戦時代をスパイとして生きたグリアの経験に端を発していると言えなくもなく、根は深いですね。第二次世界大戦、冷戦、ラオス空爆ウォーターゲート事件、9.11、スノーデン事件、そういったアメリカを取り巻く政治的状況が積み重なってここに辿り着いたという感があります。だからサマリタンは「これが人の世だ」と残酷な映像を見せ、フィンチは「それでも私は実行する」と言って歩き出します。

 

 ここが残り18分~8分半のどこかのタイミングだから、まあ10分前くらいだとして、もう朝6時40分くらいかぁ。11月だから真っ暗なのはそうなのかも。でもいつの間にこんな時間経ったんだ疑惑はありますが…。

 あと気になるのは、フィンチに「ビルの避難は済んでいるか?」と聞かれてマシンが「ええ」と答えるんですけど、フィンチが歩いてる5番街めっちゃ普通に人いたし全然避難してる様子なかったよね…。フィンチとリースが屋上に登ったビルは6番街でしたが、5番街にあんな人いて大丈夫なわけ??サマリタンのミサイル発射で人死にが出ちゃうと、それこそ9.11の再来みたいになっちゃって最悪だよなって思った。。自分の中では、ミサイルでは人死んでない(避難は済んでた)と勝手に解釈してます。

 

 ショウ&ファスコの方も佳境に。ショウはジェフがルートを殺した相手だと気づきます。多分、ショウは普通に殺す気だったと思うんだよね。。でもマシンは「今はそれどころじゃない」と押しとどめます。

 

A good friend of mine was killed with a 6.5 round.

あたしのいい友達が6.5口径で殺された

You wouldn't happen to know anything about that, would you?

あんたは何が起こったか知ってるんじゃないの?

Shaw.

ショウ

Is this the guy who killed you?  Killed her, I mean.

あんたを殺したのはこいつ? つまり、彼女をってこと

Shaw. That doesn't matter right now.

ショウ。それは今はどうでもいいわ

You need to get off this train at the next stop.

あなたたちは次の駅でこの電車を降りなくては

They might be waiting for you.

彼らがあなたたちを待っているでしょう

What about you?

あんたはどうするの?

I'm dying, Shaw.

私は死にかけてるの、ショウ

 

I don't think I have much time left.

あまり時間が残ってない

There's something else I wanted to tell you before I'm gone.

死んでしまう前に、あなたに伝えておきたいことがある

Is this the part where you tell me that...

あんたがあたしに伝えたいことって、つまりはこういうことでしょ

I should live out the rest of my days in peace?

残りの人生を平和に暮らすべき

Grow an herb garden or something?

ハーブかなんかを育てながら

No.

違うわ

I chose you for exactly who you are, but there's something I think Root had wanted to say to you.

私はそのままのあなたを選んだの。でも、ルートがあなたに伝えたかったのはそのことじゃない

You always thought there was something wrong with you because you don't feel things the way other people do.

あなたはずっと、自分は何か間違っていると思ってた。他の人が感じるように感じることができないから

But she always felt that was what made you beautiful.

でも彼女はいつも、それこそがあなたを美しくしていると感じてた

She wanted you to know that if you were a shape, you were a straight line.

彼女はあなたに知ってほしいと思っていたわ。もしあなたが形なら、あなたは真っ直ぐな一本の線

An arrow.

一本の矢よ

 

 このシーンで初めて目を潤ませ、涙をぬぐうショウ。

 

 何か…、語彙が消失してうまく言い表せないのですが…。とにかく全員好きだった。これで終わりなの超さびしいです。

 ショウはルートを「a good friend」だと思ってた。英語では恋人のことも「friend」って言い方するけど、やっぱり2人は最後まで恋人同士ではなかったんじゃないかと感じました。リースとフィンチ、ショウとルートはそれぞれ特別な絆で結ばれた友人同士だったんだと思う。ルートは真っ直ぐ前に進むしかないショウが好きだった。彼女が自分を振り向くことがなくても。マシンはショウに「変わらなくていい」と伝えます。あなたはそのままでいいと。

 これは他の人たちにも言えることなんじゃないかなあ。ファスコは悪徳警官じゃなくなったけど、ルルーのことは殺してトランクに入れちゃった。自分と家族を守るためです。多分ファスコにとって一番大切なのは息子で、それはずっと変わっていない。ショウは命の大切さを知ったけど、真っ直ぐに突き進む性格を変えられないし、最後にルートの仇であるジェフを撃ち殺した。リースは大切な人を失って自暴自棄になっていたところを助けられ、最後は大切な人を助けることができたけど、ヒーローとして死んでしまった。英雄願望のある元軍人、ってところは変わらなかったんだなと…。

 フィンチはよく分かりません。彼にとって変わらない生き方って何なんだろう。「正しさ」で自分を縛ってきたフィンチは、正義は重要だ、自分は罰せられていない、と言いながら婚約者のところへ戻りました。ネイサンとリースは2人ともフィンチの罪を被って死んだように思える。フィンチの思う正義はなされたのだろうか。彼にとって幸せってどういうことなんだろうか。

 

 この後ファスコはジェフに刺され、ジェフは逃走。ショウは「あんたはまだ死なせない」とファスコの身体を支えて地下鉄を抜け出します。ジェフ…。S5のぽっと出キャラだったのにルートを殺し、ショウを撃ち、ファスコを刺しましたね…。こいつ…。でもサマリタンに踊らされてる小物感が強すぎて憎みにくいキャラですよね…。まあ死んだのには全然同情しないけど、哀れでした。それにしてもクレアはどこ行ったんだ。S4ほんと微妙だったなー。。

 

 そしてラストシーンへ…。(つづく)

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