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05x04 - 6,741 感想

 POI感想の注意書きです。

yuifall.hatenablog.com

 ほぼ文句しか書いてないんでそれでもOK!って方のみどうぞ。

 

 このエピソードに対してどんな気持ちを抱けばいいのか正直分かりませんが、これはGleeの(マジでいらなかった)「Hurt Locker」回と同じだなと…。要はファイナルシーズンだからやっちまえ!回というか。

 Gleeの「Hurt Locker」は視聴者人気の高い(別れた)カップルが「キスしないと出られない部屋」に閉じ込められて(かなり濃い目の)キスをするという完全に頭がおかしいとしか思えないエピソードでしたが、今回はショウの謎シミュレーション回です。SHOOTファンに対するサービス回としか思えないinsaneなエピソードですね。

 私はGleeの上記カップルのshipperですがHurt Lockerは頭がおかしいとしか思えなかったし、SHOOTは好きですがこのエピソードもちょっとどうかしてると思ってます。こういうの誰が求めてんの??

 ルーショウは匂わせ程度でよかった…とかいうわけじゃなく、私はこの2人はガチ恋なんだろうなと思ってて別にそれはいいんだけど、こういう形で見たかったわけじゃないっていうか。何というか、LGBTQがどうとかではなく、男女カプであったとしてもいらなかったよこういうのは…。

 

 あんまり書くこともないんで雑にまとめると、9か月間拘束され、脳にチップを埋め込まれたショウがサマリタンのエージェントになるべく洗脳される話で、その洗脳の一環として「マシンチームと合流し、マシンの居場所へ案内する」ミッションを成功させるべくシミュレーションが繰り返されていることが分かります。6,741というタイトルは、このエピソードが6,741回目のシミュレーションだったことが分かる…というネタバレ(まあ、ネタバレしたくない人は読んでないだろうし)。ていうかチップを埋め込まれるところからシミュレーションなので、実際はなんか電極みたいなもの貼られてるだけっぽいです。

 ぶっちゃけここまで分かってんだったら「殺人予告」騒ぎを起こせばマシンチームの人間は簡単におびき寄せられることも分かりそうなもんだし(それはクレアの一件でもう知ってんのか?)、AIとAIの戦争には必ずしも本体の居場所を知る必要もない気がしますけどどうなんでしょうね。実際シミュレーション内ではグリアの仕込んだ罠コードでマシンチームが危機に陥ってるし。

 

 あと冷静に考えて拘束期間9か月で約7000回のシミュレーションってどうなってんの?当然捕えた直後は生きるか死ぬかでそれどころじゃなかっただろうし、撃たれた傷の回復を待ってからシミュレーション開始、と考えると(あと5月まであの精神病院にいたっぽいことを考えると)、5か月~長くても半年の間くらいで7000回?ってことはおよそ180日で7000回シミュレーションすると考えて、1日約40回程度回す必要があります。睡眠時間を確保するために稼働時間を16時間と仮定すると24分に1回くらい。つまりあのシミュレーションは現実にしておよそ20分くらいの出来事と考えるのが妥当か。

 まあ、最初のうちは実験所を脱出するのも手探りだったのが繰り返すうちにその辺の手順は短縮されたりとかありそうなので、開始当初は実際の時間と同じくらいかかっていたけど徐々に短縮できる手順は飛ばして、ってなったとすると今回のシミュレーションには10分もかかっていない可能性もありますね。

 

 この回ではみんな若干キャラクターがいつもと違ってて、いやー、みんなこんなこと言わんやろ…、って思いながら見てた。解釈違い二次創作みたいな感じですね。

 最初はショウが3人をこう受け止めてるのか?ひどくない?って思っていたのですが、よくよく考えるとショウ自身のキャラクターに最も違和感がある。まずフィンチを「私を探さなかった」と責めるのですが、ショウはそんなこと言わないでしょ。「どうして助けに来てくれなかったの??」なんて死んでも言わないだろ…。ましてやフィンチにそんなこと言うなんてちょっと考えられない。ルートに「あんたがあたしのたった一つの安らげる場所だった」って言うのもうーん?って感じでしたし、リースを撃ち殺したのはまあ洗脳のせいなのかもしれないけど…。

 4人の中でショウの性格が最もちぐはぐで、この人誰?ってなったよね。どっちかと言うとマシンチーム側の、「こんなショウは嫌だ」シミュレーションに近いものを感じます。フィンチにとっては「死んだと自分に言い聞かせて私を探しに来なかった」と責められるのが一番辛いだろうし、リースはこの状況で死んで皆を守れなくなるのが一番辛いだろう。ルートにとっては、自分が裏切られて殺されるよりも「あんたを殺せない」とショウが目の前で自殺するのが最悪の結末だと思う。

 だから、これがもしショウの脳内で起こっていることだとしたら、「私にとってのみんな」ではなくて「みんなにとって最悪な私」の脳内イメージなのかなーって感じました。

 

 まあでもこのエピソード全体は「ショウに脳内でシミュレーションをさせている」のではなくて「サマリタンによるシミュレーションをショウに見せている」ということですよね。If-Then-Elseの回でマシンが何十万通りのシミュレーションを破棄したように、失敗バージョンも含めて何度も繰り返し映像を見せている、という状況。

 実際、何度も仲間が「マシンのところに行こう」って促すシーンが出てきて、そのたびにショウがおかしくなるんですよね。つまりこれは、サマリタンがシミュレーションで“マシンのところへ案内しろ”って言うたびに、本物のショウが脳内で激しく抵抗している場面であると考えられます。マシンのところへ行く途中でリースを撃ち殺すのは、ショウがリースを撃った、というより、本物のショウが“マシンのところへ案内させようとするサマリタンのシミュレーション内のリース”に脳内で抵抗したシーンだと思うし、同様のことがルート相手にも繰り返され、ここではショウは自殺します。

 

 そういう意図は分からんでもないのですが、同じシミュレーション回とはいってもIf-Then-Elseと違ってこの回はストーリーがほとんど何も進んでいないのでほんと、何て言っていいか分からんわ…。物語上もし考えることがあるとしたら、実際にショウが戻ってきたときにも、彼女はサマリタンに取りこまれたんじゃないのか、とか、気持ちは屈していなくても何かを埋め込まれてはいるんだろうな、とか、そういう将来のリスクを想像させる意味合いくらいか?

 

 まあ私はリアタイじゃないからそう思うだけで、リアタイで見てたら「ショウが戻ってきた!」ってだけで嬉しい人もたくさんいたのかなあって想像します。最大限に好意的に受け止めればショウはかっこよかったし、生きてたのは普通に嬉しいよね。

 あとはホラーっぽい演出とか、映像の綺麗さとか、そういうあたりかな。見どころは。POI、時々嵐の孤島モノとか“犯人はこの中にいる!”モノとかミッション・インポッシブルやヒッチコックをパロディしたような回があるので、これもその系統かもしれん。ホラー系シミュレーションゲームのバッドエンド回です。

 

 ちなみに製作者側は自ら「好きなエピソード」に選んでいるそうですが、作り手側としては「シミュレーションだから普段できないことやっちゃうぜ!」みたいなノリでショウとルートにセックスさせたりショウにリースを撃ち殺させたりして楽しんでたのかもしれんけど、見てるこっちは楽しくないよ…(特にリースが死んだシーン嫌だったよ…)。

 全体的に嘘っぽい作りでかなり早い段階でシミュレーションと分かるし(みんなIf-Then-Elseを見てんだから分かるだろ)、そうなっちゃうとどんな展開でも驚かないじゃん…。ただ単に不快なだけで。ちょっと意味が分からんでした。ほとんどSHOOTのshipperのためのサービス回だったんで好きな人は好きなのか…?全然分からん。誰が楽しいんだこれ。

 

 ルートとショウのやり取りも、せっかく素敵な台詞なんだけどサマリタンのシミュレーションかよって思うと微妙。マシンのシミュレーションの時は、ルートが死を覚悟して最後にショウに言った言葉が現実で実際に繰り返されるから「本物だ」って思えたし4人のキャラ崩壊もほぼ(ファスコのキス以外)なかったので素直に受け止められたんですが、今回のサマリタンのシミュレーションは全体的に嘘っぽいもん。みんなキャラ違うし、シーンが飛び飛びになって都合よく省略されてるし、「嘘っぽく作っている」っていう前提が割とあからさまで、だからショウとルートの会話も本物に見えない。

 

「でもあなたは、その感情のない心のどこかで知ってるの…。私とあなたが繋がってることを」

 

 そう言って涙を流したエイミー・アッカーさんの演技素晴らしかったのでなおのこと、現実じゃないんだよな…って思って白けてしまった。ほんと全体的に意味分からんかった。

 

 まあ、今回はサマリタンが「この4人はこんな感じだろう」って作ったシミュレーションなんで意味分からんのは仕方ないのか?どうすればショウがマシンのもとに案内してくれるのか、って頭捻ってはみたものの上手くいってないみたいな。

 だってショウなら当然知っているはずのマシンの拠点、地下鉄は出てこないし(というよりもマシンのところに行こうとするたびにショウがおかしくなって人が死んだりするし)、サマリタンに仲間と認識されていないファスコが出てこないのも、結局よく分かってないからこうなるんですよね。マシンと違ってサマリタンはこの4人のことあんま知らないってことか。「よく人を見て知りなさい」って教育されたマシンと違ってサマリタンには人間の表面しか見えていないということが言いたいのかもしれないと感じました。

 それにしてもこんなキャラ崩壊したシミュレーション繰り返しても意味なくない??現実にこの進行はまずあり得ないでしょ…。

 

 まー、なんですかね。ファイナルシーズンだからやりたい放題やっちゃうぜ!っていう制作側の自己満が透けて見える回でしたが、それなりに長く続いてるドラマだとどれもこんな感じの話あるのかな?メタなネタ的なやつ。

 しかしこんな公式最大手二次創作(しかも解釈違い)されてもさあ…。作ってる側がルーショウのセックス見たかっただけじゃねーの?って感じしてほんと無理。しかもGleeはラブコメだからまあ「やべー」って流したけど、POIは現状進行どシリアスなのにこれやるかぁ?ちょっと理解できないですね。典型的な萌えダメ展開って感じでした。まあ、シミュレーションゲームでバッドな選択肢を選ぶと辿り着くエンドと受け止めればどうにか…。

 

 それにしても読み返してみて思ったけど「まあ」が多い文章だな。まあ…、って感想しか出てこないわ、ほんと。

 

yuifall.hatenablog.com

POI:なし

本編:2015年

S5E3が8月でS5E5は9月なので今回は8月~9月の間。多分8月下旬くらい

ちなみにショウが拉致されてから9か月、と言っています。

ショウが拉致されたS4E11は2014年11月後半~12月前半のどこかなので、だいたいそんな感じか。

フラッシュバック:なし