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04x16 - Blunt 感想

 POI感想の注意書きです。

yuifall.hatenablog.com

 前回バディ体制が薄いの不満と書いたのですが、この回はS2くらいの雰囲気の2人でした。対象者のハーパーが傍若無人なのも相まってはたから見た2人のイメージをがんがん喋ってくれるので面白かった。しかし、前回「それで十分」とか書いておいてなんですが、S2くらいの雰囲気だとカーターがいないのが寂しすぎるな…。

 タイトルのBluntは「歯に衣着せぬ」という意味であると同時に「マリファナたばこ」という意味もあるそうです。

 

 ここ数回は仕切り直しで一旦原点回帰なのか、人助けエピソードがわりと丁寧で好きでした。この回のハーパーは前回のアナと同じように二面性があって被害者か加害者かはっきりせず、途中で被害者でもあるし間接的には加害者でもあることが分かり、本当に初期のPOIを思い出したよ。

 いつもの2人のいまいち噛み合ってない笑えるやり取りが冒頭にあって嬉しかった。

 

You back on campus, Mr. Reese?

キャンパスに戻ったか、リース君

I gotta say, it's quite invigorating being around all these idealistic young minds.

理想に溢れた若い精神に囲まれているってのは爽快なもんだな

You must be enjoying your day job, professor.

あんたの仕事は楽しいに違いない、教授

As near as I can tell, college has become an overpriced Bacchanalia full of entitled, oversexed binge drinkers.

私が知っている限りでは、大学というのは、尊大で性欲過多な大酒飲みに満ち溢れた金のかかるどんちゃん騒ぎ会場になり果てている

Well, somebody's gotta pay your salary.

ああ、あんたの給料を払ってる奴らだ

 

 リースが大学生や大学院生に囲まれて「こういうのいいもんだな」って言うの意外でした。リースって大学出てんのかなあ?今までの対象者だとS1E3のジョーイとかS3E1のサラザールに感情移入してるようだったし、軍隊で揉まれた人間が好きなんだと思ってた。でもこんな素直な言葉が聞けてこっちも素直な気持ちになりました。うん、大学っていいとこだよ。

 一方フィンチは辛辣です。彼の方が学問への理想やリサーチマインドに満ち溢れてるから、堕落した学生が許せないのかも。それにまあ、大学教員なんてやってたらムカつく学生と大量に出会いそうだしね…。 College has become という表現を使っているのは、「自分の時はそうじゃなかった」って言いたいのかなあってちょっと思いました。でもアーサーの話を聞いている限り、フィンチの大学生活もストイック一辺倒ではなさそうでしたけどね(笑)。

 

 その後ハーパーを追って女子寮まで入ってきちゃって「キモい」と言われちゃったり、大学生が多すぎて(あるいはハーパーの偽携帯が多すぎて)うまくペアリングできなかったり、このちょっと間抜けな状況も懐かしい。ハーパーは他人のバッグパックをかすめ取ったり、マリファナ漬けの彼氏がいたりとただの大学院生ではない不穏な空気です。

 

Harper's gentleman friend is a Trey Wendor, an uninspired student with a half dozen misdemeanor arrests.

ハーパーの紳士的な友人はトレイ・ウェンダー、微罪による逮捕歴が6度ある退屈な学生だ

Any violent crimes?

どんな暴力犯罪だ?

Possession of marijuana, attempt to sell marijuana, possession of a controlled substance.

マリファナの所持、マリファナ販売の企て、規制薬物の所持だ

No accounting for taste.

蓼食う虫も好き好きか

 

 フィンチが犯罪者をgentleman呼ばわりすんのいつも好きだし、すぐに「暴力犯罪か?」と反応してしまうリースとトレイの罪のショボさの対比が笑えます。次に、ハーパーがトレイの代わりに彼のバイト先に行くのですが、そのシーンの2人の会話がすごく好き。

 

Finch? That shift she's covering for Trey, he works in a dispensary.

フィンチ?彼女がトレイの代わりにしている仕事だが、彼は調剤薬局で働いているようだ

Medical marijuana?

医療用マリファナ

Do what you love, you'll never work a day in your life.

好きなことをすれば、生涯一日たりとも働かなくてもよいというわけか

(「好きなことを仕事にすれば生涯一日たりとも働かなくて済むだろう」という孔子の言葉から)

State regulations require a dispensary card for every patient.

この手の薬局では州の許可が必要だ。全ての患者に

How fast can you get me into the database?

あんたは俺をどれほど速くデータベースに入れられる?

Let's see. Detective Riley suffers PTSD from multiple gun shot wounds.

やってみよう。ライリー刑事は度重なる銃撃の傷によるPTSDに苦しんでいる

And let's say chronic back pain. Back pain is better.

背中に慢性痛があることにしよう。背中の痛みはそれらしくなる

I'll have Dr. Tillman call it in. It won't take long.

ティルマン先生に協力してもらおう。それほど長くはかからないだろう

Well, that was easy.

それはいいな

Finch, how do you know so much about getting marijuana?

フィンチ、あんたはマリファナの手に入れ方をどうやってそんなによく知ったんだ?

Mr. Reese, do you want me to call this in or not?

リース君、私に仕事を進めてほしいのかそうでないのか?

 

 ライリー刑事、撃たれすぎですもんね…。PTSDくらいにはなるよね…(だからってカウンセリングは行かないでほしいけどね…)。で、「背中に慢性痛があるとマリファナが処方されやすい」というフィンチ。背中に慢性痛って誰かさんのことみたいですけど??案の定リースにも「なぜ詳しい」と突っ込まれ、答えをはぐらかします。その返事を聞いてにやっと笑うリース。

 こういうやり取り好きだー。フィンチの話のちょっとしたヒントから秘密を探ろうとするリースと、あくまではぐらかすフィンチ、その返答を聞いて何の答えも得られていないのになぜか嬉しそうにするリース、という、S2中盤くらいの雰囲気。リース君まだボスにはたくさん秘密があるみたいよ。好きな色は結局分かったのだろうか。

 

 この後はマリファナ絡みのお金とかブラザーフッドとかメキシコの麻薬カルテルとかギャング系ネタなんですが、ちょっとよく分からんかったのが、医療用大麻の扱いっていうか…。「この店は合法なのか?」と聞いたリースに「州によれば合法だが、連邦政府によれば違う。だから現金でのやり取りになる」とフィンチが返します。で、銀行を通せないからギャングに依頼して資金洗浄してもらう、みたいな流れ。でもブラザーフッドブラザーフッドで、「大麻が合法化されて課税されて売り上げがた落ちで最悪」と言ってます。どういうこと?つまり、合法であるはずの医療大麻を裏で取引していて、税金払っていないから銀行を通せない現金取引になるってこと?この辺知識がなさすぎてよく飲み込めなかったのですが、まあいいや(笑)。

 とにかくハーパーはブラザーフッドもメキシコカルテルも出し抜いて金を持ち逃げし、どちらからも追われる身になります。助けようとしたリースをも殴って逃走。

 

Mr. Reese? Have you got our girl?

リース君?我々の少女を保護したか?

No. She's definitely no one's girl.

いや。彼女は明らかに、誰の少女でもない

Well, her number just came up. Again.

彼女の番号がたった今あがった。再び

And I think I know why. Harper isn't who we thought she was.

なぜかは分かる。ハーパーは俺たちが思っていたような女じゃない

She definitely isn't interested in our help.

彼女は俺たちの助けにも明らかに興味がない

 

 小悪党で事件に巻き込まれるパターンか…。今までそういう対象者ってだいたい男で、色々軽犯罪か重犯罪をやらかした挙句に入れ込んだ女に騙されて死ぬ、あるいは死にかけるパターンが多かったのですが、今回は微妙に違うっちゃ違うかな。ハーパーは誰にも入れ込んでないし、被害者なのに非協力的というパターン。で、トレイを騙してて間接的には加害者にもなってしまうんだけど、トレイがギャングに捕まって死んでもいいとまでは思ってない。

 というかハーパーはあんまりいろんなことよく考えてないんですね。とりあえず悪い奴の金は盗ってもいい(誰も困らないし、警察に届け出をされることもない)、遊びはツケですればいい、IDはどんどん乗り換えればいい。ヤバくなったらその時はその時。で、自分がヤバくなることは想定内でいくらでも逃げ道は用意していたけど、トレイがどうなるかは考えてなかった。おそらく今までも同じようなこと起きてたと思うんだけどね…。でもまあ、リースとフィンチにくどくど言われて初めてそれに気づいたのか彼を助けようとします。

 

 この人ちょっとだけS2E14のピアース君に似てるよね。やりたい放題で口がぽんぽん回って、おかしいです。クラブでのリースとの会話の噛み合わなさ笑えるし、命を狙われてんのに全然危機感ないのも目を離した隙に速攻逃げられるのもピアース君みたい。結局ファスコが捕まえ、ファスコと手錠で繋がった状態で3人で朝ごはん食べてんの笑ったわ。

 ギャングに狙われていると言い聞かせても事の重大さを一切理解せず、平然とリースの食べ残しを奪うハーパー。「あんたは警察じゃないね。ヒーロー願望のある元軍人?」と分析してきます。ピアース君思い出すよほんと。「元特殊部隊か?」って言われてたよね。てかリース、S4で出会う新キャラにことごとく「刑事じゃない」と言われてて笑える。何人目??ドミニク、シルヴァ、ウォルター、アイリス、で5人目か?よっぽど警察官には見えないようです。あんまり身近じゃないから分かんないけど、軍人っぽい雰囲気ってやっぱり見る人が見たら分かるんだろうなーと。

 

 ここでフィンチから通信があり、トレイがいなくなったことが分かります。「寮の部屋はひどいありさまだったが、無理矢理拉致されたのかもともとそうだったのかは分からない」って台詞笑ったわ。「トレイが攫われたぞ」とハーパーに告げるリース。ハーパーは「誰と話してた?てか電話もないのにどうやって話してんの?」と普通の反応!ちょっと驚きです。この時のファスコの台詞好き。

 

Eh, it's John and his friends. It's kind of like their thing.

ああ、それがジョンとその友人だ。いつものことだよ

They-- they know stuff.

奴らは…、やり方を知ってるんだ

 

 あいつらいつもこうだよ、訳分からんハイテク野郎どもだ、みたいな言いぐさです。このfriendsって複数形になってるの、フィンチだけのことじゃないんだーってちょっと残念なような、ショウやルートも含めてfriendsなんだな、ってときめくような複雑な気持ちです。多分この回がちょっとS2っぽいノリだから複雑に感じたのかも。あの頃だったらhis friendだっただろうから。

 

 この後ハーパーをセーフハウスに連れてきます。こんな人セーフハウスに連れてっていいんかい、って思いましたが、S2でレオンを廃図書館に入れてたこと考えるとそういう感じだろうか。ここでもハーパーはリースとフィンチの関係の分析を始めます。

 

You live here?

ここに住んでるの?

I own the apartment.

私はこのアパートメントを所有している

An excellent non-answer.

素晴らしい「非回答」だね

What about Captain McConnick?  He work for you?

キャプテン・マコーニックは?彼はあなたの部下?

(キャプテン・マコーニックって誰で何をした人なのか全く分からん)

Detective Riley and I are partners.

ライリー刑事と私はパートナーだ

I didn't see that coming.

それは想定できなかった

(字幕では、「凸凹コンビね」になってました)

 

 一体どういう組み合わせなのか客観的に見るとよく分からないことを教えてくれてありがとうございました。言われた後2人が意味深に視線を交わすのめっちゃ好き♡

 

 リースはこの後ハーパーとトレイの代金として現金をブラザーフッドに渡すために出て行きますが、「大切なお金だが2人に人間の命がかかっているのだから仕方ない」と言うフィンチの発言に、チームの金銭問題が完全には解決していないことが窺われます。S3以前だったらこんなお金気にも留めなかっただろうに…。

 リースがいなくなると更に分析を続けるハーパー。「彼ってCIA?特殊部隊?」と聞かれて、「ミスター…、ライリー刑事は複雑な人でね」とはぐらかすフィンチ。でも、一瞬「ミスターリース」と呼びそうになったのちょっとびっくりしました。フィンチ、ハーパーにはガードが低いよね。この後も、「あなたは民間軍事会社に投資してる金持ち?」「これは社会奉仕活動だよ」「なんでこんなことやってんの?」「誰にも助けは必要だ」「情報はどこから?」「コンピューターが得意で」と、はぐらかしながらも誠実に回答するフィンチです。フィンチって息をするように嘘つける身分詐称人生を歩んできたはずなのに基本的に誠実すぎてかわいい。

 この後2人の人生が対比的に語られます。「あなたはハッカーなんだ。秩序が好きなんだね。強迫性障害みたいに」と話すハーパーに、フィンチは「君は無秩序が好きなんだな」と返します。「肩の力を抜きなよ。流れに身を任せて、滝があったらその時考えればいい。金は悪党から奪ってどんどん身分を変えて自由に生きるの」。ハーパーはそう言いますが、フィンチは「それは逃亡生活だ」と。

 

 フィンチがハーパーにガードが低かった理由がここでなんとなく分かる。生き方が真逆のようで似ているからです。理由は全然違うけど、フィンチも次々と身分を変え、逃亡し続ける生活を送ってきた。でもフィンチは知っています。逃亡は本当の自由ではないこと。本当に愛する人と出会っても偽の身分では未来がないこと。愛する人にさえ真実を打ち明けられない人生の辛さ。そしていつかは必ず過去に捕まるということ。だから彼女に、今のうちに生き方を変えてほしいと思っている。今ならまだ(死人が出ていないし)引き返して本来の自分として生きられると多分フィンチは考えてるから。

 それに、これは想像ですけど、フィンチはちょっとだけハーパーの生き方が羨ましいんじゃないかなーと。フィンチはジーニアスだから特に、人には見えない未来とか計画とか考えが常に頭の中にあって、そういうのを全部放り投げて「なるようになれ!」ってしたことないんじゃないかなあ。

 過去エピソードではフィンチがマシンを熱心に「子育て」する様子が描かれてたけど、実際の子育てはマシンと違って「ダメだったからリセット」とかできないですよね。多分、そういう「全くの想定外の連続」を手探りで行くしかない事態そのものが好きじゃないんだと思う。秩序が好き。これはすごく分かるんです。だからこそ、無秩序な生き方が羨ましいというか、そんな風に生きている人を守りたいって気持ちも分かる。自分みたいな人間ばっかりだったら世の中つまんないもん。向こうは全然こっちを羨ましいとも思わないし眼中にもないって分かってるけどこっちはそう思っちゃう、ある種の無秩序な人にはそういう魅力があると思う。

 そんなハーパーが彼女には全く似合わないアンティークの指輪をはめているのを見て、フィンチは「家に伝わるものか?」と尋ねます。ハーパーにははぐらかされますが、彼女にもルーツや過去、決して捨てられない大切なものがあるということが示唆されます。

 やっぱり、S1E20の「欲望の連鎖」やS3E7の「黒幕」で対象者を騙してた女たちと違って憎めないキャラだよなーと思う。

 

 ところでリースとドミニクの交渉は決裂し、金では解決できないことになります。まあそりゃそうだろ。ギャングがメンツ潰されてんだからさぁ。ドミニクの部下を沈めたシーンはかっこよかったけど、ドミニクと2人で話すシーンはなー。「イライアスはいいのかよ」って思うよねそりゃ(笑)。「互いに手を出さないと約束した」って言ってるけど、明らかに彼の命を守ってたじゃん?ちょっと理屈として弱いなーって思う。

 ストーリーの途中でイライアスが何やってんのか実体がよく分かんなくなって都合のいい協力者になってしまったがために整合性が取れてないんですよね。マフィア間やギャング間の争いはS1E19「父と子」以来、市民に被害が及ばなければスルーの方針?それでもイライアスを守ったことの説明にはならんし…。

 あと「お前は人を傷つける。俺は人が傷つけられるのが嫌いだ」と言ってたけど、「人を殺しても何とも思わない」とかもよく言ってたし、リースの言ってることよく分からん。「悪人は死すべき」って発想なのかもだけど、何が「悪」かは物の見方によるじゃないですか?まあ、前も書いたけどリースの発言の矛盾についてはそれ以上掘り下げたくないし(人って必ずしも精神的に一貫性があるわけでも一貫性がある行動が常にできるわけでもないし)、そういった観点から彼を分析する必要もないだろうと思ってる。

 てかさー、イライアスだってリースを泣き叫ぶ赤ん坊と一緒に冷凍車に閉じ込めたことをリース君は忘れても私は忘れてないですし、だからS4E4の回で「子供を逃がすのを手伝ってくれ」ってフィンチがイライアスに頼んだ時も「そんなんイライアスには関係なくない??」って思ったんですよね正直。イライアスはフィンチには弱いから色々協力してくれるけど、そのせいでリースとの関係がどっちつかずのぐだぐだだしそりゃあドミニクには突っ込まれるわ。

 

 途中でドミニクの胸にファスコがライフル銃のレーザーポインターを当て、「いつでも撃てる」と威嚇します。ドミニクが笑って言う台詞、

 

One of the pretty little brunettes or your partner Detective Fusco?

可愛くて小さい黒髪か?それとも相棒のファスコ刑事か?

 

を聞いて切なくなってしまった。ショウがいたら、その役割はショウのものだったかもしれなかったよね…(しかし、ショウはドミニクに騙されて怒ってたからショウだったら撃ってたかもですが…)。

 交渉決裂して「どうすんだ」って言ったファスコに「物事のいい面を見ろよ」と返すリースですが、ファスコに「Okay, Detective Sunshine」呼ばわりされてんの笑った。次のシーンでハーパーには「背の高い陰気な男」呼ばわりですし(笑)。ちなみに吹替では「陰気なイケメン」になっててどっちにしろDetective Sunshineとは程遠いよな。

 ハーパーは「あたしは一人でもトレイを助けに行くよ。でも手助けしてくれたら嬉しいけど」とフィンチに言います。ここで逃げ出さないのがいいよね。そしてなんか作戦を教えてくれるんですが、「テクノロジーに強いんだよね?」って。この後ハイテク技術使ったシーンあった??って思ったんですけど、天井からトレイを吊り上げたあれのことか??あれにフィンチのハイテク能力関係あります??

 

 この後ハーパーの作戦でトレイ奪還作戦が開始されます。半信半疑のファスコがリースに尋ねます。

 

You really going along with the con girl's plan?

あんた本気であの女の計画に従うのか?

Finch trusts her. Sort of.

フィンチが彼女を信じてる。まあ、そんな感じだ

That's a real vote of confidence.

これはまさに信任決議だな

 

 吹替では「フィンチが信じてる。それだけだ」「信頼関係だな」ってなっててまるで強い信頼関係で結ばれた2人!みたいな感じでしたが、実際の会話はもっとカジュアルというか割と適当です。「フィンチがまあ、信じてみようって言うからさあ」「お前の意見はねえのかよ」って(笑)。結果的にはうまくいき、トレイは救出、メキシコの麻薬カルテルは不正な銃所持で全員逮捕となったのですが、ドミニクは警備会社として銃を正式に登録しており逮捕を逃れます。

 トレイ救出シーン笑った。この人、ギャングに拉致されて散々殴られてんのに悲壮感ゼロです。「すげー!なにこれ超かっこいいー!」ってアホすぎんな。フィンチが大学生の質の低下を嘆くわけです。ハーパーに「生きててよかった!でも別れましょ」と言われて「俺なんかした?」って(笑)。ハーパーといいトレイといい全然危機感がないので、ノリが平和だったS1~S2前半の頃みたいで懐かしかった…。

 

 最後、ハーパーはフィンチに「あなたいい人ね」と、リースには「ヤバいのは自分だけじゃないって気づかせてくれてありがと」と言います。ハーパーとフィンチは全然違うのにどこか似てて、お互い好感を抱き合ってるとこいいなって思いました。で去り際にハーパーはフィンチの時計を盗み、フィンチはハーパーの指輪を盗むのですが、大切なものを交換したみたいでちょっと萌えてしまった。フィンチにとって時計は多分取り戻すまでもないものですが、フィンチは、ハーパーのあの指輪は彼女にとって大切なものだろうと思ってる。だから「取返したければ来るだろう」と言います。フィンチは時計盗られるの知っててやったんだと思うけど、ハーパーは気付いたかな。「これは想定外」ってなってるかもと思うとおかしいです。ピアース君のGPS付き高級腕時計とそれを踏みつぶすフィンチのシーンを思い出してしまいました。

 最後2人で雨の中歩くラストシーンで終わりだったのですが、今回は相合傘してくれないんだーってちょっと残念だったよ。

 

 さて、サマリタン編はE14とE16ではあまり進展がないですね。ルートが色々やってくれてるのでそっちにお任せって感じです。ルートはスリランカに行ってた風だけど、スリランカ?なぜ?「あなたが煎茶を好きなのは知ってるけど」と、紅茶をお土産にくれます。匂い嗅いでるフィンチかわいい。で、「協力者を見つけなきゃ」と言うルートに「あんなことがあった後で…」と言葉を濁すフィンチ。ルートは「はっきり言ったら」と迫りますが、「ショウさんのことは話したくないと言ったのは君だろう」と言われて話を逸らします。「今は71億人の人のことを考えなきゃ」、と。ルートはショウを失っても、マシンの指示に従って行動を続けていることが分かる。アプリを作って売り込みに行くというルートを尾行するフィンチ。

 フィンチの尾行の下手くそさは相変わらずで、ルートに撒かれてます。かわいい。

 ルートはある会社に行って実績を認められ、「ぜひ君を上司に紹介するよ」と言われるのですが、この会議室に飾ってある絵に円周率が描いてあったり、この会社で作っているのが「新しい圧縮プログラム」であったりと、そこかしこに「上司が誰なのか」というヒントがちりばめられてて楽しかった。最後にルートが「会えて嬉しいです」と憧れの目で見つめた相手はケイレブ君。めっちゃCEOっぽくなってる!!新興IT企業の偉い人感出てる!!年齢的には20歳くらい?てことは大学生起業家なのかな。本編で出てくるおバカな大学生との対比もまた面白かったです。

 あと、ルートがめっちゃしおらしい田舎の子みたいな演技しててびびったわ。こんなに印象変わるなんて…。ルート、作中でもいろんな擬態するしキャラクターそのものがS1後半~S2前半とS3中盤以降だと変わってるので、演じ分けすごいなーといつも思います。

 

 今回ティルマン先生とかケイレブ君とかかつて助けた人が協力してくれて、前回不透明だった「サマリタンとの戦いを続けながら人助けも続ける」ことへのモチベーションを目に見える形で描写してくれてるなっていうのは感じました。

 

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POI:ハーパー・ローズ(本名不明ですが…)、トレイ・ウェンダー(いずれも被害者)

本編:日付はっきりしませんが、2015年の1月~2月頃だと思う

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