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04x06 - Pretenders 感想

 POI感想の注意書きです。

yuifall.hatenablog.com

 このエピソードに対する自分の気持ちがよく分からん。久々のスーツの男!って気持ちもあるのですが、S3以前のノリに戻ったみたいと言うにはフィンチのバックアップがないし…。POIの楽しさの半分くらいはリース&フィンチの会話なのに…。

 

 で色々考えていて気付いたんだけど、この回って要はS3以前のPOIのパロディだなと。つまり、モブ視点「スーツの男」回です。だからリースは謎のスーパーヒーロー、ファスコは密かに協力してくれる警察官、ショウはバックアップの美女(もちろんヒーローの恋人)というキャストでお届けしております(笑)。

 対象者は一癖ある感じで、レオンやピアース、オーウェンなどを思い出させる濃いキャラクター。で、「スーツの男」に憧れてる冴えない男です。今回はこの人の理想とする「スーツの男」回、って感じ。同僚の兄、エイベルの死の謎を追っている間にギャングの銃密売事件を突き止め、ギャング同士の抗争に巻き込まれて銃弾戦に…!!そこに現れて颯爽と助けてくれ、身代わりに撃たれるイケメンのスーパーヒーロー!!パートナーは警察官、サポートは美女!!という、絵に描いたような展開。

 

 タイトルのPretendersは複数形になっていて、「警察官である」と身分を偽っている対象者ウォルターであると同時にリースのことでもあるし、てかチーム内でPretenderじゃないのファスコだけですね…。リース、本当はスーツの男に戻りたいんだろうな、ってちょっと感傷的になってしまった。ほんとさー、カウンセリングなんか受けてる場合じゃないよ…。あと、このPretendersはドミニクとイライアスのことでもあるみたいです。

 

 ウォルターはリースに心酔していて、ファスコに「君がうらやましいよ」って言ったり(ファスコが元々悪徳警官でリースに脅されて手下になったこと知らないから…)、ショウをリースの恋人だと思ってたり、フィンチのことはまるで知らないし、モブ側からマシンチームを見るとこんな感じかあ、って思ったのですが、フィンチの「Mr. Reese, we have a problem. (リース君、問題発生だ)」がないPOIなんて…って私は思ってしまいました。。S4、リース君とフィンチって呼び方が激減したのも寂しいんだよなー。別人になっちゃってるから…。

 それにしても、「君の恋人は素晴らしいね!」「サミーン?恋人じゃない」「なんでだよ!」って会話笑ったわ。スーパーヒーローの夢を壊してくれちゃってます。S3でショウもジェンに「ジョンって彼氏なの?」って聞かれて「違う」って言ってたなー。でも今回リース君、ショウにBabyって呼ばれてたからね!ちょっとどきどきしちゃいました。

 

 他のシーンでも「かっこいい♡」ってなっちゃってる(おじさんですけど!)対象者に対してあくまでクールに振舞うリースですが、リース、ウォルターのこと気に入ってるよね。刑事ごっこに付き合ってあげたりして優しいしさ。リースって好きな対象者と興味ない人が結構はっきりしてて、そういうとこ好きです。

 

 最後、対象者と2人で会話するリース。

 

So, Walter... what you've seen with me and my, uh, other friends...

それで、ウォルター…、俺や、俺の、あの、他の友達について君が見たことだが…

Don't worry. Nobody would believe me anyway.

心配しないで。どうせ誰も俺の言うことなんか信じない

Hey, listen, that vigilante I heard about, the man in the suit?

聞いてくれよ。俺が聞いた自警団のこと…、スーツの男のこと

I didn't tell you the rest.

残りを話してなかった

He disappeared a few months ago, and crime went up... violence, killings, and the city needed somebody to keep up the fight, so I figured, why not me?

彼は数カ月前に消えたんだ、そして犯罪が増えた…暴力事件、殺人。だからこの街には戦い続ける誰かが必要だ、だから俺は考えたんだ。それがどうして俺じゃない?

But you know, "me" kind of sucks, so I invented Detective Forge, all because the man in the suit went away.

でも君が知っている通り、「俺」はなんていうか最悪だ、だからフォージ刑事を発明したんだ。全部、スーツの男がいなくなったから

But I was wrong, wasn't I? He wasn't really gone at all.

でも俺は間違ってた。そうだろ?彼はいなくなってなんかいなかったんだ

Good-bye, Walter.

じゃあな、ウォルター

 

 なんか前回までずっと「今の身分を死守するんだ」って言われて身動きほとんど取れずついにカウンセリングまで受ける羽目になってリースがどんどん普通の人になっててつまんなかったので今回久しぶりにスーツの男で楽しかった反面、「最終回~さよならスーツの男~」みたいなエピソードだったので、もうこれでスーツの男は終わりで本格的に普通の人ムーブが始まるのか…って思ってがっかりしたのもあります。あとフィンチのバックアップがなかったの不満。まあ逆に考えるとモブに対して最後まで「スーツの男」のバックにはフィンチがいることを隠し通したと言えなくもないんですが。

 

 あとはなんだろうな。イライアスとブラザーフッドの対決!みたいな?正直ギャングの抗争に興味ないので勝手にやってほしいし、何度見てもイライアスとドミニクの格が違い過ぎて盛り上がらない…。

 イライアスはいつもリース君には冷たいよね…。あんなにフィンチには甘いのにな~。でもイライアスの「俺を誰だと思ってる?舐めんな」みたいな態度好きなので複雑…。フィンチに要求した見返りは「チェスのお相手」とか「真実を教える」とかぬるぬるだったのに、リース君のことは頭を狙っちゃう。まあそんなとこがマフィアっぽさ出てていいんだけどね。現場ではリース君の方が圧倒的に危険だしね。ていうかフィンチに冷たい人あんま出てこないよねPOI…。今回もしバックアップがフィンチだったら、エイベルの携帯に侵入→密売品輸送を突き止める→GPS座標を特定→速攻でトラック確保、かつイライアスと直接話して抱き込む、と、全部フィンチのジーニアスパワーで丸く収まってしまいそうだなーとか思ってしまった。

 今回はベアーまで、フィンチがいないとご飯も食べません。ショウが「ベアーがご飯も食べないよ」とフィンチに電話で話します。「どうした」「あなたがいなくて寂しいんだよ」電話を替わり、「いい子だから食べなさい」とフィンチ。出張先から子供に電話するママかよ。かわいいわ。でもショウには「エコノミークラスで16時間だ」とお疲れ気味です。今まではチャーター機だったのにね…。エコノミークラスなんていつぶりに乗ったんだろうかこの人。

 

 で、フィンチは何をしてるかというとまさかのハニートラップ@香港。わーお。ここも「プリテンダー」か。

 対象者のエリザベスと接触し、人工ニューラルネットワークの意思決定システムの件で議論になりますが、フィンチは慎重派、エリザベスは推進派、って感じでした。でもこういうのって、倫理面に関して一定の学会指針とかありそうだけどどうなのかなあ。AIとかプログラミング関係の研究については詳しくないのでよく分かんないんですが。特にエリザベスは会社経営者だから、技術を商用化する場合、研究以上の厳しい倫理基準をクリアする必要があるのでは?そもそもこの論文って、エリザベスの気を引くためにマシンが書いたのか本当にフィンチが書いたのかもよく分からん。

 ともかくフィンチは「女性への引力」でまんまと対象者と親しくなることに成功し、現地の人間を密かに雇って彼女のPCにトラップを仕掛けます。やりよるな…。リース君、スーパーヒーローやってる間にまたレアフィンチを見逃してるよ。

 

 この2人の会話好き。「好きな等式は何?」とか、ただならぬ感じです。フィンチは「ピタゴラスの定理」って言うけど、多分本心じゃない。で、エリザベスが「オイラーの定理よ」って言って、「反論の余地はないようだ」と微笑みます。やっぱり、本当は、ルートとかエリザベスみたいな知的で強い女が好きなんじゃないのかなあって思った。でもあんまり専門分野がかぶっちゃってると勝ち負けみたいになるからよくないのかな?

 エリザベスにほっぺにキスされた後のフィンチの笑顔が超かわいくてさぁ。この笑顔、インタビューとかで奥さんとの共演について語ってる時のエマーソンさんの素の表情に似てたので、フィンチってほんとはこんな顔で笑うんだ…、ってときめいたわ。やっぱり意中の女性に対してはちょっと違うんですね。

 こういうちょっとした表情の演技が、すごくうまいなって思う。タラジさんも、カーターがキャルに口説かれてるシーンで他では見せないはにかんだような笑顔見せてくれて、恋するとこんな表情を!って思ったもん。リースはやっぱS1E5のエッグベネディクトのシーンと、最後の「Goodbye, Harold」の笑顔が印象に残ってます。

 

 フィンチは知的で美しいエリザベスのこと本当はちょっと好きになったんだと思うけど、やっぱりグレースには敵わないし今は恋愛とかしてる場合じゃないし、って感じもします。ほんとはリースよりフィンチの恋愛もっと見たかったんだけど、グレースが女神過ぎてなー…。生きてるし…。

 あと、前回リースの内面がどうこうって散々書いたけど、そういえばフィンチの心に寄り添ってくれる人ってほとんど誰もいないなって思った。せいぜいマシンがらみでルートくらい?まあ、ネイサンやグレースの件についてはリースが言葉少なに、でも一生懸命寄り添ってあげようとしてるシーンあったから、それで十分なのかなあ。リースとフィンチは、自分の内面に関してほとんど肝心なことを言葉にして語り合わないのにお互い通じ合って大切に思ってるところがよかったので、まあそれはそのままでいいということにしときます。

 

 ところで今回ショウがバックアップだったの、サラ・シャヒさんの妊娠が分かった時期だったからのようです。海外ドラマって長くなってくるとどうしてもキャスト都合でストーリー変わったりあるもんね…。いつ終わるかも分からんのに妊娠待つとかないだろうし。ショウの一時降板なかったらストーリーも変わっていたのかもな、と思う反面、前回のエピソードを見てリースとルートの死はどちらにせよ避けがたかったとも思ったし、どんなにストーリーが変わったところでAI戦争というテーマはもはや動かないし、結局好きだったS1S2の雰囲気に戻ることはなかったのだろうから、繰り返しますが最後までリース、フィンチ、ファスコの降板なかっただけでよかったんだと思ってます。

 

 フィンチは最後にエリザベスと「1か月後にNYで会おう」って約束してたけど、これはおそらくE18のSkipのエピソードだと思われます。S4、あんまり日付がはっきりしないんですが、E6からE18の間が1か月ってことあるかぁ?前回のフィンチがマシンと話すフラグもいつの間にか消滅してたし、ショウ降板で話がけっこう変わったのかなぁ、って気もする。次のE7からE13までショウが見つかって捕まってショウを探して、ってエピソードに費やされるし、Skipでは今回のフラグをルートがびしびしへし折ってくれるし(マジでエリザベスとの接触無意味だった)。

 

POI:ウォルター・ダン(被害者)

本編:2014年(10月末~11月頭のどこか)

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