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01x19 - Flesh And Blood 感想

 POI感想の注意書きです。

yuifall.hatenablog.com

 この話は基本的にマフィア関連なのですが、相変わらず2人の会話にときめく回でもあります。

 

Bit of a late start, Mr. Reese.

少し遅れたな、リース君

Did you forget to set your alarm?

目覚ましをセットするのを忘れたのか?

Had my yoga class.

ヨガのクラスに行っていたのさ

Well, I hope you've gotten in touch with your chi because it seems we have a big day ahead of us.

そうか、それでは君が気を溜めたことを祈ろう。なぜなら今日は大変な日になりそうだからだ

We received five numbers this morning.

我々には5つの番号が届いている

 

 なんだこのツッコミ不在の会話は…。2人とも突っ込みにくいジョーク言うし、お互い全く突っ込まない(というかむしろ真面目にとりあっちゃう)のでこっちが取り残されるわ。

 

 出た5つの番号が全てマフィアのボスのものと気づいてやる気をなくすリース君。

 

I don't know, Finch.

分からないな、フィンチ

We could let the trash take out the trash.

俺たちはゴミにゴミを片付けさせればいいだろう

I know they encouraged a certain moral flexibility when you worked at the CIA, Mr. Reese, but I like to think that we're reaching for a higher standard.

君がCIAで働いていた時、彼らがモラルに関して何らかの柔軟性を推奨したことは分かっているよ、リース君。しかし私は、我々はもっと高い基準に達することができると考えるのが好きだ

In any case, we need to consider the collateral damage.

ともかく、副次的な被害についても考慮する必要がある

So we're going to babysit the five most powerful criminals in New York.

じゃあ俺たちはNYで最も力のある5人の犯罪者のベビーシッターをすることになるわけだ

How do we get close to them?

どうやって奴らに近づくんだ?

These gentlemen meet once a month at the Covenant Club in Brooklyn.

これらの紳士たちは、ブルックリンのCovenant Clubで月に一度会う

 

 リースの

let the trash take out the trash

という発言に対し、フィンチの

they encouraged a certain moral flexibility

という婉曲的で曖昧な非難が面白いです。日本人が一般的に考える以上に、上流階級の人って慇懃な英語を喋るんだろうなーと思いました。

 で、リースのbabysitに対してフィンチのThese gentlemanが笑える。フィンチ、他の回でも強盗をgentlemanって呼んでた回あったなー。

 

 さて、NYのイタリア系マフィアのドンを皆殺しにしようとしているのはイライアスであろうと想定し、ドンを保護しようとする2人。ところがリースの目の前で車が爆破され、ドンの1人が殺されます。そしてイライアスに迫ろうとしたカーターにも危険が迫ろうとしていることが分かります。

 この時のフィンチの発言が好きすぎて…。

 

We have another problem. Detective Carter.

もう一つ問題がある。カーター刑事だ

I thought she wasn't answering her calls.

彼女は電話に出てくれないと思っていたが

She wasn't.

出てくれないよ

But as you know, I've always taken a somewhat liberal view of how to use a telephone.

だが君も知っての通り、私はいつも電話の使い方について一種リベラルな立場を取り続けている

 

 日本語では、端的に「私は電話を自由自在に操れる」になってました(笑)。

 市民の巻き添えを防ぎたいフィンチとカーターを守りたいリースはドンを守るために動くことになります。

 

 イライアスの悲しい過去にはそれほど興味なかったのですが、なんか憎めないですよね…。嫌なやつなのに…。

 冒頭の「母が殺されていなかったら私の人生はどうなっていただろう」という語りは、S1E1冒頭のリースの語りのミラーになっているんだそうです。イライアスにとっての「世界と自分を結び付けてくれるたった一人の人」はお母さんだったんですね。。

 イライアスのフラッシュバックは3回で、1981年は里親っぽい女性と一緒に「ファミリーツリー」を書こうとしてるところ。以前に「イライアスは里親の元をしょっちゅう逃げ出していたが、一人だけ今でもカードを送っている女性がいる」って言われてたから、この人かなあ。いい人っぽいし。

 次の1991年はパパとの初対面シーン。この時にはすでに父親がマフィアのドンであることを知っていて、下働きとしてファミリーに潜り込んでいることが分かります。このレストランのシーンは「ゴッドファーザー」のオマージュらしいです。見たことないので分からないのですが…。この時点では母を殺した犯人が誰なのかをイライアスが知っているかは微妙。

 そして同じく1991年、父親の差し金で部下に殺されそうになるシーン。母を殺した男の名前(デルーカ)と、それが父親の差し金だったことがはっきり分かります。部下を返り討ちにし、復讐を誓うイライアス。

 後から見ると、更生施設ですでにアンソニーとブルースに出会っていることが分かるので、「俺は一人だと思って油断してるな」っていう台詞の裏にはおそらく「実はそうじゃない、すでに腹心の部下がいる」っていう含みがあるように思えます。同じく「一人だと思わないで」って言ったカーターのバックにリースがいたように。

 

 この回はカーターがとにかくかっこいい。「あんたしか頼れないの」って、挙動が怪しい(リースと極秘で繋がってる上にHRに潜入中だから)ファスコを一か八かで信じてマフィアを保護して、イライアスには息子を人質に取られながらも「そんな条件には応じられない!」と突っぱね、

 

I won't let anyone hurt him.

誰にも彼を傷つけさせない

You hear me, Carter?

聞こえているか、カーター

Promise me.

約束して

You have my word.

約束する

 

リースが助けに行ってくれることを信じて自分のすべきことを全うします。

 でもリース、前に「死人は出さない、約束する(You have my word.)」ってカーターに言っておいて悪人が逃走中に事故死した時に「死亡ゼロを目指したのに」って言ってるシーンあったけどね…。どこまで信じていいんだこの人…。

 

 私はこの回で、POI(S3まで)はダブルヒロインものであることを確信したね(笑)。バトルヒロインがカーターで、非戦闘員ヒロインがフィンチ。少年漫画だったら同人では主人公×バトルヒロインが人気になるのに公式は主人公×非戦闘員ヒロインオチになって荒れるやつね。まあ、POIの非戦闘員ヒロインは巨乳美女ではなくておじさんなんですけど…。

 カーターとダイナーで会ってる時のフィンチがさあ、両手をテーブルの上に揃えて置いてたりしてかわいすぎん?エマーソンさんていっつもこんな感じなの?それともフィンチだけ?どうしてフィンチをこんな萌えキャラにした??仕草がいちいちかわいすぎるんですよ…。両手ちょこんってするし、両手でマグカップ持つし、両手で頬杖つくし、お茶の匂いかぐし。絶対、非戦闘員ヒロインのポジションを分かっててやってるとしか思えないもん…。

 

 で、リースだけじゃなくてフィンチもカーター大好きなとこ超好きなの。カーターの息子を守るためにシモンズを脅しに行くフィンチ。

 

Finch, I need you to tell me where to find the boy.

フィンチ、テイラーを探すにはどこに行けばいいのかあんたに教えてもらう必要がある

I'm a step ahead of you, Mr. Reese.

一足先に動いているよ、リース君

The only way to locate Taylor is to make a deal with the devil.

テイラーの場所を特定する唯一の方法は、悪魔と取引することだ

I hope you're not referring to Elias.

イライアスのことを言ってるんじゃないことを祈るよ

Elias isn't the only fallen angel in our rolodex, Mr. Reese.

我々の名刺入れの中で、イライアスがたった一人の堕天使というわけじゃないんだよ、リース君

 

Rolodexは回転式名刺入れらしいです。

 

 イライアスがHRを意のままにするために家族を尾行し情報を得ていることをシモンズに伝えるフィンチ。この後S3にかけてシモンズは超悪役になっていきますが、この回のシモンズの家族のことずっと頭から離れないんだよな…。美人の奥さんと2人の幼い娘がいるじゃん?どうしてあんな悪党になっちゃったの??そしてS3E10の後、この家族はどうなっちゃったの?今回家族を守るためにイライアスと手を切る決断をしたシモンズですが、HRを支配するのに家族を脅す手を使うようになるわけで…。

 あと、今回HRの家族が危険なら、カーターの息子よりファスコの息子の方が危ないんじゃないかって気もしますけどね…。

 

 今回はファスコも超かっこよかったよ。ファスコはHRに潜入中だから誰がいい警官で誰がHRかある程度は知ってるんだろうなと。その情報を駆使してカーターの役に立ってくれます。まあ、セーフハウスの場所がバレたのはファスコのせいかもしれないけど(尾行された?)、その後汚染されていない応援を呼んでくれるし、はっきり描写はされませんがザンブラーノを射殺したのもファスコかなって気がする。

 

 フィンチはシモンズを使ってテイラーの居場所を聞き出し、HRの警官を全員撤退させます。情報戦…。強い…。テイラー奪還シーンではリースがめちゃくちゃかっこいいぞ。無双です。現場に着くと、「役に立たなくて申し訳ない」と辛そうなフィンチ。いや、あなたがいなかったらそもそもここには来られなかったじゃん…。役に立ちまくりじゃない?そして大嫌いな武器を持って囮になろうとするフィンチに、「いいんだ」と手を押さえるリース。

 

This is where they're holding Taylor.

彼らがテイラーを監禁しているのはここだ

What's your plan, John?

どんな計画だ、ジョン

No plan.

計画はない

I'll just take the direct approach.

正面突破するさ

I'm sorry I'm not much use on this end of things.

こういう面では使い物にならなくて申し訳ない

Look...Show me how to fire one of these and I can help.

ああ、そうだ、これの使い方を教えてくれ。助けになれる

I'll...Create a distraction, I suppose, or...

いや、目を逸らすことはできる、おそらく、もしくは…

That's okay, Harold.

いいんだ、ハロルド

You can be the getaway driver. I'll be fine.

あんたは帰りの運転を頼む。俺は大丈夫だ

Besides, you know I don't like it when people mess with kids.

それに、俺が子供に悪さをする奴らが大嫌いだと知っているだろう

 

かっこいいー!!フィンチが「助けになれる」と言いかけて「敵の目を逸らすくらいはできる」って言い直すの健気すぎる。あんなに嫌いな銃を握りしめて…。でも、フィンチがいたらむしろ足手まといだよね…。フィンチを守って戦わなきゃないからさ…。リースがフィンチを囮にするわけないじゃん…。リースは「ハロルド」って名前呼びだし超優しいしこの会話シーン胸がときめきまくります。そしてこの後のテイラー奪還シーンはマジでめちゃくちゃかっこいいし、言葉で書き表すのは不可能なので映像でぜひ♡

yuifall.hatenablog.com

Mom, it's me.

ママ、俺だよ

Taylor. Are you okay?

テイラー。大丈夫なの?

That guy you sent is kind of a bad-ass.

ママが送ってきた男、凄腕のワルだね

Yeah, he knows it too.

ええ、彼も知ってるわ

Who's the guy with the glasses?

メガネの男は誰なの?

If you find out, let me know.

もし突き止めたら私に教えて

 

この会話じーんときた。リースはbad-assだし、メガネの男は正体不明ですよね。

 最後抱き合うカーターとテイラー見て涙出たよ…。タイトルのFlesh and Bloodは「肉親」ですが、殺し合ったイライアス父子と互いを思いやるカーター親子が対比されます。イライアスはカーターの手で逮捕されますが、収監されても当然その影響力は衰えません。刑務官?も抱き込んで父に最後の電話をかけ、そして車は爆発する…。手を下したのはアンソニーでした。「一人じゃない」んですよね、やっぱり。

 

 逮捕されたイライアスは1965年8月18日生まれを名乗ってますが、65年生まれだと1981年は16歳になっちゃうけど、あのシーン明らかに16歳より幼かったですよね…。絶対小学生くらいだったよ…。1991年には26歳です。それも、もっと若そう。

 ていうか、そもそもママが殺されたのは1973年で「母が殺されたのは4歳の時」って言ってるから、イライアスは実際は1969年生まれだと思われます。そうすると1981年には12歳、1991年には22歳で辻褄が合うし。なんで警察で嘘ついてるのかはよく分かりませんが…。しかもこの嘘別に何かのフラグというわけでもないし。単なるミス?

 

 結果的にマフィアのボスはほとんど殺され(色々あって番号出た5人中4人が死亡)、イライアス父もその嫡出子もやられるのでこの回あまり人助けにはなってないのかもですが、市民のダメージは最小限に抑えられた??

 結果的にゴミにゴミを片付けさせてしまった感じもしますが、リースかっこいいしテイラーが無事だったのでまあいいです。てかみんな、マフィアのドンの生死にそれほど興味ないよね多分…。

 

 ちなみに「スピーカーの出入力を逆にすれば集音マイクになる」というのは嘘です、とWikiに書いてあって笑った。

 

POI:カパレリ、ザンブラーノ、グリフォーニ、バシーレ、モレッティ・ジュニア(全員被害者)

本編:2012年4月3日~5日

フラッシュバック:

1981年、イライアス(里親と)

1991年、イライアス(モレッティ&部下と)