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01x09 - Get Carter 感想

 POI感想の注意書きです。

yuifall.hatenablog.com

 何か見てて思ったんですが、リースがカーターに片思いしてるの萌える(笑)。もうずっと一方的に好きなの。でもカーターはテイラーに「あなたがいればいいわ」って言ってリースを振り向いてはくれないんですよ…。てか、まあ実際わりとずっとそんな感じなんですが。

 この回はマジでリースがカーターのためになんでもかんでもやらかすのがすごい好きです。まずはチンピラのアジトにグレネードランチャーをぶち込んで、マシンガン乱射からの銃と車強奪(このシーンめちゃくちゃかっこいい)。次にDV男の制裁。リース、DV男死ぬほど嫌いだもんね。でチンピラの逮捕劇にも変装して乗り込み、カーターを案じるフィンチに「心配するな。そばにいる」とか言って超かっこいいです。最後は裏切ったCIを撃ち殺し、HRの警部も脅しちゃうぞ。すげーセコムっぷりです。でもカーターかっこいいし惚れるよねー♡

 

 冒頭、リースはなぜか殺人現場に。後から考えると、多分警察無線を傍受してますねこの人。で、フィンチから「番号だ」と電話がかかってきて、「もう手遅れだ。なぜ番号が出なかった?」と尋ねるリース。「残念だが、マシンは計画的犯罪しか検知できないんだ」とフィンチ。彼が告げた「番号」はカーターのものだった…。

 Wikiを見ると

 

Reese and Finch's game of cat and mouse with Detective Carter becomes infinitely more complicated when The Machine declares that she is their newest POI.

 

と書いてあって笑えます。トムとジェリーかよ。

 ちなみにこのタイトル、Get Carterは1971年のドラマのタイトルから取っているとか…。初めてメインキャラクターがPOIになったから名前を入れたのかなーと思ってた。(もともとはS1E6のタイトルがKilling Zoeだったらしいです)

 

 カーターの息子初登場です。リースとの初対面での会話からは夫は従軍後のPTSDに苦しんでいるという感じでしたが、このエピソードでは「私も親しい人を亡くしたの」と言っています。車に夫と思われる男性の写真が置いてあったりして、亡くなったのは旦那さんかなぁ?と思わせる感じ。でもS3E8で夫が生きていることが分かるので、このあたりはまだキャラクターの背景が固まっていないのかな。この回を見た時は死別でシングルマザーになったのかと思っていましたが、後で離婚だったことが分かります。カーターは実母に助けてもらいながら一人でテイラーを育ててて、ファスコは奥さんと共同親権って感じしますね。

 息子テイラーは高校のフレッシュマンという設定だから、14~15歳くらいか。1996年生まれくらいと考えると、フラッシュバックの2004年にはすでに8歳くらいです。尋問していたユスフの息子と同年代ですね。

 

 カーターは正義感の強い警察官だから敵が多くて、フィンチがリストアップした「敵」は300人以上…。その中でも「差し迫った脅威」として3人がピックアップされ、それぞれのエピソードが重なり合いながら進行します。

 1人目はチンピラのヘクターで、冒頭の殺人事件の第一容疑者。2人目は妻にDVを加えているコバック。そして3人目はイライアスです。フィンチは「彼女から24時間目を離すな」とリースに命令するのですが、今回フィンチあんまり活躍しないな…。今回はまた図書館で「リース君何してる」とか言ってるおじさんですね。一方リースはカーターを付け回し、なんでもかんでもやらかすぞ。楽しいな(笑)。

 

 フィンチがファスコにカーターを監視させようと人形にカメラを仕込むシーンの会話笑えます。

 

Didn't know you collected dolls, Finch.

あんたが人形を集めていたとは知らなかったよ、フィンチ

As you know, I collect rare books, Mr. Reese.

ご存知の通り、私は希少本を集めているよ、リース君

180-gram vinyl and a Xerox Alto when I can find one.

180グラム重量版アナログレコードと、探すことができたらXerox Alto(1970年代に開発された最初のコンピューター)も

This doll is for Detective Fusco.

この人形はファスコ刑事にだ

Fusco's into dolls?

ファスコが人形好き?

He is now, if we want to keep eyes on Detective Carter.

今からそうなるんだ、もし我々がカーター刑事を見張りたければ

 

 人形っていっても、かわいい感じの警察官の人形ですよ。別に萌えフィギュアとかリアルドールではないです。なのに、「あんたが人形好きだとは」みたいなフェチっぽい言い方してくるリース君。そんでムキになって?趣味をしゃべってしまうフィンチですが、これによってリースはフィンチに関する何らかの手がかりを得たんでしょうか?

 

 3エピソードが同時進行し、さらにフラッシュバックが重なるのでストーリーはわりとビジーです。理解しづらくはないけど。

 

 フラッシュバックは2004年、カーターがイラク?で尋問官をしていた時でした(イラクという記載とアフガニスタンという記載があり、実際のところはよく分かりません…)。相手のユスフはテロリストで、マシンの顔認識が赤枠、relevant表記が出ています。この頃マシンはすでに稼働していたけど(2002年だったはず)、公式にオンラインになったのは2005年だからその前です。カーターが尋問をしていることから、カーラのように「匿名の信頼できる情報源があるから尋問なしで殺す」状態ではないことが分かります。あと、爆弾の在処を聞き出さなくてはならないからどちらにせよ殺すわけにはいかない状況。

 カーターは尋問相手を大切に扱い、彼の家族や兄弟を思う気持ちを思いやります。実際はこんな尋問で口を割ったりしないだろって思いますが、彼女の人となりがよく分かるエピソードになっています。彼も家族のことも守ると約束したカーターにユスフは心を動かされて爆弾の場所を教えてくれるのですが、実行部隊によって彼は殺されてしまう…。おそらく彼の家族も殺されるだろう。証人と家族は保護されると信じていたカーターは「誰が死んで誰が生きるかを決めるのは許されない。神にでもなったつもりなの」と激怒しますが、「お前は一人で戦え」と切り捨てられます。そしてこの年に司法試験に合格し、刑事の道を選んだことが分かる。おそらくカーターはユスフとその家族を助けられなかったことに負い目を感じて軍を辞めたんだと思う。

 

 現実のエピソードは、まずはチンピラのヘクター編。

 カーターはヘクターの自動車修理工場に行って手がかりを得ようとするのですが、殺人があった夜は愛人のモニカが一緒だったと言い張られてしまいます。雑貨店の店主が何か目撃していると思い話を聞きに行くのですが、「殺された子も事件の目撃者だった。喋りたくない。家族がいるんだ」と拒否されます。カーターは「証言してくれたら守ることができる」と一生懸命訴え、わずかばかりの手がかりを得ます。

 一方リースはヘクターの自動車修理工場に押し入るぞ!グレネードランチャーをぶっ放してドアをこじ開け、チンピラをマシンガンで撃ちまくってから「Knock knock」とか挨拶してて笑う。散らばっていた銃をかき集めて車でド派手に脱出します。この時のリースとファスコの会話好き♡

 

Hello. What, do you miss me already?

よお。なんだ、もう俺が恋しいのかよ

You're a hard man to miss, Lionel.

お前を恋しがるのは難しいな、ライオネル

(お前は寂しく思うには難しい男だよ)

 

 このMiss me?って言い方、ファスコもリースもよくしますよね(笑)。よくある言い回しなの?この2人が言い合ってるとじゃれ合う男子たちに見えて笑えるが、リースがフィンチに言うのはマジっぽくてちょっとどきどきする(そしてフィンチがガン無視するのもまたマジっぽい)。

 ちなみにこの時リースの台詞は字幕では「寝ぼけてんのか」、吹替では「自分が何言ってるか分かってるのか、ライオネル」になってました。どっちも笑えるが原語が一番面白いな。

 

 なんやかんやでヘクターは逮捕されます。愛人同士のバトル笑えたな。

 

No, no, no. You see, my man don't step out on me. I'll cut it off.

そんなの嘘よ。あたしの男は浮気なんかしない。ちょん切るから

 

って言ってて笑ったわ。吹替では「別れてやるから」になってましたけどね。Brandy and Monicaの The Boy Is Mine 思い出してしまった。

yuifall.hatenablog.com

 殺された被害者がまだ少年だったこと、ある事件の目撃者だったが証言を撤回したために守ってあげられなかったことが語られ、「正しいことをしてくれた人を守りたい」という、どうしても犯人を捕まえたかったカーターの強い動機がフラッシュバックシーンで分かるようになっています。

 

 2番目はDV野郎のコバック編。被害に遭っている奥さんに、「私は殺人課の刑事よ。あなたがご主人に殺されたら出番ってこと」とどうにかエスカレートする前に被害を止めようとしますが、奥さんの心には届きません。ファスコに「どうしてDVに関わる」と聞かれて、「事件が起こる前に防げたらいいじゃない」と答えるカーター。カーターは勤務時間中にバーに立ち寄っていました。その行動を不審に思う2人。

 フィンチの

 

With this many people after her, I'd be inclined to pick up the tab.

こんなに多くの人々に追いかけられていたら、私は彼女に一杯奢ってやりたい気持ちになるな

 

って発言笑えます。字幕では「彼女はモテるな。私も一杯奢りたいよ」になっていて、吹替では「こんなに多くの敵に狙われていたら、奢ってあげたくもなる」になっていました。だいぶニュアンスが違いますが、実際の発言は後者に近い気がします。

 バーで会っていたのは飲んだくれのコバックでした。DVをやめろと警告するカーターに、お前には関係ない、市民には武装する権利があると返すコバック。

 

And I promise you, I got a pretty big gun.

言っておくが、俺の銃はデカいぜ

Man as angry and bitter as you are...

あんたみたいな怒りっぽくて悲惨な男はそう言うわ…

I got a feeling it ain't that big, Eddie.

それは言うほどデカい感じはしないわね、エディ

 

 字幕では「言うほどデカくないくせに」、吹替では「大きいのは口だけでしょ」みたいな感じになってました。ニュアンスとしては前者に近いですね。実際、目線を挑発的に下半身にやってからまた顔に戻します。そのやり方を見たリースが、

 

I got to admit, Finch, I sure like her style.

認めざるを得ないな、フィンチ。俺は彼女のやり方が好きだよ

 

と笑います。多分、字幕ではリースのこの発言を受けてフィンチの発言を「彼女はモテるな。私も奢りたい」にしてる気がする。

 最終的に銃を持ち出したコバックを恐れて妻がカーターに電話で助けを求め、彼女は駆けつけますが、カーターを脅し妻を殴るコバックはリースの制裁を受けていました。この時のリースとカーターの会話好き。「あなたは何をしてるの?神様みたいに振舞い続ければ、いつか無実の人が傷つくわ」と訴えるカーターに、リースは「俺のことはどうでもいい、君は命を狙われている」と危険を必死に訴えます。「なぜ分かるの?どうして助けてくれるの?」と聞かれ、「俺には分かるんだよ」と答えるリース。

 この回、カーターを必死で守ろうとするリース&フィンチに超ときめくわ…。特にリースがカーター大好きなの超ときめく。

 

 中盤、リースがフィンチに

 

We got into this to stop bad things from happening to good people.

俺たちはよい人々に悪いことが起こるのを止めるためにこれをやり始めた

Carter's been doing that her whole life.

だがカーターはそれを全人生の間やり続けている

She's not just another number, Finch.

彼女は他の番号と同じ存在なんかじゃない、フィンチ

Some people the world can't afford to lose.

世界にとって失う余地のない人の一人だ

 

って言うの、なんかすっごく切なくなってしまった。カーターがS3で死んでしまうの知ってるし、それでリースが崩れてしまうのも知ってるし…。フィンチとはまた違う意味で、カーターはリースにとって羅針盤みたいな存在だったんだと思うんですよね。正しい方向を示してくれる人、っていう意味で。

 この回でカーターは、一度道を踏み外した人であっても正しいことをしようとしたら全力で助けてあげようとしていること、それから誰かに悪いことが起こる前に防ごうとしていることが分かります。S3E10 The Devil’s Share でも思ったけど、カーターとフィンチはどこか似てる。リースは後でフィンチにも「あんたは世界にとって失えない人だから」みたいなこと言うし。S1E7のWitness でも思いましたが、リース君の好きなタイプの人分かってきた気がするよね(笑)。

 

 ラストはイライアス編。

 イライアスはHRを使ってカーターを殉職に見せかけて殺そうとしていました。ファスコが汚職警官仲間?上司?に接触してそれを突き止めます。イライアスは警察内に侵入してカーターの机に百合の花束置いたり、陰湿ないじめっ子みたいな真似をしてきます(笑)。「今日中に殺される」という情報を得てリース&フィンチはカーターに張り付くのですが、午後11時を過ぎた頃にはへスターもコバックも逮捕されていました。一体誰を使って殉職のように見せかけるのか?フィンチは「まだ終わっていない気がする」と不安を訴えます。

 最終的に、カーターを裏切って撃ったのは彼女の情報提供者でした。リースに散々「命を狙われている」と脅されていたカーターは防弾ベストを着ていたのですが、撃たれて倒れます。頭に更に撃ち込まれそうになった時、CIを撃ったのはリースでした。

 

Glad you took my advice about wearing that vest, detective.

ベストを着てほしいというアドバイスを聞いてくれて嬉しいよ、刑事さん

I know this doesn't change anything.

これで何かが変わるわけじゃないのは分かってる

I know you'll still arrest me if you get the chance.

もし機会があれば君は俺を逮捕するだろう

But you should know, whether you like me or not, Joss, you're not alone.

だが知っていてほしい、俺が好きでも嫌いでも、ジョス、君は一人じゃない

 

 かつて軍では仲間に「一人で戦え」と言われ、今警官仲間に裏切られて殺されかけたカーター。でも逮捕するためにずっと追い続けていた犯罪者のリースに「君は一人じゃない」と命を救われます。

 後から見ると、これは次回のフラグですよね…。これがあったからカーターはリースとフィンチを見逃してくれたんだ…。それから、ジェシカに「人は一人だ。助けは来ない」と言っていたリースがE5では「俺は一人じゃない」、今回は「君は一人じゃない」発言をしていて胸がじーんとします。

 

 最後はカーターとテイラーの朝食のシーン。テイラーはカーターのことを心配しています。

 

You out there every day. Who's got your back?

毎日外で働いて、誰か助けてくれるの?

You don't have to worry about me.

私のことは心配しなくても大丈夫

I can take care of myself.

自分でどうにかできるわよ

Besides...We got each other.

それに…私にはあなたがいるじゃない

Who else do we need?

他に誰が必要なの?

 

 カーターはどこまでも強い母でかっこいいです。助けてもらったからといって簡単に心を許したりはしないぞ。でも次回助けてくれるんだよね。カーターほんと好き。

 

 そういえばDVDにはS1のNG集がついてて、車強奪して逃走するシーンでエンジンがかからなくて何度もブーンブーンってさせたあげくNGになったシーンが入ってて笑えた。NG集、カーターとスノウの緊迫したシーンで2人とも笑っちゃってたり、カーターが一口飲むドリンクにストローがさしてあってストローで飲んだら「ストローから飲まないで」ってNGになったり、撮影中にリース役のジムさんの奥さんから電話かかってきちゃって「ハニー?今撮影中なんだ」とか言ってたりみんなかわいかったです。

 あと、Wiki見たらこの回ではマシンの監視映像にIFTの巨大広告が映っているらしく(見つけられず)、IFTのロゴと “It’s all in the details” というメッセージが表示されているとか。小ネタ…。

 

POI:ジョス・カーター(被害者)

本編:2011年(日時はっきりせず)

フラッシュバック:2004年、カーター(イラク?)