POI感想の注意書きです。
この回はイライアス役の役者さんの演技がすごすぎて、見るのが辛いレベルです。
最初の優しそうな高校教師の時と影のボスであることが発覚して以降で、別人のように表情や仕草が違いますから。これは騙されるよー。最後リースが「こんな奴を助けてしまった。このせいでますます番号が増える」ってキレるのも、この後似たようなことが繰り返されるのを知っている身としてはとてもつらい。。対象者が被害者か加害者か分からないってすごい設定ですよね。よく考えたなあ。
イライアスがリースの気持ちを容赦なく裏切ってくれるのでわりと最近までこの回見直すのかなり辛かったんですけど、S4のイライアスとアンソニーのエピソードと、何と言ってもS5E10 The Day The World Went Away 観てからもう憎めなくなっちゃって…。最後はここでイライアスはフィンチのために死んだんだ、って思って胸がいっぱいになってしまった。。
しかもその時、イライアスを尊敬していたギャングの1人がフィンチのことを「イライアスが尊敬してた男だ」って言うんですよね。。この回では途中でリースが「バートン先生」とフィンチを重ね合わせるシーンがあるんですけど、ある意味「バートン先生」はイライアスが本当にこうなりたかった男だったのかもしれないと思ってしまってとても切なかったです。
冒頭の会話がいつものごとく好き。
「教師?じゃあ生徒に狙われているんだろう。教師はある意味とても危険な仕事だ」と言うリースに、「そうだな、スパイよりも危険だろうな」と皮肉るフィンチ。リースはにやっと笑います。そこにファスコから電話があって、「探してる奴がいる。180cmくらいの禿げた白人で、クラスの人気者ってタイプじゃない」と言われたリースは「もう見つけた」と。で、ロシア系マフィアが対象者を殺しに現れます。このテンポのよさ面白い。
この回ではイライアスとアンソニーだけでなく、シマンスキーやヨゴロフなど今後わりと出張ってくる重要キャラがたくさん出てきます。あとやっぱりリースが対象者に張り付き、フィンチが裏で色々調べつつリースの心配するってパターンが確立されてきたのとても楽しい。
マフィアの抗争の目撃者である歴史教師チャーリー・バートンを助けるためにロシア人マフィアから逃げることになったリース。銃撃で肩に負傷したバートンを庇いながら、ブルガリア人マフィアのシマである公営団地に逃げ込みます。もうこの場にいるだけで生きた心地しない感じの団地ですね…。逃げ込む際に携帯を壊されてしまい、フィンチとの通信が途絶えるリース。バックアップなしで逃げなくてはならなくなります。フィンチもリースを心配し、ブライトンビーチに自ら赴きます。
フィンチがATMをハッキングして防犯カメラの映像を入手するシーンとても好き。カーターが「ATMのカメラ映像を手に入れるまで、令状を取って2週間はかかるわよ」とか言ってる裏でやりたい放題です。NYPDの制服を着た不審者(アンソニー)に気づき、ファスコに車両を追跡させます。
この回はそういえばフィンチとファスコが初めて会話しますね。
I need to talk to you about our mutual friend.
我々の共通の友人について話す必要がある
Who's this?
誰のことだ?
And who the hell is our mutual friend?
共通の友人って誰だよ
I seem to recall you were going to take him to Oyster Bay once upon a time.
かつて君が彼をオイスターベイに連れて行こうとしたことを君に思い出させないとならないようだね
So you're his guy?
ああー、あんたが奴の手下なのか?
No, detective. I think that's your role.
違うよ、刑事さん。それは君の役目のようだ
I've lost contact with him.
彼と連絡が取れなくなった
車のナンバーをフィンチがファスコに話すとき気づいたのですが、リースは「Greg, Henry, Oscar, Seven, Five, Six, One.(GHO-7561)」みたいな言い方するので、アルファベットを人に伝える時はこういう言い方をするのが一般的なのかーと思っていたのですけど、フィンチはそのまま「TNF0818」と言っています。どちらがより普通なんでしょうか。こういう細かい喋り方の違いが面白いなと思いました。
リースと連絡が取れなくなるたびにフィンチが必死で色々してくれるのとても好き…。今回は自らファスコに接触します。直接会っちゃうのかってちょっとびっくりしたよ。「あいつから連絡はあったのか」と尋ねられ、「彼が無事か気になるのか?」と尋ね返すフィンチ。「好奇心だよ」と答えられて「No」と返します。そしてその後「連絡はない」と一人呟きます。めっちゃ心配しとるわ…。
一方リースはヤク中だらけの団地でバートン先生と交流を深めていました。正体知ってから見るととても辛いのですが、一方でとても萌えるというか…。リースっていい人だよね…。バートン先生はブライトンビーチの高校で歴史の先生をしていて、こういう団地に住む子供たちのために尽くしています。親がマフィアでも教育で道が開けると信じて。「子供たちを見捨てられない」と話すバートン先生にどんどん感情移入していくリース。
If I can find a line that's still operating, we can make a call.
もしまだ使える電話線が見つかれば、電話ができる
Wow, I thought I was the only one who still had a hard line.
まだ固定電話を使っているのなんて私だけだと思っていた
I was hoping there was someone in this building as old-fashioned as you, Charlie.
このビルに住んでいる人間なら、あんたと同じくらい時代遅れの人物もいることを願ってるよ、チャーリー
I'm sorry I got you into this mess.
こんなごたごたに巻き込んですまない
It's okay. It's my job.
いいんだ。これが俺の仕事だ
It's a dangerous career choice.
危険な仕事を選んだんだな
That's the second time today I've heard that.
今日それを言われたのは2度目だ
It's funny. You remind me of him.
おかしいな。あんたは俺に彼を思い出させる
Finch... I was just talking about you.
フィンチ…俺はちょうどあんたについて話してた
Where are you, Mr. Reese?
どこにいるんだ、リース君
The double "B" housing projects-- fourth floor, north tower.
BB公営団地だ。北棟の4階にいる
Find me a way out of here, Finch-- one that no one else will use.
脱出経路を探してくれ、フィンチ。誰も使わないようなやつを
どん底の環境にいる子供たちに寄り添おうとするバートンに、リースは人助けに命を捧げるフィンチの姿を重ねていました。だからこの極限状態でリースがバートンにどんどん感情移入して、「守りたい」気持ち全開になっていく様子見るたびに、リースってこういう人(≒フィンチ)好きなんだぁ♡ みたいな萌えがすごかったです…。映像的にはイケメンのおじさんに禿げたおじさんが「ありがとう」とか言ってるだけなんですけど…。あとヤク中からコカイン奪い取っておいて「Thank you」とかいつものリース節が見れて楽しい。
ずっと待っていた連絡が来てフィンチが即座に応答する様子も、脱出経路を尋ねられて即座に図面を手に入れるのもとても好き。こんないつ建ったのかも分からなさそうな建物の図面を一瞬で手に入れられるとは…。リースとバートンはフィンチに指図された出口を目指して廊下へ出て行きます。ギャングに見つかりそうになったところで、教え子のウィルに助けてもらう2人。
ウィルが読んでいた本「モンテクリスト伯」は、不当に扱われ身を潜めていたが舞い戻って復讐に生きるというイライアスの運命を暗示していました。また、もしかしたらリースのことを言っているのかもしれないとも思います。人生を奪われ死んだと思われていた男が、ある一人の男に救われて人生を取り戻す話。まあ、リースは復讐に生きたわけじゃないのでやっぱりイライアスのことかな。
ちなみに2002年にジム・カヴィーゼルさんがモンテクリスト伯を演じていたらしく、それにも引っかけているのかもしれません。
ウィルは「復讐は何も生まない」と話し、2人をうまく逃がしてくれます。この子めっちゃいい子だし頭いいし、余計悲しくなったわ…。バートンがイライアスだと知ってどうなってしまったんだろう。裏切られたと思ったんだろうか。それとも、それでも尊敬の気持ちは消えなかったのだろうか。S5では団地のギャングが「イライアスはここではヒーローだった」って言っていたから、正体を知った後も彼を慕ったのかもしれないとも思います。このシーンも、S2の2πRのフィンチとケイレブのエピソードと重ねて見てしまう。
後から見ると、やっぱりイライアスとフィンチは似ていたのかもしれません。フィンチは父を愛し、イライアスは憎んだことによって全く違う方向に人生が決められてしまったのですが…。
2人はロシア人マフィアの一人を捕まえ、携帯を手に入れてフィンチに連絡を取りながら団地を脱出します(この時のFinch, It’s me. 「フィンチ、俺だ」がいつも好き…。「俺だ」だってさ)。しかし、行き先がアンソニーにバレていました。行き先を唯一知っているファスコがイライアスの内通者だと考えフィンチは腹を立てますが、ファスコはアンソニーに襲われてしまいます。
後から見ると、普通にイライアスがこの携帯でアンソニーにメッセージ送ってたんじゃん…、と分かるのですが、初見では何が何だか…。
逮捕されたヨゴロフとカーターの会話と、フェリーの上でのチンピラとリースの会話が重なって、一体誰が黒幕だったのかがようやく分かるのですが、もう普通にリースとバートン先生に感情移入しちゃってるからほんとにしんどい場面です。
I thought about killing you, John.
君を殺すことも考えたよ、ジョン
But I realize that that would seem ungrateful.
だが、それは恩知らずに見えるだろうし
Besides, how do you take the life of someone so talented?
それに、こんなに才能のある人物の命を奪うというのはどうだろうな?
I could really use a guy like you in my organization.
君のような人物を私の組織に欲しいよ
I wish you luck, John.
元気でな、ジョン
If you stay out of my way, I'll stay out of yours.
もし邪魔しないでいてくれれば、私も邪魔はしない
What if I don't?
もし邪魔したら?
Then we'll meet again under less pleasant circumstances.
より不愉快な状況で再会することになるだろうな
「私の手下にほしい」と言われ睨みつけるリース。やっぱりフィンチがいいよね♡
でもリースはフィンチにも腹を立てていました。
Couldn't have known about Charlie.
チャーリーのことを知ることはできなかった
The machine found a man who was targeted for death.
マシンは死の対象となっている人物を探し出す
We just didn't know that he was also a killer.
彼がまた殺し屋でもあることは分からなかった
It's my fault he's out there, Finch.
彼を助けたのは俺の失敗だ、フィンチ
It's not yours alone.
君だけの失敗ではない
We just saved a man whose only goal in life is revenge.
復讐を人生の目的とする男を救い出してしまった
He spent years studying his enemies through their own children.
彼は子供を使って敵を調べていたんだ
John, we have limited information.
ジョン、我々には限られた情報しかない
We knew when we began this that we might make mistakes.
間違いを犯すこともあると知って始めたことだ
But we have to go now.
だが続けなくては
We have more people to help-- more numbers.
助けを求めている人たちはまだいるんだ。多くの番号が
And how many of those numbers will come up because we saved one man's life?
俺たちがあの男の命を助けたことで、これからどれほどの番号が上がってくるだろうな?
まあ実際この回でもベニーとヨゴロフ父は普通に殺されとるし(番号出てない)、今後イライアス絡みでいろんな番号が上がってくるしリースもレイラともども殺されかけるし散々なのですが、最後はフィンチを助けてくれたからなぁ…。どうしても憎めないんですよね…。それにしてもリースの気持ちを裏切ってくれて何度見ても辛い回ではあります。
POI:チャーリー・バートン/カール・イライアス(被害者だよね?)
本編:2011年10月16日あたり(ファスコの書いた書類によれば。時間戻ってない?)
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