「一首鑑賞」の注意書きです。
71.斜めがけのカバンに入れた炭酸が尻ポケットのおさいふで弾む
(斉藤斎藤)
砂子屋書房「一首鑑賞」で染野太朗が紹介していた歌です。
この歌、「アーカイブ一覧」のページでは
斜めがけのカバンに入れた炭酸が尻ポケットのおさいふで
弾む
というふうにリンクが表記されていて、一瞬「弾丸」のように見えてどきっとしました。その後も、弾丸とは全く関係ないと分かっていても、「炭酸」という弾けるイメージと「弾む」という漢字の印象でどうしても拳銃が頭から離れず、斜めがけのカバンに入っているものは銃なんじゃないか、それが尻ポケットのおさいふで弾んだら暴発するんじゃないか、というドキドキから抜け出せません。
それにしても拳銃からどうにか意識を引きはがしてみると、「おさいふ」のかわいらしさと「弾む」の語感で、うきうきした気持ちを感じます。完全なる偏見ですが、斉藤斎藤にかわいくて楽しいイメージってあまりなかったのでなんか勝手にほっとした(笑)。
炭酸のおそらくペットボトルがぶつかって弾むほど分厚いおさいふを尻ポケットに入れているのが男性っぽく、歩きながら尻のおさいふとカバンの炭酸を感じている臨場感がいいです。「炭酸」だし、明るい雰囲気から、5月頃~初夏のちょっと暑いくらいの昼間をイメージしました。斜めがけのカバンには、炭酸のペットボトルよりも重いもの(教科書とか)は入っていない感じがするので、休日かな。それにしてもおさいふを尻ポケットに入れて、男の人って他に何をカバンに入れて持ち歩くのだろうか。
たったこれだけの歌なのに、こうやって色々想像させてくれて、楽しい気持ちにしてくれてすごいなって思いました。しょうもない感想ですが…。
なんか作者が斉藤斎藤っていうだけで、深い意味があるんじゃないかって考えて素直な感想書けなくなる気持ちよくないなーと思って素直に受け取ってみました。ちなみに染野太朗の鑑賞文にも似たようなことが書いてあってすごく共感した。
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