北溟社 「現代短歌最前線 上・下」 感想の注意書きです。
え、という癖は今でも直らない どんな雪でもあなたはこわい
この人の歌は初めて読んだときすごいびっくりした。というか、「現代短歌」的なものを最初に読んだのが俵万智だったので(まあ、ありがちですけど)、俵万智の非常に分かりやすい世界から、東直子、穂村弘の不条理ワールドに触れた時本当にびっくりしました。こんな言葉の使い方あるんだ…って。
だってこの歌、上の句と下の句の連続性が全然意味不明な上に下の句の意味が全然分からないんですよ…。なのにすごい好きなの。理由は分かりません。「あなたのカヌー燃えるみずうみ」なみに好き。「どんな雪でもあなたはこわい」のかぁ。初めて読んでから20年くらい経ってるような気がしますけど未だに意味は分かりません(笑)。
しかし、東直子の歌に関しては、ググって解釈を知りたいという気持ちがあまり起こらなくて、分からないまま自分の中で大事にしておきたいような感じがする。
一度だけ「好き」と思った一度だけ「死ね」と思った 非常階段
これはまだ分からないでもない系ですが、シチュエーションが分からない。でもこの歌でめっちゃ色々妄想した…もちろんBLね(笑)。すげーむかつくけどできる男に何らかのピンチを助けられ、その後非常階段でキスするっていう801万回見たようなシチュエーションですよ…。「死ね」って思ってるんだけど好きなの…。
ははそはの母の話にまじる蝉 帽子のゴムをかむのはおよし
これは『短歌タイムカプセル』の時も紹介したんですがすごい好きです。帽子のゴムのあの汗っぽい匂いがよみがえってくる…。噛んだよね…。あとゴムを持って振り回したりね…。これは話の内容に蝉がまじってきてるのか、話を聞いてる間に蝉の声がまじってくるってことなのかどっちなんだろう。やっぱり蝉の声の方かなー。夏っぽいし。
濃い吐息うつむきながらきみがかくハイター味の汗 泣きたいよ (yuifall)
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