北溟社 「現代短歌最前線 上・下」 感想の注意書きです。
東直子③
信じない 靴をそろえて待つことも靴を乱して踏み込むことも
この歌は、解説に
生な表白でなく、またメルヘンでもない。そのどちらでもない関わり方のやさしさ、痛みを、とても大切にしているひとなのである。
と書かれており、この人の歌については
夢のなかのような感触を漂わせつつ、同時に覚醒している、幼いようで成熟している、そうした両面性が東直子の歌の魅力だろう。
と書かれています。
靴をそろえて待つことも靴を乱して踏み込むこともないなら、どう関わるのだろう。靴をきちんと揃えて上がり込むのかしら。親しい人とその関わり方をする方が難しい気がするな。その距離感が「やさしさ、痛み」ということになるのかな。もしかしたら全然踏み込まないのかもしれません。待たないし、踏み込まない。
いつまでもですます調で語り合うわたしたちにも夏ふりそそぐ
そして「ですます調」ですよ。やっぱりこの距離感。でもリアルに親しい友達で常に「ですます調」の人いるなー。地方公務員でプライベートでも一人称「私」の人です。ちなみに男性です(笑)。さすがに奥さんにはですます調ではないんだろうなーって思ったのですが、そういえば『逃げ恥』の2人はずっとですます調だったような。
ぼくらはとても存在だよね指先のこげた手袋はめてはにかむ
ぼくらはとても存在だよね、とはにかまれてしまったらどう返せばいいんだろうか…。そうだね、なのか、そうかしら、なのか…。とても存在かどうかはものの見方にもよるような気もします。「ぼくら」は原子レベルから宇宙レベルまで縮尺の解釈が可能な表現と言えなくもないし。
指先のこげた手袋ってどういうことかなぁ。なんか、田舎で野焼きとかしてたこと思い出したわ(笑)。山で拾った栗を庭で焼いたりね…。リアルに薪ストーブあったしね…。
左利き用の眼鏡を拾ったら紙飛行機で会いに行きます (yuifall)
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