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現代短歌最前線-谷岡亜紀 感想4

北溟社 「現代短歌最前線 上・下」 感想の注意書きです。

yuifall.hatenablog.com

谷岡亜紀④

 

文明がひとつ滅びる物語しつつおまえの翅脱がせゆく

 

 この人のセクシーな感じの歌、どれもかっこいい♡「おまえ」とか言っちゃってさぁ。「文明がひとつ滅びる物語」しつつ「翅脱がせゆく」んですよ。どの文明かなぁ。

 なんか「文明が滅びる」というとどうしても大航海時代の南米侵略を連想してしまい、天然痘インカ帝国全滅…とかペストで2億人死んだ話とか梅毒が20年で世界一周全制覇した話とかを連想してしまってやる気削がれるわ…。病気系はNGや。

 それにしても服を「翅」に喩えるのが、なんか美しくも猟奇的です。これを奪ってしまえばもうどこにも行けないね、っていう。

 

束の間をおまえが昇りつめるまであるいは海が蒸発するまで

 

 海が蒸発するのは「束の間」なのか…。「おまえが昇りつめるまで」けっこう時間かかってそうですね…。これは(何度も登場してますが)穂村弘『僕の短歌ノート』で言う「ハイテンションな歌」の部類だな。テンションの高さが現実を超越するんですね。そのハイパー具合がかっこいい♡

ぼくの短歌ノート-「ハイテンションな歌 現代短歌編」 感想 - いろいろ感想を書いてみるブログ

 

汝はいま乱れる息を抑えつつわれの名前を唱えるあわれ

 

 これもセクシーですね。そして「乱れる息を抑える」あたりが詩的ですね。抑えなかったら詩にならないですもんね(笑)。しかし、谷岡亜紀って本名なんでしょうか?「われの名前」って「あき」なのかな、って思うと、女の人が「あき」って呼ぶの、なんか萌えるなー。

 ほんとしょうもない感想しか浮かんできませんが、読み解くっていうよりも単純に味わった方がいいのかなって思ってます。谷岡亜紀の歌は時々ふっと脳裏に浮かぶんですよね。言葉の連なりがかっこいいからかなって思ってます。

 

 

陽がぼくを灼くにまかせる内腿に残した痣も消えただろうか (yuifall)

 

 

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