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現代短歌最前線-谷岡亜紀 感想1

北溟社 「現代短歌最前線 上・下」 感想の注意書きです。

yuifall.hatenablog.com

谷岡亜紀

 

弓なりに地図に苦しむ列島を祖国と言いて羞しかりしか

 

 この人の歌は、歌集『アジア・バザール』に収録されている、日本とアジアを詠んだものに心惹かれます。日本から旅に出て、日本人の目でアジアを眺めて、今度はアジア人として日本を見て、という。

 なんか橘玲の『マネー・ロンダリング』『タックス・ヘイヴン』思い出したな。この2冊は面白かったけど全く同じパターンで最後は飽きてしまい(能力は高いけど無気力なやれやれ系主人公が理由もなくいい女に好かれて金を稼ぎつつなんか事件を解決しちゃったりするおっさんドリーム話)、『永遠の旅行者』は全くの駄作だったわ。

 

河原にて死体を燃やす人ありき 灰は昏れゆく川に還さる

 

魚を食い今を生きおるガンジスの民は死して後魚に食われる

 

 大田美和の時の感想で紹介した会田綱雄の『伝説』という詩を思い起こさせますね。人は生き物を食い、死んでそれに食われると。それが生の営みだと。

現代短歌最前線-大田美和 感想2 - いろいろ感想を書いてみるブログ

 

 インドって今でもこんな感じなのかなぁ。それとももう20年以上経ってるし変わっちゃってるのかなぁ。死体がその辺にあるのは自然の状態ではあるかもしれないけど、衛生的ではないですからね…。まー、でも、何もかもキレイにしちゃうのがいいってわけでもないのかもしれませんが…。

 これは自分でも葛藤があって、ナマに生きること、それってキレイなことだけじゃないし、汚かったり臭かったりするって現実があって、それを直視する覚悟がないわけじゃないしそれを扱う人たちを蔑むことはないけれど、やっぱり無菌的な空間が好きなのは否めないし。旅行行くときもユースホステルとかじゃなくて高めのホテルに泊まる派だし。死体だって、死体そのものは全然怖いとかやだとか汚いとか思わないけど、時間たつと腐るしさ…。それが好きかと言われると好きとは言えないです。

 だから、死体をガンジス川に流して魚に食わせる営みについて、好きかって言われるとちょっと困る。文化として否定はしたくないけど、そこに暮らしたいかと言われるとNoだもん。下痢という単語しか脳内に浮かんでこないよ…。

 

 

相席の男ビリヤニつまみつつ「それって何の薬」と問いぬ (yuifall)

カロンをひとつ余分に受け取りて女でいること楽しんでおり (yuifall)

 

 

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 *完全なる余談ですが、今まで読んだ金融系小説?で一番面白かったのは(ノンフィクションですが)マイケル・ルイスの『世紀の空売り』で、逆に一番つまんなくて読む価値ゼロだと思ったのが高杉良の『巨大外資銀行』ですが、似たようなタイトルの黒木亮の『巨大投資銀行』は高レビューだったので読んでみようかなー(笑)。

 『世紀の空売り』はもともとは The Big Short というタイトルで、ショートっていうのは売りポジションという意味で、サブプライムローン問題による世界的金融危機の際にショートポジションを取って勝ち抜いた投資家の話ですが、映画化された際の日本語タイトル『マネー・ショート』はマジで意味が分からんですね。お金使いきっちゃうみたいな意味にしか感じられませんよね(笑)。

 マイケル・ルイスのノンフィクションは『マネー・ボール』も『世紀の空売り』も『ライヤーズ・ポーカー』も『フラッシュ・ボーイズ』も面白かったのですけど、最近電書で読めるようになった『最悪の予感 パンデミックとの戦い』はまだ手を出す気になれずに迷ってます。。なんか、現時点でアメリカ発のCOVID-19に関するノンフィクションを読めるテンションではないというか…。