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ぼくの短歌ノート-「システムへの抵抗」 感想

講談社 穂村弘 著 「ぼくの短歌ノート」 感想の注意書きです。

yuifall.hatenablog.com

システムへの抵抗

 

お一人様三点限りと言われても私は二点でピタリと止めた (田中澄子)

 

パレードにミッキーマウスがいないから偽物みたいなロイヤルウェディング (鈴木美紀子)

 

 などが紹介されているのですが、この章の歌はあまりピンときませんでした…。。

 というのは、「お一人様三点限り」って書いてたって別に3個いらなかったら買わないし、餃子にラー油つけないし(何もつけない)、オリンピックもワールドカップも見ないし、ロイヤルウェディングも見ないし、ディズニーランドには行ったことあるけど別に夢の国とも思わないし(普通に楽しい)、ティッシュ配りの人に「ティッシュください」とか話しかけたりするし、紙パックジュースをストロー穴から直飲みするし、もしくは穴から直接コップに注いで飲んだり料理に使ったりするし、ここに取り上げられてることって、システムとして共通認識すべき事項なの?ってあまり共感できなかったからです。なんというか、そういう「ディズニーランドは夢の国!」みたいなある種の共通認識的なものがあるというのは分かるのですが、それってキャッチコピーの粋を出ないような…。システムなのか?

 うーん、別に、私の感性は人とは違う!ってイキった気持ちになりたいわけじゃなく(笑)、単純にここで言われている「システム」の定義がよく理解できないというか…。「システム」的なものといえば、

 

白というよりもホワイト的な身のイカの握りが廻っています (岡野大嗣)

 

トピックス欄に訃報が現れてきらきら点るNEW!のアイコン (岡野大嗣)

 

みたいな、「抵抗」よりも「戯画化」の方が個人的には面白いし好きです。そして、何を「システム」と認識してるかって人によって違うんだと思いました。

 

 解説には

 

システムの最大の敵は、危険や不便や不幸の親玉たる死であろう。だから、どんな小さな死をも見逃さずに丁寧に排除しようとする。だが、どのようなシステムも、我々の生の外部にある死だけを選択的に取り除くことはできない。システムは我々の生の裡なる死をも同時に殺してしまう。裡なる死とは、絶対的な未知性の別名であり、生の光と闇の源であり、詩の故郷でもあるだろう。

 

とあります。つまり詩を生み出すことはシステムへの抵抗であるということでしょうか。うーん、この解説もどうも納得いかないのですが、なぜ納得できないのか自分の中でまだ理論的な説明ができてない。というかここで言われている「システム」の定義が理解できていない以上、肯定にしろ否定にしろ、同じ土台に立ってこの内容を消化できる気がしないです…。

 

 

規定されてく思考 剝き出しの天井 ダクトパイプの言葉 (yuifall)

コメントを書くにも舌は二枚いる モラルを説いてるきみは誰なの? (yuifall)