左右社 出版 山田航編著 「桜前線開架宣言 Born after 1970 現代短歌日本代表」 感想の注意書きです。
木下龍也
岡野大嗣はこの人の影響で作歌を始めたらしく、2人ともブラックユーモアがすごいですね。この人のブラック感は時事ネタなのかなって感じがします。でも、この人の解説は難しくてよく分からん(笑)。「ポストモダン」とかさー、分かんないもん。ポストニューウェーブ的な意味合いなのかな?でも、「一貫して死をテーマに詠んでいる」っていうのは分かる気がするなー。「匿名の死」ね。
生前は無名であった鶏がからあげクンとして蘇る
とか
恋人を鮫に食われた斎藤が破産するまでフカヒレを食う
のブラックユーモアすごいです。こうやって色んな歌人の歌読んでると、みんな言語感覚がすごいなーって感心します。こういうさ、日常を異世界に変えちゃう感覚ってどこから来るんだろう。
そういえばいろいろ捨ててあきらめて私を生んでくれてありがとう
って(笑)。みんなが言えなかったことをずぱっと言うよね。この母性神話もクソもない感じがポストモダンなのかしら笑。でも、こういうの好き。
全然関係ないですけど、この本のコラムで木下龍也は吉川宏志からの影響を公言している、って書いてて、なんかこの人のこと好きになりました。こういう洒脱な感じの都会的ブラックユーモアを詠ってる人が、ニューウェーブ世代の中でそれと一線を画した感じの、(私の勝手なイメージですが)お笑い全盛期の中で落語を極めようみたいな人に傾倒するっていうのがすっごく痺れました。
いくつかの頭蓋骨を積み上げて走っていくよ子乗せ自転車 (yuifall)
主人公はきみだろぼくはモブキャラで赤色灯に道あける役 (yuifall)