講談社 穂村 弘著 「ぼくの短歌ノート」 感想の注意書きです。
ゼムクリップの歌
ゼムクリップの歌って多いんだ…。なんじゃこのテーマとか思ってたらけっこうあるようで驚きです。歌心をくすぐる存在なの?解説には
小さい、くっつきやすい、どこかに消えやすい、誰のものでもなさそう、などの特徴が短歌向きなのだ。
とあって、へえーって思いました。だがしかし、素人には読みが難しい!
帰り来てしづくのごとく光りゐしゼムクリップを畳に拾ふ (大西民子)
なんて、家に帰ってきて畳にゼムクリップがたくさん落ちている?どういうこと??とか考えてしまいましたが、ただ光景だけを楽しめばいいのかしら?解説によれば、作者は大正生まれの女性で、「畳」と「ゼムクリップ」のギャップがポイントだそうです。うーむ、難解だよ、やっぱり。なんだかよく分かりません。
眠るまで髪撫でてるとねむくなる(ゼムクリップはさいごにどこへ?) (穂村弘)
たしかに、ゼムクリップって使われ始めるともはや次どこへ行くのかよく分からないですね。ある意味お金的存在ですね。これ、「眠るまで髪撫でる」だから相手は子供かなって思ってたら、解説に(本人の作品なので)
繋がった「ゼムクリップ」のように二人は眠りに墜ちてゆく。
とあったので恋人なのかーと思いました。でもなんかやっぱり子供っぽいよね。「ゆひらと騒ぐ雪のことかよ」といい、穂村さんはこういう女性が好きなんだろうか(笑)。
キスしてよゼムクリップを引き伸ばしルパンみたいに抜け出すからさ (yuifall)