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桜前線開架宣言-吉田隼人 感想

左右社 出版 山田航編著 「桜前線開架宣言 Born after 1970 現代短歌日本代表」 感想の注意書きです。

yuifall.hatenablog.com

 吉田隼人

 

 この人の歌は、『短歌タイムカプセル』で紹介されていた20首とこのアンソロジーとでは大分イメージが違っていて驚きました。『短歌タイムカプセル』の方が後に出ていて、「なるべく被りを避けた」と編者が書いていたのもあり、けっこうテイストが違う感じがします。

 あと、解説文によるイメージが大きいのもあるのかも。この人のバックグラウンドや影響を受けた文学、引用されている文学やアンダーグラウンドカルチャーについて解説されているので。私は幼女に対するフェティシズムを持たないので、引用元については解説されていなかったら永遠に気付かなかったと思う。うーん、そしてその引用元を全く知らないので、多分理解することはできないんだろうなと思いましたが、まあ、世に出てしまった一つの作品として、どう読むかは読む方の自由という観点に立ち、背景などを全く無視する今までと同様のスタイルで感想を書こうと思います(笑)。

 

きみはちゆうとストローを吸ふ 智惠の實の汁と知らねばもうひとつ吸ふ

 

とかさー、誰に何飲ましてんだよ(笑)、みたいな退廃感がありますよね。解説を読んでいなかったとしても、「ちゆうとストローを吸う」という仕草からは子供がイメージされるし、小さい女の子なんだろうなと。で、なんか怪しいもんを飲ませているんだなと(笑)。

 

人形義眼(ドール・アイ)なべて硝子と聞きしかばふるさと暗き花ざかりかな

 

びいだまの眼玉欲れども人形(ドール)売る店なき町のまちびとわれは

 

 とあり、出身地を見てみたら福島でした。意外ー。なんかめっちゃ都会っぽいですよね。歌の内容。確かに田舎だと人形の眼とかは売ってなさそうだな…。そういうのはネットで買いましょう(笑)。

 でもなー、人形好きな人って虹彩の色味とか目の向きとかめっちゃこだわりそうですね。やっぱリアル店舗で確認したいんかな。人形のパーツ売ってる光景ってシュールだろうな。

 

 

裸のまゝ立たせてをりしラディエンス甘き奴隷の眼差しと見ゆ (yuifall)

 

 

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