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桜前線開架宣言-岡野大嗣 感想

左右社 出版 山田航編著 「桜前線開架宣言 Born after 1970 現代短歌日本代表」 感想の注意書きです。

yuifall.hatenablog.com

 岡野大嗣

 

 TwitterFacebookGPS、ナビ、ストリートビューなどをテーマに風刺的に書いた歌が気になりました。解説には

 

「システム」への批判的視点、「システム」の網から零れ落ちた「命」への着目

 

とあります。

 

まもなくひがくれます ナビの案内を無視して空が青を維持する

 

とか、

 

20階相当からの眺望に余計な命は写っていない

 

なんか、加工された仮想現実を信じるのか、リアルを信じるのか、みたいな視点が感じられます。とはいっても「ヴァーチャルよりもリアルを信じなさい!」っていう押しつけがましい感じではないんだよな…。ヴァーチャル的なものを懐疑的に見つつも、

 

雨の日は雨の降らないストリートビューを歩いてきみの家まで

 

みたいに、自分もそれに取り込まれてますっていう歌もあり、そういうとこが好きだなって思いました。多分SNSとかやりながらもそんな自分を少し遠くから見てるんだろうなって。

 

 

Googleがこの道ですよと言ったから誰かの庭を横切って行く (yuifall)

興味ない乙女ゲームの広告を眺める AI馬鹿のままいろ (yuifall)

 

 

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