左右社 出版 山田航編著 「桜前線開架宣言 Born after 1970 現代短歌日本代表」 感想の注意書きです。
齋藤芳生②
福島出身の人みたいです。三原由起子とかもそうですけど、どうしても福島出身というと東日本大震災、原発事故、というテーマからは逃れられないなと…。解説にもありましたが、「異郷」と「故郷」を同時に詠む眼差しを感じました。
原発を購うという若きアラビアよ(もし神がそう、お望みならば)
が強く心に残ります。
君の見ている雪と私の触れている砂と 回線越しに語らう
もいいな。
アラビアの豪華絢爛さには圧倒される一方で、どこか危うさも感じました。世界一の高さのブルジュ・ハリファが建築途中で金融危機に見舞われて本当はブルジュ・ドバイだったのをアブダビから借金したためにアブダビ首長の名前にせざるを得なかったエピソードや、人口のほとんどが外国人労働者であることとかを知ると。そんな不安定なお金で「原発を買う」ってことを「(神がそう、お望みならば)」と( )付きで歌うっていうのは、やっぱりどこか危うい感じがします。
でもこういう歌を読んでいると、旅行とか行った時もっとその時の情景とか気持ちを言葉にして残しておけばよかったなぁと思います。UAEに行った時のこと思い出したもん。外すごい暑くて長時間いられなかったこと、中国人の団体旅行が多かったこと、女性が黒い布で身体を覆うようにしていたこと、礼拝の時間に音楽が流れること、パキスタン人の店が多かったこと、ゴールドスークは本当にきらびやかだったこと、建築中の建物が多くて、高級そうな分譲住宅に空きが目立ってたこと、車でちょっと走るとすぐ砂漠だったことなどなど。ドバイ・モールは本当にすごかったな!一日中いて2万歩以上歩いたよ。
COVID-19のパンデミックがおさまったらどこに行きたいかなって考えます。直行便で行けないとこ行きたいな(笑)。
ブルジュ・ハリファに砂が舞う 世界一高い夕陽を淡く沈ませ (yuifall)
150メートルほども AED(ディルハム)で買える美ならば愛しやすきを (yuifall)