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S2x08;FURT 感想

glee感想については注意書きを必ずご覧ください。

yuifall.hatenablog.com

 この回はカートの片思いに決着がつく回ですね。フィンへの想いが父親を巡る男としての葛藤で苦いものになって、友達としての近づき方も分からず、好意を抱いた同性との距離感につまずいて、父親が倒れ、ゲイをカムアウトしていじめにあって、望まないキスをされて、とカートは今までいいことなしでしたが、初めて心許せそうな相手(ブレイン)に出会ってほのかに恋心を抱き、今回フィンが最高の形で友人として兄弟として応えてくれて片思いを終わらせる、っていう救われるエピソードでした。

 

 S1x20でいったんカートを友人として認めたフィンだけど、S2x03でもバートよりレイチェルの胸だのクォーターバックの地位だのを気にしてたり、今回もカロフスキーと対立したくないみたいな感じで、フィンって基本腰抜け野郎なんだよね(笑)。カート相手に限らず、クインの妊娠中、自分の子だと思ってた頃でさえレイチェルにふらついてたりとかさぁ。初期のフィンって本当に等身大の16歳っていうか、バカで自己中で自分の人気のことが一番の子だった。でもまあ、ほんとに仕方ないっつーか16歳~17歳くらいならこんな感じかのな?っていう気もしますけど…。

 

 カートのいじめの件…、多分本当にブレインの言う通り、「ゲイだからしかたない」みたいな空気感だったんだろうな。あいつ変な服着て目立ってるし、なよなよしてるし、目障りだから仕方ないよね、みたいな。10代の集団特有の残酷さがあるよね。その風景が目に馴染んじゃうとそのうち何も感じなくなるんだろう。カートは「あいつが何をしでかすかみんな知らないんだ」って言ってたけど、殺すって言われたこともあるし、キスされたことも含んでたと思う。キスのことがばれたら本当に殺されるかもしれないし、その前に性的に対象にされることも恐怖だったんだろう。実際はもうロッカーを殴るとかいう次元じゃないのに、誰にも打ち明けられない。

 ここで立ち上がってくれたのがレイチェルで。「彼氏に言ってカートへのいじめをやめさせて。彼にもしも何かあった時、何もしていなかったとしたら自分が許せないと思う」って言ってくれて(「If something bad happens to Kurt and we didn't do anything to stop it we'll never be able to live with ourselves」;もしカートになにかよくないことが起こって、そして私たちがそれを止めるために何もしていなかったとしたら、私たちは二度と自分らしく生きることはできないだろう)ティナとブリトニーが動いてくれる。クインは多分サムには言わなかったんだよね。「正式には付き合ってないから」って。

 で、いかにも弱そうなアーティとマイクがカロフスキーに立ち向かう姿が感動的だったわ。2人はカートのこともそうだし、自分の彼女にいいところを見せたくて立ち向かってくれたんだよなーって考えると、なんかすごくいじらしいです。それを見ていたサムがガチで戦ってくれて。サムって別にカートと仲いい感じじゃないし、最初変な感じで迫られたりして多分そんなに得意な相手ではなかっただろうに、ほんといい子だなぁ。サムはまっすぐでかわいいわ(まあ、そこがダメな時もあるけど…。ビースト先生とかライダーの件とかさ…)。

 この時フィンは立ち向かってくれなくて、カートはどう思ったんだろう。もうフィンのことは諦めてるのかな。この人に期待したって仕方ないって。まあ、それよりもサムやみんなの気持ちが嬉しかったんだろうな。

 

 ダンスレッスンの時、恥ずかしがったフィンの気持ちは分かる。もともと母親とだって踊りたくないし、学校でカートと踊るなんて恥ずかしい。結婚式の件も、ベッドの下にウェディング雑誌を詰め込んでて(エロ本じゃないとこが笑える。ある意味高校生男子としてはエロ本よりもキラー感強いですが)、子供の頃から人形に結婚式をさせまくり、プランナーとしてやる気満々のカートにかなり引いてる(これはすごいよなー。カートってvogueでもいいし、ウェディングプランナーも天職なんじゃないの??いいなー、たくさん才能あって)。

 だけど、この時パパが一瞬で揶揄いに気づいてくれてダッシュで相手追いかけんのすごいなと思いました。カートは多分自分がゲイであることでパパに負担をかけたくなくてがんばってきたしいじめのことは親には言いたくなかったんだと思うけど、自分の息子が馬鹿にされてることに気付いてすぐに追いかけて立ち向かって先生も巻き込んでちゃんと対処してくれるパパがいてよかったなぁと思います。カロフスキーもまさかカートにこんなマッチョ系のパパがいるとは思わなかったのでは(笑)。ガチギレされたらほんと怖そう。

 だけど、フィンに「お前は見てただけか」って言うけど、フィンだって何かできる立場でもないような…。カートはそれが分かってるから何も言わないんだよね。本当はシュー先生とかスー先生がどうにかしてやんなきゃないんじゃないの?スー先生は前からめちゃくちゃだしどうでもいいが、基本ガキっぽいくせに時々常識人になったりするシュー先生がイラつく。

 

 結婚式のシーン大好きです。バートとキャロルは本当に素敵な夫婦だよなぁ。お互いの過去の苦しみや痛み、お互いの子供の悩みも全て受け止めて、4人で家族になろうっていう本当に素敵な式でした。入場から明るくて、人生の酸いも甘いも噛み分けてきた大人2人が愛し合う喜びにあふれてて、見ていて本当に幸せな気持ちになったよ。バートがかっこいいわ。愛する人のためにまっすぐ立ち上がって戦える男だし、死んだ奥さんを大切にしてきちんと尊重しつつもキャロルへの愛もはっきり口にし、この人を一生守っていくっていう決意が力強いし、ド派手で変わり者で全く理解不能な息子のことも愛して大切にするし、フィンともすぐに打ち解けて仲良くなるし、最後はフィンとカートとの関係性を思いやってあげてる感じしました。カートのゲイを馬鹿にするフィンを叱りつつもカートには「あいつに迫ったお前も悪い」みたいにはっきり言って窘めるし。カミングアウトした時もカートの気持ちを大切にしてくれたしね。多分最愛の奥さんを失ってるから、この子がどんな子でもいい、ちゃんと愛を伝えようってずっと思ってたんだろうなーと胸に染みます。

 

 そして最後、フィンからカートに送った言葉。カートはフィンへの恋を諦めて前に進もうとしてる。フィンもカートを友人として兄弟として受け入れようとしてる。この2人はどっちもどっちっていうか、カートもあのアプローチはないやろって感じだったしフィンはガキすぎだし、今までこじれちゃったことはどっちが悪いって訳ではないと思うんだけど、カートは今は男友達として距離感を探ろうとしてて、フィンは成長してカートに歩み寄ろうとしてて、そこでカートの想いがこんな風に報われて本当に良かったと思いました。

 直訳↓

We're brothers from another mother.

(俺たちは別々の母親から生まれた兄弟だ)

And quite frankly, no one else has shown me as much as you about what it means to be a man.

(そして正直に言って、きみほど男であることの意味は何かを俺に示してくれた人はいない)

And over the past few weeks, uh some stuff's gone down, and I haven't manned up like I should've.

(そしてここ数週間の間、つらいことがあったし、俺は自分がとるべき男らしい態度をとってこなかった)

From now on no matter what it costs me, I got your back.

(今から、どんなに犠牲を払っても、きみの味方になるよ)

Okay? Even if it means getting a Slushee in the face every now and then.

(いいか?Slusheeを時々顔に浴びても、っていう意味だよ)

 gleeのみんなからカートに贈られた歌、「Just the way you are」は、そのままのきみでいて、って、これは女性の美しさを褒めたたえる歌詞なので、フィンはキャロルのことも思ってこの曲にしたんだろうな。キャロルに「ありがとう、最高に綺麗だよ」って普段は言えないことを言って、兄弟になったカートには「お前はそのままでいいんだ」って。2人がダンスするシーン最高に好きです。フィンが初めて心からカートを受け入れたと感じました。恋じゃなくてもこうやって繋がっていられることが美しいと思うよ。

 この後カートとフィンが友情を築いていく流れが愛おしいです。S3ではフィンが辛い時にカートが支える場面があるし、S4でも互いに支えあって、フィンがレイチェルと別れてからもカートを通じてお互いの近況を知ってるシーンもある。S1x18の感想で、カートはパパと夫に愛されて幸せって書いたけど、兄(フィン)と親友(レイチェル)にも愛されてるなぁ。こんなこと面と向かって言ってくれる人はなかなかいないでしょう。フィンはいいやつや。

 

 そしてカート転校…。男子校!似合わねー!腐女子の妄想上のBL男子校なら似合いそうですが…。そんでそういう展開になる恐ろしさよ…。

 いや、ほんと、glee見てると、世界って怖いな…ってガチで思います(笑)。2010年にさ、こんな腐女子の脳内理想カプみたいな2人が実写化されていたなんて…。萌えるっていうか、いやもちろん萌えるんだけど、なんか、あれー?私の脳内漏れ出してないよね…?これって現実…?って不安になるというか…。いや、ほんと怖い…。そしてすごい…。それしか言いようがないわ(笑)。