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S2x20;PROM QUEEN 感想

glee感想については注意書きを必ずご覧ください。

yuifall.hatenablog.com

 このエピソードは思い入れが強くなりすぎて書きにくいです。多分Klainerならみんな大好きなのではないかしら♡少女漫画だったら最終回レベルの胸キュンだよね(笑)!

 S6の最終話で2人が「Daydream Beliver」を歌うのを見た時、「きみはクイーンで僕は白馬の騎士だったね、僕は今もきみといられて夢を見てるみたいに幸せだ」ってブレインの気持ちなのかなーってじーんとしてしまった(まあこの歌詞歌ってるのカートですけど)。この時、出会いから10年くらい経ってる設定だよね。

 

 何か、プロムがどんなイベントなのか雰囲気でしか分からず、クインやサンタナがどうしてそこまでこだわるのかよく分からん…。以前見た「高校を舞台にした海外ドラマあるあるだけど実際にはこんなことないよ」みたいなサイト?でgleeのネタもいくつか取り上げられてて、「チア部とアメフト部がいつも人気ってわけじゃない」とか「常にユニフォーム着てない」とか「高校で運命の人と出会いすぎ」とか(KlaineとBrittanaの結婚式の写真出てて笑った)あったのですが、その中で「プロムが重大なイベントとして取り上げられすぎ」ってのもあって、「誰がプロムクイーンだったかなんて覚えてすらいない」みたいなコメントついてたので、実際はそれほど気合入ったイベントではないのかもしれないのですがちょっとよく分からない。。日本で言うと高校文化祭レベルかなぁ?gleeではわりと気合入った感じですよね。しかし、高校生ですでにパートナーがいないとしんどいイベントがあるなんて疲れそうだなー(笑)。

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 カートはずっと「自分も好きな人とプロムに行きたい」って言ってたから、ジュニアプロムの前にブレインと恋人同士になれてすごくわくわくしたんだろうな。でもブレインの反応が思ってたより嬉しそうじゃなくて、昔のいじめの話を聞かされて。そこで「きみが嫌ならいいんだ」って言えるところが好きです。ずっと夢だったのにね。ブレインがそれを聞いて「I am crazy about you」って返すのも好き。まあうまく乗せられてる感もないわけじゃないのですけど(笑)、この2人はこういうバランスが好きなんだよなー。S2後半のこの2人はほんとかわいいな♡

 その後アーティがブリトニーを「Isn't She Lovely」でプロムに誘ってるシーンで、「プロムのお誘いだ!」って目を輝かせて泡立て器を振り回してるカートがまたかわいいー。こういうシチュエーションに憧れてたんだろうなー。素敵な男の子にみんなの前で歌を捧げられて、「僕とプロムへ行ってほしい」って(そしてこの夢はあの衝撃のプロポーズである意味叶うわけですが…)。

 アーティはブリトニーに振られてしまって残念だったけど、この時「これって赤ちゃんに歌った歌だよね?」って冷静に言ってるメルセデスが面白い(笑)。このパフォーマンスも好きだ。メルセデスがレイチェルに「私もプロムに誘われたい、男の子に綺麗だよって言われたいの」って言うとこも、メルセデスとレイチェルがサムにお金を貸して3人で節約して楽しもうっていうところも好きだし、サムがメルセデスに「とても綺麗だよ。踊ってくれる?」っていうシーンもほんと好きだし、この回全体的に好きです。

 

 カートは浮かれて服を手作りしたりしてはしゃいでるんだけど、この時もあんまり目立つとまたいじめられるんじゃないか?ってパパは心配してて、トラウマがあるブレインも無難な服装で行きたがってて、フィンだけが「ゲイの〈ブレイブハート〉かよ」みたいに言うのちょっとおかしかった。フィンはカートとの距離がある意味普通になったから、やりたいようにやったら?って言えるんだよね。結婚式のエピソードを経て、別にやりたいようにやったら?いじめられたらまあできる範囲で助けてやるよ、っていうスタンスになったのかも、って思いました。実際プロムクイーンの名前が呼ばれた時フィンはその場にいなかったしな(笑)。

 あの服装、おしゃれでいいじゃん!スカートっぽいから駄目なの?スコットランドっぽいんじゃないの?「ロイヤルウェディングに敬意を表して」って言ってたし(これって、2010年のウィリアム王子とキャサリン妃(ケイト・ミドルトン)との結婚式のことなんですね)、イギリス風なのかと思ってました。まあ何にせよ、夢にまで見た好きな人とのプロムなのにおしゃれしないで行くという選択肢はなかったのだろう(笑)。

 

 最初パックとかサムとか男の子チームが歌ってる「Friday」、意味なしソングとしてすごい有名みたいですね(笑)!プロムって歌はBGMっていうかダンスのためのものだし、初見の時は歌詞とか全然気にしてなくて、後からS3でブレインが歌った「Last Friday Night」が好きで色々調べたら「Friday」のエピソードが出てきて、見直すと確かに意味なしだけどこういうシチュエーションには合うなー。盛り上がる!

 ブレインがプロムで歌ってる曲、これも最初はフィンとジェシーの喧嘩に気を取られてあんま聴いてなかったのですが、サントラ聴いてるうちにブレインの歌い方のセクシーさと歌詞に引っかかって(最初You are the girl that I've been dreaming ofって歌ってて、女の子に向けた男の子の歌なのかと思ってたら、Ever since I was a little girlって続いたのであれ?って)調べてみたら、女の子が女の子に向けて歌った曲なんですね。

 この時サンタナがフロアでカロフスキーと踊ってて、ブリトニーはステージで歌いながらそれを見てるのが切ないなぁ。あなたは私が少女だった頃から夢に見てきた女の子、あなたの彼にダンスなんて教えてあげないわ、って、ブリの気持ちだよね。この時レイチェルとフィンは付き合ってないけどフィンはジェシーに突っかかってて、他の男の子とダンスしないで、っていうフィンの気持ちにも繋がってくるのかもなって思いました。あと、すごく曲解すればレイチェル→クインにもとれなくもないです。「あなたは私が夢に見てきた女の子よ、お願い彼と踊らないで」っていう(原曲だと「I'm kissin' on you, is he better than me?」ってはっきり言ってるのでI→youでheは邪魔者、って分かるけど、glee版ではフルコーラスでもその部分の歌詞がないので、I→himで理想の女の子に嫉妬しているようにも取れるかなーという気がする)。

 しかしブレインの歌い方めっちゃセクシーやな!きゅんとくるわ!You are the girlの歌い出しでカートを指さしてるのもいい!カートは聴いてて昂ったろうなー(笑)。再度PV見返すとあのダンスもいいわー、足の関節が!

 

 プロムキングなんですけど、これ、本編でははっきり語られないけど、カロフスキーに対するいじめだと思うんだよね。。サンタナは「どうしてキングの彼女なのに私がクイーンじゃないの」って言ってたけど、多分順番が違うんだと思う。カートがクイーンだから、カロフスキーがキングに選ばれたんだと思う。お前がゲイだって知ってるぞって生徒たちが暗に投票で言ってるんだと。だからカロフスキーはS3で転校してるんだろうと思うんです。

 S5のティナの回でも思ったけど、マッキンリーの生徒って何て言うか、底意地悪いよな…。カロフスキーの件については私の想像だけど、カートとティナに対するやり口だけでもほんと底意地悪いと思う。10代の集団心理って言っても限度があるのでは?ゲイの男の子を投票でクイーンに選ぶとかさ…。私なら無難にクインに入れるかな…。

 

 プロムクイーンの発表は、いや、校長よ。お前はカートがゲイでいじめに合っていたのも知ってるしそのいじめの首謀者がプロムキングだってことも、カートがプロムクイーンにエントリーしてない男の子だってことも知ってるのに、なぜ馬鹿正直に発表するんだ、って思いましたけどね…。あそこで大々的にやられたらどうなるかなんて分かるだろう。適当にキングの相方のサンタナの名前でも呼んどけ。その場がシーンってなっちゃって。生徒たちは自分たちで投票したんだからこうなるのは分かってただろうに、あの雰囲気は何なんだろうか。爆笑になっててもおかしくない場面じゃないですか?カートは泣きながら飛び出して行っちゃうし…。ってかあの時のカートの表情、見てて辛いわ…。こんな美しい顔立ちの子をよく辱められるよなーとか全然関係ないことで悲しくなってしまった。。この後カート、クイン、サンタナがみんな傷ついてて、それを慰めようと寄り添ってくれる友達とのエピソードに胸が痛くなったよ。3組ともさ…。

 

 クインはレイチェルのせいでフィンがあんなふうになって自分も負けたって思って平手打ちするんだけど、レイチェルはそれに全く怒らないし、「普通は怒るんだろうけどドラマみたいで楽しかった」って言ってクインの涙を拭ってあげる。レイチェルって普段めっちゃうざいのにこういうとこほんと好きだ。てかクインとの絡みが全体的に好きだ(笑)。「どうして怖いの、あなたはこんなに綺麗なのに」って。レイチェルは自分の才能に自信があって自意識過剰だけど、心の底でクインの美しさに憧れてる。フィンを巡るライバルでもあるし、鼻の整形を考えたほどクインがうらやましい。だけどそこを認めた上で、あなたは今まで出会った中で一番かわいい女の子だよ、何も怖がらなくていいの、って言ってあげられる。ここ、いいなーと思います。会場に戻ったクインが一人で堂々と胸を張って写真に写ってるところも。

 ブリトニーはサンタナに、自分を偽らないで堂々としていればあなたが一番よかった、って言ってあげるんだよね。ブリトニーは全シーズン通してサンタナにだけはほとんど暴言吐かないし、いつも率直な意見を言う。甘いことも苦いこともはっきり言うし、付き合ってる時も別れてる時も、「いつも親友だよ」って変わらず寄り添ってあげる。サンタナは素直になれなくて攻撃的な子だけど、ブリトニーがいてくれてどれだけ救われただろうと思います。「ティアラなんてお店で買えるよ。ありのままのあなたが一番だよ」って。あと、ブリトニーがサンタナに「今一番つらいのはカートだよ、力になってあげよう」っていうシーンにはかなりじーんとしました。そこ、分かってあげられるんだね。

 カートはブレインに支えられて、自分の意志で会場に戻ることを決めたのがよかったです。彼はいじめられてダルトンへ行ったけど自分の意志でマッキンリーに戻り、今度も一度は会場を出たけど自分の意志で戻ろうとする。どちらも、多分ブレインが心の支えなんだろうなと思います。彼がいるから大丈夫、彼の思い出まで壊させないって。ブレインが転校のこと「自分は逃げた、戦わなかった」って言っていて、ダンスパーティーもいじめられて嫌な思い出だったっていうのを聞いて、自分は彼のためにも立ち向かいたいって心に決めてる。「誰にどんな陰口言われても、自分は逃げないし2人の関係も壊させない」って。この回はカートもブレインもめちゃくちゃかっこよかったです。

 会場に戻ったカートはティアラを受け取って、微笑んで、「Eat your heart out, Kate Middleton」って言うんだけど、eat your heart out+人、で、「xxさんよりすごいでしょ」とか、「xxさん、うらやましいでしょ」みたいな意味らしいです。ロイヤルウェディングに掛けてるんだなー、って後で調べて初めて気づいた。カートってちょっとした言い回しにウィットが効いてますよね。あの場でこの発言できるのはすごいし、聞いてた全員が敵わないなって思ったんじゃないかな。どんなにいじめられても、全校生徒が敵に回ったように感じても、カートは屈しない。私はこういういじめをする心理は分からないけど、もしその場にいたら、カートってすごい男だって思うだろうな。

 

 そういえばカートが自分の意志で会場に戻ることを決めるっていうシナリオになったのはクリス・コルファーの主張のようです。ここは本当に、カートが自分で決めた流れでよかったと思う。この人って強い人だもん。ずっと。

 

 その後ダンスのシーン、カートはカロフスキーに「カミングアウトのチャンスだよ」、って言う。でも、誰もがカミングアウトできるわけでもしたいわけでもないんだよね。特に自分を肯定できなかったり、受け入れられなかったりしている間は。

 近年#Me Too運動が盛んになりましたが、それでも誰だって性的被害を打ち明けたいわけじゃない。声を上げる権利と同じくらい、声をあげたくない権利も守られるべきだと思う。カートはかわいそうだけど、ここで彼の手を取れなかったカロフスキーが悪いとも思えない。ただただ、2人をキングとクイーンにした人たち全員がひどいなって思う(あとは馬鹿正直に「恒例のダンスだ」とか言った校長ね…。やめときゃいいやんか)。

 あの時カロフスキーはどうすればよかったんだろう。少しだけでも踊ったらよかった?でももし一瞬でも手を取れば、明日からゲイだって冷やかされることになるかもしれない。フィンみたいに彼女持ちのストレートならただのからかいで済むかもしれないけど、カロフスキーにとっては文字通り自殺行為なわけで。あの時カートと踊れずに置き去りにした彼を責められないと思うんです。

 2人がステージから降りて来て、どうなるんだろう、って全員が見守っている中音楽が始まってしまって、戸惑った顔のままメルセデスサンタナが「Dancing Queen」を歌い始めて。「無理だ」ってカロフスキーは行ってしまって、カートは置き去りにされて。この時のカートの寄る辺ない顔が本当にかわいそうで、でも、顔を上げて泣きださないようにまっすぐ前を見てて、この人は本当に強い人だなとここでも改めて感じました。そこに王子様みたいにブレインが現れて、笑顔で、「踊っていただけますか」、って。

 このシーン、glee史上かなり上位に入る名シーンだと思います!ブレインめっちゃイケメン!!すげーときめく!カートの強張った顔がほころんで、「はい、喜んで」って泣き出しそうな笑顔になって、サムもレイチェルもサンタナもほっとしたように笑って。ためらいなく手を取ってブレインは踊り始めて、カートは最初は周りを気にしてるんだけど、ブレインは笑顔でカートだけを見てる。大丈夫だよ、僕がいるから心配しないで。世界中の誰に見られても構わない、きみが大好きで大切だよ、ってブレインが全身で伝えてくれるみたいで、私もほっとして涙が出そうになりました。ほんとにクイーンとナイトだよなー。

 後でわかるけど、ブレインはカートに身を捧げて彼を守ることが喜びなんだよね。カートを守るためなら何でもしたいと思ってる。っていうか、カートに必要だと思われたくて必死な子なんだと思う。S5ではそれですれ違ってしまうわけだけど、この時のカートにとってブレインの存在がどれだけありがたかっただろうと思います。

 2人のダンス素敵だったな。カートの方がちょっと背が高いのもツボです。カートの方が繊細な顔立ちなんだけど、男の子っぽいブレインより背が高いことでなんかより男の子同士感が出てていい♡「きみは若くてかわいいまだ17歳のダンシングクイーン」って歌詞もいいよね。このエピソードではカートだけじゃなく女の子みんなが、若くてかわいいクイーンだったよ。

 

 この時の写真とかティアラなんかをカートは最後まで大事に持っていて、S3では「プロムは嫌な思い出」って言ってたけど、きっとそれだけじゃないんじゃないかなぁ。大好きな人とプロムに行く夢が叶って、辱められても自分の意志を貫き通して、大好きな人が全員の前でためらいなく自分への愛を示してくれた。これは一生の素敵な思い出になると思います。

 

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 2人の会話直訳↓

Would you at least sit down? Do you want to go? We don't have to go back in there.

(せめて座ったらどうかな?きみは行きたい?(←字幕を見ると、家に帰りたい?の意味のようです)僕たちはあそこに戻る必要はないよ)

Wasn't this prom supposed to be about redemption about taking away that lump you had in your throat from running away?

(このプロムは、逃げ出したことからきみの胸につかえている嫌な思い出を償うためのものじゃなかった?)

If we leave, all it's gonna do is give me a lump too.

(もし逃げたら、僕にもしこりが残る)

So what do you want to do?

(そしたら、きみはどうしたいの?)

I'm gonna go back in there and get coronated.

(僕はあそこに戻ってティアラを受け取るよ)

I'm gonna show them that it doesn't matter if they are yelling at me or whispering behind my back that they can't touch me that they can't touch us or what we have.

(僕は彼らに示すんだ、どれだけ彼らが僕を非難しても、陰で囁きあっても、彼らは僕を痛めつけられないし、僕たちや僕たちが持っているものを害することはできない)