2025年3月19-25日
・トール・テレヘン(長山さき訳)『おじいさんに聞いた話』
・マウリツィオ・デ・ジョバンニ(直良和美訳)『P分署捜査班 集結』
・島崎敏樹『病める人間像』
以下コメント・ネタバレあり
・トール・テレヘン(長山さき訳)『おじいさんに聞いた話』
これはロシア革命でオランダに亡命?したロシア人祖父が語るロシアの思い出小説です。フィクションらしいですが、真実味がありまたダウナーなユーモアがあってなかなか面白いです。最初は今の精神状態で純文学きついな…と思いながら読み始めたのですが、一章一章が短いのでさくさく読めました。宗教絡みの話は正直よく分からないのですが、「神と皇帝」とか「クマのお話」とかけっこう刺さりました。しかし、ぼーっとしながら読んだのですでにけっこう忘れている…。
・マウリツィオ・デ・ジョバンニ(直良和美訳)『P分署捜査班 集結』
イタリア版『ST』あるいは『特捜部Q』みたいな感じです。こういう小説群の元ネタは「87分署」シリーズ(1956年~)らしい。外国語圏群像劇は最初名前がさっぱり頭に入ってこなくて難しいのですが、人気小説はたいていどのキャラも濃いので徐々に覚えてきます。しかし、「一癖あるけど能力の高い警察官が問題部署に集められて事件を解決する」というよくあるパターンでありながら、その「一癖」が日本が舞台だったらまずこうはしないだろうなってほどガチでアレなので(DV男、銃ぶっぱなし女、不倫願望女など)さすが海外小説という感じで面白いです。多少中だるみや構造の違和感もありましたが、面白いのでいずれ続き読みたいです。
・島崎敏樹『病める人間像』
最初はやたら古臭いこと言ってんななんだこれと思いながら読んでいたのですが、初版1957年とかの普通に古い本でした。そう思って読めば、今の時代にそぐわない部分と時代を経ても変わらない部分が浮き彫りになり面白かったです。あとこの時代の人だと、戦前戦後で世界が変わり過ぎて「今の若い人は…」とか「最近のなんとかは…」みたいないわば慣用句的文句が慣用句的用法を超え、本当に人間の質が変わった様を目の当たりにしてきたのではないかという興味深さもあります。とはいえ読みやすい文章ではないので読んでいて疲れました。