「一首鑑賞」の注意書きです。
274.君が火を打てばいちめん火の海となるのであらう枯野だ俺は
(真中朋久)
砂子屋書房「一首鑑賞」コーナーで江戸雪が紹介していました。
おお。かっこいい。君が火を放ったならば一面火の海になると。自分を「枯野」に例えていることからして、草食系男子というか、枯れた男性かと思われます。年齢も高めなのかな。でも乾いているということは燃え上がりやすいということでもあり、君が火を打ってくれたら燃え上がるだろうと。あくまできっかけは「君」に譲りたいという言い方も、年齢高めなのかなって気がする。
一読した時の印象では、相手は若い人なのかなって思った。若い女の人で、君のその情熱が俺を燃え上がらせるだろうと。でも若くないという読み方もできます。ほんのわずかな火であっても君が打てばいちめん火の海となると。あるいは、今まで全然恋愛の相手として想定していなかった人とも考えられます。これ読んで最初思い浮かんだのが、ヤマシタトモコの『くいもの処明楽』だったんですよね(*BLです)。「もう冒険できる年じゃない」とか思いながらハマってっちゃう感じ。
殺すしかないときめきをどうしよう路地の猫にはわたしなれない (yuifall)