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「短歌と俳句の五十番勝負」感想27.はにかむ

「短歌と俳句の五十番勝負」 感想の注意書きです。

yuifall.hatenablog.com

むかごみなはにかむごとき零余子飯 (堀本裕樹)

 

 これ読んでいて、東海林さだおの「丸かじり」シリーズ思い出しました。『〇〇の丸かじり』というタイトルの食エッセイなのですが、ばつぐんに面白くてたくさん持っています。時々読み返して楽しんでます。この中の『パンの耳の丸かじり』に「栗ごはん」に関するエッセイが載っていて、その解説が「栗ごはんは設定自体に無理があるのでは?」でそもそも面白いのですが、「栗はごはんに全然馴染んでない」みたいな内容ですごく笑った記憶があります。

 東海林さだおだったら「むかご飯」はどう思うんだろうか。むかごは栗よりも小さいですけど、食感とかはやや似てますよね。個人的には栗よりはご飯への親和性は高いように思われますが。

 

 ここでは「むかごみなはにかむごとき」とあり、このひらがなもまたあのむかごのかわいいフォルムとかはにかんでいる子供の顔みたいな様子が連想されていいですね。最後だけ「零余子飯」と、「むかご」というひらがなの繰り返しを避けてびしっと現実に帰ってくる感じです。それまでははにかんでいるむかごにフォーカスしていた視点がぐっと引いて食卓に戻って来るみたいな。

 

 なんか食エッセイ読み返したくなっちゃったなー。俳句って、季節や季語を意識するためか、食べ物に関する句も多いイメージがあります。

 

 

はにかんだ祖母の幼いような笑み歯のない口をきゅっとすぼめて (yuifall)