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04x08 - Point Of Origin 感想

 POI感想の注意書きです。

yuifall.hatenablog.com

 タイトルの Point of origin は「起点」「原点」という意味なので、本筋のエピソードよりもマルティーヌの諜報活動を言っているような気もします。本筋のエピソードの方は、シルヴァが元ギャングで、今はギャングの捜査をしてる、ってことを言ってるのかな。あと、更に深読みすれば、リースの恋はここから始まる、って言いたいような感じもする。

 

 今回久々にR&Fのバディで嬉しい!のですが、でも一つどうしても納得いかないことを先に書いとくけど、アイリスの存在がほんとダメ。すみませんがまた愚痴なので読みたくない人はしばらく飛ばしてください。

 

 ずっと、どうしてこんなに不快なんだろう…、って考えてて。私は腐女子ですけど別にリースの恋愛に全く抵抗なくて(というか普通に男女カプ好きだし)、ジェシカとのフラッシュバックシーンも好きだしゾーイとの関係はもっとやれって感じでしたしカーターはマジで推してたのですが、アイリスはほんとダメです。なんか今回のエピソードで2人の心理的距離が近付くシーンも安っぽくてイライラした。

 そもそも、危険な仕事である警察官のカウンセラーなんですよね??で、リースがやたら人を撃ちまくるから「危険人物か、ヒーロー願望かどちらかよ」とかって分析してたのに、実際に銃撃で守られたとたん「スーパーヒーローみたいに守ってくれて、あなたがいてよかった♡」ってなんなの???プロ意識の欠片も感じないわ。私だったらこんな仕事上の失敗したら、恥ずかしすぎてもう担当できないよ。どんな顔でしれっとカウンセリングだの分析だのできるわけ?命の恩人相手にさ。ヒーロー願望かって疑ってる相手を分析するのに、相手をヒーローだと思ってたら冷静な仕事なんてできるわけないじゃん…。

 リースはリースで、かよわい美女を守って「ありがとう♡」って言われたらころっといくって、ちょろすぎん??だったら今までのS1E23のキャロライン(ルートだけどね!)とかS2E03のソフィアとかに惚れとけや。ソフィアとブラジル行けばよかったやん。他にもマキシンとかミラとかいい女いっぱいいたやん。

 それにもう一つ、今回の対象者シルヴァがかっこいい女だったから余計納得いかない。シルヴァは芯が強くて射撃もうまくて、リースはかつてのカーターの姿を重ね合わせて「君のように正義感に溢れた警察官がいたんだ」と語ります。リースとシルヴァの会話シーンどれもとても好きだったんだよなー。2人で一緒に戦って、粋な会話を交わして、その後で??なぜ??アイリスに心惹かれる??

 

 もちろん、“強さ”っていうのが実戦で戦えるか否かを指すのではないのは分かるし(フィンチも非戦闘員だし)、シルヴァがレギュラー化してリースと協力して…、ってすると、カーターを殺して同じポジションに若い女あてがうのかよ!ってなっちゃうからそれは無理なのは分かる。でもこの回、シルヴァとアイリスの2人が出てきて、ずっと一緒にいたシルヴァじゃなく最初にちょっとかばっただけのアイリスの方と心理的距離が近づくのが理解できない。

 アイリスの発言にリースが反応したのは、「暴力があなたを追いかけてくるのか、あなたが危機を察知する能力があるのかどちらかね」と言うシーンだった。なので、単純に“心惹かれた”というよりも、この女性はこんな短期間で自分について何かを知った、と悟って、それで気になったんだと思う。それは分かるんですが、その直前にシルヴァにも「あなたには軍歴がないはずなのに、指導したのは軍の戦い方だった」って指摘されてましたよね??

 S4のリースを、“ただの警察官には見えない男”として描きたいのか、“普通の人生を手に入れようとする人”として描きたいのか分からなくてイライラすんのよ。基本的には前者なんだろうけど、一方で一般人と恋愛したりファスコとお友達になったりするやん??まあファスコはS1からずっとレギュラーだし、徐々に距離が近づいてくるのはむしろ歓迎なんですが、一般人との恋愛がマジで意味分からん。

 

 確かに冷静に考えるとリースは「守りたい人」属性だから、守りたい相手を好きになっちゃうっていうのは分からないでもないんですが、今更それはダメでしょ?って思う気持ちもある。

 以前S1あたりの感想でも書いたんですが、POIをいわゆるダブルヒロインものの構造に当てはめると、戦闘員ヒロインのポジションにカーター、非戦闘員ヒロインのポジションにフィンチがいる作りになってたと思う。フィンチは戦えなくて、攫われたりなんだりして、カーターと一緒に助けに行ったりとかして。でも結局フィンチは男だし、S3ではリースはカーターと近づいてく描写されてたから、見ているこっちとしてはああー、これは戦闘員ヒロインとくっつく流れかなーって理解してたし感情移入もしてたんですよ。最後リースはカーターに「自分の番号が出る時は君にそばにいてほしい」って、命まで預けたい的な発言してたし。これは相手が戦う女だからでしょ?

 でもそのカーターが死んでしまって新たに現れるのが非戦闘員ヒロインポジションのアイリスっていうのはちょっとさぁ。心情的に受け入れがたいのもあるし、ポジション的にフィンチと競合するから、要は「仕事か恋愛か」を選ばざるを得なくなるじゃん。両立はできないの。実際フィンチはマシンかグレースかの二択で、グレースの命を守るためにマシンを選ばざるを得なかった。POIって最初からそういう話として描かれてるじゃん。だから恋愛するならチーム内の人間とするしかなくて、選択肢としてはカーター、ショウ、ルートしかもともといなかったんじゃないの?チーム外の人と付き合うなら、ゾーイとの関係がもうmaxっていうかそこで行き止まりというか。もしくはなんだかんだでアイリスをチームに入れる流れになってから恋愛するとか。

 

 どうしてもこういう相手との恋愛を描きたかったら、まずはリースが切実に「普通の生活」に憧れる流れが欲しかったです。それがあれば、「結局普通の生活はない」っていうS5E3の喪失がより際立ったと思うんだけど。正直ショウがいなくなって物語の緊迫感が高まるので、リースの恋愛エピソードと「普通の生活」喪失エピソードが浮いてるんだよ。「そんなもの知りもしないし求めてもいない」ってカーラ様に言われちゃってんじゃん。知りもしないし求めてもいないものを失ったからって何なんだ?

 これはショウの降板でストーリー変わったのかなと思わなくもないんですけどね。S4で軸足が「人助け」から「AI戦争」に移行しているのもあって、「仕事」の方はフィンチ&ルート&ショウが対処するようになり、リースはファスコと組んで警察の仕事をすることが増えてきて、自分はチームにもう必要ないのかな?って思いとか警察の仕事の楽しさに目覚めたりとか、アイリスも含めてそっちの人間関係が充実してきたりして、このままチームを離れようか…、ってとこで過去の自分の罪が追いかけてくる…みたいな流れだったら、アイリスとの恋愛とその喪失も理解できたような気がします。でもショウがいなくなってそのストーリーできなくなったのかもなって気もした。

 

 まあこれについてはもういいや。

 

 今回、冒頭からリースとフィンチの会話でスタートして嬉しい♡

 リースは教官として警察学校の訓練生の訓練をしてます。ペイント銃で次々に倒していくリースですが、シルヴァに膝を撃たれてしまう…。いきなりかっこいいですね。フィンチは「彼女の成績は全くの標準だ」と言いますが、リースは「普通どころじゃない」と。“普通”を装っている非凡な人、という点でフィンチは「私の知っている誰かのようだ」とリースに当てこすります。

 監視しているとシルヴァの挙動がおかしく、加害者か?と探っているうちに実は彼女はブラザーフッドのスパイを捜索する潜入捜査官だったことが分かります。しかしたった一人彼女の身分を知っているハンドラーが殺されてその犯人に仕立て上げられそうになります。スパイを突き止めた、というシルヴァ。居場所を知るために、“犯罪センター”に問い合わせるリース。

 

Hang on a second.

ちょっと待て

I'll check with RTCC, see if they can find him.

彼を探せるかどうか、RTCCに問い合わせてみる

I suppose I am an RTCC of sorts.

つまり、私がRTCCか何かだということか?

But with less attitude.

まあ気取るなよ

(この台詞、吹替では「頼りにしてるぞ」、字幕では「素直に調べろ」になってて、リースのフィンチに対する態度が違い過ぎてどっち??ってなった)

 

 で、フィンチがスパイのオルティスの居場所を突き止めます。

 

The RTCC tracked Ortiz to an abandoned school in Spanish Harlem.

RTCCはオルティスの居場所を突き止めた。スパニッシュハーレムの廃校だ

The RTCC worked fast.

RTCCは仕事が早いのね

Well, they're good with computers.

彼らはコンピューターが得意なんだ

 

 彼らじゃねえ!!一人じゃん!!この辺の2人のやり取りすごく好きだ。

 ところでこれ最初見た時RTCCが何のことか全く分からず、私の予想はReal Time Criminal Centerです!とか書いてたのですが、見返すとS1からRTCC何度も出てました。Real Time Criminal Center だかReal Time Crime Centerだか忘れたけどそんな感じの名前だった。

 

 オルティスを追い詰めてから、実は彼はブラザーフッドのスパイではあるけれども、ハンドラーを殺して彼女を嵌めた犯人ではないことが分かります。「残念だが真実らしい」と背後関係を探っていたフィンチから通信が入り、リース、シルヴァはオルティスを連れて襲い来るギャングの集団から逃げ出します。

「フィンチ、逃走経路は」「君の正面のドアだ」こういうの待ってたし!!フィンチが廃校の図面を即座にハッキングして助けてくれます。でも、道は物理的に塞がれていました。「オプションはないのか?」「プールの下に通路があるが、君がハンマーを持っていなければお手上げだ」

 このプールのシーン、シャーロックを思い出したよ…。ワトソンが爆弾巻き付けられてたの、こんな感じのプールじゃなかった??リースは手榴弾をプールに投げ込んで地下通路へダイブします。「危険だからお前が先に行け」とオルティスを投げ込み、次にベアーを行かせ(ベアー有能すぎん??)、最後にシルヴァと飛び込みます。

 結局シルヴァを嵌めたのはブラザーフッドということでよろしいか?シルヴァめちゃくちゃいい女だったよ♡顔もかわいいし。リースの経歴を怪しみながらも見逃してくれます。

 

 ブラザーフッドの方は、ついにフィンチがボス「ドミニク」の正体を掴みます。ドミニク、この回ではボスっぽかった!でもさ、廃校のシーンで円を描きながら、「高校の先生が言っていた。このシンプルな円の中に全ての可能性があると」って言ってたけど、これってスウィフト先生の言葉じゃないの??ケイレブ君のクラスにいたんか、この人。伏線なのか全然関係ない台詞なのか分からないけど、もし全然関係ないとしたら、スウィフト先生の言葉をこんなところで使ってほしくないのですが…。ちょっと分からん。(結果的には全然関係なかった)

 ドミニクは貧困層の子供を抱き込んだり、スパニッシュギャングを取り込んだり、警察にスパイを入れて重要なデータを抜き取ったり、冷静に考えるとイライアスとやってることあんまり変わらないな…。結局有能なギャングは似たような振る舞いをするってこと?でもイライアスと違って身内をばんばん殺しちゃうんでどうも感情移入しづらいです。

 

 で、最後のフィンチとリースの会話。

 

Are these the files that Dominic stole?

これらのファイルはドミニクが盗んだものか?

Oh, that's just a small portion.

これはそのごく一部だよ

Looks like NYPD intelligence on a criminal network.

NYPDの持つ犯罪者ネットワークのリストに見える

Information that it took the police years to collect, and yet Dominic steals it in less than 48 hours.

警察が何年もかけて集めた情報を、ドミニクは48時間以内に盗み出した

And I finally figured out the common denominator.

そしてついに、共通項が見つかったようだ

Which is?

つまり?

Our new number.

新しい番号だ

 

 番号はイライアスのものでした。次回はイライアス回ですね。

 

 今回ルートはお休みです。ルートとフィンチの会話嫌いじゃないけど、ルートが出てくると基本フィンチにべったりになっちゃうので今回ルートいなくてフィンチとリースのコンビが久々に見られてよかったという気持ちもある。。まあ次回はリース&フィンチ、ルート&ショウなんで、この組み合わせならめっちゃ好きです。

 

 ショウは今回もバックアップでした。プールに飛び込んだベアーを見て、「犬を洗う手間が省けた」って言うの笑った。

 ところで今回、ショウはファスコと組んでリサーチ担当でした。しばらく、強盗と警官が一緒に行動しててサマリタン的にはOKなのか??って思ってたんですが、見直してみると最初にファスコがショウを「CI(情報提供者)」って言ってますね。そういう体で組んでるのか。ショウはリースともたびたび組んでるし、裏社会から警察に協力するポジションを装ってるのかも。

 

 とはいえ、今回ショウはそれどころじゃなくピンチです。サマリタン側のエージェント、マルティーヌに捜索されてました。監視カメラなどに頼らない、昔ながらの諜報テクでどんどん近づいてきます。まあもともとショウが目を付けられたのも昔の知り合いと遭遇したからだし、人間関係ってそう簡単にはリセットできないよね…。S4でウィル(ネイサンの息子)戻ってきたらフィンチはどうすんだろって思ったし。

 サマリタンの分析で、一緒に行動していたトマスがまず見つかり、そこからかつての共犯者が見つかり、ロミオ、そしてショウ、と繋がってついに職場にマルティーヌがやってきます。ルートがサーバーに仕込んだトリックのせいでサマリタンにはショウは追えませんが、マルティーヌには見える…。2人の目が合ったところで終わります。怖い!!

 ずっとフィンチが「誰か一人が見つかれば全員が見つかる」って言ってたのですがその辺大丈夫なのかなあ。今後の展開が心配になる終わり方でした。

 

 

 ところでここからは完全に余談ですが、先日アマプラオリジナルドラマの「グッド・オーメンズ」観ていて、アナセマ役の女優さん、シルヴァに似てる!って思ったら同一人物でした(アドリア・アルホナさん)。「グッド・オーメンズ」はニール・ゲイマンテリー・プラチェット共著の小説が原作で、この小説めちゃくちゃ面白いです。超笑えます。この小説ってかドラマ、クロウリー&アジラフェルでブロマンス推しされてますけど、個人的には小説もドラマもパルシファーとアナセマの男女カプが一番好きなんで、アナセマがシルヴァだったの嬉しい驚きでした。最近2が配信始まったみたいなんですが、完全オリジナルストーリーっぽいんでまだ観てないです…。

 

POI:ダニ・シルヴァ(被害者)

本編:2014年

E7が11月11日でE14が12月15日あたりなので、E8~E13はこの1か月の間

フラッシュバック:なし