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03x13 - 4C 感想

 POI感想の注意書きです。

yuifall.hatenablog.com

 これはサービス回ですかね。シリアスなストーリーが一度落ち着いた後に来るコメディ回というか。リース復帰にそのエピソード?というかそのノリを持ってくるのが笑えますが、全体的になんじゃこりゃ感のある回で、でも面白いです。ドラマ!って感じ。ていうかむしろもうラブコメかって感じでした。ずっとこういう感じでもよかったけどね、POI。

 タイトルの4Cは対象者オーウェンの座席番号ですが、foresee(予見)の意味でもあるとか。それに、S2E12の「尋問」回でジョン・ウォーレン氏がメキシコへ行った時の座席番号も4Cだったらしい。

 

 まずはリースがとうとう本気出してフィンチの目の届かないところに行こうとしたのか?、イスタンブールに向かおうとするところから始まります。なんでイスタンブールなのかもよく分からないのですが…。ジェシカの思い出のメキシコとかじゃないんだね?ジョン・ワイリーというフィンチに貰った偽名で飛行機乗ろうとしていること自体、見つかりたがっているとしか思えませんがまあいいや。

 オーバーブッキングがあって飛行機をローマ経由に変えられ、座席も変えられたりなんだりして迷惑な電話男から奪った電話に「4C」というメッセージが表示され、「番号」を受け取ってしまうリース君。しかし国際線のファーストクラスとは思えないほどの貧相なこの座席は何なんだ?モニターも前方に1つあるのみだし、ある意味普通のエコノミーよりショボそうです。まあ、席の広さのみプレミアムエコノミーくらいの雰囲気ですかね。どういう設定なの??

 後で何かで見たのですが、アメリカでは飛行機は“移動手段”だから座席のグレードはそれほど重視されず、ファーストクラスでもしょぼいことがある、とか書いてました。ちょっと今ソース出せないのでいい加減な記憶ですが…。でも国内線ならともかく国際線でこれなのか…?

 

 まあともかく全てフィンチの差し金だと思ったリースは怒りの電話。この人どうしてなんでもかんでもフィンチのせいだと思っちゃうの??まあ、そう思いたいだけかもしれん。

 知らない番号から電話が来たフィンチは「Yes?」と警戒気味に応答します。

 

Finch?

フィンチ?

Mr. Reese, where are you?

リース君、どこにいるんだ?

And why are you calling over VoIP?

そしてどうしてVoIPでかけてきた?

You tell me.

あんただろう

You're the one who put me here.

あんたが俺をここに寄越したんだろう

We can't keep doing this, Finch.

俺たちはこれを続けることはできない、フィンチ

Put you where? Doing what?

君をどこにだって?私が何を?

Overbooking my flight, changing my seat.

俺のフライトをオーバーブッキングし、座席を変更した

Are you on a plane?

君は飛行機にいるのか?

With two Federal Marshals and their transport.

2人の州保安官と彼らの輸送者と一緒にな

I told you. No more missions, no more numbers.

言っただろう。仕事も番号ももうなしだ

While I don't agree with your decision to leave, I certainly respect it.

去るという君の決断に同意はしていないが、私は確かにそれを尊重している

I did not send you on a mission, Mr. Reese.

私は君に何の仕事も送っていないよ、リース君

Then who put me on this flight?

それでは誰がこの飛行機に俺を乗せたんだ?

 

 この後も「マシンが君を乗せたのかも」「マシンに辞職が伝わっていないのか。伝えてくれ。俺はやめる」「メッセージは受け取ったが、君は一体どうするんだ」などごちゃごちゃとやり取りがあり、リースは結局保安官に絡みに行きます。

 今回の対象者、めっちゃオタク。命の危険にさらされているのにヘラヘラしているハイスキルIT技術者でかつ黒幕という、レオンとフィンチを合わせたみたいな謎キャラです。一応CAの金髪美女ホリーが手伝ってくれたりしますが、対象者が美女じゃないあたりが笑えます。これで対象者が美女→見捨てられず助ける→ワンナイトラブ→仕事戻る、だったらなんか、そんなリース嫌だし…。

 

 対象者オーウェンのしゃべり方がまたさあ…。

 

Someone may be trying to help your transport here escape.

誰かがあんたの輸送者を逃がすのを助けようとしている

Whoa. What's with the conspiracy theories, Mr. Dark And Stormy?

わーお。どんな陰謀論?ミスター・ダーク&ストーミー

I am not trying to escape.

僕は逃げようとなんてしてない

Okay, as much as I love sucking in this recirculated MRSA air, there is nothing I--

OK、僕はこのメチシリン耐性黄色ブドウ球菌に満ち溢れた再循環空気を吸うのを愛しているし、何も…

Quiet.

黙れ

 

 Mr. Dark And Stormyの意味分からんし、this recirculated MRSA airってめっちゃ笑えます。この後オーウェンはコロンビアだのイスラエルだのの麻薬組織に狙われ、さらに政府のエージェントにも狙われたりして、実はオーウェンこそがダークネットで麻薬の売買をしている影の帝王だということが分かるのですが、なぜ「無用」番号としてフィンチに届かなかったのか、「有用」番号なのではないか、とフィンチはISAの意図を探りにショウを送り込みます。

 

On a plane with a number?

番号と一緒に飛行機に?

You engineer that, Harold?

あなたがそう仕向けたわけ、ハロルド?

I assure you, I had nothing to do with his claustrophobic circumstance, Ms. Shaw.

君に保障するが、彼が狭苦しい場所に閉じこもっているのは私の差し金ではないよ、ショウさん

Which presents us another troubling situation.

それはつまり、我々はもう一つの問題に直面していることを意味している

What's going on?

何が起きているの?

You need me to do something you don't want me to do.

あなたがあたしにさせたくないことをさせる必要があるんだね

I need you to visit your former colleagues.

私は君に以前の同僚を訪ねてほしい

The Activity?

Activityを?

The people that want me dead.

あたしを殺そうとした奴らだよ

Uh, mind if I ask why?

理由を聞いてもいい?

I fear the number that Mr. Reese received is relevant.

リース君が受け取ったのは「有用」番号ではないかと危惧している

 

 リースはことあるごとに情報を求めてフィンチにかけてくるのですが、フィンチが「番号は有用かもしれないからショウさんに調べてもらっている」と言ったとたんに「どうして教えてくれなかった?全部の情報を握って分けようとしない、あんたのマシンと同じだな!」とブチ切れ。いや、だから今言ったやん…。フィンチは「あーあ」みたいな顔でベアーを見ます。もう何言っても怒らせるだけだわ、みたいな。後でE16のエピソードで、マシンのことを全く教えなかったためにディリンジャーに不信感を持たれて裏切られた過去が分かるので、そのことも頭をよぎったのかもしれません。

 まあともかくフィンチはコロンビアの麻薬組織についても調べて情報をくれます。そして「どうして彼が国家安全に関わるのか分からない」とフィンチは正直に「分からない」と言っているにも関わらず、先ほどのことを謝りもせず「ショウに任せよう」とか言ってんじゃねえ!リース君、フィンチには何言っても許してもらえると思ってません??まあ辞めた人に勝手に仕事させてるマシンもマシンですけどね。

 

 この後イスラエル人の刺客と戦ったリースはフィンチからの電話に応答。

「フォークで刺された」「フォークで?」

って会話笑える。フィンチはフォークの何にそんなに驚いたんだ??ショウがISAから得た情報を教えてくれます。「インディゴ6アルファが乗ってる。あたしはインディゴ5アルファだった。つまり国家の保安に関わるエージェントがオーウェンを殺しに行くよ」と警告。でリースが「どんな奴だ」と聞きます。

 

Tall, dark, badass in a suit. Sound familiar?

背が高くて、陰気で、スーツの凄腕だね。親近感湧く?

 

 この台詞笑えます。

 

 そいつを倒してホリーに「ボスのボスが気に食わないから仕事辞めてきた」発言をした後、リースはなぜかキャビンから貨物室へ移動。貨物室って直接行けんの?てか、寒くない??人の荷物を漁りまくるリースに絡むオーウェン

 

What are you looking for?

なに探してんの?

A safety razor, maybe hair spray.

安全カミソリとか、ヘアスプレーだ

Dude, your hair looks fine.

なあ、君の髪型イケてるよ

That salt and pepper thing's like catnip to soccer moms.

その白髪交じりヘア、サッカーママに大人気だぜ

Go au naturel.

ありのままいけよ

 

 この喋り方…。笑える。

 

I didn't just build the site. I'm the guy.

ただサイトを作ったんじゃないんだ。僕がその男だ

You're the Sphinx.

お前がスフィンクス

I created a business model from my bedroom that revolutionized an international market and cut violence in the drug trade by half.

僕が寝室で作ったビジネスモデルは国際マーケットの革命だよ、麻薬取引に関わる暴力を半分に減らした

You're welcome.

どういたしまして

Yeah, people are just lining up to thank you.

ああ、あんたにお礼参りしたい奴らが列をなしてる

It's okay. I have a plan.

それはいいんだ。計画がある

Okay, I have 100 million bucks in Bitcoins.

僕は1億ドル分のビットコインを持ってる

You get me off this plane and past Interpol in one piece, I'll split it with you.

僕をこの飛行機から無事に下してインターポールから逃がしてくれれば、君にそれを分けるよ

Good deal, right?

いい取引だろ?

You think you're a mastermind.

あんたは自分が黒幕だと思ってる

Hey, that's the media's word, not mine.

それはメディアが言ってることだ、僕じゃない

You computer guys, you build something you can't control.

お前らコンピューターオタクは、自分ではコントロールできないものを作る

And when it backfires, you won't accept responsibility.

そしてそれが手に負えなくなると、責任を受け入れようとはしない

What are we talking about here?

何のこと言ってんの?

Have you really made anything better?

お前はそれで何かをよくしたつもりか?

Does it look like you've stopped the violence?

暴力を止めたとでも思っているのか?

Okay, are we still talking about me?

OK、君は僕のこと話してる?

'Cause it seems like you're mad at somebody else.

だってまるで誰か他の人間に怒ってるみたいだけど

 

 これをフィンチに言うのは残酷すぎるなー。ネイサンが死んで以来ずっと責任を取り続けてきていて、それに人生を捧げてるじゃん。確かに自分一人でできることではないけど、でもできる限りのことはしているよ。というか、技術の責任って誰が取るべきなんだろうか。そして裏返すと、その技術によってもたらされる利益はどうなの?まーオーウェンの場合はそもそもがダークネットでの麻薬取引なんでアレですが、例えば前回出てきたマンハッタン計画の科学者は、原爆投下とその影響の責任を負うべきなの?日本人としては、精神的には当事者意識を生涯持ち続けてほしいと思う反面、道義的責任をどこまで求めるべきかは分からない。それでは逆に、同じ技術を用いた原発による発電によってもたらされた利益やその他核関連の技術によってもたらされたあらゆる利益を得る権利もあるわけ??

 フィンチは少なくとも「有用」番号によってテロを事前に防ぐことで大勢の命を救ってきているのでは?それは無視なの?

 リースはそれを全て知っているのにフィンチにそれを言うの?

 とまあフィンチ寄りな私は色々考えちゃいますけど、でもカーターを失って、どこかで落としどころが必要だったリースの気持ちも分かるし…。どこかで一度ぶつかるプロセスが必要だったんだろうなと思います。まあ、逆にフィンチが「リース君もう無理!」ってなるエピソードはなかったような気がしますけど、そんなんあったらちょっと笑えただろうな。いや、笑えないかな。フィンチがリース無理になるとしたら、無意味に人殺しまくりとかそういう系になっちゃいそうだし…。

 

 その間、ショウはハーシュに自白剤を盛って情報を聞き出そうとしています。オーウェンについて色々聞いたあと、最後にハーシュの本音が漏れます。

「お前は俺が育てた。うまく育てすぎたな」「あんたが好きだったよ。殺された後も」「ショウ、お前の新しい雇い主は…」「何?」「お前によくしてくれているか?」「まだ殺されそうにはなってないね。今夜あんたを殺せたけど、ハーシュ、でも殺さない。忘れられちゃうなんて残念だな」

 この会話好きでした。ハーシュはショウをエージェントとして大切に育てたはずで、自分の意思に反してショウを殺したけど、でも大切に思っていたということが分かります。自白剤を盛らなかったら一生聞くことはなかった本音に、ショウは「忘れられちゃうなんて残念」と。

 

 最終的に、コロンビアの麻薬組織はオーウェンを殺すためなら飛行機墜落も辞さないということが分かり、そのためオーウェンが「有用」番号だったということが分かります。

 これってすごいパラドックス…。だってリースが乗らなかったらオーウェンが死んでいただけで済んでいたよね?飛行機を落とさなければならないような事態にはなっていなかったのでは?その場合オーウェンはただの「無用」番号だっただろう。でもマシンは「無用」番号のオーウェンを救うためにリースを乗せて、オーウェン殺害が一筋縄ではいかない状況になったために彼が「有用」になってしまう、という複雑な状況です。

 状況的にフィンチに通知が行かなかったのは分からないでもないけど、政府は?もともとは「無用」番号だったから、あるいはそもそもオーウェンを殺すつもりだった政府にも通知は行っていない?それとも政府は「有用」を知っていて無視し、更に刺客を送った??つまり、飛行機を墜落させる大元のコロンビア人の刺客には対処せず、むしろオーウェンを殺しに行ったという状況?政府が「有用」を無視したからリースが乗せられたのか?でももし誰かがオーウェン殺害に成功していたら飛行機は墜落しないよね…。

 この辺りはよく分からないのですが、マシンは初めから、リースを乗せればオーウェンが「無用」から「有用」になる(飛行機墜落以外の方法では殺せなくなる)ことを知っていてやったように思える。まあともかく誰かによって国際線の飛行機が意図的に墜落させられるとなるとテロ的な状況なのでそれを止めることになりますが、ここからドタバタコメディの様相を呈してきて笑える。

 

The situation's critical, Finch. Can you help us?

状況はかなり危険だ、フィンチ。助けてくれるか?

I'm trying to get into the flight management system through the plane's satellite link.

飛行機の衛星回線を通じて飛行管理システムに侵入しようとしている

Mr. Reese, I've gotten into the FMS.

リース君、飛行管理システムに入った

It appears that he's disabled the autopilot.

彼は自動運転を無効にしたようだ

I can't seem to override the manual operator.

私は手動運転モードから戻すことができない

You ever flown a plane this size before?

あんたはこのサイズの飛行機を飛ばしたことがあるか?

Heavens no, props only. This is a commercial jumbo jet.

あり得ない、プロペラ機だけだ。これは商業ジャンボジェットだぞ

Somebody's gonna have to stick the landing.

誰かが着陸させなくては

I'm putting you on speaker.

スピーカーにするぞ

Mr. Reese?

リース君?

Oh, my God. What's happening?

なんてことだ、何が起きてる?

Mr. Reese, who's flying the plane?

リース君、誰が飛行機を運転しているんだ?

Need a little help, Finch.

助けてくれ、フィンチ

Oh, dear.

まずいぞ

Finch, we're going down.

フィンチ、降下してる

Hold on tight, Mr. Reese.

がんばってくれ、リース君

Stick and rudder, stick and rudder.

操縦桿と方向舵

Small corrections. Wings level.

微調整、翼の高さ

Airspeed and attitude.

スピードと高度

Take us home, Finch.

家に連れて行ってくれ、フィンチ

Keep it level, keep it level.

高度を保って

I'm coming in too hot. I'm gonna be long.

スピードが速すぎる。遠くまで行くだろう

There might be a bounce.

衝撃が来るぞ

You hear that, Finch? That's for you.

聞こえるか、フィンチ?あんたにだ

Yeah, you just stuck this bird.

あんたがこの飛行機を着陸させた

Thank you, Mr. Reese.

ありがとう、リース君

How about Owen?

オーウェンはどうした?

The only relevant number on this plane is 130 people.

この飛行機の有用な番号は130人全員だったんだ

 

 なぜかフィンチが図書館でおもちゃの操縦桿?みたいなやつを操作してジャンボジェットを着陸させるというトンデモ展開です。完全にノリがミニオンズフィーバーと同じじゃねーか(笑)。でも好き♡ある意味ここまでぶっ飛んでしまうとフィクションとして楽しめますね。

 ファスコに「Homeってどこだよ」ってやさぐれ発言してたリースが「Take us home」って言い方するのも好きだし、結局は責任感持ってがんばってくれる頼りになるボスだよね♡ジャンボジェットの操縦もできちゃうぞ。

 

 オーウェンは最後までオーウェンだったし。

 

Man, do you think you could've stuffed me into a case that breathed?

なあ、あんたは僕を呼吸のできる入れ物に詰め込んでもよかったって思わない?

Next time, just throw a garbage bag over my head and stick me in a casket.

次は、ただ僕の頭にゴミ袋を被せて、そんで棺桶に入れてくれ

Here. Go to this address.

ほら、この住所に行け

Stay there until you hear from a man named Harold.

ハロルドって男から連絡があるまでそこにいろ

Harold? The guy on the phone?

ハロルド?電話の男?

You're out of business.

廃業しろ

Stay off the grid.

牢屋に入れられたくなければ

Do not reach out to anyone you once knew.

知り合いには連絡するな

Well, what if I wanna send you something, repay you for all you've done?

じゃあ、あんたのしてくれたことに金を払いたかったらどうすればいいんだ?

I'm not in it for the money, Owen.

金のためにやったんじゃないんだ、オーウェン

You almost say that like it's your job, which would be insane.

あんたはこれが仕事みたいなもんって言ってたけど、正気じゃないよ

Well, whatever you're in it for, good on you, man.

まあ、あんたが何のためにやったかどうかはともかく、腕はいいね

I appreciate you saving my neck.

首を守ってくれてありがと

 

 リース君はちゃっかり美人CAとワンナイトラブしてます。この人、本当に好きな人とはなかなか先に進めないのに軽い付き合いはわりとしちゃうんだ…。ほんと器用貧乏というかなんというか…。ジェシカには「待ってほしい」と言えず、カーターには愛を打ち明けられず、フィンチに八つ当たり中なのに楽しそうですね(嫌味)。

 リース君がお楽しみの間、プライベートジェットもしくはチャーター機でローマまでやってきたフィンチ。かわいいな。ついに追ってきました。

 

She seems nice.

彼女はよさそうな人だね

You track me down, Harold?

俺を追ってきたのか、ハロルド?

Just flew in to get Owen situated with a new identity and destination.

オーウェンに新しい身分と行き先を伝えに来ただけだよ

Is that it?

それだけか?

Mr. Reese, I understand your frustration with the opacity of the machine.

リース君、マシンの不透明性に対する君の不満は理解している

But there's a reason I chose to make it that way.

しかし、私がそのように作ることを選んだのには理由がある

The machine only gives us numbers, because I would always rather that a human element remain in determining something so critical as someone's fate.

マシンは我々に番号だけを伝えてくる、なぜなら、私はいつも、誰かの運命を決定づけるような場面では、人間的な要素を残した方がいいと考えているからだ

We have free will.

我々には自由意志がある

And with that comes great responsibility and sometimes great loss.

それには大きな責任と、時々は大きな喪失を伴う

I miss her dearly too.

私も心から彼女が恋しいよ

When are you leaving?

いつ発つんだ?

Soon.

すぐに

I thought I would go see this exhibit at the Giorgio de Chirico house-museum...

私はジョルジョ・デ・キリコ博物館のこの展示を見ようと思っている

An artist that Grace was very fond of.

グレースがとても好きだった芸術家だ

You're welcome to join me.

私と一緒に来ないか?

I'm not sure I can, Finch.

行けそうにないな、フィンチ

While I'm in Italy, I thought I'd get fitted for a new suit.

イタリアにいる間に、新しいスーツを作ろうと思っていた

Oh, of course.

ああ、もちろん

We should call my atelier in the Via Palestro.

パレストロ通りの私のアトリエに電話しなくては

See if Gianni could fit you in after lunch.

昼食の後、ジャンニが採寸してくれる

He's the best.

彼は最高だ

I thought maybe I could hitch a ride back with you.

それから、あんたの飛行機に乗って一緒に帰ってもいいか?

I'm not quite ready to fly commercial yet, so--

俺はまだ商業機には乗る気になれないんだ、だから…

But I need to get back to work.

でも、仕事のために戻らなくては

Certainly, Mr. Reese.

勿論だよ、リース君

I know the pilot.

パイロットを知っている

I think we could delay that flight.

フライトを遅らせられるだろう

 

 ファスコが寄こされた時は文句たらたらでしたが、フィンチが来て嬉しそうなリース君かわいい。「私も心から彼女が恋しい」と言った後、グレースのことを過去形で語るフィンチを見て、リースは「この人も大切な人を失ったんだ」、ということに改めて気付いたような目をします。リースはただ、カーターのことを一緒に悲しんで欲しかったんだろうな、という気がした。今まで淡々と番号の処理を続けているように見えたフィンチが、実は心の底でずっと悲しみや苦しみを抱え続けていたこと、頭では知っていたけど心で初めて気付いたような。

 マシンは番号だけを伝えてくる。それは、番号の人物が実際に何をしているどういう人物でそれをどう扱うべきかは人間が責任をもって決めるべきだからだ、というのがフィンチの主張で、マシンのデザインもそうなっていた。

 「一緒に来ないか」、と決死の覚悟で誘ったフィンチに「行けそうにない」とリース。フィンチはめちゃくちゃがっかりするのですが、その後「スーツを作ろうと思う」というリースに、一転して笑みを隠せません。このやり取り大好き。てか2人とも演技すごいな…。カヴィーゼルさんは目の表情がめちゃくちゃ豊かだし、エマーソンさんはちょっとした仕草や表情でフィンチの人となりを繊細に表現してくれます。ときめく。

 リースは更に、「一緒に帰りたい」と言います。この人…。さっき器用貧乏とか言って悪かったな。直球で来ましたよ。ホリーのフライトでNY帰るとか言ったら殴りたくなりますが、フィンチと2人で帰るんだよね♡「あんたの飛行機で一緒に家に帰る、仕事が待ってる」ってめっちゃ情熱的じゃないですか??番号も何もかも放り出してフィンチが自ら追ってきたから応えてくれたんだなーってしみじみした。「俺を追ってきたのか?」に対して「Yes」って答えてほしかったんだよね。「君が必要だ」って。

 

 それにしてもNYとローマをプライベートジェットもしくはチャーター機で往復したらいくらかかるのか、想像するだに恐ろしいですね。フィンチの財力たるや…。スーツもイタリアでオーダーかあ。

 ところで調べたのですが、NYとローマの時差は6時間でローマの方が早く、2都市の飛行時間はNY→ローマ方向は8時間半です(偏西風の影響で逆はもっとかかる)。つまり2人が会ったのが何時なのかよく分かりませんが、仮に朝9時頃だとするとフィンチはローマ時間で午前0時頃にはNYを出なくてはならず、すなわちNY時間で午後6時ということになります。あのエピソード、NYはすでに深夜っぽかったけど…。どうなっとる??チャーター機でも飛行時間はどうしようもないんじゃ??会ったのはもっと遅く、昼近くだったんでしょうか。もしくはこれは翌々朝で、リースはホリーと2晩くらい過ごしてた感じなのか?

 

 色々突っ込みどころはあれども面白かったし、最後のおじさん2人のローマの休日?ローマで朝食を?とってもよかったです。エッグベネディクト思い出したよね。

 ちなみにこのエピソード12月21日らしく(リースのフライトの日付がそうらしい)次回が1月7日なので、リース君2週間以上も休んでます。何やってたん?クリスマス休暇?一緒にクリスマス~ニューイヤー過ごしたとしか思えん今回と次回の雰囲気は何なん??

 

 しかしまるでラブコメみたいな回でしたが、後から見直すと、4Cのエピソードは全体を通してフィンチがネイサンを失った状況のアナロジーでした。まず前回、図書館でマシンの運用に関してフィンチとリースは対立し、リースは出て行ってしまう。これはネイサンを爆破で失う前と全く同じ状況です。ネイサンの時は、「有用」番号が出たためにあらかじめ知っていたテロを政府がむしろ後押ししたためにフェリー爆破が起きてネイサンは死亡しました。今回は、「有用」の番号のターゲットを政府も狙ってむしろ殺そうとしており、飛行機が墜落する寸前の事態になります。そこにリースも乗っていて、もしフィンチが助けなければリースは“政府が「有用」を無視・利用した”、というネイサンと全く同じ状況で周囲の人間もろとも殺されていたことになる。今回はマシンの手助けによってフィンチは事前に状況を掴み、リースを含めて他の乗客全員を救います。

 今までずっとフィンチの救済のエピソードはなかったと思ってたけど、それは違ったんだとこれを見直して思いました。かつて、フィンチはフェリー爆破でネイサンを含めてたくさんの人を失った。でも今度はリースを含めて乗客全員を飛行機墜落から救うことができた。フィンチはリースを追ってローマまで行き、彼を取り戻します。ネイサンにできなかったことをリースにしたんだ、これがフィンチの救済だった、と思った。

 ネイサンとルートを目の前で失い、最後リースまでも失ったフィンチがあまりにも気の毒だとずっと思ってたけど、実はこの回でネイサンの件は回収されていたんですね。S2E22 God Modeのどシリアステイストと違ってなんかあまりにもラブコメだったんで気づきませんでした…。でもR&Fはそこがいいわ。ちょっと笑えるとこが。

 

POI:オーウェン・マシューズ(被害者)

本編:2013年12月21日

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