POI感想の注意書きです。
うーん、S1E20の焼き直しみたいなエピソードです。S3前半はこういう感じのネタが多くてイマイチですね。男が実行犯で女が黒幕で、HRがその金に絡んでいて、と、S1E20と構造的にはほぼ同じです。なのでかなり早い段階で、女が黒幕であることには気づきます。でもS1の時と違って、対象者は救えたけど女に金は奪われちゃうオチですね。まあ金はHRのモノなのでチーム的には全然興味ないか。400万ドルだけどね…。
面白かったのは最初のセラピーのシーンかな。いかにも胡散臭そうな催眠療法をしている対象者に、患者のふりをして接触するフィンチ。それを向かいのビルから超嬉しそうに見守るリース(笑)。これ、なんでこんな嬉しそうなの??マジで分からん。フィンチがごろ寝しながら質問に色々答えちゃってるから??あんたは秘密主義なんじゃないのかよ、って感じ?「200ドルの昼寝よりマシな情報取って来いよ」とか言ってます。明らかに対象者よりフィンチの写真撮りまくってるしさぁ。
対象者の胡散臭いセラピスト、ヘイデンはフィンチにいろんな質問をしていて、
「一番落ち着く場所は?」「子供の頃の寝室」
「好きな色は?」「青」
「子供の頃に飼っていたペットの名前は?」「スコット」
などと会話しているのですが実はこれは全てネットバンクの「秘密の質問」と「答え」でした。対象者は詐欺師で、フィンチの口座からどこかにお金が送金されていて…、という感じなんですけど、リースが「知っていてなんで答えたんだ」って聞いてフィンチが「わざとだよ。全部嘘だし」みたいなこと言うの笑った。「子供の頃ペットなんか飼ってないし」ですって。ネットバンクの「秘密の質問」と「答え」に真っ赤な嘘を設定するフィンチさすがですが、じゃあ好きな色が青っていうのも嘘なの??これ、絶対S1でリースがフィンチに「まだあんたの好きな色も知らない」って言ってた伏線回収ですよね。まだ知らないのかー、好きな色。
途中で「彼女だけは真実なんだ」って言うヘイデンに2人が若干感情移入しちゃうシーンちょっと切なかったです。ヘイデンが恋人に電話して「俺は詐欺師だ。犯罪者なんだ。でも君を愛してる。全て話すよ。もし打ち明けたら俺を嫌いになるかもしれないけど、来てほしいんだ」って言うとこ。2人とも、愛する人に本当のこと言えなかったし全部話すから一緒に来てほしいって言えなかった人たちだから、この時だけは2人がヘイデンに同情して彼を絶対救いたいって思う気持ちが伝わってきて。。
実際ヘイデンは必死で恋人だけは救おうとして命も金も投げ出すのですが、実は彼女が黒幕だったオチでした。。まあ、ヘイデンのこと自体はどうでもいいっちゃいいんだけど(しょうもない詐欺師だし)、R&Fの2人より恋人に対しては誠実だったヘイデンが恋人に裏切られてたオチはちょっとかわいそうな気もする。。とりあえず命は助かってよかったね!
フィンチはまだルートを監禁中です。「どうしてマシンがあなたじゃなくて私を選んだのか知りたいんでしょ。ヤキモチ焼かないで、ハロルド。ママは2人とも愛してるわ」とか言ってくるの、ルートさすがのキモさだなー。フィンチはなぜ自分より彼女を、ではなくて、そもそもなぜマシンが特定の人間に話しかけたのかを知りたがっているとは思う。マシンがフィンチには話しかけない理由は明白では?だってフィンチは絶対にマシンを拒絶するから。
最後にもこの2人は会話します。
This truly is for your own good, Ms. Groves.
本当に、君のためにやっているんだ、グローブスさん
I mean that when I say it.
本心だよ
This synchronistic relationship that you've developed with the machine, it can't be--
君がマシンと築いている、同調する関係は、それはとても…
I worry about you.
心配だ
You've misunderstood the situation.
あなたは誤解してる
You shouldn't worry about me.
あなたは私を心配すべきじゃないわ
I'm worried about you, Harold.
私があなたを心配しているの、ハロルド
You can't stop what's coming, and neither can I.
あなたはこれから起こることを止められない。私だってそう
But we have the opportunity to understand things when they finally change.
でも彼らがついに変わる時、それを理解する機会はある
The future is coming.
未来が来ているの
You started it... and I'll finish it.
あなたが始めた。私が終わらせるわ
フィンチが言う、ルートがマシンと同調し合う関係がよくないっていうのは分かるんですが、だからと言ってここに永遠に監禁できるわけじゃないしゴールが見えん。結局彼女の力が必要となった時にそこから出すしかないのだし、それこそがマシンの思惑通りということ??
あと、「私が終わらせる」の意味も分からない。最後まで見ても、ルートがフィンチの始めたことを終わらせたような感じはあまりしませんが…。つまりこれはルートの言う“マシンの解放”を意味してるのか?だから、S5ラストで声を手に入れ、再起動してフィンチの手を離れたマシンの状態が“私が終わらせた”に相当する状態なのだろうか。
それから本当にどうでもいいことなんですが、トイレとかシャワーとかどうなってんだよって思うよね。図書館、トイレはあってもシャワーはないんじゃないの??あとから付け足したのかなぁ、トレーラーとかについてる感じのシャワーを…。S5で地下鉄でフィンチとルートの2人が暮らし始めた時も思ったんですが、あそこにもトイレとかシャワーないんじゃ…。
この2人の関係って名前がつけられなくてとても好きです。全然恋仲でも何でもないのにしれっと一緒に住んでたりダンスしてたりラブラブだよね(笑)。
本筋と絡んで、HR関係もついに佳境にさしかかってきました。
といってもほんと、このHRって設定自体が荒唐無稽だし、大量に逮捕されたのにまだ大量にいるし、警察官殺しすぎだし、最初から最後までついていけなくて…。イライアスもどんどんBLヤクザみたいになってくし、警察&マフィア関係のエピソードにあまり興味が持てないし感情移入もしづらいです。徐々にカーターがHRの核心に近づいていくにつれて徐々にリースとの距離も近づいてきて全てが彼女の死を指し示しているという感覚だけがひたすらにつらい。
これ、リアタイで見てても分かったんじゃないかなって気がしますよね。だってこのままリースと恋人同士になってストーリーが続いていくとは思えないもん。S4E20で幻のカーターが言っていた通り、2人はまだ本当に大切なことを打ち明け合う関係じゃなかった。S3の時点で、だからまだ恋愛的な意味で心の繋がりができていない状態なのに、異常な状況下で親密な描写が増えてきて、最終的にはキスシーンまであって、恋愛フラグというよりも死亡フラグにしか見えないよ。HRのエピソードが終わってからマシンチーム内でカップル成立です♡みたいな未来は全然見えないじゃないですか。「これが終わったら君に伝えたいことがあるんだ…」にしか見えないよ…。
ていうか、カーターがリースに恋していたとは思えない。恋人だったキャルを殺された直後で、まだHRの解体で頭がいっぱいな時期だったんだから。それに、S4E20で言う通り、「あなたは何も打ち明けてくれなかった。私は待っていた。その時が来たら写真も返そうと思っていた」ってジェシカの写真をまだ彼女は持ってる。カーターにとっては今はまだその時じゃなくて、いつかリースが自分に心を開いて打ち明けてくれたら、そこから2人の関係が変わっていくのかもしれないって思っていた段階だったと思う。恋愛に関しては、今はそれどころじゃないというか。
逆にリースは、カーターのこと初対面から好きだったんだと思うんですよ。でも今まで自分が付き合ってきた人とあまりにもタイプが違うし最初はどういう好意なのか気付けなくて…、ってことだとは思うんですが、S3の恋愛ムーブが唐突すぎてなー。。
この2人の関係って、S2の尋問の回とかで少し近づいた感じしたけどS2後半ではリースがカーターにすごい冷たい回とかもあって、結局フィンチが危ない時はそっちに全部持ってかれるし、カーターが全てに優先って感じじゃなかったですよね。なのにS3前半で急になんかべたっとしてくるというか、カーターに対象者と接触させたはいいけど見守りながらそわそわしてショウにからかわれたり、この後も「君がいてよかった」「君が俺を変えたんだ」みたいなこと言ってるし、なんかスピード感についていけず…。
でも結局リースはさ、2人で命の危機に陥るまで自分の本心に気付かなかったんだよね。ていうか、2人で危機にさらされなければずっと気付かなかったかもしれないとも思う。あの状況にならなかったら、心のうちを明かすこともなく、あのままずっと2人の関係はつかず離れずで続いて行ったような気がする。結局リースからカーターへの思いって、存在そのものがどっちかの死亡フラグっていうか…。カーターが死なない限りはずっと眠ったままなんじゃないかと思えます。とても残念なことですが。本当に彼女を愛してた、大切だったって気づくのはカーターが死んだ後で、ジェシカのことも含めて全てを話しておけばよかった、という後悔だけが残っている。
この2人の関係好きなので色々考えるんですけど、結局はリース君があまりにも恋愛下手すぎてなんとも…。明るい未来が見えません。
とりあえずこの回もカーターはめちゃかっこいいです。ラスキーを殺され、ターニーを撃ってHRのボスを吐くように迫ります。「最後のチャンスよ!警官として死になさい!」ってかっこよすぎた。ターニーが血で指し示した相手は、キャルの名付け親のクインで…。カーターの愕然とした表情がまた…。あとは要所要所で助けてくれるファスコ萌え。
そういえばファスコ、“スウェーデン人”と呼ばれてる古物商に「ドラゴン・タトゥー」って呼びかけてて笑ったわ。ドラゴン・タトゥーの女かよ。『ミレニアム』はスウェーデンの話でしたね、そういえば。
カーターは最後までかっこよかったよね。次もがんばって観ます。
追記ですが、上に「リースとカーターの不自然な恋愛ムーブがカーターの死亡フラグにしか見えないし、リアタイでもカーターの死は予測できたのでは」と書きましたが、実際はリアタイ時は公式がファスコ死亡を匂わせてきてたらしいです。なので多分予測はできなかったと思われる。
POI:ヘイデン・プライス(被害者)
本編:2013年(日付はっきりしませんが、次回が11月10日~だから、11月上旬と思われます)
フラッシュバック:なし