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03x03 - Lady Killer 感想

 POI感想の注意書きです。

yuifall.hatenablog.com

 ショウとリースが湖でデートを装ってボートを漕いでいるのですが全然カップルに見えない!2人とも美形でスタイルもいいし銃撃戦の息もぴったりなのに、全くフラグ立つ感じしないですよね…。なぜだろうか…。リースはショウよりもフィンチに優しいしさぁ(笑)。

 フィンチはベアーが新しい首輪とおもちゃを持っていることに気づきリースを問い詰めるのですが、リースは「そんな暇なかった」と。で、フィンチが「ベアーにも彼自身のストーカーがいるらしい」って言うの笑った。フィンチにもストーカーいるしね…。3人も…。

 しかしこの辺の会話のフィンチの意図がいまいち分からないのですが、最初リースと2人で話をしていた時は「あれはリース君が買ったのか?」と聞いてリースが「違う」みたいに答えて終わって、次にショウが来た時に首輪をショウが買ったことを確かめるような会話があって、リースが「あの恐竜の骨もか」と尋ねて「いいでしょ」みたいにショウが答えるんですが、フィンチは「だがそれは食べられない」とかってケチつけるんですよね。。なんで不満げなのかよく分からん。おもちゃでしょ??

 

 今回は女たらしっぽい対象者だったので、女性チームの活躍回でした。女子会物騒で笑った。フィンチがカーターを誘う台詞がフィンチっぽくて好きでした。

 

I was hoping you could come by the safehouse tonight.

私は君に今夜セーフハウスに来ていただきたいのだが

I think I can assure you it'll be more interesting than arresting aging corporate attorneys for driving under the influence.

おそらくこれは君にとって年老いた企業弁護士を飲酒運転で逮捕するよりももっと興味深いことになると保証することが出来ると思う

You wanna give me the headlines?

結局何が言いたいの?

Only that it will require evening attire.

夜の服装で来てほしいんだ

What I mean to say is, something elegant, but also... less than conservative.

つまり私が言いたいのは、上品で、だがしかしまた…、保守的でないということだ

Just what kind of job is this, Finch?

これってどんな仕事なの、フィンチ?

 

 「ナイトクラブにふさわしい服装」と言わず、elegant, but also less than conservativeって…。ほんと好き。この計画立てたのリースなのに、リースじゃなくてフィンチが誘うんだ…、ってちょっと思ってしまった。リースはゾーイを誘ったのかな。

 そして30~40代と思われる熟女たちが武装して集合します(笑)。この時のフィンチの表情がめっちゃ好き!どういう意味なの??かわいすぎる。

 女子会の会話笑えます。「前会った時は死体袋に入ってたよね!」「やだ、まだましな方よ」「あなたが蘇ったって人?」「命は残り8つあるの」(S5の展開考えたら残りの命は7000個くらいありそうですが)銃出して、「ええ~?これ欲しかったの!」「いつでも貸すわよ♡」「すっごくかわいい!」「このスタンガンはジョンにもらったの」ってなんだこりゃ。

 てかリース、ゾーイのことちゃんと大事にしてたのね。ピンクのスタンガンなんかあげちゃったりしてさ。ちょっとときめいたよ。あとゾーイがショウのこと知ってたってことは、リースが話したんだよなぁと。この人意外にゾーイに色々しゃべってるんですね。普通にデートしてんのか、ベッドで話してんのかどっちなんでしょうね。

 「うまくいくといいが…」と心配そうなフィンチにショウが突っかかります。「どういう意味?あたしじゃまずいってこと?美人だと思うけど?」でリースが「顔はいいんだが…、君はいつでも怒ってるように見えるんだ」と突っ込むのも笑った。確かに、美人だけど話しかけにくいよ…。吹替では「怖いんだよ…顔が」ってなってて笑えます。

 

 対象者イアンはなぜか初めからカーター狙いでいきます。ショウ、めっちゃかわいかったけどね。イアンが女性を狙う連続殺人犯なのかただの女たらしなのか分からないので、警戒を強めるチーム。特にリースの気が気でない感じが…。イアンはカーターを翌日のディナーに誘い、リースは夜までずっとカーターを護衛します。

 カーターとイアンがディナーしている間、スコープ越しに2人を見つめながら恋愛トーク?するショウとリースの会話笑える。

 

You two have a thing or something?

あんたたちってなんかあるわけ?

'Cause, I mean, I clocked you and Zoe right off the bat, but I never thought you and Carter...

つまりさ、あんたとゾーイのことにはすぐに気づいたけど、あんたがカーターとなんかあるって考えたことなかったから

We're just friends.

ただの友達だ

Well, your "just friend" is doing her job.

へえ、で、あんたの「ただの友達」は自分の仕事をしてんの

She gets this guy to trust her, maybe he makes a move.

彼女はこの男に自分を信用させて、もし奴が動いたら、

And we can finally shoot him.

あたしたちはついに奴を撃てるってこと

 

How long have you and Zoe been... special friends?

あんたとゾーイっていつから…特別な友達なわけ?

Well, I haven't really counted the days, Shaw.

俺は日数を数えたりするタイプじゃないんだ、ショウ

What about you?

君こそどうなんだ?

Any big dates lately?

最近デートしたのか?

Been too busy saving the world from bad guys.

悪い奴らから世界を救うので忙しくてね

Besides, relationships are for amateurs.

それに、お付き合いなんて素人のすること

Guys these days have so many... emotions.

最近の男ってやたらと…湿っぽいっていうか

They cry, they wanna be held.

泣くし、束縛したがるし

I just don't know what to do with them.

あたしはそんな奴らとどうしたいか分からない

So you... you're a nun?

じゃあ君は…、出家してるのか?

I'm a pragmatist, John.

あたしは実用主義者だよ、ジョン

I go out, have a fun night, or three.

外へ出て、1晩かまあせいぜい3日くらい楽しむ

And then, uh, I move on, you know?

で、次へ行く

No muss, no fuss.

混乱も騒ぎもなし

 

 S3からリースとカーターの距離がどんどん近づいてきて、すっごいときめくんですけどこの後の展開を知っている身としてはどんどんカーターに死亡フラグが立ってきてる感が辛くもある…。この会話しながら、カーターとイアンが一緒にいるの気が気でないリース君なんですよ…。(後から気付いたのですが、もしかしたらこの「レディー・キラー」って、対象者のことだけじゃなくリースのことも指してる?ゾーイと「特別なお友達」しながら実はカーターのこと好きで…、みたいな。)で、ショウが「気があんの?」ってちょっかい出して、「ただの友達だ」って。違うの、愛してたはずなの。気付いてよ、って思ってしまって悲しいわ。。

 リースは話を自分から逸らそうとするのですが、ショウは「男との恋愛なんてダルい」と一蹴。リースが「じゃあ、何もなし?」って聞くの、よくよく原文確認すると要は「君は未経験なのか」って聞いてますね…。かなりきわどい質問ですが、この会話聞いてると一方的なセクハラとも言えずお互い様か…。ていうかこのやり取り、カーターにもフィンチにも筒抜けなんでねーの??「俺は日付を数えたりしない」とか言ってるリース君ですが、ジェシカには「もう半年になる」って言ってたよ…。まあリアル恋人と遊び相手じゃ違うとは思うけど、実際は期間くらいは把握していると思われます。リースはそれなりに好きじゃなかったらそもそもそういう関係にはならなさそうだし。この回でも「ミステリアスな出会いは時代遅れか(ネットの出会い系で出会うなんて…)」みたいな発言もあり、けっこうロマンチックおじさんだよね。それなりの気持ちがなかったらそうはならないだろ、っていうとこリースにはあります。まあロマンチック具合はフィンチほどじゃないけど…。ショウはこんなこと言ってますがこの後ルートとなんかラブな感じになってくるのがちょっと面白いです。

 

 それにしてもショウの存在というか、POIのジェンダー観について突っ込みたいのですが、S3のDVD特典でS3直前のコミコンの様子が収録されていて、そこで「ショウは女性のロールモデルとなり得るか」みたいな質問されたサラ・シャヒさんが、「ショウは自立した強い女性。勇気を与えられたら」みたいに言うんですよ。それはまあ俳優さんの発言としてはいいんですが(っていうよりもそう聞かれたらこう答えるしかないじゃん…。こんなポンコツな質問をピックアップしてくんな)、ショウが女性のロールモデル???って思いませんか??容赦なく銃はぶっ放すし感情は出さないし性生活もこのありさまです。誰もリースを男性のロールモデルとはみなさないのに、なぜショウを女性のロールモデルとして捉えようとする??

 しかもさらに言わせてもらえれば、ショウ、ルート、ゾーイ、カーター、カーラなど強くて自立した女はたくさん出てくるのですが、ショウは人格障害バイセクシャル?、ルートはサイコパスっぽいレズビアン?で死亡、ゾーイはワンナイトラブ要員、カーターはシングルマザーで死亡、カーラはサイコパス的な人格で死亡、とほぼ誰も男性と普通の恋愛をするキャラクターはいません。百歩譲って(人格的にまともな)カーターくらい。一方でリースと恋愛するのはジェシカ、アイリスで、どっちも絵に描いたような金髪美女でしょ?性格的には穏やかで戦闘力も低いし、確かに2人とも自立してはいるんですが、いわゆる「守ってあげたい」系の女たちです。フィンチもジョーダン(偽)やモニカ、エリザベスといったインテリの対象者と仲良くなりますが、永遠の女神は純真無垢なグレースだし。

 恋愛に関して、フィンチはまだ分かるんですよ。ていうのは、多分フィンチの好みはもともとジョーダンとかモニカ系のインテリ美女で、むしろ強い女が好きなんだと思うんだよね。グレースもある意味インテリ美女だし、それに、グレースはマシンがフィンチのために選んだ女だから。マシンがなかったら出会うはずのなかった人で、マシンがフィンチのために選んだ、フィンチの仕事に干渉せず(アナログ好き)、絵画や読書の趣味が合い、「秘密を打ち明けてくれなくてもいい」って言ってくれる完璧な女神だから。まあ今までそんなの恋愛かよ、とか散々書いてきましたが、少なくともストーリーの整合性やジェンダー観的には、フィンチがグレースを愛しているのはまだ納得がいく。でも、リースはなー。。

 ジェシカはいいよ。いわばストーリーの起爆剤的存在だから。でもアイリスは分からん。カーラやゾーイみたいな女と肉体関係を持って、内心愛しているのはカーターなのに、恋人にするのはアイリスなわけ??どうしてもリースに恋愛要素が必要ならカーターとしてほしかったし、カーターを殺すんだったら恋愛要素そのものがマジでいらなかった。

 あとPOIの恋愛要素としてはルーショウが入れられたけど、この2人の関係性そのものには萌えたとしても、もっと大局的に「女性のロールモデル」的な目線で捉えるとしたら、「強くて自立した女はサイコパスレズビアンかシングルマザーかワンナイト要員か死ぬしかない」みたいなキャラクター設定はどうかと思います。エイミー・アッカーさんはコミコンのインタビューで、「このドラマでは女性も男性と同じように前線に立てる。戦ったりハッキングしたり、ショウを誘惑したりね」みたいに話してて、この発言自体はジョークを効かせてとても好きなんですが、でも「男と対等である」ってことは別に女を誘惑するってことじゃないよね。

 メインキャラクターの中で男性とまともな恋愛する人が誰もいないってのがなー。自立した女は男と恋愛しないとでも言いたげなこのキャラクター設定は何なの?いや逆か?男は自立した強い女と友情は築けても恋愛はできないってことか?はっきり言って、女のロールモデルを描くドラマではないんですよね。別にそういうテーマのドラマじゃないからそれは全くもって構わないので、むしろその問題を持ち込まないで欲しいと思うし、それに関連して、このドラマに現在進行形の恋愛要素は全然必要なかったと思います。

 

 まー、10年前のドラマなんで仕方ないですかね。Gleeと同時期~ちょっと後くらいの放送なんで、そんなものかもしれません。

 正直、キャル・ビーチャーが恋愛面では一番いい男だったわ。殺人課という花形部署にいる目上の立場で強いシングルマザーのカーターを本気で好きで、微妙な関係になってもずっと誠実だったじゃん。イケメンだしさ(笑)。

 

 本編のストーリーも微妙ですね。女たらしっぽい男が対象者として出てくるのは2度目ですが、S1ではマジのレイプ魔で復讐の対象となった被害者でしたが、今回は単に遊び人だっただけで基本的には無害な人でした。かつて本当に好きだった女性がいたが相手の親に引き裂かれ、彼女は交通事故で死に、今になって彼女との間に子供がいたことを初めて知るがその女性の親が孫を奪われたくなくて対象者を殺そうとして…みたいな展開でした。

 最終的には出生証明書とDNA鑑定で親子関係が証明される流れだったのですが、その子供はもう9歳くらいで、実の母親の姉夫婦(超裕福な家庭)に生まれた時から実子として育てられてきていて、めっちゃ育ちのよい愛されたおぼっちゃんって感じだったので、今更実の父親ですって遊び人が名乗りを上げたところで幸せなのかは全然分からず…。母親もいないしさぁ。イアンは恋人も息子も奪われた上に命まで脅かされたわけだからかわいそうなんですが、子供を取り返して2人とも幸せになれるのかいまいち納得できなくて微妙だった。

 

 このエピソードと並行してルートが精神病院を脱走する様子が描かれます。これもさあ、フィンチは「誰か一人に肩入れするな」ってマシンを作ったのに、マシンはルートに医者のIDで睡眠薬を大量に勝手に処方したりとかそういうことしちゃっていいのか??こんなシステムだったらそれこそ世間の理解は絶対に得られないよ。マシンが政府、というよりもフィンチの管理を離れていくのがちょっとなぁ…。ルートが自分でハッキングしてやらかしたことだったら全然イライラしないのですが、マシンが絡んでると思うと納得いかない。

 マシンはハーシュの襲撃を予測してルートを逃がすのはいいけど、病院をめちゃくちゃにしすぎだし、そんで同時にフィンチにルートor ハーシュの番号送ってくるのはどういうことなんだろうか。この後のフィンチによるルート拘束→最終的に仲間に、という展開への布石なの??なんにせよこのやり方には抵抗感があります。やっぱAI野放しはまずいよね、ってなるじゃん…。

 こうやって自分の肩入れした人間だけを一方的に守ったりするから、フィンチがマシンを信じられなくなってくんだよね。そしてS4S5の展開に…、っていう伏線なのか?マシンは八方塞がりですね。

 

 最後、ほんとどうでもいいことなんですが、カーター、ゾーイ、ショウが女子会?しててその後ろでリースがゾーイを待ってて、「送ってくれるって」ってゾーイが言ってリースと帰り、カーターは「私も息子とデート」って去っていき、ショウはベアーと一緒に帰るシーン、リースはゾーイを「送る」っていうことにはなってるけどまあ大人の夜を過ごすんだろうなーって薄ぼんやり思うわけじゃないですか。でも、その後フィンチが精神病院からリースに電話したとき、間髪入れずに電話出て「フィンチ、どうした?」って答えてくれんのなんかめっちゃ萌えた。この時の声も超優しいしさぁ。ラストシーンだけ何度も何度も繰り返し見てしまいます…。

 いや、単にメタ的にここで変な間を持たせる必要ないし(尺もあるし)、全然意味はないというのは分かってるんですけど、でもほんとにノータイムだったから。ゾーイと一緒にいるとしてもフィンチの電話にはノータイムで答えてくれるんだー♡とか、ほんとに送って帰っただけだったのか…?とか色々深読みしてしまいましたすみません。

 あとこの時のフィンチの「問題発生だ」って台詞好きだわ。

 それにしても、

フィンチがハーシュを発見→電話発信→間髪入れずに応答→Finch, What’s wrong?

この時間にして数秒の映像(リース発言3単語のみ)だけで幸せになれるんだから腐女子ってハッピーな生き物ですよ。妄想力があってよかった!POIが好きでよかった♡

 

POI:イアン・マーフィー(被害者)

本編:2013年(日付はっきりせず)

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