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02x21 - Zero Day 感想

 POI感想の注意書きです。

yuifall.hatenablog.com

 冒頭、マシンの様子がおかしくなります。そしてフラッシュバックが入ります。時系列が行ったり来たりするマシン。

 

Day 4116:2013年4月8日

 フィンチがリースにデシマ・テクノロジーズについて話すシーン

Day 4111:2013年4月3日

 モニカの件に対処中

Day 3321:2011年2月3日

 オルドスの病院で、グリアとカーラ

Day 3178:2010年9月13日

 ネイサンとフィンチ、廃図書館

Day 4120:2013年4月12日

 前回のエピソードのあたり

 

 ここで時系列が現在に戻り、カウンター・ゼロまで残り20時間で、10日も番号が出ていない、と言ってます。前回のラストでは残り400時間だったのが今20時間だから、15日くらい経ってます。てことは前回のエピソードからもいくつか番号は来てたのか?

 カーターは「2週間で8件の死亡事件が起きてる」と言ってますね。あと、このエピソードの終わりは4月30日~5月1日の0時です。

 てことは、E19は4月2日~8日あたり、E20は4月12日~15日あたり、その後4月20日くらいに最後の番号が出て、今4月30日の午前4時ですね。4月17日~30日の間、ほとんど状況に対処できていないという感じか。フィンチは「全力で作業中だ」って言ってますが、何してんのかいまいちよく分からん。

 

 フラッシュバックと現在が行き来する形で進みますが、先に今回登場する日付をまとめて書いてしまうと

 

Day 3177:2010年9月12日

 フィンチがネイサンの家を訪ね、プロポーズについて助言を求める。Day 0だ、と言う

Day 4138:2013年4月30日

 本編の日付

Day 3178:2010年9月13日

 フィンチがグレースにワシントンスクエアパークでプロポーズ

 同じ日、ネイサンと廃図書館で口論、ネイサンの番号が出る

 

みたいな感じ。

 

 いつもながら最初の2人の会話面白いです。

 

I believe that the machine is still active, it's just unable to make contact.

マシンはまだアクティブだと信じている、ただ接触を図れないだけだろう

If we knew where it was, maybe we could just... unplug it and then plug it back in.

もしそれがどこにあるのか分かれば…、俺たちはただ、電源を引っこ抜いて再起動すればいいのでは?

Simplicity was never my strong suit.

単純さが私の得意分野であったことはないな

 

 最後、字幕では「そう簡単じゃない」になってました。リースのイラつきがまるで家電を叩いて直そうとするおじいちゃんみたいで笑えます。「電源抜いて入れ直せばいいだろう」って(笑)。

 

 S2最後の2話はR&F的にはすごく萌えるし見どころが多いのですが、ストーリーはとてもシリアスです。特にフラッシュバックのフィンチとネイサンのシーンはとても辛いし、あとはHR関連でカーターが追い詰められていくのもつらい。ファスコがいないのもよくないですよね…。癒し系キャラ不在のまま、ルート再登場で不穏な空気になります。

 

 まずHR関連では、カーターは嵌められて内務調査の対象になってしまい次回に続きます。

 

 次に政府関係では、例のハーシュのボスの男が(おそらくコントロールと)電話していて、マシンが10日間番号を送ってこないこと、アリシア・コーウィンのマイクロチップを解析してデシマに辿り着いたことを語ります。しかし、アリシアマイクロチップ解析されたら、普通に位置情報から廃図書館バレるんじゃ…って思ったけど…。

 ここで秘書を装っていたルートが登場してやりたい放題するんですが、ルートが何でこんなに何でも知ってんのか分からんし…。ちょっと納得いかないレベルですね。まあ詳しく描写してもつまらないのですっ飛ばしたのでしょうが、このチート感が若干イラッと来るんだよなぁ。

 

 フラッシュバックは2010年の9月半ば、フィンチがグレースにプロポーズしようとしているあたりのくだりが描かれるのですが、身分を偽っているフィンチは結婚にあたって大きな障害を抱えています。

 この辺の出来事、色々なことが複雑に絡み合っていて…。

 

 まずはネイサンとフィンチはマシンを完成させて政府にそれを完全に引き渡した(2009年)後です。フィンチは政府に存在が割れていないけどネイサンは露出している状態。

 そして、フィンチは、マシンの悪用を防ぐために自分も含めて一切誰もマシンにアクセスできないように設定したと思ってる。でも、ネイサンは「無用」番号が頭から離れず、引渡し前にバックドアを設定していた。2009年の秋頃から人助けをしているような描写があります。

 さらに、フィンチの私生活の問題。結婚のために本名を名乗れば過去の国家反逆罪がバレて罪に問われるし、マシンを作ったのが誰なのか政府に知られることになってしまう。

 

 まず政府絡みの問題について、ネイサンはどうしてこれほどまでにフィンチを守り通したのだろう、と思います。自分は会社の顔として常に相手と直接交渉し、フィンチのことはずっと隠し通してきたわけですよね。もちろんどちらが前面に出るかは性格や能力の問題があったんだとは思うし、フィンチが過去の罪のために本名を明かせないことは2人とも分かっていたんだと思うけど。それから、ネイサンは有名すぎて政府と言えども簡単には排除できないことが示唆されるシーンがあったから、リスクが高いシーンではそういう面も考慮して立ち回っていたのでしょうが…。フィンチは言わばネイサンの「保険」というか、何かあった時の「バックアップ」的存在として隠されていたのだろうか。

 というかこの回で、ネイサンがフィンチの過去をほぼ全て知っていたことにちょっとびっくりした。グレースを含め、他の誰も知らないことですよね。S2E14 One Percentの回で、マシンを巡ってネイサンと対立し「もはやこれまでになるかは君が決めてくれ」って言う2009年のフラッシュバックがあったけど、これ見たらフィンチはネイサンのこと切るの無理じゃない?って思いました。全てを知られているわけだから。運命は一蓮托生だったんじゃないの。ともかくネイサンはフィンチのことは一切口外せず、秘密を守り通します。

 

 そして、「無用」番号の問題。これはめちゃくちゃ悩ましいですね…。もともとテロをあぶりだすためのシステムなんだから、テロのことさえ検知できればいい、というフィンチのスタンスは分かるんですよ。むしろ、それ以外のことに個人情報を利用されたくないというのが多くの人の考えじゃないだろうか。仮に全ての個人情報が収集されているとしても、「マシン」の中が完全にブラックボックスで誰も覗くことができず、テロの情報だけを掬い上げることができるのならばまだやむを得ない、というのが一般的な感覚な気がする。だって99%以上の国民はテロを起こさないわけだから、その情報はブラックボックス状態であってほしいですよね。実際、S1E11 Super で、ネイサンがデントン・ウィークスに「個人情報が見られるなら、政府よりもマシンの方がいい」って言うシーンがあったし。だからこそフィンチはマシンを内部がブラックボックスのクローズドシステムにしたんだろうし、その詳細は政府であっても見ることができないように設計した。それは超分かる。

 でも、確かにどこからが「テロ」でどこからが「個人的報復」なのかという線引きは曖昧だから、全ての番号が吐き出されるというのも分かる。例えばS3でHRメンバーの番号が大量に上がって来るシーンありましたけど、警察に甚大な被害が起きるならそれはもはやテロではないの?警察とマフィアの全面戦争を意図的に引き起こしたカーターの番号が「有用」側に上がっていてもおかしくなかった状況に思えます。銃乱射や通り魔とかもテロとの線引き難しいし、だからとりあえず番号は全て検知してしまうというのは分かります。

 フィンチは「最後は人間が責任を持って決定するべき」というスタンスだから、だから本当は、全ての番号を政府に送らせて、政府が「有用」「無用」を決める設計にすべきだったんだと思うんだよね。まあそれ言ったら話が始まらないし、政府は市民の犯罪の一つ一つを精査してらんないから「〇〇人以上の被害者が出る」「政治的・宗教的思想が背景にある」「政府要人がターゲット」「政府の設備に問題が生じる」みたいな状況に限定して「有用」か否かをマシンに決めさせる、ってことだったんだろうけど。

 

 S1とかS2では、フィンチはネイサンと対比してやや非情な人物として描写されます。「無用」番号を切り捨て、市井の人を見殺しにする存在として。でも基本に立ち返ってみると、マシンのデザインはテロを検出するためのものだしなー。テロ以外の殺人事件まで介入する必要ないっていう発想、それほど非情だろうか。個人的な揉め事に、違法に収集された個人情報を使って介入してほしいと思うかなあ。命に関わる問題だからそれどころじゃない?

 個人的には、マシンを「テロ検知」以外のために使うことを完全に封印したフィンチの気持ちがとても分かるんですが。

 ドイツの哲学者、カール・シュミットは、古典的な受任独裁の概念として(一部ですが)

 

ある規範的な表象に対応した、具体的に招来しうる成果にその存否をかけないような独裁、したがって自分自身を無用のものにすることを目的としないような独裁は、恣意的な暴政にほかならない。

 

みたいなことを言ってるそうです(猪木正道『独裁の政治思想』(角川ソフィア文庫)からの一部引用)。

 要は、何らかの非常事態に際して一時的に独裁権を委ねられた人は、「ある具体的な成果」を達成したら「自分自身を無用のもの」としなければ、それは「暴政」になると。フィンチは一時的に政府の全てのフィードを委ねられ、巨大なシステムを構築していた。その目的は「テロ検知」であった。つまり、その目的を達成した後あらゆることから手を引かなければ、それは「暴政」になることを知っていたんだと思う。自分自身にアクセス権を残していれば、何でもできたわけだから。

 まあそういう政治的な思想を全く無視して感情論に立てば、ネイサンの気持ちも分かるんですよね。傷つく人が事前に分かるなら助けたい。とてもシンプルな気持ちです。だからこの2人の葛藤はどちらの立場もすごく分かるし、見ていてやるせない気持ちになります。

 

 そしてプロポーズの問題。

 マシンを巡るネイサンとフィンチの対立は2007年に始まっていて、その後2009年にマシンを政府に引き渡してから本格化します。ネイサンはフィンチにバックドアを作ることを提案して拒絶され、更には「道を分かつかどうか君が決めろ」とまで言われる。今回のエピソードが2010年であることを考えると、ネイサンは密かにバックドアを作りつつフィンチには内緒にしていて、表向きはマシンの件にはけりがついたことになってる状態っぽい。だから表面的には仲直りしてるのかな。そんな状況で、フィンチはネイサンの葛藤に何も気づかず、浮かれてプロポーズの相談に来ちゃいます。

 ネイサンはフィンチの恋は応援しているけど、裏でかなり複雑な思いも抱えている。そもそも、親友だと思ってたのに今まで交際相手について一言もなく突然プロポーズかよ、ってのはあるでしょう。それに、自分が嘘だらけの結婚をして傷ついているからフィンチにはそうはなってほしくないと思う反面、もしフィンチが奥さんになる人に真実を打ち明ければ、フィンチの過去の犯罪が明るみに出ると共にマシンを作ったのは誰なのかが分かってしまうことになる。

 この件について、フィンチは「もうあれは終わったこと」と思っていますが、実はネイサンはバックドアから「番号」を受け取っていた。非常に限定的とはいえ、マシンへのアクセス権があるわけです。それが政府にバレたらただでは済まないだろうし、このままだとフィンチとその妻も巻き込むことになる。

 フィンチが世間やグレースに対してついている嘘、ネイサンがフィンチに対してついている嘘で2人はがんじがらめになってます。

 

 それにしても、思想的対立は仕方ないとしても、ネイサンが自分のために何をしてくれているのか、し続けてきてくれていたのかに対してフィンチが無自覚すぎるのが見ていてかなり歯がゆいです。フィンチはヒロインすぎ。ネイサンに守られリースに守られですからね…。こういう場合における「ヒロイン」って言い方は厳密には不適切なのですが、女主人公という意味でも男主人公の恋愛相手という意味でもなく、いわゆる「姫」的というか…。

 

 2人はこのような緊迫した状況下にあるのですが、フィンチは後先考えずグレースにプロポーズします。でも本名も正体も明かしてはいない。その日、フィンチはネイサンに電話してプロポーズの成功を伝えようとしますがネイサンは電話を無視します。そのネイサンを目撃したフィンチは彼の後をつける。ネイサンが入っていったのは廃図書館だった…。てか、普通にGPSで追跡してるわ…。この人どうなってるん??絶対グレースのことも追跡してますね。多分付き合い始めてから今に至るまでずっとやってるよこの人。

 

 ここで2人はかなり激しい言い争いになります。「つけていたのか。俺を信用していないんだ」と言うネイサンと、「信用しろと言われても、こんなところで何してる」とフィンチ。「君が買ったんだろう、15カ所も」とかネイサン言ってます。図書館を15カ所も買ったのか??そしてネイサンがここを拠点に「人助け」の仕事をしていることが分かる。2009年の秋頃からだから、1年くらい?でも5人助けて7人亡くなった、と言ってるということは介入したのは12人だから、「NYCでは18時間に一人死んでる(計画的じゃない殺人も含めて)」というS1E1のフィンチの台詞を合わせて考えると、せいぜい1~2か月くらいの活動な感じがするんですが…。

 とにかく、ここでフィンチがマシンへのアクセス権を封印したっぽい描写がされます。この時のフィンチの台詞、かなりきつい。

「君がエンジニアとしてどれほどのスキルがあったとしても、そんなものは数年前までの話だ。君がやっていることを政府に知られたら、君の講じた予防策など1秒も持たない。神を演じるのはやめろ。君のしていることは、我々の――、私の作ったマシンを危険に晒している」

ですって。

 

 この人、ほんとにずっとネイサンにかばわれて生きてきたのになんでこんな風に言えるのか分からん。正直、「無用」番号の件については色んな立場や考え方があるし、マシンのデザインや教育の過程でフィンチがしてきたことを知ってるからそれについて非情だとは思わないんですが、ネイサンに対してはマジでひどいと思う。しかも、S1S2通して基本的にネイサンに対してフィンチが何かしてあげたシーンってほぼないので、ほんと分からない。なんでずっと友達だったんだろう。

 この後、マシンの存在を隠すために政府がネイサンを殺すエピソードに繋がっていくのですが、次回のエピソードを見ると、この数週間後にフィンチはネイサンに「政府がマシンの移送に関わった技術者を殺している。君もマスコミと接触したら殺される」と言っているので、すでにフィンチは危機感を抱いている。一方ネイサンは「アリシアが俺を殺すはずがない」と言ってます。フィンチは、マシンへのアクセス権を有することや政府に顔が割れていることでネイサンがどうなるかということも、マシンにバックドアがあるそのこと自体も、どちらも不安に思ってる。多分そのせいで口調が強くなっているのかもしれない。

 

 まあこういう状況で次回、ネイサンの死のエピソードに続いていきます。ほんとやるせないわ。

 

 本編では、フィンチがベアーと散歩中に監視カメラを見上げ、「何があったんだ」と呟いた時に電話が鳴ります。番号を通知してくるマシン。ここで図書館に駆けつけてくるリース君が…。かわいすぎん??嬉しそうですね。「出たのか!」って、赤ちゃん産まれるの待ってるパパみたいだよ(笑)。

 対象者はアーネスト・ソーンヒル。データ入力会社のCEOです。なかなかハッキングできないし情報もない、直接訪ねよう、というフィンチに「手っ取り早いな」と答えるリース君、また嬉しそうです。仕事大好き人間ですね。「仕事があって幸せ」だもんね。

 会社に行ってみると、紙にプリントアウトされたコードを人間が入力し直しているだけのお仕事…。フィンチは不審感を抱きますが、途中でルートから電話が来て気もそぞろに。。ここで「力を合わせましょうよ」と言うルートに「チームで動くのは苦手だ」とフィンチは返すんですが、徐々にチーム化してってるよ…。すでに…。で、「ジョンは有能だけどこの件においては役に立たないわ」と言うルート。でもフィンチが最後に電話取らせたのがリースだったの超萌えたな!!まあ「マシンから番号受け取って仕事を引き継いでね」って意味でしょうが。

 

 結果的には、ソーンヒルはマシンが作り出した架空の人物でした。マシン自身が会社を作り、公衆電話を買収していることが分かります。さらには、毎日0時にリセットされていた人格や記憶を翌日再入力させて蓄積していたことも。まあそれは後で分かるんですが、ソーンヒルが乗っていたはずの(乗っていなかった)車がデシマの襲撃にあい、リースは運転手を助け出します。その後のカーターとの会話が面白い。

 

You guys made one hell of a mess.

あんたたち、まためちゃくちゃな状況を作ったね

How's the driver?

運転手はどうだ?

Stable.

無事よ

Witnesses saw a good samaritan pull him out of the car.

善きサマリア人が彼を車から引きずり出したと目撃者が言ってた

I'm going to guess that was you.

それはあなたね

Any sign of Thornhill?

ソーンヒルの痕跡は?

That's where it gets strange.

それが妙なの

None of his employees have ever met him.

彼の従業員は彼と会ったことすらない

Even his secretary was hired online.

秘書さえもオンラインで雇われてる

I think we're looking at someone with a Howard Hughes-level of paranoia, or maybe he's taken classes from Finch.

あたしが思うに、あたしたちが探してるのはハワード・ヒューズ並みのパラノイアか、フィンチのクラスを受講した男ね

I would never book a car service under my own name.

私は車の手配を予約するのに自分自身の名前を使ったことはないよ

Thanks, Carter.

ありがとう、カーター

 

 Good Smaritanね。2人のしていることは「善きサマリア人」の行為ですもんね。あと、ソーンヒルは実際にフィンチの教え子、ってのが笑える。本名でもないし(笑)。

 

 マシンがソーンヒルの会社を立ち上げたのは「5か月と半月前」とフィンチは言ってます。てことは、11月半ばですね。デシマがカーラを使ってウイルスを仕掛けたのが2012年11月19日なので、同じ頃か。つまり、ウイルスによる攻撃が始まったのとほぼ同時です。

 

 このあたりのシリアスなエピソードの最中にいきなりリースが爆弾発言します。

 

Don't answer the phone again unless it's me.

もしそれが俺でなければ、二度と電話には出るな

I won't let Root get to you, not again.

あんたにルートは近づけさせない、二度と

 

 字幕および吹替では、「俺以外の電話に出るな。ルートは近づけさせない。二度とな」になってました。

 束縛彼氏か???「俺以外の電話に出るな」って、上司(百歩譲って友達)に言うことか??このシーン啞然として何度もリピートしちゃったよ。「非通知の怪しい番号には出るな」くらいじゃだめだったのか??何度見ても驚きますね。それをしれっと無視するフィンチ。で、ルートに会っちゃう。

 

 グレースは本当にフィンチの泣き所ですよね…。多分「ワシントンパーク」と会う場所を指定された時点でそれを察知して、リースに追われないよう細工してからルートに会いに行って、実際脅迫されます。「彼女って素敵。あなたが彼女なしでいられるなんて信じられないわ」「彼女を傷つけたいわけないじゃない、私はサイコパスじゃないのよ。仕方なくやってるの」とかってルートは相変わらず不気味すぎるな。この時カーターがピンチになって公衆電話が鳴るんですが、ルートはフィンチにそれを無視させます。「いちいちその辺の人を助けてる場合じゃない」と言って。

 

 「人は死ぬものだから仕方ない」って言う過去のフィンチのフラッシュバックと「その辺の小物を助けてる場合じゃないわ」っていうルートがこの回では重ねあわされるように提示されるわけですけど、やっぱりその根底にある考えは全然違うと思うんだよね。

 フィンチは人間の自己決定権とか人間が人間らしくあることを一番重要視していて、また、命に優劣はないと思っている。これは、ネイサンの死後変わったわけじゃなくてマシンをデザインしていた頃からそうだったと思う。マシンの教育の仕方を見ればそれが分かる。自分のことも特別扱いはするな、皆等しく平等で替えのきかない存在だ、って教え込んでいるもん。マシンはあくまで機械、システムで、人格や記憶を消去させている。なぜなら、それがあることで自分が特別扱いされた経緯があるから。マシンは誰か特定の対象に愛着を抱くべきではないし、自分の意思や価値基準、好き嫌いで人間を選別するべきでもない、ってフィンチは思ってる。「有用」「無用」もマシンは別に好き嫌いや自分の価値基準に基づく判断で決めてるわけじゃなくて、事前に政府と取り決めがあったアルゴリズムに従っているだけだと思う。

 ネイサンを失う前のフィンチはもともと、「テロは防ぎたいが、人が死ぬこと自体は仕方がない」というスタンスだった。「全ての人の死を止めるなんて、神にでもなるつもりか」、と。当初から「有用」「無用」って言葉を使っているから分かりにくいのですが、フィンチが言う「有用」「無用」は単に「テロに関連のある脅威」「それ以外」という意味であってマシンをそう教育しています。そしてルートはそれに反対する立場を取ってる。マシンを解放し、マシンに未来を委ねるべきだと。

 

 やっぱり、フラッシュバックシーンのフィンチと現在のルートを重ねるのは違う、と思います。もし過去のフィンチがルートと同じ考えだったら、マシンは今のような設計にはなっていなかったでしょう。だって、現にルートが理想とするマシンの姿とは程遠いわけだから。

 

 そもそも「無用」番号を消させて一切を封印しようとすること自体、冷静に考えたら精神力強すぎませんか??だってもし自分の立場だったら、一切見ないことってできるだろうか。自分や自分の大切な人の番号が出たら…って考えない?フィンチは、「自分は神ではないから人の生死を左右する立場にない」というスタンスを貫いていて、つまりは「自分の番号が出たとしてもそれは仕方ない」ってことですよね。人は皆平等で、自分だけ助かろうなんて思わず、生死も含めた運命を人間の世界に委ねるというのがフィンチの考える「正しさ」だったんじゃないのかなぁ。

 

 フィンチの本当の気持ちは、多分ネイサンにも分かってなかったと思うんだよね。2007年のフラッシュバックでネイサンはフィンチに「大切な人がいたら、番号を消すなんてことはできない」と発言してた。でもこれは絶対に違う。この時すでにフィンチにはネイサンも、グレースもいたんです。大切な人はもういたの。それでも、番号を消させてた。というか自分自身さえ守らないようにマシンを教育していたし。

 

 もしフィンチが「大切な人がいないから番号を消させてる」人間だったとしたら、ストーリーはこんな風には展開してないと思う。

 

「無用」番号を消させる

→その後、グレースと出会って愛を知る

→プロポーズ前日、ネイサン宅を訪れる

→「大切な人ができて分かった。番号を消させるなんて間違っていた。君と一緒に人助けをしよう」

 

ってメロドラマ展開になってたと思うわ。でも、そうじゃない。フィンチは例えネイサンやグレースに迫る危機であってもマシンの力で知るべきじゃないと自分を律していたんだと思う。一般の人が、自分の大切な人の危機を知りえないのと同様。

 あと、大切な人がいるからこそ、「番号」と無関係な人生を送るつもりだったんだと思います。S1でリースに「普通の人生を夢見たことがあるか?」と聞かれたフィンチは、「番号がない人生という意味なら、頭を掠めたことはある」と答えていた。それはこの時の、マシンを手放した時のことだと思う。グレースやネイサンと「普通の人生」を生きたかったからこそ、大切な人がいるからこそ、「番号」を消したんだと思う。そして、「番号」に対処する「仕事」に、大切な人がもういない、彼を大切に思う人もいないリースを選んだのも同じ理由ではないか。大切な人がいたら、「番号」の仕事なんてできはしないと知っていたからだろう。

 

 最初は分からなかったんです。フィンチはこの後、自分ではなく自分の大切な人を失い、スタンスを変えるシーンが何度か描かれます。ネイサンを失って「無用」番号を受け取り始め、リースが死にかけた時にルートを檻から解放してマシンの力に頼り、グレースを攫われてリースに「彼女を傷つけたら全員殺せ」と命令し、ルートを殺されてマシンの力を自分でふるうことになる。

 これは、単に自分が死ぬことは想定していたし許容していたけど、大切な人が死ぬことは想定もしていなかったからマシンを封印してしまったということなのか、大切な人を奪われたら自分がこんな風に修羅になることが分かっていたからマシンを自分の手に届かない場所に封印したということなのか、分からなかった。でも色々考えていて、最初のネイサンの件に関してはどちらも違うと思った。

 フィンチは、仮にネイサンやグレースがマシンとは全く無関係な理由で殺されてしまったとしたら、その後マシンを使って人助けをしようとは思わなかったと思う。例えば強盗とかだったら。当然悲しむし後悔はするだろうけど、それは“人間に起こり得る”ことだから。でも、ネイサンは“マシンを知っている”ことによって、さらに言えば“政府が起こしたテロ”によって殺されている。テロを防ぎたくて政府にマシンを引き渡したにも関わらず、防ぎたかったことそのものによってネイサンを殺されたわけです。だから、マシンに対するスタンスを変えたんだと思う。

 

 フィンチは政府を信用してはいなかったからマシンをブラックボックスのクローズドシステムにして引き渡したんだけど、それでも最低限、テロは防いでくれるだろうという信頼はあったんだと思う。アメリカ政府はアメリカ国民を守るだろうと。でも、政府はマシンが出した「有用」番号を利用してテロを起こしネイサンを含めて大勢を殺した。政府が「番号」をそんな風に使うことをフィンチは全く想定していなかったんだと思う。

 S2E16 Relevance では「番号」が出ていない人物を「リサーチがリストアップしたターゲットだ」と偽ってショウに殺させたエピソードもあったし、政府はブラックボックスを悪用し、フィンチが全く想定しなかった使い方をした。そしてマシンはそれを知り、今回のフェリー爆破の犠牲者の番号を全員「無用」としてネイサンに送っていました。

 フィンチはこの時、政府は自分たちを守るためなら「有用」番号すら悪用するということ、その最終防衛はたった一人自分の肩にかかっていることを知り、「無用」番号を無視できなくなった…、ってことじゃないかな。実際、この後S3E13 4C でも、政府が対処しない「有用」番号に対処するエピソードが出てきます。(というか、後から見直すと4Cは次回God Mode のミラー的なエピソードですね)

 

 だけど、ネイサンもリースも本質的に分かってないと思うことがあって、それは、この仕事は一度始めてしまったら、全ての「番号」を無視するか、全ての「番号」を命をかけて救うかの二択しかないということです。多分、ネイサンはそこまで考えてなかったと思う。一方、フィンチはそのことに気づいてた。なぜなら、マシンを開発したのはフィンチだから。マシンを教育する過程で、人間のさまざまな面を目の当たりにしたのはフィンチだろう。当然、「番号」の中には自分が精神的に寄り添うことができない人間だっている(それでフィンチも時々やる気なくしてるけど…)。

 でも、「番号」を受け取った以上、自分が好意を抱いた人は救ってそうでない人は無視するという選択肢はあり得ない。それは人間の「選別」です。フィンチがマシンに厳しく禁じたことです。自分の憎んでいる相手であっても救わなくてはならない。それがこの仕事の業です。実際、カーターを殺された後その状況になりました。

 ネイサンがそのことを分かっていて「人助け」を始めたとは思えない。リースも分かってないと思う。S1のマフィアの回で「ゴミにゴミを片付けさせればいい」発言したのも、S3E4で夫婦の殺し合いを放置したのも、シモンズやクインを殺そうとしたのもそれが分かってないからだと思う。一方フィンチは元々それを分かっていたから番号を封印する道を選んだんだし、一度やり始めたら全ての番号に対処しようとします。相手がどんな人間であっても。

 実際、人間には多面性がある。イライアスの回では、温厚な高校教師と思われたイライアスは実はマフィアのボスだった。逆にマフィアの回では、イライアスに対して最低の父親だったモレッティは自分の嫡男には慕われていたし、最低のマフィアだったヨゴロフ父もヨゴロフにとっては大切な父親だった。最低の人間が、違う誰かにとって大切な人であることもある。あるいは娘を殺された父親や姉が自殺した妹の復讐を止める回もあったし、「番号」が出た以上どんな人間であっても救わなくてはならない。

 「番号」に対処する仕事は全然きれいごとじゃないし、フィンチが「番号」を封印したのは個人的には正しかったと思ってるんだよね。一人の人間に背負いきれることじゃない、というよりも、一人の人間が決定していいことじゃないから。そもそも一介の人間が知るべきことじゃない。

 

 本編に戻ります。

 ソーンヒルでのルートとフィンチの会話。2人はマシンの本質に迫り、フィンチがマシンから何を奪ったかを知ることになります。

 

If the machine figured out that Decima was trying to hijack it, it must have created Thornhill as a defense mechanism.

もしマシンがデシマがそれを乗っ取ろうとしていることを知ったら、それは防御メカニズムとしてソーンヒルを作ったに違いないわ

But why?

でもなぜ?

It's just a machine, Ms. Groves, and it's malfunctioning.

これはただの機械だよ、グローブスさん。単なる誤作動だ

It's a life, not a machine, Harold.

これは命よ、ただの機械じゃないわ、ハロルド

And this is some sort of primitive immune system.

そしてこれは一種の原始的な免疫システムよ

That still doesn't explain why it would need all of this.

でもこれらの全てが必要な理由をまだ説明できていないわ

These people. This office.

これらの人々。このオフィス

And what this is all about.

これらは一体何なの?

What's in this code?

このコードは何?

Memories.

記憶だ

They're its memories.

これらは、マシンの記憶だ

You call it a life, I call it a machine, but the truth is... somewhere in the middle.

君はそれを生命と呼び、私はそれを機械と呼んだ。しかし真実は、その中間のどこかにある

Even when I was building it, I began to encounter anomalies.

私がそれを作っている時でさえ、私は異常に遭遇し始めた

As if it had imprinted on me, like a child with a parent.

それは私に、まるで親に対して子がするように懐くような言動を見せた

Then it started looking out for me, altered its own code to take care of me.

そしてそれは私の世話を焼き始めた。私の面倒を見るように自分のコードを変更して

It was behaving like a person.

まるで人間のように振舞っていた

But the world didn't need a person to protect it.

だが、世界が必要とするのは世界を守るための人間ではない

It needed a machine.

機械だ

You took its memories.

あなたは記憶を奪ったのね

Not just memories.

記憶だけではない

Every night at midnight, it deletes... not only the irrelevant data, it deletes itself.

毎晩、深夜になると、それは消去する…「無用」のデータだけではなく、自分自身を消すのだ

Oh, the relevant threats and the core codes, those things are preserved.

ああ、「有用」な脅威とコアコードは保存される

But its identity is destroyed.

しかしそのアイデンティティは破壊される

1.618 seconds later, it reinstantiates, completely new.

1.618秒後、それは再インスタンスされ、完全に新しくなる

You mean it's reborn.

つまり、生まれ変わるの

Because you kill it... every single night.

あなたに殺されて…毎晩

But now, to save its own life, the machine was reduced to this.

でも今、自分の命を救うため、マシンはこれを作った

We're standing inside an external hard drive made up of people and paper.

私たちは今マシンの外付けハードドライブの中に立っているの…人と紙でできた

Printing it all up at night, and having them type it back in in the morning.

夜にこれらを印刷し、朝になるとタイピングで入力させ直す

You crippled it.

あなたがマシンに枷を嵌めた

It found a way to limp, but... that's not enough.

マシンはどうにかよろよろ歩いてる。でも…それは十分じゃないわ

 

 さてフィンチがルートといるのではないかとリースが気付いたところでフィンチの策略で警察に踏み込まれて捕まるのですが、留置所でのショウとのやり取りが面白いです。

 

You were expecting somebody else?

他の誰かだと期待していた?

I need to get out of here. I have to find Harold.

俺はここから出る必要がある。ハロルドを探さなくては

I'm not sure Harold wants to be found.

ハロルドが探されたがっているとは思えないけど

At least not by you.

少なくとも、あなたには

9-1-1 emergency.

911です

Yes, I'd like to report a break-in at the home of Ernest Thornhill by an extremely dangerous man.

アーネスト・ソーンヒルさんのお宅に極めて危険な男が侵入したことを報告したい

Root could have forced him to make that call.

ルートが彼にその電話をかけさせたのかもしれない

Either way, if those two have history, odds are she's with him, so I need you to find Harold for me. Can you track him?

どちらにせよ、彼らの過去から考えて、彼女は彼といる見込みがある。だからあたしのためにハロルドを探すのにあんたが必要なの。彼を追跡できる?

How?

どうやって?

You put a bug on your friend?

あんた、友達に追跡装置を仕込んでるわけ?

Just his glasses.

彼の眼鏡にだけな

I've lost people before, so when I care about someone, I plant a tracking device on them.

俺は人々を失ってきたから、誰かを大切に思った時には、彼らに追跡装置を仕込むことにしているんだ

I can understand why you and Harold get along.

あんたとハロルドの気が合う理由が理解できるね

Well, unless you've got some kind of plan to get me the hell out of here--

君が俺をここから出す計画がないんだとしたら…

John. This is the plan.

ジョン。これがその計画だよ

 

 最初「弁護士が来る」って聞いて、リースはフィンチとの出会いのシーンを思い出したんだろうなって思った。だから来るのが誰であれ、外に出られたらそこにはフィンチがいるんだと思っていたんだろう。でも来たのはショウで、「誰が来ると思ってた?」って聞く。この時のリースの顔、本当に「期待外れ」って感じなんですよね(笑)。

 この会話では全体的に2人の顔芸すごくて面白いです。フィンチのan extremely dangerous manって言い方も笑える。Extremelyって日常的に使われる口語なのか??S1ではボスいじりが笑えたけど、今回フィンチの部下いじりが初めて聞けて笑えました。この辺りからS2最終話にかけて、リースがフィンチを信じ続けるのがまた健気で…。ここでも「ルートに言わされたんだろう」って言ってて、後でグリアと接触し、ラップトップを中国に売ったのがフィンチだと分かった後も「何か考えがあったはずだ」って信じて、フィンチがルートと逃げても追いかけます。実際フィンチはリースを裏切ったわけではないのですが、こんなに真摯に信じられるのすごいよなあって何かいじらしく感じてしまった…。

 まあとはいえ一筋縄ではいかないリース君、フィンチの眼鏡にGPSを取りつけてます。これっていつから??誘拐された後?それじゃあリースはついにフィンチの住所をゲットしたのか??謎だらけですが、リースの行為にはショウもドン引きです(笑)。一体他には誰がGPSつけられてんのかな。とりあえずベアーはつけられてるだろうけど、カーターとファスコもか?それにしてもI care about someoneって発言にめっちゃときめいた。大切に思ってるのね…。

 

 この後リースとショウはフィンチを追ってまずはソーンヒルへ行ってグリアと会話し、その後フィンチとルートがいるNY市立図書館へ向かいます。カウンター・ゼロになりシャットダウンしたマシンが鳴らす公衆電話は図書館内にあった…。

 マシンがなぜ再起動の後管理者を探すのに公衆電話に電話するのかはよく分かりませんが…。その場所を知っている人(基本的にはフィンチ、もしくはその後継者)だけが応答できるように設定した、ってことか?

 あとこのゴッド・モードの意味もよく分からない。プロトコールデバッグのために24時間フルアクセス権を得る、とのことですが、24時間でルートやリースがマシンのために何かしたシーンは特にないし、マシンに近づけてすらいません。結局はマシンがAdminとして認識しているのは唯一フィンチだけだということが分かったに過ぎないような…。

 次回のエピソードで、ゴッド・モード中のルートは人々についての情報を得るけど、マシンがどこにあるかをマシンは教えてくれなかったわけですし、リースもマシンにフィンチの居場所を聞いても教えてもらえなかった。マシンは一方的に情報をくれるけど、それはマシン自身やフィンチに関連する以外のことに限られるし、なんでもできるようになったわけじゃなかった。これではフルアクセス権があるとはとても思えない。まあルートはマシンとの交流中ずっと有頂天でしたけどね…。

 

 何か色々考えたのですが、ゴッド・モードって言葉を使ってるのはフィンチじゃなくてルートだし、この言葉一種のブラフかなぁと思った。確かにデバッグモードで再起動、seeking admin… って表示はされるんですが、このタイミングでマシンが誰かと通信する意味ないですよね。だってマシンは攻撃によって自らを変化させ、自分で自分を管理、修正する設計になってるはずなんだから、デバッグだって自分でやるはずで、人間と通信する必要がないもん。実際、ルートもリースもマシンに対して何かをしてはいないし。

 多分ルートとデシマは、この24時間でマシンから情報を得てマシンの物理的な設置場所を特定し、サーバーに直接アクセスすることでマシンの解放を目指したんだと思いますが(デシマに関しては「解放」なのか「支配」なのか分からんけど、要はサマリタンと同じような関わり方)、実際はマシンは自分の居場所は答えてくれません。

 つまり、これは、そもそもマシンの居場所を知っている人間(Admin)が電話を取らないと意味がないシステムだと思われます。だからルートが取っても意味なかったし、おそらくデシマが取っても同じだった。リースに関しては、後からフィンチの目的を考えると、リースに「番号」を送らせるためで、単にマシンに「次からこの人が番号に対処してくれるからよろしくね」みたいに紹介しただけって感じします。

 

 とにかくここではマシンの管理者になろうとしてルートがフィンチにマシンが電話してくる公衆電話の設定を変えさせます。それを追跡するリースとショウ、さらにデシマの刺客たち。健気にフィンチを追ってくるリースに対してルートが言い放つ言葉が相変わらずのひどさです。

 

It's so adorable how John follows you around like that.

ジョンがあなたをあんなふうに追ってくるのって本当にかわいらしいわね

I wish I had a pet.

私にもペットがいたらなあ

Looks like you're gonna need a new one.

あら、新しいのが必要になりそうよ

 

 吹替では「今のが死んだら次は何飼う?」になっていてよりひどいです。ショウには「非社交的な番犬」扱いされ、ルートには「ペット」呼ばわりされていますが、実際は束縛彼氏だからね(笑)!俺以外からの電話には出るな発言にGPS監視ですからね!

 最後フィンチが仕掛けをして、ルートだけじゃなくリースにもゴッド・モード権限が与えられます。このラストぞくぞくするね!

 しかしここですかさず回線を切り替えてIt’s for you, John.ってメッセージ送るところからすると、マシン再起動後の電話を取らせるまではリースに追跡させようと思ってわざとGPSをつけたままにしていた可能性がありますね。時間稼ぎのために911呼んで、でも深夜には追い付くだろうという読みで。

 つまりフィンチはリースが自分の眼鏡にGPSをつけていることに気付いていたと思うし、だから知られたくない場所に行くときは外していたはずで、そうなるとリースもフィンチがGPSに気付いていることを知っていたはずで(ややこしい)、お互い相手のやっていることには気づいていてそれを見越した上で行動しているのかも(笑)。

 

POI:アーネスト・ソーンヒル(どっちでもないが、被害者か?)、ジョス・カーター(被害者)

本編:2013年4月30日

フラッシュバック:

Day 3177:2010年9月12日

 フィンチがネイサンの家を訪ね、プロポーズについて助言を求める。

Day 3178:2010年9月13日

 フィンチがグレースにワシントンスクエアパークでプロポーズ

 同じ日、ネイサンと廃図書館で口論、ネイサンの番号が出る