いろいろ感想を書いてみるブログ

短歌と洋楽和訳メインのブログで、海外ドラマ感想もあります

02x01 - The Contingency 感想

 POI感想の注意書きです。

yuifall.hatenablog.com

 冒頭、2002年1月1日にマシンが起動してフィンチが超嬉しそうに微笑むDay1のシーンが描かれますが、実はこのマシンは43台目でした。なんでこんな超嬉しそうなんだよって思ったけど、同じS4E5で2001年12月31日(前日)に自分を殺そうとしたマシンを破壊したことが分かるので、また正常に起動した喜びなのかな。2001年9月11日から12月31日までの間に42回もscrap and buildしてきたのか。すごいですね。

 ちなみに日付計算サイトで計算してみると、

 

Day1;2002年1月1日 (マシン起動初日)

Day47;2002年2月16日 (フィンチがマシンとかくれんぼ)

Day161;2002年6月10日 (フィンチがネイサンとIFT)

Day614;2003年9月6日 (フィンチがマシンとカジノ)

Day1135;2005年2月8日 (アリシアとネイサン)

Day3546;2011年9月16日 (フィンチとリースの出会い)

Day3550;2011年9月20日 (フィンチがリースにマシンのことを話す)

Day3789;2012年5月16日 (ルートの件に対処中)

Day3790;2012年5月17日 (ルートの件に対処中)

Day3791;2012年5月18日 (フィンチがルートに拉致される)

 

ということになります。おお、やっぱリースとフィンチの出会いは作中では9月ですね。

 

 さて本編にもどると、ルートとフィンチの逃避行です(笑)。この2人のテンションの差が怖いのに笑えます。

 

You look famished, Harold.

お腹が空いたでしょ、ハロルド

What are you gonna have?

何が食べたい?

No offense, but for a billionaire genius, you're lousy company.

悪気はないのよ、でも億万長者の天才なのに、あなたって連れとしては最低ね

Every system has a flaw. I'm pretty good at finding them.

どんなシステムにも欠陥はある。私はそれを探すのが得意なの

You care about other people.

あなたは他の人を思いやる

That's your flaw.

それがあなたの欠点よ

 

 you're lousy companyって台詞、字幕では「退屈な人」になってましたが、lousyでググると「シラミがたかった」「うんざりする」「質の悪い」「非常に悪い」「卑劣な」など、めっちゃ悪い意味です。日本語で言うとどういうニュアンスなの?全然分からん。そんで自分で勝手に拉致してきたくせに失礼すぎるな。まあでもルート超綺麗なので目に優しいですね…。見るたびうっとりするわ…。フィンチとマシンの話をする時の輝く瞳がさあ…。ほんと好きなんだね。てかエイミー・アッカーさんすごいなっていつも思う。この演技力。

 「私と他の人を一緒にしないでよ、ハリー♡」って、ルートはこの回からフィンチをハリー呼びです。好き。そして「どうしてマシンはあなたを守らなかったの」と煽りに来るルートですが、フィンチにはその理由が分かっていた…。この回で我々もそれを知ることとなります。

 

 さて、リース君はマシンが送ってきた謎の言葉の意味も分からんしとりあえずカーターの家に不法侵入します。帰ってきて暗闇にいたら怖すぎるだろ…。カーターはあわてず騒がず「まあくつろいでよ」って馴染み過ぎじゃね?リースはくつろぐどころじゃなく、「フィンチがいなくなった」と飼い主が消えた犬状態。アリシア・コーウィンの捜査を頼んで図書館に戻ります。

 

"I gave you a job, Mr. Reese. I never said it would be easy."

「仕事は与えたよ、リース君。それが簡単だとは言っていない」

Come on, Finch. Help me find you.

なあフィンチ。あんたを探すのを手伝ってくれよ

 

 リースが「Mr. Reese」まで含めてフィンチの口真似するの好き…。字幕でも吹替でも省略されてましたけど…(まあ日本語で自分で「リース君」とか言ってたら変だしね)。

 

 その後デューイ十進分類法と解読したリース。その時、

Finch, you sly dog. The Dewey decimal system.

と言ってます。Sly dogは「ずるい奴」「ずるがしこい」という意味だそうで…。字幕では「さすがだな」になってましたが、リースは一体フィンチのことをどう思ってるんだ。

 ちなみにデューイ十進分類法はアメリカでは公共図書館の95%で採用されているそうですが、日本では公共図書館の1%程度にすぎないのだとか(しかもたいていは洋書)。

 この、マシンが送ってくる言葉とデューイ十進分類法と社会保障番号のからくりが未だによく分からん私です。まあでもそれはいいや…。別に萌えに関係ないし(笑)。

 

 さて、こんなにがんばって暗号解読したのにレオンの番号だったの笑えます。

 

You think this Mr. Tao is gonna help you with the whereabouts of our four-eyed friend?

で、このタオ氏が俺たちのメガネのお友達の居場所を知る手掛かりになると思ってんのか?

You almost sound concerned, Lionel.

まる心配してるみたいに聞こえるぞ、ライオネル

Frankly, I'm not sure I want to find out what you're like without his direction.

ぶっちゃけ、あいつの指図なしであんたがどうなるのか知りたいかどうか確信がないな

Let's hope you don't have to.

その必要がないことを祈ろうか

 

 フィンチとは全くの無関係だし、かなり緊迫した状況なのにいるだけでコミカルになるレオンすごい。リースは「はあ?」みたいになります。

 

I can't believe it.

信じられない

I'm the contingency, the backup.

俺が緊急プランか。俺がバックアップなんだ

He didn't want me to find him if anything went wrong.

彼はもし何かあった時俺が彼を探し出すことを望まなかった

He just wanted me to keep rescuing people.

彼はただ人々を助け続けることを望んだんだ

People like you.

あんたのような人々を

 

 マシンが送ってきた番号は純粋な人助けで、フィンチとは関係なかった…。S1ラストで「あんたに何かあったらこの仕事はどうする」と聞いていたリースですが、まさかこうなるとは思っていなかった様子。リースと悪人の会話も面白いです。

 

You leave Leon here with us, and you can keep looking for your friend.

あんたはここにレオンを置いて行け。友達のことは勝手に探したらいいだろう

You know, the guy that owned this badge probably would have made that deal, but I'm not him.

このバッジの所有者の男だったらその話に乗ったかもしれないが、俺は奴じゃない

So who are you?

じゃあ誰だ?

The guy who shot him and stole his badge.

奴を撃ってバッジを盗った男だ

 

 リースはカーターやファスコと協力してフィンチを探そうとするんですが、ファスコがフィンチのことをMr. Vocabularyって言うのおかしかった。やっぱり喋り方特徴的なんだろうなと。で、カーターがリースを「ジョン」って呼んでファスコが「ジョン?名前で呼んでんのか?」「じゃああなたは何て呼んでるの?」って聞かれて

Bane of my existence(生存を脅かす災いの元)

って言うのも笑ったわ。リースはリースで

 

Lionel's like a fungus, impossible to get rid of.

ライオネルはカビみたいなもんだ、取り除くことはできない

 

って言ってるし(笑)。

 

 それにしてもレオンはいい味出してるよね。このキャラ嫌いな人いないでしょ。小悪党で軽薄なんだけどNYUでMBA取ってて馬鹿じゃないし、今回もこれ以降も時々協力してくれます。S2スタートでレオン出してきたのほんとセンスいいなーって毎度思うわ。途中でベアーも仲間になってとても楽しいです。

 

 さて、リースは色んな方向からフィンチに迫ろうとするのですが、

・マシンが送ってきた番号→外れ。単なる人助けだった

アリシア・コーウィンの殺人→政府に妨害されて進められない。データは全て消されてしまう

・ルートの運転免許証→発行者は殺され、報酬の振込元も辿れず

と、完全に手詰まりです。リースはブチ切れてマシンと交渉します。

 

I'm not doing this anymore.

俺はこれ以上こんなことはしない

I'm not going anywhere until you give me a way to find him.

あんたが彼を探す方法を俺に教えるまではもうやめる

Not this again.

もう二度としない

If I'm supposed to keep saving people like this idiot, I want something in return.

もしこんなバカを助け続けさせたいなら、見返りが欲しい

Otherwise, I'm done.

そうでなければもう終わりだ

I know you've got your rules, but I'm guessing they don't account for everybody being dead.

あんたにはルールがあることは分かっている。だが全員が死亡することは想定していないだろう

No one answering your phone calls, no one saving anyone.

誰もあんたの電話に出ず、誰も助けられない

No contingency.

緊急プランもない

Do the math, and figure out a way to bend your rules, 'cause he's my friend.

計算しろ、そしてルールを曲げる方法を見つけろ、なぜえなら彼は俺の友人なんだ

He saved my life. Understand?

彼は俺の命を救ってくれた。分かるか?

And I won't do this without him.

彼なしではやらない

 

 ある意味、対象者がレオンじゃなくてS1E3のジョーイみたいな人だったら普通にフィンチなしでも助けてくれてそうですけどね(笑)。ここで恋人を殺されて復讐しようとした元軍人の番号とか子供や赤ちゃんの番号出なくてよかったよね。

 それにしてもリース君、いつの間にこんなフィンチに入れ込むようになったの?前回「あんたがいなくなったらどうするんだ。どうやって番号を受け取っているのか教えろ」とか言ってたので、一人でもやる気満々なのかと思ってたよ。仕事あってよかったって何度も言ってたし。それが今回は完全にやさぐれて、「フィンチがいないなら仕事しない」だもんな。ま、実際相手がレオンですからね…。フィンチが拉致されたのにこんな奴の相手を!とリース君キレ気味です。それがおもしろいんですけど。

 

 マシンは考えた挙句に20年くらい前に失踪した少女の番号を寄こしてきて、リースはレオンの脅威ネオナチギャングをどうにかします。「白人の面汚しだ」とか言って殴ってくる男をグレネードランチャーで撃ったのがカーターで笑ったわ。てか、ネオナチギャングがなんでレオンなんか雇ったんでしょうか。どう見てもアジア人ですけど。

 レオンは今後S2でたびたび登場してとても楽しいです。S3以降もこういうPOIがもっといたらなぁ…。S1S2が楽しすぎてさあ…。

 

 合間にフィンチがマシンを教育していた頃のフラッシュバックが挟まります。街じゅうのカメラに入り込み、どこにいてもフィンチを探し出すことができるマシン。

(ところで、カフェで男性が書類?作ってるシーン、Wikiに“2002年のシーンなのにMicrosoft Word 2007を使ってる”と書かれてて笑った。他にもWikiを見てると“このシーンはここがおかしい”とか細かく書かれてて面白いです。世界中でたくさんの人が見てるから、色々探し出す人もいるんだろうなー)

 そして、マシンがなぜフィンチを助けようとしないのかがこのフラッシュバックで分かるようになっています。マシンはかつてフィンチを守ろうとしていた。でも、フィンチがそれを禁じた。「君は人々を守るためにいるんだ。私を守ってはいけない」。フィンチはマシンに特別扱いされないように、人間は皆平等でひとしく価値があると教え、自分とはっきり線引きします。名前も付けず。この回でも、マシンの力を使えばカジノで大勝ちできることが示されます。でもフィンチにとってこれはマシンの力を試すテストに過ぎず、マシンから得たデータでお金を稼ごうとはしなかったし、自分を助けようとしたマシンに「それは違う」と教えます。

 フィンチのこのスタンスはマシンを開発していた時から、ほとんどS5のラスト周辺まで一度も揺らがなかった。最後の最後、ルートが死んでその立場を変えるわけなんですが、ほんと何度も書くけどあの「あなたが望むなら私はなんだってするわ」のシーン、個人的にPOIで一番印象に残ってます。S5E10は傑作だと思う。POI、圧倒的にS1S2が面白いんですが、S3以降には時々傑作としか言いようがないエピソードがあるので、(かつての私のように)脱落した人もぜひ最後まで見てほしい…。フィンチは自分が望めばマシンの強大な力を全て意のままにできることを多分ずっと知っていて、それを自分にずっと禁じ続けていたということが分かる。そしてなぜ自分にそれを禁じていたのかも、あの時分かった。

 だからこそ、フィンチはマシンが自分を助けてくれなくても、ルートの拷問にあって死んだとしても、それは仕方ないと思っている。マシンを私的利用するくらいなら死んでもいいと。これは本当にすごいよなーと。

 

 S1S2のフラッシュバックでは、「人は死ぬものだ、仕方がない」というスタンスの過去のフィンチがネイサンと対比される形でやや非情な人物として描写されますが、私はフィンチの覚悟は非難されるべきものじゃないと思う。マシンは「テロ予測」以外の目的では一切使われるべきでなく、自分がその「死ぬ人間」に含まれていてもそれは仕方ないっていう態度が一貫しているから。S5で「私は自分のルールに従って生きてきた」って言うのはこのことだろうなと。

 しかし、ストーリーが非情だなと思うのは、フィンチが「自分が死んでもルールを守る」というスタンスを貫いた結果、死んだのはフィンチではなくネイサンとルートだったんですよね。フィンチは何度も自分の命より大切なものを奪われることになった。ネイサン、グレース、ルート、それにリース。フィンチはネイサンが死んだ時に若干スタンスを変えていて、「テロ予測」の他、「人助け」にだったらマシンの力を使ってもいい、という立場に変わっています。そしてルートが死んだ時にとうとうマシンの私的利用を自分に許すことになります。

 

 ルートはフィンチを連れ回し、「あなたが騒いだらあなたではなく他の人を撃つ」と脅して意のままにし、最終的にはデントン・ウィークスをおびき出します。

 最後のルートとフィンチの会話。

 

You may have told yourself you were helping people, but the real reason you built the machine is because the world is boring.

あなたは、自分は人助けをしているんだと自分に言い聞かせて来ただろうけど、でもあなたがマシンを作った本当の理由は、世界が退屈だからよ

Human beings have come as far as we're gonna go.

人は行ける限り来てしまった

I want to see what happens next.

私は次に何が起こるかを見たいの

You're right, you and I are alike... in many ways-- not that I'd care to admit it.

君は正しい、君と私は似ている…色々な点で…それを認めたくなくても

I spent years wondering how people could be so cruel, petty, so selfish-- and then I'd think about how you could change them.

私は何年も過ごしてきた、人々がどれほど残酷で、軽薄で、自分勝手になれるのかどうか考えながら…そしてそれを変えることができるのかどうか考えるようになった

Fix them.

彼らを直すことができるのかと

And that's why I've sealed up the machine.

だから私はマシンを封印したんだ

Not to protect it from the people I was giving it to... to protect it from me, from people like us, from the things we'd do with it.

私がそれを与えた人々から守るのではなく…、私や、私たちのような人間が、それを使って何かをすることから守るために

That's why I'll never help you get control of it.

それが、君がそれをコントロールするのを決して助けない理由だ

I know.

分かるわ

You won't have to.

あなたはそんなことをしなくてもいいの

Because, you see, Harold, I don't want to control your machine.

なぜなら、ハロルド、私はマシンをコントロールしたいんじゃない

I just want to set it free.

マシンを自由にしたいだけよ

 

 フィンチは自分の価値基準で人を選別することを避けるためにマシンを封印したんですよね。これにはすごく強い意志の力がいると思うんです。一方ルートは、人間の未来は人間ではなくマシンに託すべき、と言っている。つまりマシンの決める「正しさ」に従うことで人は変われるのだと。

 

 正直ルートがなぜマシンに入れ込むのか、マシンが自分の意思で選別を始めたとしたら何が起こるのか、っていうのはよく分かんないです。だってフィンチはそもそもそのようにマシンを作ってないから。でもまあ、ルートはマシンの「信者」なんだということは分かる。それにしても教祖(フィンチ)の扱いひどいですけどね…。拉致監禁、かみそりで手を切る、連れまわす、目の前で人殺す、と散々です。シーズン進んでいくとフィンチとルートはまるで父親と娘のようになっていきますが、こんなことする子だったの忘れて仲良くなれるかなあ…。疑問である。

 

 最後まで見ても、ルートのスタンスはどっちかというとサマリタン寄りだと思うし、あと私は人工知能が公平な「正しさ」を提供できるとは全く思わないので、ルートやグリアがなぜ楽観的にそんなことを考えられるのか全然理解できませんでした。結局、フィンチが言うようにそれは「マシン」「システム」「プログラム」なんだから、どんなに高い「知能」であったとしても過去の人間が積み重ねてきた思想に沿って動くことになります。マシンは最後までフィンチの教えに従って生きたし、一方でサマリタンの哲学、ゴールがどこにあるのかは全く分からなかった。

 「正しい」世界は、多分人によって定義が全く違います。今回ネオナチギャングが出てきたけど、そういう人たちにとって最も大切なものは人種でしょう。信じる宗教や国籍、生まれ育った環境でも全然違ってしまう。それらを包括した絶対的な「正しさ」なんてないし、それを人工知能に求めるのは無理がある、というより、人工知能に「正しさ」を求める行為はそのプログラムを組んだ人間や読み込ませた教師データから来るバイアスを無視しているだけだと思う。

 

 ルートのスタンスについては考えても結論が出ないのですが…。もしかしたら途中でルートの立ち位置を制作側が変えたのかなあ、ってメタなことも考えてしまう。当初はルートがマシンを解放し、マシンによる人類の選別vsフィンチみたいな感じのシナリオだったのかもなーと。でもフィンチがマシンを育てた経緯を考えるとどうもそうなりそうにもないし(マシンが人類を選別するとは思えない)、そんでサマリタンを担ぎ出してはみたもののルートどうしようみたいな…。

 S2E13でグリアがカーラに言うんですが、「タイタンを知っているか。古い神は、自分の子である新しい神を恐れて殺そうとした。君は古い神に仕えていた」と。ここでは「古い神」は政府、「新しい神」はマシン(というか人工知能)のことでしょうが、一方で「自分の子」という言葉からは、フィンチがマシンと戦うことになると暗示しているようにも感じられます。

 フィンチが最後まで「未来は人間が決めるべき」と思っていた一方、ルートとグリアは「人工知能に委ねるべき」と考えている。ルートの「神」はマシンでグリアの「神」はサマリタンでしたが、一方でマシンの「神」はフィンチだったように思えます。てか、後の感想で書きますが、私はマシンもサマリタンも神ではなく、この「神話」における唯一神はフィンチだったと思う。

 ルートはなぜ、サマリタンに乗り換えなかったんだろう。結局マシンとフィンチ(とショウ)を愛してしまったから、と考えるしかないんですけど…。

 

POI:レオン・タオ(被害者)

本編:2012年5月18日~19日

フラッシュバック:

2002年1月1日 (フィンチ、IFT)

2002年2月16日 (フィンチがマシンとかくれんぼ)

2003年9月6日 (フィンチがマシンとカジノ)