いろいろ感想を書いてみるブログ

短歌と洋楽和訳メインのブログで、海外ドラマ感想もあります

02x17 - Proteus 感想

 POI感想の注意書きです。

yuifall.hatenablog.com

 嵐の孤島モノです。POIで嵐の孤島!面白っ。

 タイトルは「プロテウス」、海の神ポセイドンに仕える予言の神で、さまざまな形に変形するのだとか。

 

 まず冒頭の相合傘がやばいでしょ…。番号が来ないからって2人でおデートですか。映画観に行って相合傘でうろつくおじさん2人。傘を開いた後さりげなくフィンチを引き寄せるリースの手つきが…。で、身体の距離が近いので手と手が触れ合わないように左手から右手に傘を持ち替える。全ての仕草が萌えすぎてリピート再生して凝視したわ。

 まあ、単純に、リースは傘ささない人でフィンチに傘をさしかけるために持ってきたのだろうと思われるのですが(リース君、この後色んな人と相合傘しますからね!)、一体何のためにこのシーン入れたのかと思ってしまいました…。デートだよね、どう見ても。

 Wiki見てると、「羅生門」と「雨のなかの女」の2つの映画はリースとフィンチのメタファーだ、と書いてあるのですが、どうメタファーなのかあらすじ見てもよく分からん。。「全員が嘘をついている」とか、「自分探しの途中で訳アリの男と出会いその人が死ぬ」とかそういう感じですか??

 この後公衆電話が鳴るのですが、背後のカフェでみんながめっちゃ写真撮ってるらしいです(笑)。リースとフィンチの相合傘の写真…。私も撮りまくりたいわ…。

 

 カーラが感染させたウイルスでマシンが徐々に不調になり、番号も出なくなり、と思っていたら一度に6人の番号が出て、嵐の中で通信できないことも相まってクラシックなサスペンスの趣です。

 番号が出ている6人は居住地もばらばらでそれぞれ関わりがなさそうなのですが、多くが失踪していることが分かります。カーターに捜索を手伝ってもらう2人。6人の中でただ一人NYにいるロリンズの行方を追うためにリースとフィンチは別行動をとることに。リースはロリンズが買ったオーウェン島(架空の島らしい)の別荘へ、フィンチはロリンズの自宅へ行きます。

 嵐がひどくなり、フィンチがロリンズ宅の地下室に行ったことで2人の通信がめちゃくちゃ不調になるのですが、ほとんど相手に話も通じてないのにお互いの名前呼びながら通信が繋がっている体でそれぞれ動く2人にめっちゃ萌えました。意味もなく「フィンチ。俺は一人じゃないようだ」とか「リース君、ロリンズがどうなったか分かったよ」とか言ってるんですが電話通じてないよ…。あと、地下室行くときベアーに「怖くないよ」とか言うフィンチかわいすぎんか。

 

 しかしこの後の展開普通に怖いぞ。焼却炉から歯が見つかり、6人の番号の人物は皆殺されていることが分かる…。犯人はどうやら、1人を殺しては次に成り代わり、6人もを殺し続けてきた連続殺人犯のようです。ロリンズは殺され、犯人は彼に成り代わって島の別荘にいる…。「リース君は島に殺人鬼といるんだ」と、フィンチはリースに危険を伝えようとなんとか島に渡ろうとします。

 島は橋が落ちて孤立し、取り残された住民や旅行者たちは警察署に集まっていました。リースは連邦保安官のジェニングスを装い、FBI捜査官のフェイヒーと2人で捜査を始めます。外で怪しい動きをする人間たちを捕まえたリースは、嵐の中にも関わらず空を横切っていく小型機を見上げる…。この辺かなり笑えます。

 

I don't care who you are, you can't endanger my citizens by landing your Cessna in the middle of my town.

あなたが何者かはどうでもいいけれど、あなたは私の街のど真ん中にセスナを着陸させて私の市民を危険にさらすことはできないよ

That's actually a De Havilland Beaver.

あれはDe Havilland Beaver(機体の名前)だ

What's going on here?

何が起きてるんだ?

This amateur storm chaser Harold Gull is under arrest.

このアマチュアストームチェイサーのハロルド・ガルを逮捕したの

He landed his float plane in the town square.

彼は街の広場にフロート水上機を着陸させた

I needed a stretch of water to land and there was, well, water everywhere.

私は陸に続く着水地を探していたんだが、そこら中水浸しだった

And what's all this?

で、それは何だ?

My meteorological equipment.

私の気象観測装置だ

I've been a certified member of the National Storm Chasers and Spotters Association for over ten years.

私はもう10年以上、全米ストームチェイサー&観測協会の公式会員なんだ

Deputy, despite this man's recklessness, could you book him with endangering our lives after the storm?

副署長、この男の無謀さは置いておいて、我々を危険にさらした罪で彼を逮捕するのは嵐の後でもいいのでは?

We have bigger things to worry about.

もっと心配すべきことがある

 

 ストームチェイサー協会の公式会員なんだ、と言いながらリースをちょっとドヤ顔で見上げるフィンチと「さすがだな(まだ俺はあんたをよく知らないな)?」みたいな顔で見下ろすリース。うまいこと副署長を言いくるめてくれます(笑)。フィンチ超かわいいな。

 リースのピンチには嵐の中飛行機で駆けつけちゃうのね。萌えるわ。ちなみに「ストームチェイサー」をググると、

 

《「嵐の追跡者」の意》主に米国で、竜巻を追跡して観測・記録を行う専門家のこと。

 

だそうです。

 さて、ここでロリンズが殺されていることが分かります。犯人はロリンズではなく、他の誰かに成り代わっている。ここで「犯人はこの中にいる!」というお決まりの台詞が!めっちゃ楽しい。S2面白すぎてときめきが止まりません。

 

 リースはフェイヒーを説き伏せ、全員を尋問することに。即席で噓発見器作っちゃうフィンチマジ有能。島でフィンチを仲間に引き入れた理由として、「この男は島が孤立した後に到着した。犯人から除外される」って言うリース、ミステリーの探偵役っぽい!!不審な動きをする人々、嵐の孤島、あらゆる通信手段を断たれ「この中に犯人がいる!」ってわくわくしちゃいますね。

 そんな中、第二?の殺人が起きて副署長が殺されます。凶器のナイフから誰の持ち物かを即座に把握し問い詰めるリースマジ有能。これは誰も保安官だと信じて疑いませんよね…。嘘だけどね…。この島、ミステリー小説並に身分を偽っている人だらけです(R&Fがその筆頭なんですが笑)。

 この後の展開も面白い。リースが脱走兵を突き止め、マリファナの密売人を突き止め、(本物の)FBI捜査官の死体を発見して殴られて気絶している間にフィンチは嘘発見器の記録から真犯人を突き止めます。なんと犯人はFBI捜査官を名乗っていた男でしたー!この展開めっちゃ面白い。

 フィンチがそれに気づいた時、雷がぴしゃーん!って鳴って、光に照らされた犯人がフィンチの後ろに立ってんの怖いー!!

 

 合間にカーターとビーチャーのエピソードが入ります。ビーチャーとの付き合いのせいでFBIに入れなかったカーターは、ビーチャーが汚職警官なのではないかと疑い彼を避けるように。でもビーチャーはカーターが好きで、なぜカーターが急に冷たくなったのか理由を知りたがります。冷たく当たられながらも捜査に協力してくれるビーチャーと一緒にカーターは島へ向かうことに。

 嵐の中、ビーチャーの運転する車の中で2人は言い争いになります。スピードを上げるビーチャー。「スピードを落として」と言われ、急ブレーキを踏むビーチャーを恐れてカーターは銃に手をかけます。この時ビーチャーの台詞、字幕でも吹替でも「嘘だろ?俺を撃つのか?」となってましたが、実際は「嘘だろ?君は俺が君を傷つけると思っているのか?」でしたね。カーターが自分を守ろうとして銃を出したことに、自分が撃たれるかどうかということよりも自分がカーターを傷つけると思われていたことにショックを受けてるんだなーと。けっこうニュアンスが違うので、原語じゃないとビーチャーのキャラがつかみ切れないかもと思った。ビーチャーいい子だよなー。

 

 さて、真犯人はフィンチを殺さず人目に付かない場所に連れ出し、話をしようとします。正体バレてんのに相手を殺さずべらべらと動機なんかをしゃべるわけですが、これもミステリー小説っぽいですね。即座に殺さなかった理由は、フィンチに成り代わるためでした。「あんたも同類だろ。見れば分かる。成り代わりだ」と話す犯人(名前、何て言っていいか分からん)。

 フィンチ、成り代わりなのかな?犯人の話すこと、「他人の人生を修正した」とか「人をよく見てきた」とか、絶対にそうはなりたくなかった自分の中の何かを思い起こさせるからかフィンチは途中でかなり激高し、犯人を激しく罵倒します。そのせいで撃たれそうに…。

 

You could never be me because I save lives. You take them.

君は絶対に私にはなれない。私は命を救うが、君は奪うんだ

No, I live those lives better than real people ever could.

いや。僕は本物の彼らよりもいい人生を送ってやったんだ

I follow them and watch them waste what they have.

彼らを追い、彼らが自分の持つ何を無駄にしているのかを見た

I do those identities justice.

僕は彼らの身分を正してやってるんだ

The things I've seen.

僕が見てきたもの

The lives I've lived.

僕が生きてきた人生

One day I'll stop, when I find the person I'm meant to be.

僕に相応しい人物を見つけたら、いつか終わりにするだろう

What?

何だと?

People like you don't stop.

君のような人間がやめるはずがない

You can rationalize it however you like.

君は君がどのような人間であるかを正当化することができる

But you hurt people because you like it.

だが君は単に好きで人間を傷つけるんだ

Because you're sick!

なぜなら君は病気だから!

You're maladjusted and you need help.

君は適応障害だし、治療が必要だ

On second thought, maybe I'll find another way off this island.

考え直したよ。多分僕はこの島を出るのに違う方法を見つけ出せる

I'll miss finding out more about you.

もっときみのことよく知りたかったんだけど

If there's anything left to tell, I'll make it up as I go along.

知り損ねたことは、自分でどうにかする

Don't worry, I'm good at that.

心配しないで。僕は嘘が得意なんだ

Just like you.

きみと同じく

 

 フィンチのピンチに駆けつけてくれたのはリースじゃなくてカーターとビーチャーでした。ここ、ちょっと残念だったけどこうでなくちゃ2人が来てくれた意味なくなっちゃうしなー。カーターが犯人を撃ったあと、「大丈夫?」と聞かれてフィンチめっちゃ目を細め、「刑事さん??」って言いながら眼鏡を取り返すのかわいい。で、「本物のFBI捜査官みたいだったんだ。…防弾ベストも」と言ったところで犯人が再び起き上がり(防弾ベスト着てたじゃん…!)、それをビーチャーが撃って助けてくれます。カーターとリースの関係も好きなんですが、スタイリッシュイケメンのビーチャーも好き。8カラットのキャルね(笑)。

 

 ちなみにこの時のフィンチの偽名Gullは「カモメ」「騙されやすい人」「間抜け」という意味だそうです。

 

 最後のR&Fの会話もいいです。

 

A drug smuggler shot at me with a spear gun last night.

あのドラッグ密売人、俺を昨夜水中銃で撃ってきた

Is that a first for you?

初めてか?

Wish I could say yes.

エスと言えたらよかったが

Glad you made it back, Mr. Reese.

生きて戻ってくれてよかったよ、リース君

I am too.

俺もだ

And I'm glad the machine was right.

それに、マシンが正しいと分かってよかった

How so?

どうしてそう思った?

It was smart enough to tell us about a killer with multiple identities.

殺人者が複数の身分を持っていると教えてくれるほどに賢かった

It may be true that the six numbers were not a glitch, but the three days of silence preceding it were.

6人の番号が届いたのは故障ではないかもしれないが、その前の3日間の沈黙は問題だ

If the machine had been working properly, we might have gotten a number for the real Alan Fahey and saved him.

もしマシンが正しく作動していたら、我々はアラン・フェイヒーの正しい番号を得て、彼を助けていたはずだ

Instead, an FBI agent is dead.

しかし、FBI捜査官は亡くなった

I wish I knew what that means for the future.

これが何を意味するのかいつか分かることを望むよ

At least the storm is passing.

少なくとも嵐は去った

No, Mr. Reese, I have a feeling that it's just beginning.

いや、リース君。私はこれがただの始まりに過ぎないと感じているよ

 

 日本語タイトルは「前触れ」ですもんね。リース、水中銃で撃たれたの初めてじゃないんだ…。で、「生きててよかった」というフィンチに「俺もだ」って言うのは、俺もあんたが生きててよかったってこと?この後2人で飛行機で帰ったのかなー。

 それにしてもこの回、S3E10見た後に見返すとマシンを信じてくれてるリースがすごい悲しい。

 

POI:ジャック・ロリンズ など6人(全員被害者)

本編:2013年(いつなのかはよく分からない)

フラッシュバック:なし