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02x10 - Shadow Box 感想

 POI感想の注意書きです。

yuifall.hatenablog.com

 

 日本語タイトルは「スーツの男」でした。この話、オチが笑えます。「高級スーツを着ている」ということ以外ほとんど分かっていないリースの特徴を逆手にとって…。しかも一緒に捕まった男たちも後ろ暗いところがある人たちだから口を割らないと。よく考えたなあ。

 とはいえ、ドネリーさんS1ラストで監視カメラ越しにリースのこと見てたやん、って気はしないでもないですが…。まあそこはいいや(笑)。

 

 冒頭、ベアーを洗っている2人。一生懸命洗っているフィンチに対し、適当になでなでしてるだけのリース。で、対象者の話を聞くと気もそぞろで「急いだほうがいい」と行ってしまうの笑える。「君が乾かす番だろう!」「危険が迫ってるんだ」「君の犬だろう!」ってほんと面白すぎます。レイラの回に引き続き、完全にダメ夫じゃねーか。狙ってるよね絶対…。萌えすぎます。

 

 それにしてもドネリーさん、真面目で融通が利かなさそうで、真実を知ってもカーターみたいに協力してくれる気は全然なさそうで面倒くさそうでしかも肝心なときにめっちゃ邪魔してくるんですが、その反面真面目で有能なとこ好きだったので、この後の展開を思うとちょっと悲しいな…。すっごく見当違いのことを本気で一生懸命話してくれるあたり、客観的に見るとそう見えるのかー、って分かって面白いし。「中国の民間諜報ネットワークだ。スノウも取り込まれた」とか言ってさ。ていうか、フィンチの財力とハッキング能力、リースの諜報能力と殺傷力、2人チームとは思えないレベルなんですよね♡

 ちなみにWikiによれば、ここでドネリーが掴んだ「中国の民間諜報ネットワーク」というのはデシマのことだとか。

 

 ドネリーとカーターが接触した後の、カーターとリースの会話めっちゃ萌えた。

 

Donnelly's back, and he's hot for the man in the suit. He has a new theory.

ドネリーが戻って、「スーツの男」にお熱よ。彼には新しい説があるみたい

Yeah, that I'm working for China or something. We heard.

ああ、俺が中国か何かのために働いてるってやつだろ。聞いたよ

We also heard his offer. Maybe a transfer to the FBI would be good for you.

それに彼のオファーも聞いた。FBIに転職するのもいいんじゃないか?

Do you listen to all of my conversations?

私の会話を全部聴いてるわけ?

More or less.

だいたいな

You're looking nice, Carter.

君は綺麗になったな、カーター

Maybe this Cal Beecher would be good for you too. Long as he treats you right.

Cal Beecherも君にはいいんじゃないか。彼が君を正しく扱う限り

He messes with you, he'll be hearing from me.

もし彼が君をずさんに扱えば、彼は俺から連絡を受けることになるだろう

Okay. All right, look. We're gonna have to set some boundaries here.

OK、分かった、聞いて。私たちはどこかで一線を引かないと

Well, sure. Things get heavy with you and Cal, we'll tune out right away.

ああ、もちろん。君とキャルの会話がマジになってきたら、すぐに消えるよ

 

 カーターの新しい恋を応援しつつ牽制!漫画とかでよく見るセコムキャラと化しています。「君を泣かせたら俺が許さん」って…。カーターのこと大好きでかわいい♡「最近綺麗になったのは彼氏のおかげか」ってさぁ。嫉妬ですか??あと一応会話がセクシーな方面へ行ったら盗聴はやめると言ってくれていますがほんとかなあ(笑)。あとは「俺が中国かなんかのために働いてるってやつだろ」も笑った。フィンチのためだよね♡

 

 その後ファスコが刑事仲間とキャル・ビーチャーについて話すのですが、

「ああ、18カラットのキャルだろ。いいスーツ、いい車、いい女」

「奴はカーターの周りをうろついてる」

「蜂は蜂蜜が好きなもんだ」

ってなんだそりゃ。全体的に、褒めてるのか貶してるのか分からない会話です。アメリカドラマとか小説に出てくる軍人とか警備員、警察官に特有の会話のノリって正確なニュアンスがよく分からん。

 この後カーターが「ドネリーに(FBIに)誘われたの」と言ってビーチャーが「まさか奴も俺のライバル?」って発言したり、ビーチャーかわいいわー。クインと会っているビーチャーをファスコはHRか?と警戒するんですが、尾行しているとシモンズに脅されます。もう展開知ってるからアレなんですが、初見では、ビーチャーは何のためにカーターに近づいたの?いい人?それともHRなの?ってドキドキするシーンですね。この段階ではファスコはクインの正体は知らないんですもんね。だからシモンズが牽制に来たのか。

 

 さて、対象者のアビー・モンローは元海兵隊員の彼氏シェーンと組んで何かをやらかそうとしていることが分かります。彼氏がバイク盗んだ映像を見ているカーターのPCをハッキングするフィンチかっこいい。そして瞬時に「これは義手だ。元軍人だろう」と見抜くリースもかっこいい。

 対象者の2人はプラスチック爆弾を盗んで逃走しているのですが、その時「テロを起こすつもりだ」というリースに対して「テロだったらマシンは我々ではなく当局に番号を送るはずだ。何をするつもりかはともかく、私的な理由に違いない」とフィンチが返すシーンで、あーそういえば「有用」な番号っていうのもあったなーって思いだした。このシーン2人の距離が近すぎて萌えすぎる。「元兵士は極端に走ることもある。俺たちもそうだろう」と言うリースに、「君はね」と返すフィンチのツン具合が相変わらずかわいいわ。

 結果的には対象者は「被害者」というのも二転三転して面白いです。

 

 次に、アビーの周辺を探ろうとするリースとフィンチの会話。

 

I'll check that one out.

私が外に出てそれを探ろう

Good. You need to get out more.

いいな。あんたはもっと外に出た方がいい

You're in a good mood, Mr. Reese.

機嫌がいいね、リース君

I woke up this morning and felt-- it took me a while to put my finger on it, but I felt happy.

今朝起きた時、感じたんだ…、はっきりそうと分かるのに少しかかったが、感じたのは「幸福」だった

Must be this job.

この仕事のおかげに違いない

Well, I'm glad.

それはよかった

 

 完全に死亡フラグ立てとるやん。こんなこと言っちゃったから…。まあ、リース君、よく「仕事をくれてありがとう」発言しているので最初は気に留めていなかったのですが、「幸福」とまで言ってますからね…。仕事が生きがいで仕事があることで幸せだし、やっぱり今のリースにとってone person who connects you to the worldってフィンチのことなんだな、と思った。(一方でフィンチにとってそれはまだグレースのことなのかもしれませんが…)

 あとは「外に出るのはいいな」ってリースがフィンチに言うの、フィンチがルートに誘拐された後外に行けなくなったのを受けて、回復を見守ってくれているのかなあってしみじみしてしまった。

 

 さて、フィンチは夜中にかつてアビーが働いていたチャップルの事務所に侵入すると言いますが、心配でたまらないリース。「外に出ろとは言ったが、それは俺の仕事だ」と。フィンチは「リスクがない人生はないよ」と答えます。実際に侵入するとシェーンと鉢合わせてしまい、リースは「すぐそこに行く!」と気が気でない(笑)。S2~S3前半の過保護リース君大好きすぎる。まーその後も肝心な時にフィンチをかばって撃たれたりするんでめっちゃ愛感じますけど♡

 

 まあ色々あってチャップルが悪者で、アビーとシェーンは、過激な手段ではありますが帰還兵のために戦おうとしていることが分かります。リースがアビーと接触してフィンチはシェーンと接触し、銃撃に巻き込まれちゃいます。心配し続けるリース君と、シェーンのバイクに二人乗りで逃走するフィンチ。

 

Finch, are you okay?

フィンチ、大丈夫か?

Aside from riding on a motorcycle illegally, I'm fine!

バイクに不法に乗っていることを別にすれば、問題ないよ

I'll be in touch!

また連絡する

 

 riding on a motorcycle illegallyは、字幕によれば「ノーヘルでバイクに乗っている」だそうです。この喋り方大好き。この状況でillegallyって言う??日本語で言うと「道交法を無視していることを除けば、まあ大丈夫だ」くらいかな?

 その後彼氏にリースがアビーといることがバレるのですが、

 

Mr, Reese?

リース君?

Yes, Finch. What's happening?

フィンチ。どうした?

I've explained to Shayn that we're trying to help him.

私は我々が彼を手伝おうとしているとシェーンに説明した

Did he believe you?

信じたか?

No, especially when I told him that you have Abby.

いや。特に、君がアビーと一緒にいると私が彼に伝えたので

Things are a little tense.

状況は少し緊迫している

Let me talk to him.

彼と話させろ

Who is this?

誰だ?

You know, Abby keeps asking me the same thing.

ああ、アビーも俺に同じことを聞き続けている

It's really not important.

でもそれはどうでもいい

If you hurt her, you will be sorry.

もしお前が彼女を傷つけたら、後悔するだろう

The same goes for you and my friend.

それはあんたと俺の友人についても同じことが言えるな

We should meet.

会う必要がある

 

 銃を突きつけられているのに、Things are a little tenseって言い方めっちゃ萌える。フィンチのこういうとこ好きなんだー。で、シェーンがフィンチを、リースがアビーを人質に取っているような状況になります。「彼女を傷つけたら許さない」に対して「そっちも俺の友人を傷つけてみろこの野郎」みたいな会話笑えるし萌える。だって向こうは恋人同士でこっちはおじさん2人組だよ??たまらないですね。

 ここ、吹替では「その人を傷つけてみろ、容赦しない」「それはこっちの台詞だ」ってなってて、「その人」って訳に萌えました。これ「彼女」にしてないのわざとだよね!!

 その後人質交換?に応じるのですが、抱き合う恋人同士に対して淡々と仕事について話すR&Fの会話がめちゃ好き。

 

I assume you put a tracker on him.

彼に追跡装置を付けたんだろう?

Rather a clever one, if I do say so myself.

より賢い方法にしたよ。自分で言うのも何だが

His prosthetic arm is controlled by myoelectric sensors by way of a wireless link,

彼の義手は筋電性センサーによって無線制御されている

so I cloned the link and reprogrammed it to attempt a forced pair with every cell phone they pass.

だから私はその無線信号を複製して再プログラムし、彼らが通過した全ての携帯電話と強制的にペアリングするようにした

Leaving a nice GPS trail.

すばらしいGPS装置だな

Well done, Finch.

よくやった、フィンチ

Especially on the back of a speeding motorcycle, which was exhilarating, by the way.

とりわけ、スピードを上げたバイクの後ろでやったし、それはとても爽快だった

I might have to get myself one.

私も自分に一つ買うべきだろうか

 

 if I do say so myself、は「自分で言うのも何ですが」という言い回しだそうですが、ネイティブの人はあまり言わない古臭い表現なんだそうです。やっぱりフィンチっていわゆる「書き言葉」みたいな言葉で話すキャラなんだろうなと。

 そしてWell done, Finch.が字幕だと「さすがだな」って訳されてるのときめいた。「よくやった」だと上から目線っぽいもん。リースはフィンチを尊敬してるから、「さすがフィンチだ」くらいの方がニュアンス的に正しい気がする。

 で、最後フィンチが「スピード上げたバイクに乗ったのは気分がよかったな。私もバイクを買うべきか」とか言ってて、リースが「はあ?何言ってんのこの人?」みたいな目でフィンチを見るシーンめっちゃ好き。いいからリースの暴走バイクの後ろに乗りな(笑)。

 この台詞、「スピード上げたバイクの上でハッキングまでやったんだ」って意味かと思ってたんですが単に「バイク最高ー!」って意味なの?どうなんだろうね?

 それにしてもこのシーン、口の動きと吹替の声が合ってて、吹替の訳って大変だなぁと思いました。面白かった。

 

 この後もかなり緊迫した萌える展開で、帰還兵に対する詐欺を無視できなかったリースがアビー達と一緒に銀行の壁やら床やらを爆破して突入し、フィンチがFBIの追跡に気付いて警告するも時すでに遅く、カーターはドネリーの意向を探りファスコにSOSを出し、ファスコとフィンチが「ワンダーボーイがどこにいるか知らんが、ウォール街じゃないだろうな?ドネリーが向かってるぞ」「まさにそこにいるよ」って、どんどん佳境に近づいてきます。逃げろというフィンチに、「リスクのない人生はない」と返すリース。

 フィンチがリースに「携帯が追跡されているようだ」と話した時、リースが「ルートか?」って聞くのめっちゃ萌えました。だってルートなんてしばらく出てこないし忘れてたよ…。リースはずっと覚えてて気にしてたんだなって思うと萌え滾りすぎる。

 ちなみにドネリーは「スーツの男を追って10カ月」と言ってましたが、最初にドネリーが「スーツの男を追う」とか言い出したのはS1E18だったはずなので、2012年の3月頃です。10カ月も経ってる??このエピソードはまだ年内のはず。初登場がS1E13だったけど、そこから10カ月と考えてもちょっと辻褄合わないような…。

 

 さて、銀行の地下でチャップルの雇った“スーツの男”3人と撃ち合いになり、間一髪でアビーとショーンを逃がすのですがリースは捕まってしまう…。

 

I'm not gonna make it, Harold.

俺は間に合わない、ハロルド

Sorry I screwed up. But I meant what I said yesterday.

しくじって悪かった。でも昨日言ったことは本気だ

So, thanks, Harold. It was fun.

だから、ありがとう、ハロルド。楽しかった

John?

ジョン?

 

 そして携帯を叩き割るリース。

 この2人、いつもながら肝心な時は名前呼びになるというBLの王道を行ってくれます。自分は逮捕されて追及されるだろう、でも仕事をくれたことへの感謝は本心だし、本当に幸せだったから後悔はしない、そしてあんたのことは絶対に話さない、みたいなことを端的に告げて通信手段を破壊するリース。萌えるな!

 S1ではE10でリースが撃たれて大ピンチになりましたが、今回はFBIに逮捕されちゃいます。

 いやー、ここからE13までほんと神回ですよ。S2は最高に楽しいな。もうほんと、この萌えをどうしていいか分かりません…。最後に流れる曲、ローリングストーンズなのか…。かっこいいです。

yuifall.hatenablog.com

 日本語タイトルは完全にラストのオチ、スーツの男が4人いる!ってとこだけにフォーカスしていてとてもいいなと思いました(笑)。

 

POI:アビー・モンロー(被害者)

本編:2012年11月11日(アビーとシェーンの指名手配の日付)あたり

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