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02x08 - Til Death 感想

 POI感想の注意書きです。

yuifall.hatenablog.com

 この回、被害者も加害者もほんとしょうもないんですけど、見るたび泣いてしまう。すれ違ったきっかけがリアルだからかな。「あの時君は妊娠中だった…」って夫が呟いて、妻が涙を浮かべて罪を告白するシーン、毎回とても切なくなります。

 リースとカーターの距離が一瞬近づくんだけどカーターが他の男性といい感じになったり、ファスコがデートしてたりするのも楽しい。ファスコの恋、もっと続いてほしかったんだけどなぁ。でも本編を描きつつHRのごたごたも描きつつ恋愛も描いてたらファスコ関係だけでお腹いっぱいになっちゃうかぁ。今後カーターの恋も進行するし…。私はビーチャー好きだったのでかなり残念です。てか、カーターのことを好きな人のことはみんな好きかもしれん。カーターに恋するのはいい男に決まってるし。

 

 さて、今回の「番号」は2人。2人は夫婦です。周囲を調べるために、リースは会社へ、フィンチは自宅へ侵入することに。

 

And what are you planning, Finch?

で、あんたの計画は?フィンチ

I need you to go to the Drakes' place of business while I visit their home.

私は彼らの家を訪ねるので、その間君には職場に行ってもらいたい

I'm proud of you, Finch.

素晴らしいな、フィンチ

You've really gotten comfortable with your breaking and entering duties.

あんたは家に押し入ることにすっかり慣れたみたいだ

Thank you for appreciating my descent into deviant behavior.

私が社会的に逸脱した行為に身を落とすことを褒めてくれてありがとう

(字幕では「逸脱行為をお褒めいただき(どうも)」になってて笑った)

 

 リースを職場に侵入させたフィンチ。

 

I'm in, Finch.

入ったぞ、フィンチ

When you reach reception, tell them you're there for the Harold Crane meeting.

受付に着いたら、ハロルド・クレインと会う約束で来たと言ってくれ

I made an appointment under the guise of investing in a new imprint.

私は新しい出版社への投資を装って約束を取り付けた

I'll be a no-show and rudely never call to cancel, which should buy you plenty of time to loiter.

私は現れないばかりか、失礼にもキャンセルの電話すらしないので、君にはぶらぶらする時間がたっぷりあるよ

It's called recon, Finch.

偵察と言ってくれ、フィンチ

 

 この会話もめっちゃ好き。S2はこういうの多くていいですね。

 色々あって、夫が妻を、妻が夫を殺害しようとしていることに気が付く2人。夫婦喧嘩の様子を聞く2人は苦々し気です。2人とも、いいおじさんなのに恋愛に夢見てる人たちですからね…。そのすれてないとこが好きなんですが…。

 途中で何気ない会話からフィンチのことを探ろうとするリース。「あんたは野球好きだとは知らなかった。メッツは?オリオールズは?アスレチックスは?」とかぐいぐいいってて笑う。フィンチは「いいね。カブスレッドソックスも好きだ。でもそれで私の出身地は当てられないよ」とか言います。ドジャースはロサンゼルス、メッツはニューヨーク、オリオールズボルチモア、アスレチックスはオークランドカブスはシカゴ、レッドソックスはボストンです。フィンチはアイオワだっけか。

 

 夫が使っている殺し屋が幼なじみのヤク中であることを突き止めたフィンチは、カーターに助けを求めます。カーターが情報提供を受けた麻薬課の捜査官がキャル・ビーチャー。しょっぱなから口説いてくるぞ!

 

It's always good to have one of you task forcers owe me a favor, especially one who smells like rose petals instead of an ashtray.

殺人課のエースたちの一人から頼られるのはいつだっていい気分だし、特にそれが灰皿の匂いじゃなくてバラの花びらの香りをさせた人ならなおさらだね

Thanks, it's Jasmine.

ありがと。これはジャスミン

No problem.

いいんだ

 

 わくわくするな!いや、この先のこと考えるとめっちゃ辛いのですが、でもこの2人の組み合わせ好きなので。

 

 さて、夫婦がお互いを殺そうとしているのを見て、フィンチはやる気をなくします。こうやって見てると、S1S2のフィンチって救う相手が悪人だったりするとたびたびやる気なくしてますね…。S1E4ではティルマン先生を止めない方がいいかも…とか言ってたし。でもマフィアの回ではやる気なくなったリースに「周りへの被害を防がなくては」とか言ってたな。無実の人が巻き込まれなければどうでもいいスタンスか。ベアーと一緒にワークスペースの周りをぐるぐる歩き回ったりしていてかわいい。

 それにしても、S3でも似たような殺し合い夫婦出てきますが、その時はリースが完全にやる気をなくしてしまってしょうもない結末に終わったのですが、あれ何だったんだろうな。あのエピソード必要だったか?まあともかく、今回のリースはやる気満々です。「総力戦で行くぞ」って。ファスコを呼びだそうとしますが、電話が通じません。フィンチの諜報テクでファスコを捕まえると、彼は高級レストランでデートをしている最中だった…。ファスコかわいそうだな…。R&Fの最大の犠牲者ですね。ファスコに妻サブリナの見張りをさせ、リースはカーターと夫ダニエルを張り込みます。

 

How did two people go from being in love to wanting each other dead?

どうしたら、愛し合った2人がお互いの死を望むようになるんだ?

Being in love is one thing. Being married, a whole different animal.

恋愛と結婚は全く別のものだからよ

Those vows change everything.

誓いの言葉が全てを変えるの

Which one? "Till death do us part."

どの部分が?「死が2人を別つまで」か?

Yeah, something like that.

まあ、そんなとこね

One day you're married to your soul mate, then you watch them turn into someone else.

ある日運命の相手と結婚する。そして、相手が別人になるのを見るの

Sometimes you're so in love with who a person was, you can't bring yourself to love who they've become.

かつての相手を本当に愛しているからこそ、変わってしまった相手を愛せなくなることもある

You ever think about moving on?

次の出会いを考えたことはないのか?

Like dating?

デートとか?

Sure.

もちろんあるわよ

In my spare time, like when I'm not being a single mom or a homicide detective, or whatever this is.

暇があればね。もしシングルマザーじゃなくて、殺人課の刑事でもなくて、こんなこともやってなければ

What about you?

あなたはどうなの?

 

 この2人の会話とても好きだった。カーターはかつて結婚していて、子供までいる。夫は(後で分かるのですが)、従軍のPTSDで別人のように変わってしまった。カウンセリングを勧めても行く気のない彼に、「カウンセリングを受けるまでテイラーには会わせない」と心を鬼にするカーター。恋愛と結婚は別だし、子供がいればもっと別になります。優先順位が、ただの漠然とした愛する気持ちよりも、生活、子育てにシフトしていくから。

 それを知らないリースとすでに知っているカーターの会話になんかときめいた。なんだかんだでリースは純愛を夢見るおじさんなんだけど、カーターは現実を知ってるシングルマザーだもんなぁ。S3で、リースがどんどんカーターにのめり込んでいく一方カーターの方は割と冷静だったのはこういうことなのかなとも思った。リースはカーターのこと好きなんだとこの会話でも感じました。「あなたはどうなの」と聞かれて誰の顔を思い浮かべたんだろうか。

 ここで電話がかかってきて中断するのですが、かけてきたのがビーチャーっていうのがまた絶妙にいい感じ♡ビーチャーが生きてて熾烈な三角関係とかなっても面白かったのに…。カーターの両手に花みたいな(笑)。リースのガチ恋愛エピソード、相手がアイリスだったから受け入れがたかったのであって、カーターだったら全然アリだったよ。。こういう会話の積み重ねがあるから、2人の恋を丁寧に描写してくれたって思えたと思う。

 

 さて、リースはカーターとファスコに協力させて夫婦を拉致。うーん、やっぱカーターはリースに惚れないかも(笑)。やることが荒唐無稽すぎますね。セーフハウスに閉じ込めて、お互いの差し向けた殺し屋を無効化させようとします。しかし2人とも口を割らず、それどころか醜い罵り合いが始まります…。イラつくカーターを宥めるフィンチ。

 

What is this?

これって何なの?

Marriage counseling.

結婚カウンセリングだ

Why not just dangle them off the roof and force them to tell us how to find the hit men?

ただ2人とも屋根から吊るしてどうやって殺し屋を雇ったか話させればいいじゃない

While John would probably enjoy that option, it would be a temporary solution.

ジョンはおそらくその意見を歓迎するかもしれないが、それは一時的な解決にしかならないだろう

We need to make sure the Drakes won't try to kill each other again.

我々は、ドレイク夫妻が再度お互いを殺し合おうとしないことを確かめる必要がある

Maybe it's time to try a different tack.

おそらく、別の戦略を試すべき時だ

 

 リースの上を行くロマンチックおじさん登場です♡愛に夢見るおじさんかわいいよ。愛する気持ちを取り戻させようと、ロマンチックなディナー風のテーブルセッティングにかつて愛し合っていた頃の写真まで飾るフィンチ。この作戦が功を奏します。ぽつぽつと思い出を語り合う2人。「あの時君は妊娠していた…」。夫の呟きに妻は涙を浮かべ、殺し屋を雇った方法を話します。

 

 これ見ると毎回泣くわ。マジでしょうもないと思うんですが、切なくて。仕事一辺倒で互いの生まれ育ちや学歴のことで罵り合っていた夫婦ですが、すれ違った原因は仕事ではなかったんですね。生まれなかった子供のことだった。このやり取りだけでこの2人の間にある触れられない傷が明らかになって、なんか今まではさ、億万長者の経営者夫婦で庶民からは遠い存在だしまあ殺し合ってろよ(はあー)みたいに思ってたのが急に身近に感じられて、切なくなった。

 

 しかしながら2人とも殺し屋を止めるのはもう無理であることが分かり、自宅に戻っておびき出す作戦に出ます。ワインセラーに閉じ込められた2人はすれ違ったきっかけを話し合います。サブリナが流産した後、ダニエルは仕事から離れることを勧めた。彼は彼女の気持ちを思いやって少し休んでほしくてそう言ったのに、彼女はそれを、夫は自分が仕事に打ち込み過ぎたせいで流産したと思っていると受け止め、2人はすれ違います。

 これも、働く女性が抱く罪悪感みたいなのが浮かび上がって胸が痛くなりました。妊娠、出産に問題があったり、子供が小さい頃に何か病気が事故などがあったりすると母親は自分を責めがちです。サブリナも流産のことで自分を責めたのだろう。働きすぎだったのかもしれないと思っていたのは自分自身だったはず。そして夫に仕事から離れるよう言われ、傷ついたのだろう。でもダニエルの気持ちも分かるよね…。流産して傷ついている奥さんに、働けって言わないでしょ普通…。話し合ってさえいれば…。

 2人は今さら互いの真意に気づき、愛を取り戻します。

 いやー、相手を殺すために殺し屋まで雇っておいて元に戻れるとも思えませんが(絶対ちょっとした喧嘩の時にフラッシュバックするよ…)、この2人に関してはまあ面白いのでいいや(笑)。

 

 カーター&ファスコとリースが殺し屋たちを全員無効化し、2人は愛を取り戻してめでたしめでたし。ファスコもデート相手といい感じで(この後全然出てこなくてかなり残念なのですが…)、カーターはビーチャーと食事に行くことになります。

 カーター、ちょっと照れててめっちゃかわいい♡リース君には見せてくれない顔でしたね…。ちょっと妬けちゃいますね…。

 

 最後、廃図書館でリースとフィンチ。

 

Lot of mayhem just to figure out they still loved each other.

あれほど大騒ぎして、まだ愛し合っていると確かめ合っただけか

I suppose anything is worthwhile when life gives you a second chance to be with the one you love.

もし愛する人と生きていける二度目のチャンスを得られるのなら、どんなことでも価値があるだろう

 

 去っていくフィンチの姿を見送るリース。フィンチはグレースを、リースはジェシカを思っていた…。(いや、ジェシカについては私の妄想ですがおそらくは)

 

 

 フラッシュバックはいずれも2006年、フィンチとグレース。

 まずはエスプレッソカフェでのシーン。グレースが過去にヴェネチアにいたこと、コーヒーが好きなことが分かります。フィンチ、グレースとコーヒー飲んでたよね絶対。S5E10で「グレースと初デートで行ったカフェだ」ってとこで、カプチーノエスプレッソ頼んでたし。フィンチが飲んだのがカプチーノかなあ。フィンチがリースに「私はコーヒーは飲まない」って言うの、コーヒーが嫌いなんじゃなくてグレースの思い出が強すぎるからなんだろうなと私は思ってる。コーヒーって香りも強いし、思い出と強く結びついちゃってて辛いんじゃないのかな。

 S5ラストでグレースがいたところ、この回見た時はヴェネチアなのかなあって思ったんですが、描いてる絵を見てフィレンツェかなあとも思い…。分かりません。見る人が見れば場所がどこなのか分かるのかもしれないけど…。

 2人はジョルジュ・デ・キリコの「赤い塔」について語ります。それからイタリアについて。「本当に美しかった」「待ったかいがあった?」「もちろんだ」って会話、人生の後半でようやく君に出会えた、ってことを言いたいのかなと感じた。ずっと待っていたと。

 

 次はネイサンと。ネイサンはフィンチの浮かれた様子に気づいていました。「デートか?」と尋ねるものの、フィンチが誤魔化すと深追いはしません。でも、後日「君には私生活がない。もし恋をしたら秘密主義者だって黙ってはいられないはずだ」という会話もあったから、この後もフィンチはずっとネイサンにグレースのこと話してないんですね。それどころか、彼の前では浮かれたそぶりすら見せなくなったということなんだろう。

 「こんなにそわそわした君を見るのは卒論のプレゼンの時以来」みたいなこと言うから、やっぱりフィンチは卒業したんだな。ネイサンが中退なのはS2E6で分かってるので、フィンチが学年1個上で、フィンチの卒業のタイミングでネイサンも(結婚&起業のために)中退したんだろうという私の思い込みがますます強まった形です。

 ネイサンはオリヴィアと離婚した後でした。友人の結婚式で久々に元妻に会ったネイサン。「話したかったけど話せなかった。憎まれるよりも辛いのは無関心だ」と言います。そして、「恋愛に謎は効果的だが、それは長くは続かない。本当だ。俺は彼女に数えきれないほどの嘘をついてきた。嘘は必ずばれる。嘘をつくな」とフィンチに語ります。

 しかし…。フィンチに嘘つくなって言っても無理なんじゃ…。だって、ネイサンがオリヴィアに嘘つきまくるハメになったのも基本的にはフィンチのせいなんじゃないの??まあちょっとは自分の浮気とかかもしれないけどさあ。結局、仕事のことで大きな嘘ついてるから私生活が破綻したのでは?

 ネイサンとフィンチは親友で、オリヴィアを裏切るような関係じゃなかったのは間違いない。でもフィンチを守るためにネイサンは家族にも嘘をつき続けてる。いつどこで誰と会って何をしているのか本当のことを言えないから、オリヴィアとうまくいかなかったのでは?

 

 ネイサンとグレースは、ほとんどフラッシュバックでしか出てこないフィンチの過去の存在なんだけど、2人ともフィンチにとって都合のいい人すぎるのがほんと分からない。ネイサンはフィンチに何も聞かないし、多分フィンチを隠し通すために私生活も犠牲にしてて、妻とは離婚し息子との関係もぎくしゃくしてる。一体どうしてそこまでフィンチを守ろうとしたの?グレースはどうして「あなたが何を隠していてもいい」と言えるの?何度も書いてるけど、この辺個人的にPOIの大きな謎の一つです。

 まあそれはともかく、フィンチはそもそも本名や来歴から全てを偽っているわけで、「嘘をつくな」と言われてもどだい無理な話です。ハロルド・マーティンさんになってますからね、現状。

 

 次はグレースの誕生日。この回最初見た時はあんまり考えてなかったのですが、2006年のグレースの誕生日ということは、2006年4月です。2人が出会ったのは2006年の1月。てことは、まだ出会って3カ月くらいしか経っていない頃ですね。出会いからほどなくして付き合い始めたと考えて、

初デートはカフェ→そこで、本場のエスプレッソが飲みたいという話になった?→冒頭のエスプレッソカフェへ

みたいな流れだったのかなぁ。

 誕生日、フィンチはグレースに「宝探しゲーム」をさせます。待ち合わせのカフェからアイスクリームワゴンへ、そして花屋へ、その後グレースの持っているバッグから想像するにどこかでプレゼントを受け取り、そして夜、グッゲンハイム美術館に辿り着きます(夕ご飯とかどうなってんの?まだ?一人で食べた?)。美術館貸し切り!フィンチは「ここでガイドをしてるんだ。役得だよ」とか言ってますけど、絶対貸し切ったよね…。そして、ある絵を見つけて息を飲むグレース。「先週届いたんだ。匿名の寄贈で」。

 これ、世界観を考えると絶対フィンチが取り寄せたやつですね。莫大な金の力で。グレースは知らないのですが、あなたの恋人はとんでもない男ですよ…。このフィンチのスパダリぶり震えるわ…。いや、フィンチがスパダリなのはずっと知ってたんですが。

 ちなみに本物の「赤い塔」もグッゲンハイム美術館にあるそうです。以前NY行った時、時間なくて寄れなかったんですよね…。いつか絶対行きたい…。

 最後、フィンチはグレースに何かを打ち明けようとします(ここ、吹替の一人称が「僕」になってて超ときめいた。フィンチは素になると「僕」なんだ。ネイサンとグレースの前で時々「僕」が出るの萌え)。でもフィンチの辛そうな表情を見て、グレースは「そんな顔をするくらいなら言わなくてもいいわ。今じゃなくていい」と押しとどめます。

 

 この回、語り合わないことですれ違い、愛を見失って殺し合うまでになった夫婦を描いたのに、なぜ最後「話してくれなくていい、謎は2人で解いていきましょう」みたいな終わり方にしたんだろう。

 対象者夫婦のエピソードは、正直言って殺し合いまでに発展しちゃったらもう戻れんだろ…みたいな思いもある反面、(殺しを抜かせば)分からなくもないですよね。愛し合っていて、2人で仕事もしていて、でも流産してしまって。彼女をいたわって「少し休め」と言った夫の言葉を「仕事のせいで流産した」と解釈してすれ違ってしまう妻。最後はお互いの気持ちを打ち明け合って再び心が通い合う、って、割と感情移入しやすいし分かりやすいエピソードです。それに対し、「何も話してくれなくていい。何があっても離れていかない」というグレースの言葉、というか彼女の存在は、ちょっと天上のものすぎるといいますか…。

 前も書いたけど(もしかしたら今後も書くけど)、この回でもフィンチとグレースのエピソードはとても美しいんです。でも、同時に、分からない。愛があればいいのかよ。愛だけで全部解決してハッピーエンドになんのか?名前も仕事も存在そのものが嘘でも?2人の恋が恋のまま、“婚約”のまま終わってしまったのにはそういう背景もあるのでは?

 

 この回でカーターも「恋愛と結婚は違う」と言うし、フラッシュバックではネイサンも「偽名のままで結婚はできない」と言う。やっぱり美しい嘘の恋のままでは結婚はできないよ。POIのラストではフィンチはグレースに会いに行くけど、全てを打ち明けて“生活”していく2人になれたんだろうか、って思う。まああのラストは人によって全然受け止め方違うと思うんですが。

 最後、2人は静かにキスをします。出会いから3カ月と考えると、もしかしたらこれが2人の初めてのキスだったのかも、と後から見直してふと思いました。とても美しいシーンです。ほんと、フィンチとグレースの恋はこの世のものとは思えないほど美しいんだよ、いつも。

 

 そんで本当に申し訳ないけど(中の人)2人が夫婦なんでかなりどきどきするよね…。2人のキスシーン見てるみたいでさ…。やっぱリアル妻キャスティングはよくないよ…。こっちがやましい気持ちになっちゃうよ。。

 

POI:ダニエル・ドレイク、サブリナ・ドレイク(2人とも加害者かつ被害者)

本編:2012年(日付はっきりせず)

フラッシュバック:2006年、フィンチ(グレース、ネイサンと。グレースの誕生日のシーンは4月12日ですね)