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01x05 - Judgement 感想

POI感想の注意書きです。

yuifall.hatenablog.com

 この回でPOIに転んだ!という感想をよく目にします。分かるー。エッグベネディクト萌えすぎた。リース君の嬉しそうな笑顔がさ!上司にお勧め教えてもらってそこまで嬉しいかよ(笑)。

 とはいえ、絵面的にはすごく地味な回です。基本的にリース、フィンチ、ファスコと番号対象者の判事のおじさんで展開しますからね。画面に映るのはほとんどおじさんです。あとは東欧系マフィアか。カーターと悪役のアンジェラが綺麗どころかな…。

 

 最初の会話から好き。

 

What's good here?

ここでは何がいいんだ?(何がお勧めだ?)

That won't work, Mr. Reese.

その手は効かないよ、リース君

What won't?

何が効かないって?

Your interrogation technique.

君の尋問技術だよ

What's good here? It's an innocent question.

ただお勧めを聞いただけだ。たわいない質問だろう

No question is ever innocent from you.

君からの質問で意味がないものなど決してないよ

You're trying to determine whether I come here often. Armed with that knowledge, you'll try to figure out where I live.

君は私がここによく来るのかどうか突き止めようとしている。その知識を使って、私の住所を明らかにしようとしているんだ

You're paranoid, Finch.

被害妄想が過ぎるな、フィンチ

With good reason.

それだけの理由がある

Maybe I just don't know what's good here so I'm asking the regular.

単に俺はここでは何がお勧めか知らないから、常連に聞こうと思っただけだ

Enjoy your meal, Mr. Reese.

食事を楽しみたまえ、リース君

 

 この攻防笑えます。No question in ever innocent from youって面白過ぎる。ストーカーだもんね!リース君。まあ、ストーカーはお互い様だけどね!ちなみにWikiには

 

There is the continuous humorous interplay between Finch and Reese as Reese tries to probe into Finch's private life.

フィンチとリースの間には、リースがフィンチの私生活を探ろうとすることによる継続的で滑稽な交流が存在する

 

ってあって笑ったわ。

 

 対象者はサミュエル・ゲイツ、判事です。妻を病気で亡くし、一人息子と暮らしています。「敵が多い職業だ、被害者になるのだろう」と当たりをつけ、周囲を探る2人。そんな中、息子のサミュエル・ゲイツ・ジュニア(サム)が拉致されます。

 「間違ったサミュエル・ゲイツを見張っていた。対象者は息子だった」と言うリースに「マシンは間違わない」とフィンチ。マシンが出すのは名前ではなく社会保障番号ですからね…。息子と間違いはしませんよね。「息子の誘拐は判事の死へと繋がる第一章にすぎない」とリースに警告し、何が起きているのかを探ります。

 

 前回まではフィンチの活躍がいまいちで、リースが一人で頑張ってる裏で「リース君、どうにかしろ」とか言ってるだけのおじさんだったのですが、今回からフィンチの見せ場が増えてとても嬉しい♡

 フィンチは拉致犯が持っていた使い捨て携帯の携帯電話会社をハッキングしてGPS情報を解析し、犯人グループのアジトをつきとめます。そこでリースは犯人の一人を捕まえ、タトゥーからSP-9というギャングが誘拐事件に絡んでいることをつかみます。

 E3の107師団といいE4のメキシコ麻薬カルテルといい今回のSP-9といい、リース物知りすぎじゃない??さすが元国際スパイですね。S3以降、ショウやルートに押されて脳筋キャラみたいにされちゃうけどほんとは全然違うよね。。超かっこいいし超できる男だし。Wikiも後半シーズンのリースの扱いに納得してない人が書いているようで、リースはただのhepler monkeyじゃなくてこんなに有能だし!みたいなことめっちゃ書いてあってかなり共感した。

 

 SP-9がなぜ判事の息子を誘拐するのか分からない2人。判事にかかってきた脅迫電話は、「アンジェラ・マーカムを裁判で無罪にしろ」という要求でした。フィンチはアンジェラを調べ、リースは捕まえたギャングを拷問します。

 リースの拷問地味にきついよね。絵面的にはそれほど陰惨ではないのですが…(むしろ面白い)。リースが拷問で得た住所にサムはおらず、大量の現金が置いてありました。50万ドルと更にもう一人の男を捕まえたリース。フィンチに報告に行くと、「こんなのはした金だよ」と。フィンチはアンジェラを調べて彼女が犯罪組織のマネー・ロンダリングに絡んでいることを突き止めていました。

 この回は2人の連携がとてもいいテンポで進むのも好きです。お互いの調べたことが積み重なって徐々に真相に近づきながら敵を追い詰めていく感じ。リースがファスコとカーターもうまく利用して捜査させるのも面白い。

 

 しかし、2人の必死の努力にも関わらず、結局裁判中にサムは発見できず、いんちき裁判でアンジェラは無罪にされてしまいます。判事は犯人に呼び出され、息子ともども殺されそうになります。そこに現れるのがアンジェラを捕まえたリース。この時の敵との会話すごく好き。

 

Your name is Jarek Koska.

お前の名前はヤレク・コシュカ

Your bank account number is 1278340102.

口座番号は1278340102

Last year you laundered at least $400 million to clients including MS-13, the Sinaloa cartel, and the government of North Korea.

去年お前は少なくとも4億ドルの資金洗浄を行った。クライアントにはMS-13やシナロアカルテル北朝鮮政府もいる

So you got some info from that alcoholic bitch.

お前はその飲んだくれのクソ女から聞いたのか?

I'm the last one you'll ever tell. These aren't good odds for you.

俺はお前と話すつもりはない。お前にはいい賭けじゃないな

I'm not alone.

俺は一人じゃない

Every last dime has been transferred to an offshore account.

1セント残らずオフショア口座に送金した

Do exactly what I say and you might get it back.

俺の言うことを正確にやれば、戻してやる

But if they don't walk out of here alive, every client on your list will be notified that you've lost all their money.

だが彼らを生きて帰さなければ、お前が彼らの金を全て失ったことをお前の顧客は知るだろうな

Then I won't have to kill you.

俺はお前を殺す必要はない

Your clients will do that for me.

お前の顧客が俺のためにやってくれるだろう

 

 アンジェラを捕まえたリースが口座番号を聞き出し、フィンチがハッキングで口座を空にしていました。この連携がほんと好きで…。「お前一人で何ができる」と言われたリースが、「俺は一人じゃない」って言うんだよね。バックにフィンチがいて必ず援護してくれる、という信頼がすでに芽生えておる…。

 このI'm not alone.って言葉かなり胸熱でした。というか、最初見た時はあんまり引っかからなかったんだけど、S5まで見終わってから戻ってくるとこの一言がかなり刺さって…。E3でジェシカに「人は結局一人だ。助けは来ない」って言っていたリースが、もうこの段階ですでに「俺は一人じゃない」って言っているのかと。で、この後「仕事をありがとう」発言に繋がるわけだから、すでに相当フィンチのこと好きだよね??

 前回は悪人であっても人を殺すことを迷っていて、今回は「俺は一人じゃない」と思っているわけで、自分がこの仕事に救われていることを自覚してるんだな、ってかなりじーんときました。この回、「判事は妻を失った。息子まで亡くさせはしない」って張り切ってたもんね。誰かが死ぬ前に助け出すことができるってリースにとっては大きいことなんだろう。

 

 それにしてもこの回一番かわいそうだったのは、ベビーシッターのクリスティーナが殺されたことです。サムの番号も出なかったわけで、一人番号出ると周囲に被害が及ぶパターンはE1から繰り返されていますが、それにしてもクリスティーナかわいそうすぎるわ…。判事が「クリスティーナは妻が亡くなった夜もそばにいてくれた。サムを愛してくれた。彼女はまだ若かったのに」と呟いていて、めっちゃ悲しかった。。

 あと何気に裁判のシーンで出てくる検察官の人好きです。「これって何なんですか判事!」ほんとだよね!あんな明らかなひき逃げが無罪になるなんて。最後フィンチがアンジェラの犯罪証拠データ渡してあげていてよかったなと思いました。

 

 リースの無双も超好きだけどフィンチが活躍する時すっごいわくわくするんで、2人が連携してテンポよく進むこの回はとても好きです。そして最後のリースと判事の会話、そこからのリースとフィンチの会話、たまらんですよね。

 てかPOIってエピソードの最後の最後によく爆弾落としてくるよね…。それもストーリー上のどんでん返しだけじゃなく、R&Fの関係性に関わる何かを…。

 

I wasn't sure I'd ever see you again.

もう一度会うことになるとは思ってもみなかった

Yeah, I'm, uh, not great at keeping in touch with people.

ああそうだな、俺は、あの、人付き合いが得意じゃないんだ

I don't know how to thank you.

どう感謝したらいいのか

You don't need to say anything. I'd prefer it actually.

何も言わないでくれ。本当に、その方がいい

Look...I don't know exactly what you do, or how you're doing it.

あの…私は君たちが何をしているのか、どうやってそれをしているのか正確には分からない

But I know that if people ever find out...When they find out...There won't be anything I can do to protect you.

しかし、もし誰かがそれを知ることがあれば…、君たちの正体が明るみに出たら…、君たちを守るためにできることは何もないだろう

Go play with your son.

行って息子と遊ぶといい

 

What did he say?

彼は何と言っていた?

That we don't need to worry. He might even help us someday.

心配することはない、いつか俺たちの助けになると

I was listening to your conversation, Mr. Reese.

リース君。私は君たちの会話を聞いていたんだよ

And I was reading between the lines.

そして俺は行間を読んだんだ

I suppose only time will tell which one of us is right.

私たちのどちらが正しいか、時間だけが知ることになるだろう

Thank you.

ありがとう

I beg your pardon?

今なんとおっしゃいました?

For giving me a job.

俺に仕事をくれて

Try the eggs Benedict, Mr. Reese.

エッグベネディクトにしたまえ、リース君

I've had them many times.

私はそれを何度も食べたよ(それが私のお勧めだよ)

 

 まず、

I was listening to your conversation.

と言ったフィンチに対して

I was reading between the lines.

とリースが似た言い回し(過去進行形)で返すやり取りが好き。

 それに、フィンチの

I beg your pardon?

って喋り方。英語の基礎を習う時この表現を教わるけど、実際こういう言い回しってあんまりしないみたいなんですよね。直訳すると「私はあなたの恩赦を請います」ってことになってものすごく丁寧な言い方だから、多分日本語にすると「もう一度おっしゃっていただけますか?」とか「今なんとおっしゃいました?」みたいな表現になるのかと。

 このタイミングでその言い回しって、どういう意味なのかなって考えます。単純にフィンチがそういう慇懃なホワイトカラーの話し方をする人間ということなのか、リースのThank youにものすごく驚いたということを表しているのか…。後のエピソードS3E16 RAMでも、死んだかつての部下に同じように「仕事をありがとう」と言われていることが分かるので、もしかしたら「彼も同じことを言うのか」と少なからずショックを受けたのかもしれない。自分が与えたのは感謝されるような良いものではないと。

 ネイティブでないためにこの言葉に込められたニュアンスまで十分に読み取れないのが残念なのですが、少なくともこの言い回しは尋常ではないと思いました。

 GleeのS5でイェール大のおぼっちゃまキャラが一瞬出てくるんですが、自分の母親のことをmy motherって言うんですよね。その時「母上」とか「お母様」みたいな字幕ついてて、周りのキャラがざわついて「おい、聞いたか。こいつ自分の母親のことmotherって言ったぜ」ってシーンがあって。あ、普通、motherって言わないんだ、って思った。MomとかMommyなのかな、普通は。フィンチのI beg your pardon? 聞いてこのこと思い出しました。

 

 最後はやっぱりエッグベネディクトなんですが、これ、フィンチがお勧めを教えてくれたことも萌えだけど、最大級の萌えはやっぱりリースのあの笑顔だよね!心から笑った!っていう。頑ななまでに秘密を守り続けていたフィンチがついにほんのわずか心を開いて、それに思わず笑みがもれてしまったというあの嬉しそうな顔。

 リースの「ありがとう。仕事をくれて」に対してフィンチが心を動かされたことにまず感動して。そしてリースの笑顔にやられました。だって上司がお勧め教えてくれてそんな嬉しい???おかしいよ(笑)!このあたりから始まる心の交流が何とも言えず好きです。

 

POI:サミュエル・ゲイツ(被害者)

本編:2011年10月20日~(と、Wikiには書いてるけど私は日付見つけられずでした)

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