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現代短歌最前線-水原紫苑 感想3

北溟社 「現代短歌最前線 上・下」 感想の注意書きです。

yuifall.hatenablog.com

水原紫苑

 

みづうみ、と呼びかけなりし名をもたぬみづうみわれらを抱かむと来つ

 

 今度は自然シリーズです。「みづうみ」はよく詠まれているテーマですが、この人の歌の「みづうみ」は何かのイメージなのかなぁ…。「名をもたぬ」みづうみに「呼びかけ」て「われらを抱かむ」と来るんですか…。

 「名をもたぬみづうみ」だから、これは現実のものではなくて自分の心象風景な感じがします。「みづうみ」に抱かれたら死にそうですし、「われら」だから心中ですね。なんかこう想像上の美しい心中みたいな…。そう読んでしまうのはちょっと安易な気もするのですけど。

 

惑星となりしは愛か太陽をいかに愛すか告げたまへひとたび

 

 これはおそらく「太陽を愛するがために惑星になったのですか、太陽をどうやって愛するのですか」ということですよね。なんかもう自分の読み方合ってるのか自信ないよ(笑)。

 この「惑星」は地球のことだろうか。それとも、空を見上げて見える、例えば金星のような他の惑星なのかな。「太陽をいかに愛すか告げたまへ」という言葉からは、太陽の愛し方が分からない=太陽があまり好きではないということ?と思ったのですがそこまで読むのは穿ちすぎな感もしますね。。

 しかし、ついつい「太陽」と「月」って比べがちですけど(太陽より月が好き、みたいな)、この歌では太陽と月には全く互換性がないですね。月は惑星の衛星ですもんね。となると、

衛星となりしは愛か地球をいかに愛すか告げたまへひとたび

なら成り立つのか。

 

海よりも山を愛すと語りつつ島めぐるきみ蘭に追はれて

 

 「蘭」って何となく暑い地域のイメージがあったので、「蘭に追はれて」は南から北に夏が始まっていくってことかな?って思ったのですが、調べたら熱帯~亜寒帯まで自生しているらしいです…。そうか…。季節関係ないね…。じゃあどうして蘭に追われちゃうんだろう…。海よりも山が好きなのに島をめぐるの?

 

 この人の歌、短歌界ではめちゃくちゃ評価高いので私もがんばって読みこなそうとするのですが、ほんと、全然分からないです。でも、嫌な感じの分からなさじゃなくて、(個人的な感じ方ですけど)すっごく天然でかわいい女の子といるみたいな感じかな。思考が全然トレースできなんだけど好きで、そして突然、その発想はなかった!って感じの天才的な発言をずばっとしてくるというか。すげーしつこいですけどgleeでいうとブリトニーみたいな感じね(笑)。

 

 

蘭の国出で来よ夏をとりくづし舌交はすごとあなたに捧ぐ (yuifall)

 

 

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