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現代短歌最前線-大辻隆弘 感想1

北溟社 「現代短歌最前線 上・下」 感想の注意書きです。

yuifall.hatenablog.com

 大辻隆弘

 

冬の日のみぎはに立てば too late, it’s too late とささやく波は

 

目覚めよ、と呼ぶこゑありて目ざむればまだ手つかずの朝が来てゐる

 

ひどくさみしい夢を見たのは濃密な、あのアダージョを聞いたせゐでない

 

 音楽シリーズ集めてました。最初の歌はキャロル・キングの”It’s too late”がテーマなのかな? gleeでカバーされてて知った曲です。 この人にとっては何が it’s too late だったんだろうでしょうね。寄せ返す波の音がそう聴こえる、っていうことですよね。肌寒い空気まで伝わってきそうな歌です。

 

 2番目はバッハの『目覚めよと、われらに呼ばわる物見らの声』ですよね。色々な解説サイトさんを発見したのですが、その中に

曲目解説・たまには有名曲も~「目を覚ませと呼ぶ声が聞こえる」BWV140【三位一体節後第27日曜日】: ♪バッハ・カンタータ日記 ~カンタータのある生活~

 

ペストの嵐が吹き荒れるヨーロッパで、人々に希望を与えた、あの、明けの明星の歌と対をなす名曲中の名曲です。

 

とあったので、コロナの嵐が吹き荒れる今ぴったりかもしれませんね。まあ実際の歌詞とか見てるとキリスト教色が強すぎてうまく解釈できないのですが…。「まだ手つかずの朝」って表現いいですね。ラジオ体操の歌みたいですけど(笑)。

 

 3番目はアルビノーニアダージョかな、と思ったのですが、「聞いたせゐではない」のか…。前川佐美雄の

 

二十年前のタキシイドわれは取り出でぬ恋の晩餐に行くにもあらず

 

を思い出したわ。行かないんかい!って。そして「聞いたせゐではない」と書かれているにも関わらず、サカナクション『バッハの旋律を夜に聴いたせいです。』を連想しました。

 

 

第1番第1楽章この月もきみも忘れてしまうのだろう (yuifall)

 

 

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