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現代短歌最前線-大辻隆弘 感想4

北溟社 「現代短歌最前線 上・下」 感想の注意書きです。

yuifall.hatenablog.com

大辻隆弘④

 

十代の我に見えざりしものなべて優しからむか闇洗ふ雨

 

疾風にみどりみだるれ若き日はやすらかに過ぐ思ひゐしより

 

青春はたとへば流れ解散のごときわびしさ杯をかかげて

 

 青春シリーズです。「十代の我に見えざりしもの」が優しいのかぁ。確かに十代の世界って、もしかしたら「優しい」ものが見えていないからこそ生きづらいのかもしれません。。でも若い日は思っていたよりは安らかに過ぎたようで、いってしまった青春にわびしさもあるみたいです。

 どれも分かる気がするな。生きにくいって思いながらも過ぎてしまえばなんてことなくて、自分も友達もなんとなく就職や結婚、出産で道が分かれて徐々に会わなくなっていって、っていう感じ。「流れ解散のごとき」って言い得て妙ですね。今さよなら!ってしたわけじゃないんだけど、なんとなく終わっていくんですよね。

 

 まあー、でもあの日々がずっと続くと考えるとそれはそれで爛れている感じがしないでもないので、いいんじゃないでしょうか(笑)。めっちゃ曖昧な記憶ですが、以前なんかのTV番組でお笑い芸人の誰かが「売れない頃って終わらない青春みたいである意味楽しかった」とか言ってて、モラトリアムで貧乏だったけど貧乏そのものがネタだったりして楽しいんだけどそれに漬かり切っちゃうと売れる努力しなくなって…みたいなこと言ってて、いやー永遠の青春ってマジで爛れてんなーと思いました(笑)。

 まあでもそれが悪いかって言ったらそういうわけじゃないですけどね。そういう人もいていいよね。

 

 

赦されて悪い遊びをしましょうよその盃を受けてあげるよ (yuifall)

 

 

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