2025年5月7-13日
・ユヴァル・ノア・ハラリ(柴田裕之訳)『サピエンス全史』上下
・あをにまる『今昔奈良物語』
・中庭みかな『むすんで、ひらかないで』
・アンソロジー『だから捨ててと言ったのに』
以下コメント・ネタバレあり
・ユヴァル・ノア・ハラリ(柴田裕之訳)『サピエンス全史』上下
ちょっと前に流行ってた本です。本文中の「現在」は2014年なので、10年ほど前ですね。思ったよりも「思考のパラダイムシフト!」ってほどではなかったのですが、ここ10年くらいですでにこういう思考がわりと一般化しているということかもしれない。DNAやミトコンドリアDNAに操られている、という考え方が昔流行りましたが、農業革命や技術革命も人間のDNA数の最大化(人口増加)だけが目的だったとすれば、今起きているAI等のテクノロジー革命、今後到達すると言われているシンギュラリティは何を意味するのだろう。また、「科学技術は人間を幸福にするか」という命題を目にしてからずっと考えていることがこの本でも裏付けられたというか、同じ疑問が呈されていることを興味深く感じました。私個人は、多分近代までに生まれていたら生き延びることはできない個体だったと思うので、現代に生きて空調などが整った快適な個室でさほど苦労せずとも食事にありつけ安価な娯楽を享受できる現代に生きていることを幸福だと感じますが、未来に対する不安は常にうっすら付きまとうので、遺伝的に100%の幸福を味わうことはできない人間なのだろうとも思います。というか幸福とは常に相対的なものにすぎないのだろうと。そして「科学技術は人間を幸福にするか」を考えながら一方で、生物としての“サピエンス”の立場からすると、個人が幸福になる必要はないのだろうとも思う。この本でも書かれているように、じゃあアヘン吸ってりゃいいのかってことになりますし。オルダス・ハクスレー『すばらしき新世界』読んでみようと思いました。
長いですが、とても読みやすくて面白かったです。世界的ベストセラーもうなずけます。ただ、やはり歴史や思想面は西洋に偏っており、東洋に関しては議論が浅い印象でした。大航海時代(西洋の植民地政策)を支える思想・哲学も分かるような分からないような感じだったし…。中国の研究者の人はこういう本出していたりしないんですかね?とても興味があります。
一穂ミチ原作の漫画です。急展開な印象で、なんかよく分からんかった。小説で読みたいです。
・あをにまる『今昔奈良物語』
面白すぎてやばかったです。「ファンキー竹取物語」面白すぎて笑い止まんなかった。初出はカクヨムで、ネット上で全文読めます。
はてなインターネット文学賞、大賞を受賞されているそうで…。さもありなんというか、これは天才の所業でしょ。他もだいたい面白いです。「走れ黒須」「古都路」「若草山月記」あたりめっちゃ好きです。「走れメロス」のパロディは森見登美彦バージョンも面白かったなぁ。
これはマジでおすすめです。短いし、さくっと読めて超笑えます。
・中庭みかな『むすんで、ひらかないで』
一次BL。何で買ったんだったかなぁ…。よく覚えてないし、内容もあまり印象に残ってない。薄幸の美人攻と平凡カワイイ受が5年くらい遠回りしつつ結ばれる話です。
・アンソロジー『だから捨ててと言ったのに』
『これが最後の仕事になる』面白かったのでシリーズ買ってみた。岡崎隼人の「パルス、またたき、脳挫傷」がやばすぎた。2回読み返して、「わからないけど、きみを愛してるんだ」のシーンで(通勤電車で読んでたのですが)ガチ泣きしました。しかし全体的にテーマの「だから捨ててと言ったのに」との関連が無理やりっぽいものが多く、テーマを踏襲している舞城王太郎「食パンと右肘」や最果タヒ「指輪の幽霊屋さん」はあまりにもポエムっぽく、うまいなーと思ったのは多崎礼「海に還る」と金子玲介「恋文」かなぁ。