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03x06 - Mors Praematura 感想

 POI感想の注意書きです。

yuifall.hatenablog.com

 ネットで得た知識によると、

Mors praematura the Latin medical term for premature death.

という意味だそうです。「早すぎる死」はWHOの定義によれば50歳未満での死亡だとか。

 

 この回超好き。ストーリーの根幹に関わる重大エピソードを除けばS3で一番好きかもしれません。

 

I'm in, Finch. Care to tell me where?

入ったぞ、フィンチ。ここはどこか教えてくれるつもりはあるか?

The apartment you're in belongs to Ms. Shaw.

君が入ったアパートはショウさんの家だ

I promised to respect her boundaries, but for eight hours, our agreed-upon means of contact have gone unanswered.

彼女の境界は尊重すると約束したが、この8時間の間、我々の同意した連絡手段に応答がなかった

So you tracked her down.

だから君が彼女を追跡してくれ

Ms. Shaw may be violent and uncommunicative, but she is never tardy.

ショウさんは暴力的で非社交的かもしれないが、決して遅刻はしない

Something is amiss, and I need you to find out what.

何かがおかしい。君に調べてほしい

 

 いきなり「ここはどこなんだ」って、フィンチはどこか教えもしないで侵入させたのかよ。リースはフィンチの言うことなら黙って聞いちゃうのかよ(もちろん全然聞かないこともあるけど)。フィンチの「ショウさんは暴力的で非社交的かもしれないが遅刻はしない」って言い方笑えます。

 リースにショウの探索をさせている間フィンチが対象者に接触していたことに気づき、リースの過保護が炸裂して楽しいぞ。

 

I'm undercover as his new partner.

私は彼の新しいパートナーをよそおっている

Finch, you know I don't like you heading into danger without me.

フィンチ、あんたが俺なしで危険に首を突っ込むのは好きじゃないと知っているだろう

I'm not so thrilled about my current circumstances either, but I need you where you are.

私も今現在の状況に全く喜んではいないが、君には今いる場所にいてほしい

 

 Without meかよ。俺なしで危険な仕事をするな!!なんてこと言うんだ。かつての「俺以外からの電話に出るな」発言を思い出させますね。まあ確かに、最近実行役が2人になってフィンチが図書館から出るシーン減りましたよね…。

 お互いその場で必要な情報を手に入れ、

 

Mr. Reese, I have to leave now. We found what we needed.

リース君、私は今出て行く。必要なものは見つかった

Unfortunately, so did I.

残念だが、俺もだ

Taser confetti, ejected whenever one is fired.

テーザー銃が発射された時に飛び散るタグだ

I suppose it's too much to hope she tasted herself.

彼女が自分自身にやってみたのではないかと望むのは期待しすぎだろうか

Knowing Shaw, it's possible.

ショウを知っていれば、その可能性はある

But if I had to guess, I'd say she's in trouble.

だがもし推測しなくてはならないなら、彼女はトラブルに巻き込まれていると言うだろう

 

 フィンチのショウに対する認識がまた示されて笑える。笑い事じゃなくてルートに拉致されてますけどね!「楽しいことしましょ♡」とか言われちゃってますけどね。

 

 対象者はスローンさんで、弟を殺されたと思い秘密を探っています。比較的早期に被害者であることがはっきりするのでその点でのサスペンスはないのですが、この回とても面白いです。スローンさんいい人で好感が持てるし、フィンチ&リースの2人と、ルート&ショウの2人がそれぞれ別で動くんだけど、ある交差点で全てが交わって衝突するというエピソードの作りも超面白い。やっぱりこの組み合わせが好きだなって思ってしまった。

 S3以降はフィンチ&ルート(ITチーム)とリース&ショウ(殺し屋チーム)で行動することが増えて、両方男女の組み合わせだからバランスよさそうに見えるのですが、POIに関して言えば断然フィンチ&リース、ルート&ショウ、という、バックアップと実行役のコンビを2組作った方がバランスよかったです。会話も(なぜか)この組み合わせの方が色っぽいし。

 

 スローンさんは「弟は絶対ヤクで死んだんじゃない」と信じて弟の家を探っていました。フィンチは最初は身内だからそう思いたいだけなんだろう、という態度を取るのですが、遺品整理のプロであるスローンさんが「ここには高いテレビも、ステレオも、金の時計もある。麻薬中毒者の家にそんなものはない。売れば金になるからだ。代わりに、ハッカーだった弟の家なのに電子機器がない。絶対におかしい」と主張するとその考えに同意し、弟が死んだ秘密を一緒に探ることになります。

 その間にリースはショウがルートに拉致されたことを突き止め、その後なぜかショウがルートと協力関係にあることを突き止め、フィンチにそれを伝えます。

 

Finch, I'm closer to Root and Shaw.

フィンチ、俺はルートとショウに近づいている

From what I'm seeing, it looks less like an abduction and more like a partnership.

分かっている限りでは、これは拉致というよりも協力関係に見える

A partnership? To what end?

協力関係?何のために?

No idea, but with Root involved, anything's possible.

分からない、だがルートが絡めば、どんなこともあり得る

A troubling development, Mr. Reese, and I'm afraid I have another one.

厄介な進展だな、リース君。そして私にもその問題があるようだ

It seems that Mr. Sloan's foster brother Jason may have been murdered by some mysterious group.

スローンさんの弟のジェイソンは、何らかの秘密の組織に殺された可能性がある

You think that same group might be the threat against Sloan?

あんたはその同じ組織がスローンに対する脅威になっていると思うのか?

The only way to know for sure would be to determine who killed Jason and why.

それを確かめる唯一の方法は誰がなぜジェイソンを殺したのかを突き止めることだ

Are you sure you don't need my help on this?

俺は手伝わなくて本当に大丈夫か?

No, Mr. Reese, tracking Ms. Shaw is your top priority.

いや、リース君、ショウさんを追跡することが君の一番の優先順位だ

All right.

分かった

But, Finch, I'm here if you need me.

だが、フィンチ。あんたが俺を必要とすれば、俺はそこにいる

 

 過保護再びです。二次作品におけるセコム化断固反対派ですが、公式でセコムされると震えますね。この But, Finch, I'm here if you need me. 聞いて死んだわ。字幕および吹替では「困ったら呼べよ」になってましたが、フィンチが困った時は、呼ばなくてもいるんですよ…。そこにさ…。これ、どんな翻訳にすれば自分が納得するのか自分でも分からん。とにかく、呼ばなくてもいるの。そこがポイントなんですよ。

 この後フィンチはスローンさんと一緒に謎の倉庫を調べに行くのですが、倉庫内で暗号を発見して写真撮影→倉庫内に閉じ込められてガソリンをまかれる→発火寸前、のところでリースが扉をこじ開けてフィンチを救出します。か、かっこよすぎん???このシーン毎回必ず3度見くらいしてしまう。身体の不自由なフィンチを支えて走るリース、マジでナイトすぎる。ちなみに全く呼んでないよ?呼んでないのにいるんだよ!

 まあこの2人always盗聴し合っているのでフィンチがピンチに陥ったことは分かっていたでしょうが、ガソリンまかれてから発火寸前までせいぜい数十秒程度だったことを考えると、リースは明らかにフィンチを尾行していたことが分かります。tracking Ms. Shaw is your top priority. って言われてたけど全く言うこと聞いてないね!あの瞬間からずっとフィンチに張り付いていたとしか思えないタイミングのよさです。まあどう考えてもリースにとってはショウの追跡よりもフィンチの救出の方がtop priorityですから仕方ないですけどね。

 それにしてもこの倉庫爆破シーンが終わってからあっさり次のシーンにうつりましたが、冷静に考えてみると屋上爆弾ベスト解除事件よりもさらに死に瀕していたのでは??マシンの時間表示によれば、倉庫爆破は19時頃で次のシーンは朝7時台なので実は一晩経ってます。えっ、じゃああのセーフハウスに3人で一晩泊まったのか??とか思ってしまったのですが、まあ普通に考えたらスローンさんだけを泊めて他は自宅に?いや、でもスローンさんの護衛のためにリースは残ったのか?とか色々想像してしまった。あのセーフハウス、バスルームもベッドルームも複数ありそうだから、ガソリンまみれの2人を含む男性3人がいても普通にシャワー&全員宿泊できそうですよね。

 

 今回、フィンチの危機に駆けつけて圧倒的な強さを発揮するリース&バックアップしながらイヤホン越しに銃声を聞いてリースの無事を気にするフィンチのコンビと、謎の音声を聞きながら何でも知ってる風に指示するルート&分からないながらも従って敵をなぎ倒すショウのコンビ、めっちゃよかったです。ルートとショウの方は、スローン弟のジェイソンを助けに行ってます。

 ジェイソンはヴィジランスの一員で、実はS3E2でクルーガーを嵌めたのはこの人っぽいです。でもジェイソンはあくまで脅しのつもりだったのが、ヴィジランスがクルーガーを殺したことで怖くなり、組織から抜けようとして政府に頼ります。組織のことを打ち明けたら証人保護プログラムで別人として逃げられると言われたのに、CIAに死を偽装された後は移送と尋問を繰り返され、裏切られたと感じていたジェイソン。ルートはマシンの指示に従い、ショウの協力を得てジェイソンを助けに向かいます。

 

 リース&フィンチはスローンさんの保護、ショウ&ルートは弟の救出に働き、ヴィジランスも加わって同じタイミングで交差点で全員が激突するんですが、この時車ですれ違いながらリースとショウの目が合う瞬間すっごいかっこよかった!二人が「ショウ」「リース」って言葉を交わすのも超よかったし、ルートが護送車を脱出してジェイソンを助ける時にかかるDJ Shadowの The Number Song もかっこいいです。

 両チームとも対象者は救うのですが、結局ヴィジランスのコリアーには逃げられてしまいます。まあこいつはいいや…。

 

 最後、ジェイソンを逃がした後ピンチに陥ったルートをショウが助けて、ルートは「来てくれるって分かってた♡」とか言うんですが、その後ショウにぶん殴られて笑った。マシンはこの危険は教えてくれなかったのか??ショウ、この時めっちゃいい顔してます。このシーン好き。

 

 マシンが2人の対象者を救うのに2つのチームを派遣したことを「トラブル」と感じるフィンチですが、マシン的にはフィンチに伝える手段ないわけだし仕方なくない??ジェイソンについても「番号」出せよ、ってことか?でもそもそもS1E1から、一人番号が出たら周囲の人間の番号が出ないことはよくあったしスローンさんの番号が出てジェイソンの番号が出なかったことに特に違和感はないのですが…。まあ、フィンチ的にはマシンにショウを攫われたようなもんだから腹は立つのかも。

 しかし一方で、リースは途中でショウを追うのやめてフィンチの危機に駆けつける展開になったわけで、マシンはこれを予測してたんだ♡って思い萌えてしまったのも事実である。別に何も言われなくてもリース&フィンチ、ショウ&ルートのチームに分かれて最後合流する展開になったもんね。とても楽しかったし、ここでルートを捕まえないでしばらくこの2チームでやってほしかったなーと思ってしまいました…。

 

 で、最後なんとフィンチがルートを監禁しちゃいます。驚きの展開。中身が分かってるからアレなんですが、ガワだけ見ると壮年男性が若い女を監禁してる絵面、ちょっと…。フィンチを監禁犯にしないでくれ…。

 

I suppose that even if I managed to get access to a wireless device, the Faraday cage you've constructed in here would prevent me from communicating with her.

もし私がワイヤレスデバイスにアクセスできたとしても、あなたが作ったファラデーケージの中では彼女とコミュニケーションを取れないわ

Your powers of deduction are as ever impeccable.

君の推論の能力はいつものように申し分ない

And your choice of pronoun-- illuminating.

それに君の代名詞の選び方も、啓発的だ

Well, if there's nothing else...

さあ、もし他に何もないなら…

You're going against the machine's wishes by keeping me here, Harold.

あなたはここに私を閉じ込めることで、マシンの意志に反しているのよ、ハロルド

You're only gonna make her angry.

あなたは彼女を怒らせるだけだわ

Can you imagine what a being that powerful will do when she's angry?

もしこれほど強大な存在である彼女が怒ったらどうなるか想像できる?

How can you be so certain, Ms. Groves, that the machine does not wish you to be precisely where you are?

君がなぜそれほど自信があるのか分からないな、グローブスさん、君がいる場所こそがまさにマシンの望んだことではないのだと

 

 マシンをsheと呼ぶルートに皮肉を言うフィンチ。で、「この状況こそがマシンの望みでは?」と。確かにマシン、ショウに殴られること教えてくれなかったし、そもそもショウに協力させたのもマシンの仕業だったわけだから、ルートとフィンチを引き合わせたかったのは間違いない。こういう形で対話することになると想定していたかは分かりませんが…。

 ジェイソンは、マシンに命を助けられて後でassetとして登場します。

 

 HR関係の方は、ついにラスキーがHRに疑問を抱き始めます。実は彼自身もロシア人で、子供の頃から知っていた友人であるロシア人の死体を埋めさせられることになり、HRでいるのがどういうことなのか徐々に気付き始めるという流れ。この人、明らかに20代だし、ロシア人としてNYPDでやっていくことに色々あっただろうし、この後殺されるからほんとかわいそうで…。

 次のE7からE10にかけてHR関係が佳境に向かっていきます。

 

POI:ティモシー・スローン(被害者)/おそらく、ジェイソン・グリーンフィールド(被害者)も対象者だと思われる

本編:2013年(日付はっきりせず)

フラッシュバック:なし