POI感想の注意書きです。
冒頭からフィンチをつけまわすショウとそれをつけまわすリース(笑)。フィンチはいつも誰かしらにつけまわされてますね。でも気づいてる時と気づいてない時があるのが面白いです。S1のMany Happy Returnsでは「私を尾行してたのか!?」ってマジで怒ってましたし。今回は気づいていて、「散歩に最適な日だね」みたいな嫌味言ってくれます。
ちなみにここの角はS1E2 Ghost でリースがフィンチを見失った角と全く同じ場所らしいです。なぜショウとリースのキャラ被せてくるんだろうなー。
この回はS3の敵チームヴィジランスのコリアー君登場回で、新たな強敵!の前振りなのか、チームがほぼ全然活躍せず対象者が殺されるという残念エピソードですね。まあ、対象者も全然感情移入できないタイプの人間なんですけど…。以前もイライアスにほぼやられた時あったのでそんな感じなんですけど、あの時はS1でまだ2人で必死でやってる時期だったので、今回チームになってんのにこのざま感が強く微妙でした。
今回の対象者は個人情報を収集して売る会社の社長で、リースが「マシンに似てるな」と言ってフィンチの怒りに触れます。
He's a data broker.
彼は情報のブローカーだ
What kind of data?
どんな情報を?
Anything you would ever want to know about a person, where they live, work, shop, eat, how much they earn, how they vote, and more.
ある人物について知りたいことは何でもだよ。例えば住所、職業、行きつけの店、食べたもの、年収、政治的立場、などなど
Then he turns around and sells the information to businesses, individuals, even the government.
彼は企業にも、個人にも、政府にさえその情報を売っていることが分かった
Is that legal?
それは合法なのか?
Technically. Data brokers get their information from public records, but also from the ways people reveal themselves online, whether they're aware of it or not.
ある意味では。情報ブローカーは公的記録からそれらの情報を得ている。しかし一方でまた、気づいているかどうかに関わらず、人々がオンライン上に晒している彼ら自身からをも情報を得ている。
Sounds a little like your machine.
あんたのマシンみたいじゃないか?
A principal difference would be that the machine never reveals any of its information, beyond a social security number.
最も重要な違いは、マシンは社会保障番号以上のいかなる情報をも明らかにはしないということだ
So you're not a fan of Kruger's.
あんたはクルーガーが好きではないようだ
People like him are one of the reasons I made sure the machine was an impenetrable black box.
彼のような人々こそが、私がマシンを中を見通せないブラックボックスにした理由の一つだよ
こんな強い意志でマシンの中をブラックボックスにしたのに、マシンが今ルートに情報垂れ流しているのが納得できない私です。社会保障番号以上の個人情報駄々漏らしてるよ。ルートはそれで医者を脅迫してるし(まあ、ルートはマシンがなくても同じことできると思うけど)。マシンはそれでいいわけ??フィンチにあれほどの教育を受けたのにルートに情報渡すの納得いかない。まあ、ルートが自力で収集可能なレベルの情報しか与えてないのかもしれないのですが…。
フィンチがマシンをブラックボックス化した意味合いについてはS2ラストあたりの感想にぐだぐだ書きまくったのでまあ置いておくとして、このクルーガー氏は他人のプライバシーよりも金の方が大事という絵に描いたような悪党です。
最初の取引先との挨拶でいきなり相手に赤ちゃんのおもちゃを渡して、「まだ私と妻しか知らない(懐妊の)ことを…」って驚いている相手に「スーパーの購入履歴から。週2回のワインをやめて、乳製品の購入を増やしましたね」みたいに言うのですが、このプレゼン相当不愉快だよなって思ってしまった。実際、アマゾンは家族や友人よりも早く秘密の妊娠を知る、って言われてますよね。ユーザーの購入履歴から。おそらくネット上で買い物をした経験のある人は誰でも、年齢・職業・家族構成・趣味等を把握されていると感じたことがあるのではと思います。
でもそれで、「最適な情報を提供する」って言われて嬉しい人は果たして存在するんだろうか。むしろキモくないか?購入履歴知られたくないやん…。まあ知られたからって私の場合は開き直れば死ぬほどのことにはなりませんが、やっぱBL関係はなー。公にすることじゃないって感じするよ…。
クルーガーのパーティーに潜入するリースとショウ。
Want to go to a party, Shaw?
パーティーへ行きたいか、ショウ?
Only if you promise to wear something pretty.
あんたがもっとまともな恰好するならね
Mr. Reese, how's the Kruger's party?
リース君、クルーガーのパーティーはどうかな
Delightful.
素晴らしいね
Have you learned anything?
何か分かったか?
Just that Kruger's got a lot of friends, appears to be happily married, and Shaw likes truffled quail eggs.
クルーガーは友人が多く、結婚生活は順調で、それにショウはトリュフのかかったうずらの卵が好きだ
You can't expect me to shoot somebody on an empty stomach.
あたしが空腹な時誰かを撃てるなんて期待しないでよ
I'd prefer you didn't shoot anyone at all.
私は君が誰のことも撃たない方がいい
What about you, Finch? Dig anything up?
あんたはどうだ、フィンチ?何か分かったか?
Yes. Kruger's gone to great lengths to suppress any bad publicity about Lifetrace.
ああ。クルーガーはライフトレースについてのあらゆる悪評を抑制するためにはどんなことでもする
Negative blog posts, news articles, even a class action lawsuit buried in non-disclosure agreements, all scrubbed from the Internet.
ブログの悪い口コミ、ニュース記事、集団訴訟でさえも秘密保持契約に葬られ、全てインターネット上から消し去られた
ここでクルーガーと妻との記念DVD(二人の愛の軌跡みたいなやつ)が上映されるのですが、途中からクルーガーの浮気映像にすり替えられていて大騒ぎに。妻は激怒して去り、パーティーは終わってしまいます。
Mr. Reese?
リース君?
Yeah, someone just turned Kruger's anniversary video into a s*x tape.
ああ、誰かがクルーガーの記念ビデオをセックステープにすり替えた
Oh, my.
なんてことだ
リースがフィンチに「セックステープ」と発言しているだけでなんか…。すみません。フィンチってあんなに他人の私生活を観察している人物であるにも関わらず、「セックステープ」的なものと程遠い存在なのがすごいなーと。そのストイックさが好きなんだよな…。
それにしてもこのLifetrace社の被害者は
・元カレがベッドで撮った写真がアップされており、職場の全員に見られた挙句婚約者にも去られた女性
・同姓同名の連続レイプ犯と同一人物とされたため、職場をクビになった男性
・住所がアップされており、ストーカーに3度も見つかり最後は殺された女性の父親
とあまりにもひどいです。こんな会社じゃあ…。
一方でクルーガー氏も
・過去に自己破産歴と飲酒運転での逮捕歴あり
*飲酒運転って英語でD.U.Iって言うんですね。Driving under the influence の略で、酒や薬物の影響下での運転、という意味らしい。
・妻以外の女性と関係を持つ
・秘書に対するハラスメント発言
と、全体的に脇の甘い人で、こんな人がよく他人の個人情報売ってたなーと…。自分も同じことされるとか全然思ったことないのかな。
今回チームの対応が全体的に後手後手で、どうしてこうなった、って感じが否めません。エレベーターや車のシステムが乗っ取られてクルーガーが危機に陥るんですが、今までだったら全く同じパターンでもフィンチがハッキングしてどうにか止めていたのに今回は外部からの通信を完全に遮断されており、全くアクセスできません。
these sophisticated attacks
とフィンチは評してますが…。
対象者をセーフハウスにまで連れて来て保護しようとしたのにリースもショウも出て行ってフィンチが頭殴られて気絶し逃げられてるし。どっちか残れよ!って思ってしまった。
全体的にショウは活躍の機会がなく、リースは復讐を誓うハーパー氏は止めますが、コリアーに撃たれて倒れている間にクルーガーを殺されます。
コリアーは言います。
What is lost when your privacy's stripped away.
プライバシーが剝ぎ取られたら何を失うのか
Your identity, your job, your family, security, everything.
それはお前のアイデンティティ、仕事、家族、安全、全てだ
クルーガーは実際、浮気がバレて妻に去られ、口座番号の流出で金を失い、不祥事で会社を失い、最後は命を奪われました。
いやー、そりゃLifetrace社レベルの個人情報垂れ流しされたら何でも失うよね…。住所に元カレが撮った写真に犯罪歴(デマも含む)だもんね…。コリアーが復讐の対象に「政府」も挙げたところで、「マシン」と敵対する存在になるのかなってところを匂わせて終わります。
今回はまた強敵登場!の回だったから後手後手だったのかしら。対象者も嫌な奴で、死んだことにも同情薄い感じだったし…。それにしてもショウとフィンチの会話、
I gotta ask, though, is this guy even worth our time?
聞きたいんだけど、でも、この男に私たちの時間をかける価値ある?
You know, that's not a question we entertained when we saved you, Ms. Shaw.
それは我々が君を救った時に我々が考慮した疑問ではないね、ショウさん
っていうのおかしかった。ショウが「はあ?」みたいな顔で見るのも。Entertainには「考慮する」「考えを抱く」という意味もあるんだそうです。
S3はマシンの解放、サマリタンの起動と個人情報を収集されたくないヴィジランスの三つ巴的な感じになります。
正直この回あたりからPOIつまんなくなるんだよなー。てか、面白い回とつまらない回が出てくるというか。S1S2あたりはほとんどつまらない回ってなかったんですが、S3あたりからは如実につまらない回と面白い回に分かれます。
今まで、「人助けからAI戦争に変わっちゃって」うんぬんと散々書いてきたんですが、よく考えたらS3のヴィジランス関係とS4のブラザーフッド関係が全部ハマらなかったので退屈だったような気がする。ヴィジランスはマジでしょうもないし、ブラザーフッドは今さらギャングの抗争入れてくんなよ感がすごかったし。せっかく黒人男性キャラ出してくるんだからもっといい感じに使ってくれよ…。本筋も、マコート議員を殺す殺さないの葛藤とグレース誘拐でフィンチを極限まで追い詰めておきながらラスト2話がいまいちでさぁ…。デシマはほぼグリア一人でもってるようなもんだし、ヴィジランスの魅力が微妙だからピンと来ないんだよな。コリアー君は小物すぎますし…。
そういえば冒頭でカーターがビーチャーのお墓参りしてるんですが、1968年7月28日生まれでびっくりした。亡くなったのは2013年4月5日。44歳??カーターは1972年生まれらしいので、年上でしたね。私、ずっとビーチャーはカーターより年下かと思ってた。見た目若くないか??見た目で全然年齢分からないです…。
POI:ウェイン・クルーガー(被害者かつ加害者)
本編:2013年(日付はっきりせず)
フラッシュバック:なし