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読書日記 2025年6月25日-7月1日

2025年6月25日-7月1日

・柚木麻子『BUTTER』

・國友公司『ワイルドサイド漂流記』

青柳碧人赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。』

青柳碧人『むかしむかしあるところに、やっぱり死体がありました。』

青柳碧人『むかしむかしあるところに、死体があってもめでたしめでたし。』

青柳碧人赤ずきんピノキオ拾って死体と出会う。』

 

以下コメント・ネタバレあり

・柚木麻子『BUTTER』

 うーん。。絶賛されてるらしいけど、この人の本あんま合わないかも。前『カフネ』(阿部暁子)の感想にも書いたけど、女が親しい人とおいしい手作りご飯食べて再生みたいな話は全然響かん。だから何だって思ってしまう。ご飯を作る途方もない手間と食べてる時間の一瞬の幸福と片付けの手間が人生に重ね合わせられ、食べてる一瞬の幸福にフォーカスしたところで終わられてもうんざりという感じです。それで何か解決した気になってんじゃねえぞと。

 ただ、シスターフッドがモチーフの話にもやもやしてしまうのは、多分私自身が女の集団で浮く女だからだろうなとは思う。結局、男に愛される女やバリバリ仕事できる女よりも、女の集団でうまくやっていける女とか年を取っても心を許せる親友がいる女が一番強いと思うよ。だから、この小説内で魔性の女として描かれる梶原の魅力がいまいち分かんなくて、男に愛されたから何?って思ってしまう。ていうかこの人のやってる「愛され」は需要と供給の交換であって相手に人格を受け入れられてるわけでもないですし。まあ、モデルになった木嶋佳苗事件で彼女の容姿を叩いてる人たちにはうんざりしてたからその点は共感しなくもないです。犯罪者の容姿なんてどうでもいいし、ロマンス詐欺というのはターゲットマーケティングであって本質的には美醜の問題ではないということが理解できていないんだなと思ってました。でも、この本の中でもちょっと触れられてたけど、女性をルックスによって現実の存在と非現実の存在で分けてるからそういう容姿叩きが発生するのかもなぁとは思った。美女は非現実の存在だから自分には手の届かないのは仕方ないが芸能界にいたりロマンス詐欺していたりしても納得はできて、一方で不美人は現実の存在だから自分の恋人や妻はブスでも仕方ないけど芸能界にいたりロマンス詐欺したりするのは許さんと。“安全な”(見下してすらいた)相手に裏切られたという感覚がより怒りを掻き立てるんでしょうね。

 時々はっとするような文章に出会う瞬間もあるんですけど、でもなんかこの人の小説って主張が強いんだよな。作者の言いたいことが透けて見えるというか。なので押しつけがましく感じてしまってどうもダメです。あとやっぱシスターフッドがモチーフの話でも、ちゃんと男と恋愛をしている(というか男と心を通わせている)女が出てくる方が好感が持てる。別に恋愛小説が読みたいわけではなく、男と恋愛をしたり家庭を持ったうえでそれでも主体的である、自立している、女と友情を築ける、という女を描けてこそと思うからです。女としか関わらず、女の気持ちしか分からず、女とべたべたして、友情や仕事の相手ではなく恋愛対象としての男を排除した空間で女の生き方言われてもなんか独りよがりな感じするんだよなぁ。

 

・國友公司『ワイルドサイド漂流記』

 今までのルポが面白かったので買ってみましたが、これはなんかイキり感が強くて微妙でした。本人もあとがきでちょっと「イキってた」みたいに書いてたけど、横浜エピソードだけじゃなくて全体に自己主張が強すぎる。今までのルポは「自分が見てきた人、見てきた街」が主役だったけど、エッセイは「自分」が主役だからですかね。そう考えたらしょうがないのか。中身は面白いんですが…。

 しかし『ルポ西成』では西成に78日程度しかいなかったことやこんな「誰にでもできる仕事」はきついみたいなことさんざん書いてたのに、このエッセイでは「自分は元西成の肉体労働者である」とか言ってるし、ゲイマッサージ店で働いてた過去を「自分は男娼だった」とか言ってる一方で「自分はノンケなので肛門を差し出す気はない」とかも書いてるし、全体にちょっと自分の体験を大げさに盛りすぎじゃないですかね?例えば初期研修医の時に数か月間だけ外科をローテしてたからって「自分は元外科医」とか言わないし月に何度か救急で当直してたからって「自分は救命救急医」とは言わんじゃん。他のとんでもないエピソードもこの人盛ってんのかな…と感じてしまってなんかなー。。まあ、なんにせよ、常人にはできない体験をしているとは思います。

 

青柳碧人赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。』

 シリーズまとめ買いしてみたので読んでみる。これは西洋の童話モチーフの特殊設定ミステリです。面白いようなそうでもないような…。解説に「あまり小説に馴染みのない中学生にもおすすめできる」みたいなこと書いてたんで、子ども向けなのかなぁって気もする。パスティーシュあるいはクロスオーバーという形式もあまり好きじゃないし…。でも文章やトリックは面白いです。なので嫌いではないんだけど、面白かった!って感じでもなくどうもしっくりこない。

 

青柳碧人『むかしむかしあるところに、やっぱり死体がありました。』

 続けて読んでます。「おむすびころりん」と「わらしべ長者」は比較的面白かったけど、「猿蟹合戦」「ぶんぶく茶釜」は飽きた。「かぐや姫」は納得いかない部分もあったけど主人公と友達の関係に若干萌えたのでまあいいや(友達死んだけど)。

 

青柳碧人『むかしむかしあるところに、死体があってもめでたしめでたし。』

 最初の「こぶとりじいさん」からすでに飽きてて、ちょっとどうしようと思いながら読み進める。全部読んだけどいまいち覚えてないな…。ていうかこのシリーズ、「むかしばなしモチーフならその世界観をみんなが理解しているため、特殊設定ミステリの“特殊設定”部分の説明がいらないから面白い」と解説にさんざん書かれている割に、雪女や傘地蔵の原作には登場しない“若返りの泉”トリックなんかが盛り込まれていたりして、特殊設定クロスオーバーすぎて読んでて疲れた。

 今週の読書こんなにスカッとしないの、私のコンディションの問題だろうか。どうも読み進まなくて週末はずっと二次読んでました。。

 

青柳碧人赤ずきんピノキオ拾って死体と出会う。』

 ここまで買ったのでとりあえず。白雪姫どこかで再登場するのかと思いきやしなかったな…。シリーズの別の本で出てくるんかな。作者男性ですが、こんなキャラクター描いておいて実際に現実で悪い美女にたぶらかされたらどうすんのかなーとかメタなことが気になってしまった。悪い女でもいいって思うのか、顔はかわいくてもこんな女はきついなーと思うのか…。

 五月女ケイ子の表紙がインパクト強すぎで時々「おすすめ」に出るから気になってたのですが、どんなもんか分かったので満足しました。