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01x08 - Foe 感想

POI感想の注意書きです。

yuifall.hatenablog.com

 この回は何度も見たのですが、見るたびに印象が変わります。初回は、番号対象者がドイツ人スパイだから絵面やストーリーは地味だなーって思ってて、でも2人のやり取りが全体的にすごく好き♡くらいの感じでした。

 S3半ばくらいまで見てその先が見られなくなってS1S2を何度もリピートで見てた頃、この回ではリースとコール(対象者)の人生が重ね合わせられていることがようやく実感として理解されてきて、最後、S5ラストまで見て戻ってきた時、泣きました。

 

 S5はファイナルシーズンのためかおそらく今までのシーズンの伏線回収とかオマージュになるシーンが散りばめられていて、S1E1ではフィンチがアナログテープでリースを勧誘したのに対しS5E13ではマシンがアナログテープで再起動したり、S1E1でリースが見上げた監視カメラとS5E13ラストにショウが見上げるカメラが同じとか、他にもいくつかあったのですが、S5E12の「マシンがない世界のシミュレーション」でジェシカがリースの闇に気付いて拒絶しリースは死んでしまう、というストーリーはこのエピソードのオマージュだったんじゃないかと思いました。

 だからリースに撃たれてコールが死んだとき、コールが「彼女を思う心だけは誰にも奪われなかった」と言った時、泣きました。コールはフィンチに出会えなかったリースでもあるし、ジェシカに拒絶されたリースでもあったのかもしれない。

 

 冒頭、グランドセントラル駅にいるコールとそれを追うドイツ人エージェントのシーンが描かれます。マシンがコールのフェイクIDと本名を検索してコールを「Irrelevant」と認識し、「CONTACTING ADMIN」と表示するシーン。マシンがフィンチを「ADMIN」と認識していることがここで初めてはっきりします。そしてドイツ人エージェントはコールを探そうとしてるんですが、手に持っているのはなぜか昔の写真…。なぜ??最近脱獄したんだから最近の写真あるんじゃ?

 見直してみると冒頭の「CONTACTING ADMIN」にちょっと興奮しました(笑)。この部分だけ何回も見たよ。

 

 エピソード始まりの2人の会話もいつものごとく好き♡

 

No, thanks. I don't drink coffee.

いらないよ。私はコーヒーは飲まない

Sencha green tea... One sugar.

煎茶、砂糖1個

You've been paying attention.

君は観察していたようだね

Relax, Finch. It's just tea.

リラックスしろよ、フィンチ。ただの茶だ

I haven't guessed your favorite color yet.

俺はまだあんたの好きな色すら推測できない

 

 好きな色って何だよ(笑)。一緒に働いている人の好きな色など全然知りませんけど…(一人だけ、持ち物全部ピンクの人いるからそれは分かるけど)。とりあえず飲み物の好みは把握したと。

 フィンチはグレースとエスプレッソとかカプチーノ飲んでいたはずだし、普通にダイナーでコーヒー飲んだりとかしてたシーンもあったけどどういうことなの?私は、フィンチはコーヒー嫌いなんじゃなくてグレースの思い出が濃すぎて飲めないんじゃないかって思ってるんですが。

 しかしさ、飲み物が「煎茶」であることが分かるのはともかくとして(後日ゴミ漁ってカップのチェックしてたし)、なぜ砂糖1個まで分かるの?残ったお茶舐めたの??普通に砂糖入れている場面を目撃したと考えるのが妥当でしょうか。

 あと、リースはよくフィンチに向かってRelax, Finch. って言いますが、あの囁き声でRelaxって言われても全然リラックスできません。Rod StewartのDa Ya Think I’m Sexy? の Relax, baby, now we all alone. って歌詞が頭にちらつくよ…。アドレナリン迸るわ。フィンチさんはリラックスできんの?あれで。

 

 2人は対象者について調べますが、速攻でスパイであることを見抜きます。話早っ。フィンチは本屋の店員を脅して80年代のスパイの情報も手に入れちゃうぞ。ネットにない情報の手に入れ方も知ってるなんてすごいなー♡

 「どうして潜水艦の設計図のことを知っている?」と聞かれて、

 

Told you...I'm a sucker for surveillance.

言ったでしょう…、私は情報収集に夢中だと

 

って答えるのすごい笑った。Sucker forってこういう時にも使うのか…。Jonas BrothersのSucker 思い出してしまったよ。。ちなみに調べると「~が好きでたまらない」とか「むやみやたらと好き」とか「~に弱い」とか出てくるので余計笑えます。

 

 フィンチの調べで、コールは80年代にスパイとして活躍し、4人チームの中の暗殺担当だったこと、87年にブロンクスに墓地を買ったこと、その年に妻とソビエトに亡命しようとし、妻は交通事故で死んだこと、その後消息を絶ち、89年にベルリンの壁が崩壊してからは一切行方が分からなくなったことが分かります。

 リースはブロンクスの墓地で東ドイツマルクを発見し、ここにはフェイクIDと武器と金を埋めていたのだろうと推測します。昔の仲間がターゲットになると考え、かつてのスパイチームの居場所を調べようとする2人。「全員がNYにいるのか。身を隠すには一番の場所だろ?フィンチ」とリースは自分たち2人の状況を皮肉ります。

 手を尽くして調べるも、コールはかつての仲間を次々に殺していってしまい…。そこにドイツ人エージェントも絡み、ファスコとカーターの捜査も絡み、ストーリーは割と単純ですが面白いです。

 リースがドイツ人エージェントをぶん殴り、ファスコに電話して「人が死んでる」「こっちは通報がないと動けない」「通報はある。発砲が聞こえたと」「発砲があったのか?」で、リースが発砲する、ってシーン笑えます。

 あとはフィンチがNY在住ドイツ移民会みたいなやつのウェブサイトに侵入し、「彼らはopen SSH secure proxyさえ使っていない。私はログインフォームのクローンを秒で作ってどうこう」って言ってリースが「要点を言え」って遮るシーンも笑った。フィンチが自分のやっていることをぐだぐだ話すシーンいつも超好き。

 

 ファスコとカーターに質問されたドイツ人エージェントは、コールの犯行を止めようとして少しずつ内情を明かします。彼が東ドイツのスパイだったこと、何人ものドイツ人を殺した彼をドイツとアメリカの合同捜査で捕えたこと、裁判なしに投獄し24年が経ったこと、年老いたコールを別の刑務所に移送する際に脱獄されたこと。

 てことはコールはずっとアメリカ国内にいたのか?だからドイツ人エージェントは昔の写真しか持ってなかった??でも、全て聞き出す前に領事館から人が来て、エージェントはドイツに戻されることに。

 

 この回のハイライトはなんといっても、リースがドイツ人エージェントの乗った車を狙撃するシーンですよね!

 

I found their position, Mr. Reese, but how do you intend to stop them?

彼らの位置情報は把握したよ、リース君。しかし君は彼らをどうやって止めるつもりなんだ?

Mr. Reese, I'm highly uncomfortable being here.

リース君、ここにいることは非常に居心地が悪いよ

I'm highly uncomfortable having you here, but I need a spotter.

俺だってあんたをここにいさせるのは非常に居心地が悪いが、スポッターが必要なんだ

Range it.

距離は?

I don't know. 500 yards?

分からない。500ヤード?

Six.

600だ

45-degree oblique wind...

45度斜め方向の風

3/4 value wind speed.

風速3/4

Very impressive, Finch.

素晴らしいな、フィンチ

What if you miss?

仮に外したら?

I wouldn't know. Never have.

分かるはずがない。外したことはない

 

 フィンチの

I'm highly uncomfortable being here.

って言い方が好きだし、それに対してリースがその口調を真似て

I'm highly uncomfortable having you here,

って返すの面白いなーと。日本語だとどういう感じのやり取りなんだろう。

「この状況は非常に落ち着かないな」

「俺もあんたを巻き込むのは非常に落ち着かない」

みたいな感じ?あんまり話し言葉っぽくないですよね。多分リースは普段highly uncomfortableなんて言い方しないのでは。あとフィンチがbeing hereって言っているのに対してリースがyou being hereじゃなくてhaving you hereって返すのは、フィンチがここに必要だからわざわざいてもらっているというニュアンスを感じてときめきます。まあ、スポッターなんですが(笑)。ここで目を剥いてるフィンチが可愛すぎて…。あと目に望遠鏡?みたいなの当てて一生懸命スポッターしてるフィンチも超かわいい。

 でも素人がいきなりスポッターなんてできるわけないんじゃ…。まあフィンチは全米ストームチェイサー協会の会員だから風を読むくらい余裕なのか。しかしその後の会話、「500ヤード?」「600だ」「風向きは~風速は~」「素晴らしいな、フィンチ」ってやり取り見てると、戦場でもないのにほんとにスポッター必要なのかよって気がしないでもない。自分で全部把握してんじゃん。

 そして最後、

What if you miss?

I wouldn't know. Never have.

かっこいいー!!この時のリースのしゃべり方、あのウィスパーヴォイスで語尾が全部上がっててめちゃくちゃセクシーです。「さあな。外したことないから知らん」って!!私失敗しませんから!このNever haveを日本語で端的に訳すにはどうしたらいいのかなあ。「外さない」じゃないんだよね。「今まで一度も外した経験がない」って言ってるんだよね。「さあ。経験ないな」くらいの感じかな。

 あとここで耳塞いでるフィンチが超かわいい♡せっかくのリースのセクシーヴォイス聞いてないな、多分(笑)。

 このシーン常に4回くらいリピートで見てしまいます。そのたびリースを見たりフィンチを見たりしてるんですが、リースはVery impressive, Finch. って言った後息をふーって吐いて集中しようとしてて、フィンチは全然それに気づかずWhat if you miss? って話しかけたあげくに耳をふさぎ、リースはせっかく集中してたのに律儀に I woudn’t know. Never have. って返事してフィンチはそれを全然聞いてない、っていう2人のやり取りが超面白いです。

 

 さて、アーニャが生きていることが分かり、2人はようやくコールに先んじてアーニャを保護します。フィンチがアーニャと一緒に脱出し(この時車運転してんの一体誰??)、リースは残ってコールを説得しようとしますが捕まって拷問を受けます。「16時間電気を流されたこともある」と言いながら拷問に耐えるリース。スパイ時代のフラッシュバックが重なります。

 

 今回のフラッシュバックは2006年、リースとカーラ@ブダペストですね。S1E3のフラッシュバック、ジェシカと空港で会った直後くらいなので2月頃かな。この時リースはカーラと初対面です。空港でジェシカに「転職した」と言ってたから、CIAになった直後くらい。この時のマシンのサーチ画面に「NCSのアーカイブ映像にアクセス」とあったので、リースとカーラはNational Clandestine Service所属だったようです。ちなみにNCSで調べるとCIAのサイトに行きあたり、こんな風に書いてました。

 

The National Clandestine Service (NCS) is the undercover arm of the Central Intelligence Agency (CIA) and the authority on all clandestine operations throughout the world that concerns the nation’s intelligence community.

 

 カーラはリースに今の任務について教えます。潜入は一生続くこと、もう戻れないこと。今までの名前ももうあなたにはない、昔の友人もいない。私たちは闇に生きているの、分かる?と。リースに酒を勧め、「勤務中は飲まない」と答えたリースに「じゃあ今から飲みなさい」と、勤務時間がずっと終わらないことを暗に示します。

 カーラ様すげー迫力。リースが借りてきた猫みたいになっとる…。吹替の喋り方もかっこいいです。吹替はカーターとカーラがすごい好きなんだよなー。リース、ルート、ショウ、ファスコも悪くないです。でもフィンチがどうしても個人的に合わなくて…。てかエマーソンさんが完璧すぎて…。

 

 拷問を受けながらも、スパイ同士妙な絆が生まれるリースとコール。馴れ合ってるわけじゃないんだよね。実際、撃たれそうになるし。でも、分かり合っているというか、そんな感じです。リースはコールの境遇に自分を重ねている。国に「君が必要だ」と言われてスパイになったのも、人殺しは好きではないが得意なのも、政府に裏切られて殺されかけたのも、恋人(妻)を奪われたのも、復讐を考えたのも同じです。「24年間今日のことだけを考えてきた」と言うコールに、「復讐は何も生まない。明日はどうするんだ」と話すリース。でもリースはきっと、コールに自分の言葉が届かないことも知っていたと思う。自分だって復讐したし、明日なんてなかったから。

 

 一方フィンチはアーニャを保護しようとしますが、アーニャは誰かに必死で連絡を取ろうとし続けています。「話してほしい」と頼むフィンチにアーニャは過去を打ち明けます。夫がスパイであることは知っていた、でも愛し合っていた。ソビエトに亡命しようとしたがアメリカに捕まった。そこで夫の本当の仕事を知らされた。夫が何人もの人を殺していたことを知り、怖くなった。嘘をついていたのは彼の方と自分に言い聞かせ、交通事故死をよそおい夫を見捨ててアメリカに亡命した。

 その理由はアーニャの家で明らかになりました。コロンビア大学のトレーナーを着て笑う若い女性の写真…。コールとアーニャには娘がいた。「私の母に似ている」と、自分の娘であることを確信したコール。大学に行けば彼女に会えることを知り、リースを殺して去ろうとします。そこに間一髪現れたのはファスコでした。フィンチはリースと連絡が途絶えたことを心配し、ファスコに連絡して助けに行かせていました。

 

 コールとアーニャがセントラルパークで最後に交わす会話、S5ラストまで見てから見直すととても悲しい気持ちになります。

「私の夫には別の顔があった。殺人者だった。私は身ごもっていて、怖かった。あの時の私を許して」

 アーニャは、娘には「父は英雄だった。私たちをアメリカに逃がして死んだ」と言い聞かせ育てていました。

「あなたがいなければ今の私たちはなかった」。そう言ったアーニャに銃を向けたコールをリースは射殺します。

 

Ulrich, no. No, no.

ウルリック、そんな…

Finch, get them out of here.

フィンチ、彼らをここから連れ出すんだ

You were right to fear me. You were right.

君には私を恐れる理由があった。君は正しかった

Empty.

空だ

I wouldn't have hurt her.

私に彼女を傷つけられるはずがないだろう

I never had a tomorrow.

私には明日はない

How did you know I'd shoot?

なぜ俺が撃つと分かった?

You are a soldier, like me.

お前は兵士だ。私と同じように

They took everything I had.

彼らは私の持っている全てを奪った

But part of me survived.

しかし私の一部は生き残った

It was her...

彼女を思う心だ…

 

 コールが彼女に銃を向けたのは、彼女に「この男から逃げた自分は正しかった」と思わせるためだった。自分を捨てた彼女を許し、リースに自分を撃たせます。妻と娘と一緒に暮らしていく「明日」は人殺しの自分にはないから…。

 最初にも書いたけど、S5まで見てから見直すと、「マシンがない世界のシミュレーション」でのリースとジェシカの姿にコールとアーニャを重ねて見てしまいとても切ない気持ちになりました。

 POIのストーリーが進むたびに何度も何度も思うことなのですが、リースを幸せにできるのはフィンチしかいなかった、っていうのがやっぱりここでも考えさせられて本当に切ないです。リースの幸せは女性との恋愛じゃなくて、生きがい、仕事をくれる人だったんだと。政府に裏切られ、恋人を奪われたリースは復讐を果たしたけど、「明日」はなかった。リースに「明日」をくれたのはフィンチです。フィンチとの出会いがあって生きがいを得て、もしかしたらその先に誰かとの恋愛があってもよかったのかもしれないけど、だけどリースはやっぱり人殺しだから…。カーターかアイリスか誰か分からないけどなんにせよ相手がまっとうな堅気の人間だったら、どれほど思いあっても結ばれたかは分からない。ショウじゃダメだしなー。どんな道を選んでもあの結末しかなかったのだろうか、ってここでも考えてしまいました。

 

 まあ、でも、POIはリースの物語で、リースの幸せのためにいるのがフィンチってキャラクターだったんだろうなと思う。リースは最後救われて死んで、フィンチには救いはなかったもん。ていうか作中でフィンチが精神的に救われるシーンはほとんどなく、ずっと、グレースが待ってるからいいっしょ?みたいな雑な扱いだったからね…。

 

 それにしてもリースがフィンチの目の前で人を殺したのってもしかして初めて?フィンチ棒立ちでしたね。フィンチはアーニャと車で話している間からずっと複雑な顔をしていた。フィンチもコールの境遇をリースと重ねていたんだと思う。国に人殺しにさせられ、愛する人を奪われ、政府に裏切られたリース。でもその裏にはずっとマシンの存在があって、フィンチはずっと密かにリースに負い目を感じていて…という。この時そこまでストーリー出来上がっていたか分からないのですが、後から見てもそのストーリーと破綻ない演技をしてるエマーソンさんがほんとすごいな。

 

 ラストシーンも印象的でした。まずはリースとカーラのフラッシュバックが再び入ります。

 尋問なしに対象者を射殺したカーラに疑問の目を投げかけるリース。カーラは「これで正しかった」と言います。

 

We don't have time for questions--Only answers.

質問の時間なんかない。あるのは答えだけ

These men took a bribe to let a mass murderer escape.

この男たちは賄賂を受け取って大量殺人犯を逃がしたのよ

How do we know it was them?

それが彼らだとなぜ分かった

Anonymous source--Very reliable.

匿名の情報…とても信頼できる

You need to know this is right?

これが正しいかどうか知る必要がある?

I'll tell you one last time before it gets complicated.

面倒なことになる前に最後に一度言っておくわ

This is right. The threat is real.

これが正しいの。脅威は本物よ

Your country needs you.

国はあなたを必要としてる

No teeth, no fingertips.

歯と指紋は残さないで

One last thing...You don't have any old friends.

最後にもう一つ…あなたに昔の友達はいない

You see them...You don't know them.

彼らと会っても、あなたは彼らを知らないの

We're walking in the dark here, you understand?

私たちはここで闇の中を歩いている。分かる?

 

 マシンが正式に政府の手でオンラインになったのが2005年の2月24日で、2007年にはすでに多くのテロが阻止されたことがS1E2でフィンチによって語られていることから推測すると、ここでのカーラの情報源はマシンである可能性が高いですね。当時カーラとリースは「有用」番号に対応するエージェントだった?でも顔認証が青枠じゃないから、やっぱりマシンじゃないのかな。

 リースにとってはあの空港が普通の人生を送るための最後のチャンスだった。でもジェシカに「待ってほしい」と言えなかったリースはスパイになり、マシンの運命に巻き込まれていくことになります。

 これ見ると、コールは妻と一緒に逃げようとしててチームに裏切られたけどリースは自ら全てを捨てて工作員になったわけだから、リースの方が闇が深い感じするよね…。

 カーラはリースの工作員名をいくつか考えるのですが、どれもいまいちピンと来なかった。最後に「ひらめいたわ。あなたは…」と言ったところで、現在のシーンに移り変わります。「リース君」と呼びかけたのはフィンチでした。

 

Mr. Reese.

リース君

After all that, he goes in the ground under a name that isn't even his.

結局のところ、彼は彼のものですらない名前の墓に眠ることになるわけだ

The German government will sweep the whole thing under the rug.

ドイツ政府は全てをなかったことにするだろう

And Ulrich Kohl never existed.

Ulrich Kohlは存在したことはないと

I always thought I'd die in a place that didn't know my name.

いつも思うんだ、俺は本名では死ねないだろうと

You think anyone will care for our names?

誰が我々の名前のことなど気にすると思うんだ?

After we're dead.

俺たちが死んだ後(死んだら同じか、と訳されてました)

I thought we already were.

我々はすでに死んでいると思うが

 

 「リース」はカーラにつけられた名前で、CIA時代の偽名であり、闇を歩く人になってからの名前であり、またマシンの運命に巻き込まれてからの名前でもあった。だからフィンチは彼を「リース」と呼ぶことにしたのかもしれない。

 最後、フィンチが「我々はもう死んでいるよ」と、名前などどうでもいいということを言い、2人で歩き去ります。2人が並んで立ち去るエンディングはこの回が初めてかもしれません。見返せば見返すほど印象に残る回でした。

 

POI:ウルリック・コール(加害者)

本編:2011年(日時はっきりせず)

フラッシュバック:2006年(2月頃?)、リース(カーラとブダペスト