北溟社 「現代短歌最前線 上・下」 感想の注意書きです。
林和清④
あらかじめ選んでおいた記憶としてプールの底で涙をながした
BEDofROSES(安楽な生活)そのまま死ねるならこんなに恋することもなかった
嫌だ、その冷えた指 止せ、膵臓や脾臓をまさぐるやうな抱きかた
今までずっと端正な感じの歌を読んできて、この人は京都出身で古典講師だし、写真からみてもすっとした端正な容貌だったので、突然こういうナマな相聞歌が入ってきてどきっとしました。
しかしよく考えるとどの歌もそれなりに言葉は情熱的だったような気もするのですが、なんとなく使われている語彙の雰囲気からか、あまり情熱的な感じを受けなかったんですよね。炎よりも水のイメージというか…。その中でこういう歌はわりと直接的で、ぐっときます。
「このまま死ねるならこんなに恋することもなかった」とか、「膵臓や脾臓をまさぐるやうな抱きかた」とか…。セクシーやな…。相手はどんな女の人なんだろう、って考える一方、相手は男の人のようにも読めてどきどきしますね(笑)。
注;既婚者です。
If you love me, don’t ever look back (恋ならば振り向かないで) 噴水を浴びて水着の虹だねきみは (yuifall)
乱暴に後腹膜をまさぐって無造作に並べてほしい 感じるよすごく (yuifall)
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