左右社 出版 山田航編著 「桜前線開架宣言 Born after 1970 現代短歌日本代表」 感想の注意書きです。
松野志保
ボーイズラブ短歌、ですか。しかしこの人の空気感は、BLというよりもJuneですね。森茉莉、栗本薫、萩尾望都、竹宮恵子など「やおい」「耽美」と言われてた頃のいわゆるJuneものですね(笑)。
純粋なままに途絶えよ混じり合うことは決してないぼくと君の血
とか、
厳戒令を報じる紙面に包まれてダリアようこそぼくらの部屋へ
なんか、革命、血、死、のモチーフと同性愛って感じですもん。で、混じり合わないまま死ぬんですよ。メリバなの。
これはね、必ずしも男同士っていうわけじゃなく、『ベルサイユのばら』(池田理代子)あたりから連なる、性や生殖と切り離された純愛と心中のストーリーなんだと思います。多分男女だったらすぐに恋愛になってしまって、自然に交わることができて、次に繋いでいける。でも、寄り添っていても簡単には恋愛にならなくて、からだを繋げることもできなくて、生殖にも関わらない。
これはおそらく現実の同性愛とも異なっていて、異性愛や現実の同性愛よりももっと恋愛、セックスへのハードルが高いんですよ。で、そこを超えてまで愛し合う純愛、っていうところに視点があるのではないかと。セックスにならないぎりぎりのところに一番の萌えがあるんだな。お互い友情以上であることは分かってるんだけど、その前に死んだりしてさ。
腐女子のくせに萌え話ではなくつまらない分析を書いてしまいました。。まー、JuneとBLどっち派かって言われたら実はどっちでもなくてM/M派です(笑)。モノクロームロマンス文庫推しです!洋モノM/Mの過激さはちょっと笑えるレベルですね。基本リバやし、2人ともノリノリだし(笑)。BLが「やだ、こんなとこで…」「見せつけてやろうぜ」とか言ってる間に、”Shit! Fuck! Yes! Everyone, I’m coming!” ですからね…。度肝抜かれるわ。一方Juneは多分その前に死んでる(笑)。
血しぶきを浴びてよ僕の心臓が撃ち抜かれたら きみを見るから (yuifall)
そのゆびがぼくをBaldwinにしてつらぬくAllegro Appassionato (yuifall)