書肆侃侃房 出版 東直子・佐藤弓生・千葉聡編著 「短歌タイムカプセル」 感想の注意書きです。
仙波龍英
夕照はしづかに展くこの谷のPARCO三基を墓碑となすまで
この歌の解説文で渋谷PARCOがPart1~3まで閉鎖となったと書いてあってびっくりしてWikipedia見たら、Part1はリニューアルオープンしているようですね。TOKYO目まぐるしいな。「渋谷惑星直列篇」という連作の中の作品で、惑星が並ぶ空の下の渋谷が舞台の歌らしいです。でもその背景を知らなくても十分愛唱できそうな歌だよね。PARCOに落日みたいな…。
葬列のごとく惑星ならびそむ渋谷ハチ公燃ゆる夕べを
ってのもあります。この歌もちょっとSFっぽいけどリアルっぽくもあるな。渋谷が私にとって異世界だからリアルっぽく感じるのかもなー。他の惑星だったとしても違和感ないというか(笑)。
これ書いてる時、コロナウイルス感染症で世界がロックダウンしてる真っ最中で(2020年4~5月頃書きました)、渋谷スクランブル交差点も全然人がいなくて、PARCOや他の店もみんな閉まってて、株価は下がりまくり、三越伊勢丹は110億円の赤字で、ってニュースで持ちきりで、もうありとあらゆる意味で渋谷も日本中どこも燃えてるしPARCOも三越も何もかも墓碑だなって思いながら読んでました。
TOKYOで生まれ育ったやつもいて僕とおんなじ言葉でしゃべる (yuifall)