書肆侃侃房 出版 東直子・佐藤弓生・千葉聡編著 「短歌タイムカプセル」 感想の注意書きです。
小林久美子
こちらは雪になっているのを知らぬままひかりを放つ遠雷あなた
相手は恋人なのかな。私は雪(冬)になっていてあなたは遠い雷(夏)で、距離を感じます。私の方が心が冷めちゃってて、あなたは勝手に怒ってるみたいにも読めます。でも、解説文にもありますけど、「ひかり」という表現からはどこか明るい憧れも感じさせて、ちょっと不思議な感覚を受けます。心が離れてるのか、思い焦がれてるのか、決めかねるような。
この人の
使いなれた皿を食事であたらしく知るように ことばに会いたい
という歌、すごく好きです。知っている言葉がこんな風に使われている、知っている気持ちがこんな風に表現されている、そういう驚きとか感動に出会いたくていつも本を読むのかなって思います、私は。
秒針を睨み君との距離測る雷光のみが胸にとどけば (yuifall)